中国の紫光、台湾・力成の株式25%取得へ 米マイクロンへの出資も模索

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は台湾の現地記者、李臥龍(リー・ウォーロン)氏がレポートします。この記事は11月16日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 合併、引き抜き…株式取得で半導体産業チェーン構築を目指す 中国の紫光集団が正式に台湾のメモリー・メーカーに資本参加した。10月30日、同社はメモリ・パッケージング・テストの力成科技(パワーテック)の第三者割当増資で、発行済み株式の25%を1株当たり75台湾ドルで取得すると発表。同時に、紫光集団傘下の展訊通信と鋭迪科微電子が台湾のICデザイントップの聯発科技(メディアテック)と合併する可能性があるとも表明し、世界の半導体業界に大きな衝撃を与えた。 紫光は既に、台湾のDRAMメーカーの華亜科技(イノテラ・メモリーズ)から高啓全・前会長を、全世界執行副総裁(グローバル・バイス・プレジデント)として引き抜き、メモリー分野の布陣を整えていた。こうした動きに続く今回の行動は、台湾メモリー関連上場企業に対する初の資本参加でもある。 紫光集団の趙偉国会長は自ら台湾を訪れ、この投資案件を発表した。これらの一連の動きは、「チップからクラウドコンピューティングまで」という完璧な産業チェーンを構築するためだ。力成科技はメモリーの後工程であるパッケージング・テストのメーカーである。紫光集団は将来、中国でNAND型フラッシュメモリーに積極的に進出しようとしており、それに必要な安定したパッケージング・テストの生産能力を確保したことになる。力成科技は1997年創業で、現在はパッケージング・テストで世界第5位に位置している。アメリカのメモリー・メーカーであるキングストンテクノロジーが大株主で、約3.83%の株式を保有し、取締役4ポストを持っている。また、台湾東芝半導体も1ポストを持っている。将来、紫光集団の資本参加に合わせて、増資後の株主構成と取締役ポストは変動があると見られている。紫光集団はここに高啓全氏を法人代表として派遣してくると予測されている。 「う回作戦」…虎視眈々と買収をねらう 消息筋によると、紫光はDRAM大手のアメリカのマイクロン・テクノロジーに買収を申し込んで拒否された後、「う回作戦」を採用した。まず、38億米ドルでハードディスク大手のアメリカのウェスタン・デジタルの株式15%を買収。さらに、このウェスタン・デジタルを通じ、フラッシュメモリー大手のアメリカのサンディスクを買収し、フラッシュメモリー分野に衝撃を与えた。こうして着々と、「チップからクラウドコンピューティングまで」に関連する技術と生産能力を構築している。紫光集団はまた、傘下のチップメーカーである同方国芯電子による増資で800億人民元を調達し、半導体業務に投じることを計画している。うち、37億9000万人民元を力成科技の株式25%買収に充てるほか、600億人民元をメモリー工場建物の建設に、残りの162億人民元を半導体関連企業の買収に、それぞれ充てる予定だ。   米マイクロンは紫光との資本提携に積極的 消息筋によると、紫光集団は工場建設に当たって「合資」方式で進めることを考えているという。現在、合資の対象として交渉を進めている企業には、すでに遼寧省大連市での工場建設を発表しているアメリカのインテルのほか、技術を持つ韓国のSKハイニックス、マイクロン、日本の東芝(6502)がある。 このほか、紫光集団はまた、マイクロンとの提携の戦略を変更し、ウェスタン・デジタルの方式を採用し、マイクロンに資本参加する可能性も模索している。 紫光集団が発表した800億人民元の増資で、引受先として親会社の清華控股に所属する西蔵紫光国芯、西蔵紫光東岳通信、西蔵紫光神采、西蔵紫光樹人教育、国研実業、同方国芯などの9社が含まれていたことから、マイクロンがこれに特に注目。双方は積極的に提携交渉を進めており、これが双方の提携成立を促進すると予測されている。  

インドネシア経済、7~9月期は回復か インフラ投資寄与、個人消費に懸念も

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。この記事は11月5日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 GDP低調改善なるか…市場は4.8%成長を予想 東南アジア最大の経済国であるインドネシアに景気回復の兆しがみられるかどうか、投資家は5日に発表される2015年7~9月期の国内総生産(GDP)の結果を注視している。  8000億米ドル程度の経済規模を誇るインドネシアの7~9月期GDPは、政府支出の拡大を背景に前年同期比で4.8%成長するとの予測がエコノミストらの一致した見解だ。市場予想通り4.8%成長を達成すれば、4~6月期の4.67%成長を上回り、2014年10~12月期以降で初めて経済成長率が拡大することになる。  シンガポール在住でDBS銀行のエコノミスト、ガンディー・カヒャディ氏は「7~9月期のGDPで投資の伸びが回復していることを示す何らかの兆候があれば、今後の見通しのプラス材料になる」と指摘する。「8月には貸し出しが伸び、特に新規投資に向けた融資が回復していることは好材料だ。政府は年末に向けて予算執行を急いでおり、こうした資金流入が民間企業に前向きな影響を及ぼすことから、全体的に投資が拡大している可能性もある」(カヒャディ氏)という。 投資の受け入れ好調も家計消費は依然として低迷 インドネシアの投資調整庁(BKPM)のデータによると、投資実現額(石油、ガス、銀行部門を除く)は7~9月期に前年同期比17%増加している。とりわけ、海外直接投資(FDI)は、シンガポール企業と日本企業の投資が堅調だったことで、同18%の増加を記録した。  インドネシアの経済成長を占う上で重要な指標の一つであるセメント販売量は、今年に入り7カ月間にわたって減少していたが、8月は一転して16%増に転じ、9月も3%の増加となった。  インドネシア・セメント協会(ASI)のウィドド・サントソ会長は「インフラ整備のほか、住宅・マンション建設が進んでいることが、セメント販売量が増加した理由だ」と説明する。同会長は「政府が公共案件の予算執行を進めていることから、セメント販売量は年末まで拡大し続けるだろう」との見方を示している。  一方、一次産品の海外輸出が縮小しているうえ、電子機器や機械、衣料品の輸出量も横ばい圏で推移していることから純輸出はインドネシアの成長にあまり寄与していない。また、消費者が家計収入の低下を受けて支出を見送る傾向にあるため、同国GDPの55%を占める家計消費は低迷状態が続いている。  インドネシア中央銀行の調査によると、9月の消費者信頼感指数(IKK)は97.5と、8月の112.6から大幅に低下し、2010年8月以来の最低水準となった。これは、消費者が今後の収入についてほとんど楽観的ではなくなったことを意味している。 5つ経済政策、景気浮揚の切り札となるか ジョコ・ウィドド大統領は、9月9日から10月15日の間に、投資と対外貿易に関する煩雑な手続きの合理化や企業が負担するエネルギー費用および輸送費用の軽減、中小企業向け輸出関連資金の調達支援など、5つの景気浮揚策を打ち出した。  インドネシアの国会本会議が10月30日、2016年度予算案を可決したことは経済を活性化させようとする政府の取り組みへの支持の表れといえる。同予算案には、来年度に5.3%のGDP成長率を達成するため、国営企業を通じた多くのインフラ開発関連支出が盛り込まれている。来年度の推定財政赤字は、対GDP比2.5%に相当する273兆ルピア(約200億米ドル)となる見込みだ。 【翻訳・編集:NNA】

台湾TSMC、iPhoneチップでサムスン上回る評価 半導体、ゼロ成長で競争激化か

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は台湾の現地記者、李臥龍(リー・ウォーロン)氏がレポートします。この記事は11月2日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 ナノメートルで性能変わる…競争激化する半導体業界 米アップルの新機種iPhone6sとiPhone6sプラスについて、新プロセッサーのA9チップに半導体受託生産会社(ファウンドリー)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)と韓国サムスン電子の製品をそれぞれ採用したことから、ユーザーテストで両機種のバッテリー消費量に1時間の差が出た。このニュースは台湾から全世界へと伝わり、返品騒動を引き起こした。  アップルは後にiPhone6sとiPhone6sプラス両機種のバッテリー使用の差はわずか2~3%に過ぎないと説明した。しかし、市場ではTSMCの回路線幅16ナノ(ナノは10億分の1)メートル製造プロセスで生産されたA9チップがサムスンの14ナノメートル製造プロセスのA9チップを性能上で大きく上回るとの認識が一般的となっている。 こうした3次元構造の半導体設計の領域に突入したファウンドリー間の競争は、回路線幅が1Xナノ(10ナノメートル台)に突入に伴い熾烈(しれつ)化しつつあるようだ。 半導体の設備メーカーによると、TSMCは16ナノメートルでサムスンに出だしで遅れをとったものの後に同社を追い越す勢いとなり、TSMCのプロセス技術能力にアップルも注目している。次世代機種iPhone7に搭載するA10プロセッサーの生産をすべてTSMCに託す可能性もあるという。 これだけにとどまらず、これまで生産委託を分散させていた米クアルコムも2017年にTSMCの10ナノメートル製造プロセスを大々的に採用する予定だ。これによりTSMCは10ナノメートルの試験生産の進展を一段と速めて、サムソンを一層引き離す。 ゼロ成長も株価への影響は一時的か しかし、TSMCは今月中旬に開催した機関投資家向け業績説明会で、今年の設備投資を当初予定の105億~110億米ドルから80億米ドルへと大幅に下方修正すると発表した。削減幅は2割を超すが、依然として米インテルの73億米ドルを上回る規模だ。  TSMCの説明によると、20ナノメートルの設備のうち95%を16ナノメートルに転換可能であり、これに伴う設備調達の削減が設備投資の下方修正の30%を占めるという。さらに、生産効率の向上で可能となる機械購入の削減が下方修正の33%を占める。その他の投資削減は設備購入を来年に繰り越すことによるという。  TSMCは同時に、今年の半導体の成長予測値を当初予測の3%からゼロ成長へと下方修正した。同社が今年の成長率予測を下方修正するのは3度目。また、半導体の在庫調整が年末まで続くとの見方を示した。  さらにTSMCにとってマイナスなニュースであるのが、ハイテク関連ウェブメディア「ベンチャービート」の報道だ。同社の報道によると、インテルがアップル社の次期iPhoneに搭載するモデムチップの受注とSoC(システム・オン・チップ)の生産受託を希望しており、クアルコムまたはTSMCへの発注分を奪うもくろみだという。  もっとも、これら2つのマイナス報道もTSMCの株価に影響を及ぼすまでには至っていない。同社の株価は業績説明会前から上げ基調が続き、業績説明会で設備投資の大幅削減が明らかになって下落する局面もあったが、その後は再び堅調に推移している。 18年めどに南京で量産体制確立へ 一方、TSMCの中国進出計画については、同社の設備サプライチェーンから得た情報によると、同社が初めて中国大陸で設立することになる12インチのウエハー工場の場所が南京に確定した。同工場では16ナノメートルのFinFET(フィン型電界効果トランジスタ)製造プロセスを当初から直接導入し、17年末に試験生産、18年から正式に受注と量産を開始する予定という。  台湾中部の中部科学工業園区(中科)にあるTSMCの中科15工場の立ち上げも急ピッチで進んでいる。第1期で16年第2四半期(4~6月期)に装置が設置され、10ナノメートル製造プロセスを当初予定から半年前倒しして16年末までに段階的に稼働させる計画だ。

中国・習主席、積極経済外交で海外進出強化 インフラ関連銘柄に恩恵

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、香港の現地記者ジェスロ・オー氏がレポートします。この記事は10月28日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 習主席の米英訪問、中国の重要計画展開に寄与 中国の習近平国家主席が過去2カ月間、次々と忙しく外国を訪問した。9月の米国公式訪問に続き、10月には400億ポンド超のビジネス契約を「手土産」に英国を華々しく訪問、中英両国は包括的戦略パートナーシップを構築すると高らかに発表した。このように中国の指導者が2カ月間で米国と英国を相次いで訪問するということは極めて異例だ。  今回の習主席の米英訪問は、中国共産党の第13次「5カ年計画」策定前であることに特別な意味がある。習主席の外交強化は、次期5カ年計画で「一帯一路(新シルクロード)」やアジアインフラ投資銀行(AIIB)といった重要な計画を本格的に展開するうえでプラスとなる。 「5カ年計画」、成否のカギは中米相互の信頼関係か 「5カ年計画」は中国政府の経済と社会の発展に関する遠大な計画である。第1次「5カ年計画」は「一五計画」と称され、1953~57年にかけて実施された。これまでに12回の「5カ年計画」が行われている。そして、習主席が訪英から帰国した後の10月末に開催される中国共産党の中央委員会第5回全体会議(5中全会)で、2016~20年の第13次「5カ年計画」の枠組みが決定される。このような重要な国家計画に関する会議を前にして習主席が米国や英国を続けて訪問したのは、彼が既に政権を掌握することで中国の政局が比較的安定しており、今後は経済発展の促進に全力で取り組むという姿勢を対外的に示すためだと思われる。また、積極的な外国訪問は習主席が主張する「一帯一路」やAIIBが発展していく上での障害物を取り除くことにもなる。  「一帯一路」とAIIBは、中国が近隣国との経済的な連携を強め、経済や貿易に関する発言権を一段と発揮する場となる。この2つの計画により、中国は欧米が牛耳る世界銀行や国際通貨基金(IMF)に対抗するのだという見方もある。しかし、経済的な観点では、中国は「一帯一路」とAIIBを通じて発展資金を渇望するアジア新興国市場に資金と市場開拓のチャンスを提供することに協力する。  同時に、中国は余剰生産能力を「輸出」することができ、双方に利するウィン・ウィンの関係だと言える。「一帯一路」沿線国は、中国がインフラ建設発展への融資の旗振り役となって協力し、中国と経済貿易の地域的な連携を強めることを大いに歓迎している。ただ、米国はこれまで、この2つの計画に疑問を抱き、非協力的な姿勢を示してきた。このため、習主席の訪米で中米の相互信頼を高めれば、2つの計画への参加に関心を抱く他の諸国の計画に対する自信を一段と強める。  一方、英国は欧州の中で率先してAIIBに参加した国だ。習主席の訪英はAIIBに対する英国の支持に謝意を示すと同時に、両国の関係を強化することで2つの計画を全力で推進するための基盤を固めることになる。習主席とキャメロン英国首相は一緒にパブへ行き、フィッシュ&チップスやビールを味わっており、両者は友好をそれなりに深めたようだ。 市場はインフラ関連銘柄に注目 5中全会は10月26~29日まで開催される。すなわち、習主席の帰国後に開かれるタイミングだ。国有企業改革とインフラ強化による経済発展が焦点になると伝わっている。習主席の訪米と訪英で「一帯一路」とAIIBの発展基盤が強化され、外交の場が確立されたことで、中国は次期「5カ年計画」でインフラプロジェクトの海外進出チャンスの拡大に全力で取り組むことになるだろう。このため、インフラ関連銘柄は今後の中国・香港株式市場で引き続き輝かしいスター銘柄であり続けるとみられる。

インドネシア、セメント需要に回復の兆し 供給も増加で競争は激化か

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はRHB OSK証券インドネシアのアンドレイ・ウィジャヤ氏がレポートします。この記事は10月30日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 インフラプロジェクト増加…競争激化に懸念も インドネシアのセメント需要に回復の兆しが見えている。9月の販売量は、8月に引き続き堅調な伸びを維持した。ジャワ島とカリマンタン島以外での販売量が拡大、インフラプロジェクトが増加したことが背景にある。当社が追跡しているセメント企業に関しては、新規のインフラ案件関連で受注したことが分かった。ただ、向こう2年間で供給量が増大する見通しであることから、競争が激化すると予想し、インドネシアのセメントセクターの投資判断は「ニュートラル(中立)」を維持する。 9月セメント販売量、年初来最高水準も伸び率は減少 ■販売量の伸びは堅調に推移 9月の国内セメント販売量は、ジャワ島とカリマンタン島以外で販売量が拡大したほか、インフラ事業が増加したことから、年初来の最高水準となる570万トンに達した。8月の550万トンから4.7%増加している。1~9月の累計国内販売量は、4230万トンに達している。ただ、伸び率は前年同期比で1.7%減だった(1~8月では同2.3%減)。ジャワ島とカリマンタン島のセメント販売量が91万トン減少した一方で、スラウェシ島やスマトラ島、東部インドネシアでの販売量が18万トン拡大したことで、減少分の一部は相殺された。 ■回復の兆し 2015年第3四半期のセメント販売量は1450万トンと、前年同期の1400万トンから3.6%増加した。当社が追跡しているセメント企業は、新規のインフラ案件関連を受注している。セメン・インドネシア(コード@SMGR/JK、買い、目標株価:1万500ルピア)は、軽量高架鉄道(LRT)、東カリマンタン州バリクパパン~サマリンダ高速道路や東ジャワ州スラバヤ外郭環状有料道路の建設事業、中ジャワ州スマランのアフマドヤニ空港の拡張工事へのセメント供給契約を獲得した。また、インドセメント・トゥンガル・プラカルサ(インドセメント、コード@INTP/JK、中立、目標株価:2万ルピア)は、ジャワ島横断高速道路の中ジャワ州ソロ~東ジャワ州クルトソノ間の第1区間、西ジャワ州バンドンのソレアン~パシルコジャ高速道路、ジャカルタ外郭環状線(JORR)の西ジャワ州デポック~南ジャカルタ・アンタサリ間に関してセメントの供給を受注している。 セメント供給、需要を上回る見通し ■セメン・インドネシアがシェア首位 セメン・インドネシアは、2015年第3四半期に市場シェアを前四半期の42.2%から42.9%に伸ばした。一方、インドセメントの市場シェアは、前年同期の29.8%から26.8%に縮小した。ホルシム・インドネシア(コード@SMCB/JK)の市場シェアは、同期間に14.7%から14.4%に縮小している。東部インドネシアの販売量が堅調に伸びたことで最大の恩恵を受けたのは、セメン・インドネシアだった。セメン・インドネシアとインドセメントの経営陣はまた、2015年第3四半期の平均販売価格(ASP)が前四半期比で約2%下落したことを明らかにしている。販売量に占めるバラセメントの割合が増加したことと、販売価格の低下が要因だという。 ■投資判断:中立 セメント需要の拡大は見込めるが、供給量が需要を上回る速度で増加すると予測されることから、インドネシアのセメントセクターへの投資判断は「中立」を維持する。なぜなら当社は、国内セメント業界の競争が激化すると予想しているからだ。インドネシアのセメント生産能力は2015年度に前年度比20%、2016年度に同10%増加するのに対して、セメント販売量の増加率が2015年度に前年度比3.5%、2016年度には同6%にとどまると想定しており、当社の計算では2014年度に87%だった国内セメント生産設備の稼働率は、2016年度に72%に低下する見通しだ。 【翻訳・編集:NNA】

香港にIMAXチャイナが新規上場 中国映画産業は急成長、興行収入は米国に匹敵

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、フィリップ証券(香港)のルイス・ウォン(Louis Wong)氏がレポートします。この記事は10月13日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 IMAXチャイナHD上場…先進的映写システムの提供で4億香港ドル超を調達 映画好きであれば、IMAXについて聞き覚えがあるだろう。IMAXの映写システムは、IMAX DMRという映像リマスタリング技術や先進的な映写システム、湾曲スクリーン、幾何学的な構造を持った専用シアター、プロフェッショナルな音響システムを結集して、従来の映画館よりも強烈で臨場感のある刺激的な体験を映画の観客に提供する。 中華圏でIMAX技術を提供するIMAXチャイナ・ホールディング(コード@1970/HK)が10月8日に香港株式市場に上場した。資金調達額は約4億6000万香港ドル。同社の主要業務は映画館業務と映像業務の2大業務からなる。このうち映画館業務には、提携先である映画館運営会社を対象とした優れたデジタル映写システムの設計、調達、提供のほか、関連プロジェクト管理や継続的なメンテナンスサービスの提供が含まれる。一方、映像業務には、専有のDMRリマスタリング・プロセスにより、ハリウッドや中国語の映画をデジタルリマスター技術を用いてIMAXフォーマットに変換し、中華圏のIMAX映画館ネットワークでこれらの映画を放映することが含まれる。 映画館業務の収入は、映画館運営会社から徴収するIMAX映写システムや同システム関連のサービスやブランド・技術ライセンス、メンテナンスサービスに関する費用からなる。一方、映像業務の収入は、提携先の映画製作会社のIMAXフォーマット映画興行収入の中から固定の比率に基づいて得る利益からなる。このような収益体制とすることで、映画興行収入の成功を共有する一方、映画製作に必要な大量の資金投資に伴うリスクを抑えることができるのだ。 月間興行収入が初の米国越え…急成長する中国の映画産業 過去数年間、中華圏でIMAXシアターの数は急速に増加した。中華圏で運営されているIMAXシアターの数は、2012年時点で128カ所、13年時点で173カ所、14年12月31日時点で234カ所、15年6月30日時点で251カ所となっており、年平均成長率が30.9%に達した。中国で設立されてから15年近くとなるIMAXチャイナが同国で運営する商業用IMAXシアターは今年6月末時点で221カ所と、中華圏で運営されているIMAXシアター全体の88%を占めている。また、今後に提携契約が結ばれることになるIMAX放映システムが217カ所あり、その多くが商業用映画館で、97.2%が中国にある。 ここ数年間で中国の映画産業は急速に成長した。統計によると、10年~14年の期間における中国の映画興行収入の年平均成長率は30.7%だった。一方、同期間の米国の映画興行収入の年平均成長率はマイナス0.5%、世界全体ではわずか4.2%だった。中国の映画興行収入は今年1~9月期で327億人民元に達し、前年同期の217億元から51%増加した。今年2月、中国の月間映画興行収入は初めて米国を越え、中国は世界最大の映画市場となった。今年は映画興行収入が400億元を突破する見込みだ。 中国では映画興行収入の急増とともに映画館の数も急激に増えている。10年時点で2000だった映画館の数は、14年に5813に達した。今年上半期(1~6月期)では新たに600が増設され、6413となった。また、同期間にスクリーンの総数は2449スクリーン増の2万6244となり、1日当たり平均で13.5スクリーン増えた。座席の総数は30万6000席増加、1当たり平均で1692席増となった。17年には映画館が9591、スクリーンが4万123に達すると予測されている。   ”映画館チェーン”…独特な政府規定も 香港株式市場に上場する企業の中には、星美ホールディングス・グループ(コード@198/HK)や橙天嘉禾娯楽(コード@1132/HK)といった中国の映画業務に携わる企業がある。星美は今年6月末時点で中国の主要都市に映画館が130、スクリーン数では1000超を有している。同社の中国全土における映画館の総数は15年末時点で200に達する見通しだ。また、同社の映画興行収入は今年1~8月期で前年同期比89.34%増加し、中国全土の同期の増加幅である47.73%を大きく上回った。一方、橙天嘉禾娯楽は今年6月時点で中国で映画館を合計63運営しており、スクリーン数が合計447となっている。 中国の映画産業における「映画館チェーン」とは、独特のものである。同国政府の規定によれば、中国の映画館はいずれも映画館チェーンに属さなければならない。また、映画館チェーンが映画館の放映権限をコントロールしているため、映画配給会社が映画館に映画を直接配給することができない。今年1月時点で中国では合計48の映画館チェーンがあり、トップ10の映画館チェーンが中国の映画興行収入の66.8%を握っている。最大の映画館チェーン運営会社は深センの中小企業向け株式市場「中小板」に上場する万達電影院線(コード@002739/SZ)である。  

台湾半導体、業界再編と相場急変でM&A相次ぐ 自社株買いも広がる

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は台湾の現地記者、李臥龍(リー・ウォーロン)氏がレポートします。この記事は9月2日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 世界最大手の日月光、セキ品精密工業に協力を提案も反応は冷ややか 世界の半導体産業の再編の動きに対応するため、台湾の半導体産業でも、合併の動きが活発化している。この1~2週間のうちに2件の合併案が持ち上がった。 半導体後工程(パッケージング・テスト)の世界最大手である日月光(ASE)は、1株45台湾ドルで、セキ品精密工業(SPIL)の普通株と米国預託証券(ADR)を合わせた5~25%相当の株式を取得すると発表。新勢力の台頭に対応するため、互いに協力し合うことを提案をし、誠意を示した。 パッケージング・テストの同業者によれば、日月光のこの行動は、セキ品精密工業が最近、アップルから指紋識別システム向けチップなどSiP(System in Package、複数のチップを1つのパッケージに封止する技術)の受注に成功したことから、将来的にセキ品精密工業とアップルの関係がより緊密化することを恐れ、先手を打って買収を実施し世界トップの地位を固める狙いがあるという。 この株式の公開買い付け(TOB)は、9月22日を締切日としている。現在のところ、セキ品はこれを敵対的買収とみなし、法的手段を通じて経営権を守るという態度を示している。 業界再編、台湾ではM&A相次ぐ 一方、聯発科技(メディアテック)傘下の晨星半導体(MStar Semiconductor)の子会社である晨発科技は、1株51台湾ドルで奕力科技(ILITEK)の株式を買収すると発表し、世界的なタッチパネル向けチップとLCDドライバチップの合併の動きに対応しようとしている。これより先に、すでにタッチパネル向けチップ・メーカーの敦泰電子(FocalTech)が、ドライバチップの旭曜科技(Orise Technology)の合併を発表した。タッチパネル向けチップ大手の米シナプティクス(コード)も、ルネサスエレクトロニクス(6723)傘下のルネサスエスピードライバを合併している。 晨発科技による奕力科技の買収計画は来年第3四半期(7~9月期)に完成し、合併後は晨発科技が存続会社となり、奕力科技は消滅する。 このほか、最近の世界的な株式相場の変動に直面して、台湾のハイテク産業も積極的に整理を進め、戦力の集中を図っている。例えば、台湾積体電路(TSMC)は、今年初めにLED照明の子会社である台湾固態照明(SSL)の株式を晶元光電(エピスター)に売却したのに続き、最近ではさらに6年間にわたって奮闘を続けてきた台積太陽能(TSMCソーラー)の業務を8月末に停止することを決定した。台積太陽能の赤字は台湾積体電路の株価を1株当たり0.07台湾ドル引き下げている。台湾積体電路が投資しているもう一つの太陽電池メーカーの茂迪(Motech)の株式についても、段階的に売却することを計画している。 台湾積体電路は太陽電池事業から撤退することで、台積太陽能の350人の従業員を台湾積体電路に移した。これによって、台湾積体電路は本業である半導体ウエハ・ファウンドリに専念し、12インチ・ウエハの生産能力拡大に全力を挙げることになる。これには、中国での12インチ・ウエハ工場への投資も含まれている。台湾積体電路は9月に中国当局に対して12インチ・ウエハ工場の建設申請の提出を予定している。 自社株買いの動きも…投資家保護と経営の自信示す 世界的な株価の下落に対して、台湾の多くの上場企業は自社株買いを実施し、自社株の株価を守ろうとしている。統計によると、8月以来、台湾ではすでに上場121社が自社株買いを実施しており、特に8月中下旬に急速に増えている。買い戻した株式数で最も多いのは金融持ち株会社の中華開発金融控股(コード@2883/TW)とウエハ・ファウンドリの聯華電子(UMC)だ。いずれも2億株を買っている。このほか、金宝電子、宏達国際(HTC)もそれぞれ5000万株を買い戻している。 一部の上場企業では、オーナーが自ら個人名義で自社の株式を買っている。中租(チャイリース、コード@5871/TW)の辜仲瑩会長、群光電能の林茂桂会長、宸鴻光電(TPK)の江朝瑞会長などが挙げられる。いずれも、投資家に対して自社の経営に対する自信を示すことを目的としている。

インドネシア、ルピア安も銀行は現時点で「安全」 強固な資本基盤で

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。この記事は8月31日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。 通貨安進行も大多数の銀行は資金注入要さず インドネシアの銀行には、中国の景気低迷と人民元切り下げの影響に伴うルピアの下落から生じたショックを乗り切ることができる強固な資本基盤がある。インドネシア国内の銀行は、同国の経常収支が赤字に陥っている中で同国経済に資金を提供するため、過去数年間にわたって対外債務に依存してきた。残念なことに、ルピア安はそうした債務に対する国内銀行の返済能力低下につながる。ルピアの対米ドルレートは、年初から13%下落している。  ただ、インドネシア金融監督庁(OJK)のネルソン・タムプボロン副理事は「我々はいつも金融機関に対して、あらゆる変化に非常に敏感な、そして用心深い姿勢を取るよう警告している」と述べた。OJKが5カ月前に実施した最新の銀行の健全性審査によると、ルピアの対米ドル相場が1米ドル=1万5000ルピアまで値を下げた場合に資金注入が必要になる銀行は、インドネシアの銀行120行のうち小規模な5行のみだった。足元でルピアは1米ドル=1万4000ルピア程度の水準で推移している。   一段安に警戒、国内銀行の自己資本比率は2割超える OJKのデータによると、国内銀行の6月末時点の自己資本比率は20.3%に上り、起こり得るあらゆる損失に対応できる資本基盤の強さがうかがえる。インドネシア中央銀行は銀行各行に対して、自己資本比率を8%以上に維持するよう要請している。  OJKのデータでは、銀行の流動資産も非コア預金の約81%をカバーすることが可能な水準となっており、健全な流動性を示している。  インドネシア中銀のアグス・マルトワルドヨ総裁は「我々は国際情勢を注意深く見守る必要があるが、ルピア安にもかかわらず、インドネシアの銀行システムは健全かつ安全だ」との見解を示している。  一方、ルピアのさらなる下落を予測して警戒心を示している銀行もある。匿名を希望するある小規模銀行の幹部は「為替レートが1米ドル=1万6000ルピアの水準まで下落した時に当行の体力が試されると考えている。それは当行が考えるまさに最悪の筋書きだ。さらにルピアが下落した場合どうなるのかは、想像もできない」と話している。 ただ、アグス総裁は「中央銀行が中国の突然な人民元切り下げに端を発したいわゆる『通貨戦争』に参戦し、ルピアのさらなる下落を促すことはない」と述べている。 実質実効為替レートは過小評価…材料輸入に影響も 国際決済銀行(BIS)の実質実効為替レートのデータをみると、ルピアは依然として米ドル以外の主要通貨に対して過小評価されていることが分かる。このことは、国際貿易で同国の競争力になるはずだ。  一方、DBSグループ・ホールディングスのエコノミストで、シンガポール在住のガンディ・キャヒャディ氏は「インドネシア中銀がルピア安をいつまでも許容できるわけではない。まず、ルピア安による直接的なインフレ圧力がある。さらに重要なことに、インドネシアは輸出品の生産過程で輸入材料を多く使用していることを考えると、ルピア安はインドネシア経済にとって大きな障害になっていく」と指摘している。 【翻訳・編集:NNA】

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