企業価値研究所

マブチモーター(6592)こだわりの千葉・香川県産品を是非! 【株主優待戦略を聞く】

「優待品の食品は、実際に試食をしたうえで厳選したものを提供しています。」と語るのは管理本部 総務部の宮内剛マネジャー。マブチモーターの株主優待は、千葉県産品及び香川県産品、オリジナル品並びに社会貢献活動への寄付の中から希望のものを選択できる。千葉県はマブチモーターの本社所在地、香川県はマブチモーター創業の地だ。 株主優待の選択肢選定に当たって、広く株主のご希望に添えるようにしている。千葉・香川県産品は前回の株主優待品の中でお申し込みが多かった優待品を選択肢に残し、他は新しく選定しなおすなどの工夫を凝らしているそうだ。2017年12月期の優待品は、今まさに発送しているところだという。 左から宮内氏、髙木氏 ここまで優待品の内容にこだわるのは、個人株主に末永くマブチファンを続けてほしいと考えているからだ。「マブチモーターはB2B企業です。株主優待は、当社のオリジナル性を出しつつ、マブチファン(個人株主)を増やすための活動ととらえています」(宮内マネジャー)。 株主優待導入は2015年。マブチモーターは、外国法人の所有株数比率が増加(※1)する一方で、個人の比率(※2)が伸び悩みとなり、個人株主の拡大が課題と考えていた。個人株主増加策の一環として、2015年に株式分割(1:2)を実施し、株主優待制度を開始した(初年度のみ年2回実施、以降は12月末の年1回)。その効果があって個人株主は増加(※3)し、「株主優待は、マブチファン(個人株主)の増加に良い効果があったと考えています。」(宮内マネジャー)という。 ※1 外国法人等の所有株数比率は26.1%(2010 年12 月)から36.2%(2014 年12 月)に増加。 ※2 個人・その他の所有株数比率は27.1%(2010 年12 月)から22.1%(2014 年12 月)に減少。 ※3 個人・その他の所有株数比率は8,541 名(2014 年12 月)から14,093 名(2017 年12 月)に増加。 「マブチS-1」 オリジナル品の水中モーター「マブチS-1」は、1997年に惜しまれつつも生産を終了した商品だ。当時の図面によりオリジナル通りに復刻し、2016年12月期の優待品にタオルとのセットで初登場。株主から好評を博したため、2017年12月期もモーターの色を変え、継続して登場となった。「子供のころにお風呂などで「マブチS-1」を使って遊んだ記憶のある個人株主様が、この商品を懐かしく思い、選択されているのではないかと考えています。」と管理本部 広報IR室付の髙木理担当課長。 マブチモーターは、独自性のある優待品で、個人株主を飽きさせない工夫をつづけている。 株主優待 100株以上 県産品等の中から選択 ≪対象株主≫  基準日(12月末日)現在の株主名簿上で、当社株式を1単元(100株)以上保有している株主。   ≪優待内容≫  本社所在地である千葉県及び創業の地である香川県のそれぞれの県産品、当社オリジナル品並びに社会貢献活動への寄付の中から1つまたは2つ選択できる。  100株以上200株未満   ⇒2,000円相当の優待品、社会貢献活動への寄付等から、希望のものを1つ選択  200株以上1,000株未満  1,000株以上(継続保有期間:3年未満)   ⇒3,000円相当の優待品、社会貢献活動への寄付等から、希望のものを1つ選択  1,000株以上(継続保有期間:3年以上)   ⇒3,000円相当の優待品、社会貢献活動への寄付等から、希望のものを2つ選択 ※3年以上継続保有の株主とは、6月末日及び12月末日時点の株主名簿に、同一株主番号で、7回以上連続で記録された株主とする。 ※2017年12月期 株主優待品実績  ○千葉県産品   ソーセージ詰め合わせ(サンライズファーム)、日本酒詰合せ(亀田酒造)、   落花生詰合せ(オオノ農園)、多古米(米処 結米屋)  ○香川県産品   オリーブ豚チャーシュー(パイプライン)、サーモン・鰆・こめ豚の味噌漬け(古家本舗)、   小原紅みかん缶詰(讃岐缶詰)、おととせんべい詰合せ(象屋元蔵)  ○当社オリジナル品   水中モーター「マブチS-1」と今治タオルのセット ≪送付時期≫  基準日翌年5月~6月頃の発送を予定。 ≪注意事項≫  ・優待関係書類に明記された申込期限までに申込みの無い場合は、無効となる。申込期限後に申込書類を送付した場合も、優待品を送付できない。  ・優待品を確実に株主へ届けるためにも、住所等変更の際は、取引の証券会社等へ住所変更の届け出をすること。  ・寄付を選択した場合、領収書の発行はできない(寄付先は優待関係書類に記載)。 会社プロフィール 小型モーターの大手メーカー 創業より小型モーター専業にて事業を展開。現在は、自動車電装機器を主力とするが、家電機器、工具、玩具模型、精密・事務機器、音響・映像機器など多種多様な用途にも供給する。自動車電装機器用小型モーターにおける販売数量は、世界No.1を誇る。 同社のモーターは、主に自動車のパワーウインドウ、パワーシート、パーキングブレーキ、ドアロック、ミラーなどに用いられるブラシ付で、同社はブラシ付モーターが主力。高性能が求められる自動車電装機器向けの開発・販売強化で収益拡大を継続している。国内外で研究開発、販売・技術サービスを行うグローバル化を実践、1991年以降、海外生産100%となるなど、海外での事業展開に積極的。 <売上構成>(17/12期連結、モーター売上高): 自動車電装機器72%、民生・業務機器28%。地域別の売上比率は、日本9%、アジア55%、アメリカ13%、ヨーロッパ24%。 1954年、東京都葛飾区に東京科学工業株式会社を創立し、小型モーターの本格的な製造販売を開始。1971年、現社名マブチモーター株式会社に商号を変更。   (提供:QUICK企業価値研究所) 本サイトに掲載の記事は、QUICK企業価値研究所が取材したものです。最新の株主優待内容は、必ず当該企業のホームページなどでご確認いただくようお願いいたします。 QUICK企業価値研究所では、各企業の株主優待の内容の詳細、優待の金額換算値などの情報を提供しております。ご興味のある方は、以下フォームよりお問い合わせください。 ※ 個人投資家の方は各企業の株主優待情報等を「QUICKリサーチネット」よりご覧頂けます。サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。 ※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。

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「ピョンハッタン」に沸く国境の街 雪解け北朝鮮、思惑マネーが向かう先

史上初の米朝首脳会談を6月に控え、東アジアの一部の投資家の間で「北朝鮮人気」が盛り上がっている。北朝鮮と国際社会の関係が改善し、あわよくば経済の改革・開放まで進めば、周辺地域や関連ビジネスを手掛ける企業が潤うのではないか――といった期待が背景にある。当然ながら、こうした動きは思惑先行の域を出ない。市場関係者や現地メディアの空騒ぎに終わる可能性も大だ。 ■中朝ビジネス関連株もにぎわう 中国国家統計局が16日発表した4月の新築住宅価格のデータに、ある「異変」が起きた。中国の主要70都市のなかで前月比の値上がり率が最大となったのは遼寧省丹東市(2.0%上昇)。言わずと知れた北朝鮮との国境の街で、中朝貿易の7割を担う。遼寧省を含む中国東北部は概して景気が低迷しているが、丹東市だけは別のようだ。 住宅価格は米朝間の雪解けムードとともに急上昇し、市政府は今月14日に住宅購入制限策を打ち出したほどだ。似たような話は韓国にもある。台湾の自由時報(電子版)が先週伝えたところによると、北朝鮮との軍事境界線に近い非武装地帯(DMZ)周辺の地価が上がっているという。 「北朝鮮は経済的な未踏地だ」(台湾の週刊誌・鏡週刊)。朝鮮半島情勢への注目が高まるにつれ、アジアの投資家やビジネスマンの間でこんな認識が浮上している。香港紙の明報は4月下旬、韓国のコンサルティング会社の分析として、北朝鮮はインフラや物流・消費、観光など7つの分野で商機があると伝えた。鉄鉱石などの地下資源が豊富なほか「アパレル生産の基礎技術が普及済みで、同産業に強みを持つ韓国と手を組めば、世界に通じるサプライチェーン(供給網)を形成することも可能」(鏡週刊)との期待がある。 こんな思惑を背景に、中国・上海株式市場では北朝鮮とゆかりのある企業の株式がにぎわっている。例えば丹東市を本拠とし北朝鮮向けのバスを生産したこともある遼寧曙光汽車集団の株価は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が電撃訪中した3月末に急伸した。北朝鮮に近い中国・吉林省の旅行会社である長白山旅遊も今年に入り堅調に推移している。経済交流の活発化をにらんだ動きだ。 ■「平壌に高層ビル林立」のびっくり予想 市場には、金委員長が過去の指導者よりも経済の改革・開放に前向きなのではないかとの観測がある。今月には金氏の側近である朴泰成(パク・テソン)朝鮮労働党副委員長を団長とする視察団が訪中し、「北京のシリコンバレー」と呼ばれる中関村地区を訪れた。スイス留学経験もある若い金氏は西側の経済体制になじみがあるのではとの見立てだ。 香港メディアには、北朝鮮が市場経済の導入に成功すれば「首都の平壌に、米ニューヨークのマンハッタンのような高層ビルが林立する『ピョンハッタン』が出現する」(明報)とのビックリ予想すら登場した。 もちろん、現時点では米朝首脳会談が予定通り開かれるかどうかも不確実で、バラ色のシナリオが実現する保証はまったくない。北朝鮮の国内総生産(GDP)は韓国の約50分の1、中国の400分の1程度にすぎず、多少経済成長したところで周辺の国や企業への恩恵は知れている。 市場関係者の間では「住宅や関連株への買いは完全に思惑先行。余った投資資金が話題に飛び付いている面が大きい」(国浩資本ヘッド・オブ・リサーチの袁志峯氏)との冷静な見方も多い。時ならぬ北朝鮮投資ブームは、貿易摩擦などで先進国の資産を買いにくい金融・資本市場の現状の裏返しといえるだろう。 【NQN香港・桶本典子】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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「東京海上・ニッポン世界債券F(H有)」が分配金を減額 設定以降の最低に並ぶ

東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・ニッポン世界債券ファンド(為替ヘッジあり)」(4931109C)は、21日の決算で1万口あたりの分配金を前月より10円安い20円に減額した。2011年11月以来6年半ぶりの低さで、2009年12月末の設定以降で最低水準と並んだ。 同ファンドは日本の企業や政府機関が世界で発行する外貨建て債券に投資し、対円で為替ヘッジをする。4月末での1年リターン(分配金再投資ベース)はマイナス2.33%、基準価額(分配金支払い後)は1年前と比べ7.04%下がった。 東京海上アセットマネジメントは、分配金減額の理由として「米国の中長期金利の上昇により基準価額が下落したことや、米ドル・円のヘッジコストが上昇したこと」などを挙げた。 ◇東京海上アセットマネジメントの発表資料はこちら 第100期決算・分配金のお知らせ (QUICK資産運用研究所)

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米中「休戦」で不安消えたか 大豆先物が急伸、ZTE関連はまちまち

21日の米国市場で大豆先物が急伸した。期近の7月限の清算値は2.68%高の1ブッシェル=10.2520ドルだった。中心限月の清算値ベースで5月4日以来、半月ぶりの高水準を回復したことになる。 米中両国が19日、ワシントンで17~18日に開いた貿易協議の共同声明を発表した。スティーブン・ムニューシン財務長官が20日にFOXニュースに出演、「我々は貿易紛争を保留にし、関税を留保することで合意した」との見解を示したことで貿易紛争懸念が後退した。中国による米国産大豆の買い付けが期待され、大幅高となった。4月に中国が米国の106品目に対して報復関税を掛けると発表し、その中に大豆や航空機、自動車が含まれていたことが伝わった時には売られる場面があった。 大豆が強かった一方、この日の米国市場では光通信機器を手掛けるアカシア・コミュニーケーションズが続伸したものの、0.63%高で上値の重い展開となっていたのが目立った。今回の米中貿易協議では中国の通信機器大手ZTEへの制裁緩和で進展がなく、6月12日に予定されている米朝首脳会談までトランプ政権が中国との交渉材料を温存するかのような姿勢が示された。ZTEとの取引がある関連銘柄は強弱まちまちで、フィニサーが3.14%高、オクラロが1.91%高と比較的強かった一方、ネオフォトニクスは0.46%高、ルメンタム・ホールディングスは0.16%高にとどまっていた。 アカシア・コミュニケーションズと大豆先物の年初来推移(QUICK FactSet Workstationより) (片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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アイカーン氏、次の関心はエナージェン HFと共同買収検討で6%高に

21日の米株式市場で、石油・ガス会社のエナージェンが大幅高となり、71.72ドル(前日比+4.35ドル、+6.45%)で取引を終えた。 アクティビストの米ヘッジファンド、コーベックス・マネジメントと著名投資家カール・アイカーン氏は21日、エナージェンの買収に関心を示していることを明らかにした。アイカーン氏らはエナージェン株が過小評価されており、他社と共同で同社を買収することを検討する可能性を示唆した。 コーベックスの系列会社は保有するエナージェン株の200万株について、1株当たり64.84ドルでアイカーン氏の関連会社に売却することで合意した。アイカーン氏の関連会社はさらに200万株を1株当たり67.37ドルで買い増すことができ、これにより持ち株比率は最大で約4.1 %(合計400万株)となる可能性があるという。 エナージェンの2018年初からの値動き(QUICK Qr1多機能チャートより) (本吉亮) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケッ ト情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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【朝イチ便利帳】 22日 ソニーが中期経営計画、米韓首脳会談など

22日はソニーが中期経営計画を発表するほか、4月の白物家電出荷額、4月の食品・全国スーパー売上高などが発表される。 海外では米韓首脳会談が開催される。 【22日の主な予定】 【今日の株価材料】

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岡藤HD(8705)は11%高 ブライトパス(4594)は17%安 21日の夜間PTS

22日の株式市場で、岡藤HD(8705)やチヨダウーテ(5387)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で22日の基準値を大きく上回る水準で約定した。岡藤HDの約定価格は基準値に比べ11.38%高、チヨダウーテは同10.82%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> ブライトパス(4594)も注目されそうだ。前営業日夜間のPTSで22日の基準値を大きく下回る水準で約定した。ブライトパスの約定価格は基準値に比べ17.51%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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ユーロ5カ月ぶり安値 売り材料の景気とイタリア、転換点は7月か

外国為替市場でユーロの下落がなかなか止まらない。21日の東京市場では対ドルで一時1ユーロ=1.1744ドル近辺と昨年12月以来、5カ月ぶりの安値を付けた。米金利の先高観からドル高圧力がかかりやすくなっているところにユーロ独自の悪材料が加わり、市場ではユーロ売り戦略をとる投資家が増えている。 ユーロ固有の懸念材料は2つある。欧州中央銀行(ECB)の緩和縮小観測の後退とイタリア政局の先行き不透明感だ。 欧州連合(EU)諸国の経済指標が低調ななか、ECBが緩和縮小のペースを速めるとの観測は鳴りを潜めた。利上げを急ぐ米国との差は鮮明になっている。市場では「7月のECB理事会まではユーロ安が続く」との見方も聞こえ始めた。 EU統計局が2日に発表した1~3月期のユーロ圏域内総生産(GDP)は、年率換算した実質成長率が前期比1.7%増と、17年10~12月期から大幅に縮まった。18年初の大雪など一過性の要因との受け止めはあるものの、市場では景気への疑念がくすぶり続けている。 ECBは9月末に資産買い入れの終了を予定する。その先はまだ「未定」だ。一方、米国では米連邦準備理事会(FRB)が利上げ路線を維持している。米長期金利が足元で3%を超えてきたのに対し、ドイツ10年債は0.5%台にとどまる。このまま米欧の金利差が拡大すれば、ユーロは一段安も起こりうる。 イタリアではポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」と極右「同盟」が18日、連立政権樹立に向けた政策で合意した。政策には大規模な減税や社会保障の拡充などの案が含まれるだけでなく、EUに懐疑的な立場をとっている。イタリアとEUとの関係が冷え込む可能性を意識せざるを得ない状況だ。クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は「政権がどのような政策を今後実施するのか見通すまでは、ユーロを買いづらい」と話す。 ユーロ安はどこまで続くのか。市場では7月のECB理事会が焦点になるとの指摘が出ている。第一生命経済研究所の田中理主席エコノミストは「7月までには経済指標は回復するだろう」と予想したうえで「9月の資産買い入れ停止に向け、7月の理事会では正常化の方針を示すはずだ」とみている。 イタリア政治の混迷が早く収拾に向かうとのシナリオもある。ポピュリズム政党は国民の支持を得られなければ存在意義を失う。イデオロギー色は薄い。もしEUとの対立長期化で人心が離れてしまうようだと、あっさりと方向転換を図る可能性が高い。市場では「ユーロ安が続くにせよ止まるにせよここ2カ月ほどが勝負」との声が多い。 【日経QUICKニュース(NQN) 荒木望】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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エヌビディアやシスコ……データ時代の勝ち組 モルガン・スタンレーが15銘柄選定

モルガン・スタンレーはデータ時代を制するIT大手15銘柄を選んだ。あらゆるモノがネットにつながるIoTや人工知能(AI)など複数の革新的技術が同時に台頭することに伴い、データの量と需要が飛躍的に増加。データ関連で強みを持つ企業の価値が高まると読む。モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤昌司アナリストは、「村田製作所(6981)など、一部の国内電子部品セクターもデータ時代の恩恵を受けるだろう」と話す。  モルガン・スタンレーMUFG証券 佐藤昌司アナリスト データ技術を支えるITの投資額が過去最大に モルガン・スタンレーの調べによると、コンピューター関連のサイクルは10年周期で起きており、データを軸とした新たなサイクルが始まろうとしているという。今回の最大の特徴は、こうした循環的な要因に複数のデータ技術が台頭する構造的な要因が加わること。このため、スマートフォン(スマホ)などモバイルインターネットが台頭した前回のサイクルを大きく上回る市場規模に膨らむ可能性が高い。 データ技術を支えるIT投資も拡大し、2017年から今後10年間で1.6兆ドル(過去3サイクルの増加分は平均7400億ドル)と過去最大規模に達するとモルガン・スタンレーはみている。   エヌビディアやシスコシステムズに着目  モルガン・スタンレーはデータ時代をけん引する分野として、①半導体、②ITインフラ、③AIおよびクラウド・ソリューションの3つに着目。エヌビディアやシスコシステムズ、マイクロソフトなど各分野で優位性を持つ15銘柄を選別した。「データそのものに付加価値があるとの見方から、③のアマゾンやアルファベットといったデータを活用する企業に目が向きがちで期待は高い株価バリエーションにも表れている。しかし、データ時代のポイントは半導体やITインフラと関連する産業の裾野が広いことだ」(佐藤氏)。   個別の部品・製品で日本企業にも勝機  残念ながら国内電子部品セクターなどはリストに入っていない。その理由の一つは、事業の多角化に伴いデータ時代の恩恵を十分に受けにくい可能性があるからだ。ハードディスクドライブ(HDD)部品のサプライヤーであるTDK(6762)やミネベア(6479)、日本電産(6594)の場合、多角化により事業全体に占めるHDD関連部品の利益の比率が低下している。  しかし、IoTやAI向けにバッテリー、センサーなどの部品を供給している村田製作所(6981)をはじめ、一部の部品や製品で高い競争力と世界シェアを持つ日本企業はメリットを得られると、佐藤氏はみている。ミネベアのミニチュアボールベアリングはデータセンターのHDDやクーリングファンに使用されているほか、太陽誘電(6976)はスマホの生産が足元で低迷したにも関わらず、データセンター向けのセラミックコンデンサーが好調で2018年3月期の業績が堅調だった。佐藤氏は「データ時代はとば口にある」と、データ関連銘柄の投資余地を示した。(根岸てるみ)   *モルガン・スタンレーのグローバル投資リポートについて 15銘柄は株式市場で影響力を持つモルガン・スタンレーのアナリストのケイティ・ヒューバティ氏や、佐藤氏らが選んで「The Data Era Becomes Investable(好機見え始めたデータ時代への投資)」と題した4月9日付のグローバルリポートで公表した。図表はすべて同リポートから引用。 同社のグローバルテクノロジーのアナリストは毎週1回、電話会議で情報を共有している。議論の中で浮かび上がった有望な投資テーマについては、世界各国で調査にあたるアナリストが協力してレポートを執筆し不定期で発行している。 「モルガン・スタンレーのリサーチは、そのグローバルなカバレッジ、協働を重視する文化、データ主導分析への持続的な投資などにより、MiFID II以降の環境においても競合他社と差別化できると考えている」(調査部グローバル・ヘッドのサイモン・バウンド氏)。  

QUICK Knowledge

米利上げ「4回」の予想増える 景気後退は「19年前半」3割、QUICK月次調査<外為>

米経済指標の改善や原油高を受け、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが進むとの思惑が強まり、米長期金利が上昇している。米10年物国債利回りは足元で約6年10カ月ぶりの高い水準を付けた。米国の利上げペースは加速するのか。外国為替市場の関係者を対象にQUICKがまとめた5月の月次調査によると、18年の米国の利上げ回数は「3回」が最も多く全体の5割を占めた一方、「4回」予想が4割に増えた。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。今回の月次調査<外為>の調査期間は5月14~17日。 ※Qr1などQUICKの情報端末で、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。 18年に入りFRBはすでに3月に利上げしている。この3月を含め年内に何回利上げするかが市場の焦点になっている。市場では「年内計3回以上の利上げを織り込みつつある。6月のFOMCでドットの上方修正があるかに市場の関心が集まろう」(証券会社)との声があった。「米国での税制改革の実施や、高率関税適用による輸入物価上昇などを受けて、物価上昇率が高まれば、利上げペースは市場の想定よりも速まる可能性もある」(銀行)との指摘もあった。 2009年7月から拡大を続けている米景気は、トランプ政権の大型減税によって先行きも好調を維持するとみられる一方で、FRBの利上げ継続が逆風になる可能性もありうる。では、先行き米景気が後退を始めるのは、いつごろだと予想するか。市場関係者の回答で最も多かったのは「2019年前半」で31%、次いで「2019年後半」で23%、「2020年前半」で20%と続いた。 米景気後退なら円高・ドル安が進行 仮に米景気が後退した場合、ドル円相場はどのくらいの水準になるかとの問いには、最も多かったのは「95~100円」と「100~105円」が34%で、現在の水準より円高の100円前後を予想する回答が多かった。 市場関係者からは「今秋に中間選挙を控えたトランプ政権が『米国第一』の姿勢を強め、日本を含めた世界経済全体に悪影響が及ぶような政策を発動したり、対米貿易黒字国の通貨が減価することに対して難色を示したりすれば、円安が進まない可能性もある」(銀行)との声があった。 「特に原油価格の高騰と朝鮮半島の政治イベントによる急激な円高の発生には留意しておきたい」(その他)といった指摘や「日銀のコミュニケーション次第では一気に円高に振れるリスクがある。とくに黒田日銀総裁が雨宮副総裁とともに正常化を模索する可能性には注意が必要」(投信投資顧問)などの意見もあった。 新興国通貨への影響は「一部に限定」、心配なのはトルコ  米長期金利と米ドルの上昇を背景に、トルコやアルゼンチンなど一部の新興国の通貨が下落した。この傾向が続いた場合、新興国にどのような影響をもたらすかと聞いたところ、「資金流出や通貨下落は一部の新興国に限定される」が7割を占め、「資金流出や通貨下落が新興国全体に広がる」が23%となった。 市場関係者からは「短期的には、資金流出や通貨下落が新興国全体に広がることはないが、2019年以降については、米国の利上げペースやインフレ動向次第で、広がる可能性が高まる」(投信投資顧)、「むしろ過剰流動性によって好景気を謳歌した中国こそ、米国の金利上昇の悪影響をかなり受けるものと警戒している」(その他)などの指摘もあった。 具体的に、資金流出や通貨下落の影響が大きい国・地域はどこかという質問には、「トルコ」(43%)、「アルゼンチン」(27%)、「中南米」(22%)、「ブラジル」(18%)、「南アフリカ」(10%)などが挙がった。 市場では「アルゼンチンやトルコの通貨が下落しているのは、両国ともインフレに直面しており、高水準の債務残高を抱えるなど、固有の問題があるため。一方、多くのアジア諸国は、過去に比べて財政収支や経常収支が改善している。通貨安がアジア諸国に波及し、金融市場全体に動揺が広がる可能性は低い」(投信投資顧問)といった指摘もある。

資産運用研究所

アセマネOne「未来の世界」 残高が3000億円突破、設定から1年8カ月で

アセットマネジメントOneが運用する「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界>」(47316169)の純資産総額(残高)が初めて3000億円を突破した。18日の残高は3018億円。 主な投資対象は日本を含む世界の株式。成長力の評価に基づき質の高い企業(ハイクオリティ企業)に厳選して投資する。4月末時点での国・地域別組入比率をみると、米国が48.3%とおよそ半数を占め、中国が18.9%、英国が5.7%と続く。 4月末時点の1年リターンは28.4%。2016年9月30日の設定から月次ベースでは1年8カ月連続して資金流入が続き、18年4月は資金流入超過額が6カ月ぶりに100億円を超えた。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

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HFが買いを増やした「F」、売りを増やした「AANG」 GS分析

ゴールドマン・サックスは18日付のリポートで、「2018年1~3月期(1Q)の期間中に買いを増やしたヘッジファンドの数が最も多かったのはフェイスブックだった」と指摘した。同社が米証券取引委員会(SEC)への届出書をもとに848のヘッジファンド(運用資産2兆3000億ドル、うちロングが1兆6000億ドルでショートが7020億ドル)を対象に調べた。それによれば、53のヘッジファンドがフェイスブックの新規の買いポジションを構築し、60のヘッジファンドが追加の買いを入れ、53のヘッジファンドは一部売却・完全売却に動いたという。 一方、売りを増やしたヘッジファンドの数が最も多かったのはアマゾン・ドットコム、次いでアップルだった。米検索大手グーグルの親会社であるアルファベットは9位、ネットフリックスは17位となっており、フェイスブックを除いてFAANG銘柄が売られやすい状況だったことが分かる。アップルに関してはiPhoneXの需要鈍化を受けて新型機種への期待も高まっていない状況だっただけに、既にヘッジファンドが買いを減らしたり、売りを増やしていたとすれば、今後の大きな混乱は見送られそうだ。   (片平正ニ)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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ALBERT(3906)が26%高、ブライトパス(4594)は17%安  18日の夜間PTS

21日の株式市場で、ALBERT(3906)や極楽湯HD(2340)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で21日の基準値を大きく上回る水準で約定した。ALBERTの約定価格は基準値に比べ26.29%高、極楽湯HDは同14.31%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄>   ブライトパス(4594)やTYK(5363)も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間のPTSで21日の基準値を下回る水準で約定した。ブライトパスの約定価格は基準値に比べ17.95%安、TYKは同7.41%安だった。また、主要銘柄ではMS&AD(8725)が基準値を2.02%下回る水準で約定した。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄>   ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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【朝イチ便利帳】 21日 5月のQUICK月次調査<外為>、貿易収支

 21日は4月の貿易統計速報、4月の首都圏・近畿圏のマンション市場動向、4月の主要コンビニエンスストア売上高などが発表される予定。 海外では1~3月期のタイ国内総生産などが発表される予定だ。 【21日の主な予定】 【今日の株価材料】

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トヨタは必達目標、日本紙は努力目標? 業績予想にはクセがある

4月中旬からスタートした上場企業の2018年3月期決算の発表がほぼ終了した。決算で注目すべきポイントはいくつもあるが、その一つに前期実績が直前の会社計画を超えたのか届かなかったのかが挙げられる。一過性の場合などを除き、業績未達となった銘柄は今期も苦しく、計画以上だった銘柄は今期も勢いが続く公算が大きい。 決算と同時に発表される今期見通しも重要。業績予想が保守的なのか、努力目標なのかを見極める必要がある。 そこで会社側が期初に示した予想に対し、最終的に業績が追いついたかどうかを検証し、その企業の性格を探ってみよう。期初計画を最低限の水準として開示する保守的な企業の場合、通期での達成はもちろん、期中に幾度ともなく上方修正する傾向がある。一方、努力目標のような位置づけで期初の予想を出す企業は、期中での進捗率が芳しくなく、最終的に計画が達成できないことが多い。四半期ごとに下方修正する企業もある。 3月期決算企業で過去17期(2000~2016年度)に期初計画(営業利益ベース)を達成したかどうかを集計した。日経平均株価の採用銘柄で、10期以上の業績予想と決算の発表実績がある企業が対象だ。 達成率が9割を超える企業は、期初計画が最低ラインとみてよいだろう。このため下方修正のリスクは極めて低い。トヨタは計画未達が1回だけ。自動車メーカーは保守的な見通しを示す企業が多いが、トヨタは別格だ。2017年度は期初計画で市場予想を大幅に下回る減益見通しを示したが、その後は四半期決算ごとに上方修正した。18年度の期初予想は市場予想の平均値でありQUICKコンセンサスを上回り、ポジティブサプライズを与えたが、過去の傾向からみて今回の計画も保守的に見積もっているとみられる。 そのほか達成率の上位クラスには、東武、京王、JR東海など鉄道株が名を連ねる。鉄道運営企業は景気変動の影響を受けにくく、業績下振れリスクが低い。同様に電力・ガスも保守的で計画を上回る傾向がある。やや意外感があるのは大手ゼネコン(大成建設、清水建設)や大手不動産(住友不、三井不、三菱地所)あたりか。比較的株価の値動きは大きいが、手堅い業績予想を出すため、計画未達で終わるケースは少ない。 一方、期初計画の達成率が低い銘柄群には注意が必要だ。日本製紙は達成率が11.8%と計画未達の常連。同業の王子HDも達成した期は3割程度だ。業界大手2社がこの状況なだけに、同業他社の業績予想にも目を光らせる必要がありそうだ。 業績が堅いイメージがある日水、マルハニチロの水産2社も計画達成率が低く、2割程度。日化薬、塩野義などの製薬企業や、食品大手の日本ハムも計画未達が多い。そのほか、業績不振が続くパイオニア、NEC、板硝子なども計画未達が目立つ。価格変動や景気動向に大きく左右される電子部品でも計画未達の銘柄が散見される。カシオや京セラ、太陽誘電などの業績は下振れリスクを頭に入れておくのが賢明かもしれない。(本吉亮) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

資産運用研究所

投信の分配金 元本取り崩し「容認」は3割弱、「否定」が5割近く 退職者層に調査・三菱UFJ国際投信

投資信託の分配金は運用実績に応じた変動が好ましく、元本の取り崩しは容認できない--。三菱UFJ国際投信が55歳以上の退職者層を対象に実施したアンケートでは、元本を取り崩しても定額で分配金を受け取れる投信の否定派が肯定派を上回った。 ■退職者層3723人を対象にアンケート、分配金よりパフォーマンス重視 三菱UFJ国際投信は長寿高齢化社会の到来を示す「人生100年時代」をテーマとして、定年退職後の資産運用に関する調査を今年3月下旬に実施した。対象者は「55歳以上で、定年退職者もしくは現役層で、保険・不動産を除く金融資産(現役層は見込み退職金を含む)が1000万円以上」で、3723人から回答を得た。 隔月で一定額を分配するバランス型投信を提示したうえで、分配金について【A】運用実績に応じ、分配金が変わるほうがよい【B】運用実績にかかわらず、分配金は一定がよい--のどちらが好ましいか聞いたところ、変動支持派(「Aに近い」「Aにやや近い」の合計)が50.9%と、定額支持派(「Bに近い」「Bにやや近い」の合計)の28.1%を大幅に上回った。 【A】元本を取り崩しても、分配金としてもらえたほうが預金を取り崩すよりお金を使うことに抵抗感がない【B】元本を取り崩すなら、預金から必要に応じて引き出し、お金を使うため、分配金は不要--の選択では、取り崩し否定派(「Bに近い」「Bにやや近い」の合計)が44.5%と、肯定派(「Aに近い」「Aにやや近い」の合計)の28.9%より多かった。 退職後の資産運用に使う投信選びでは「定額の分配金よりも運用パフォーマンスを重視」とする人が多いようだ。調査対象者の大半が既に投資経験があるため、運用成績が冴えない中での分配金は元本を取り崩して支払われるという仕組みを理解していることが結果に反映したと言えそうだ。 ■資産運用を始めるべき年齢は「10代~34歳」が6割超す 何らかの投資を始めた年齢はまちまちだったが、全体の8割強で投資経験があった。また資産運用を始めるべき年齢は「30~34歳」が全体の21.6%で首位。「10代」~「30~34歳」の合計で全体の6割を超えた。一方で、「資産運用は必要なし」との回答も8.2%あった。 定年退職前の人は退職後には「生活水準が下がる」(「どちらかと言えば」を含む)が7割強を占めたの対し、実際に退職した人では「生活水準は変わらない、上がった」が過半数を占めた。 メイン口座としている金融機関は、地方銀行が28.7%で首位。三菱UFJ銀行(15.9%)、ゆうちょ銀行(14.5%)、三井住友銀行(10.5%)、みずほ銀行(8.4%)と続いた。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

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拝啓、麻生財務相殿 金利差3%でも円高・ドル安に備えを

拝啓、麻生太郎閣下 10年物国債の利回りを米国と日本で比較した長期金利差が約11年ぶりに3%を超え、外国為替市場で円安・ドル高が進んでいます。現時点では閣下が3月に国会で、「これまでの歴史をみると米国との金利差が3%に達すると必ずドル高・円安に振れる」とおっしゃった通りの展開です。ただ、市場のことですから例外は付き物と考え、筆を取らせていただきました。 日米の財務省と日銀のデータを1974年9月まで遡って調べたところ、80年や87年で例外がみつかりました。ちなみに日本には86年6月以前の10年債のデータがなかったので9年債で代用しました。 80年のケースでは3%を超えたのが2月。このときの円相場は1ドル=249円でした。その後、81年2月に金利差は5%に広がりましたが、円は208円に上昇しました。 当時はイランで革命が起きるなど中東が不穏な時代でしたね。原油高によるインフレ懸念が米金利を押し上げ、日米金利差が拡大したのは御承知の通りです。 特筆すべきは、この間、通貨の総合的な強さを示すドル指数(実効為替レート)も上昇していた点です。創意工夫で石油危機を乗り越えた日本経済の底力を評価した外国人の投資が急増し、ドル以上に円が買われた時代でした。まさに、日本にとって良い円高・ドル安だったのは驚きです。 逆に87年のケースは悪い円高・ドル安でした。米国の財政と経常収支の「双子の赤字」が一向に減らない中で、年初から米長期金利が急騰し、85年のプラザ合意から始まった円高・ドル安は一段と加速しました。3月に3%を超えた金利差は、12月に4%に拡大。この間、円相場は145円から122円に上昇しています。 レーガン政権による大幅減税や米国とイランの軍事対立など、当時といまは、どこか似たような空気を感じます。この年の10月には米株の大暴落「ブラックマンデー」が起きたのも気になります。 為替相場が水物なのはいうまでもありません。日米の金利差が大きく拡大しても、きっかけ次第で円高・ドル安に振れることはあります。釈迦に説法ですが、為替相場の変動に一喜一憂しないで済む経済力が身につくような財政運営が待たれます。                敬具                                                                     【日経QUICKニュース(NQN ) 永井洋一】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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甦るテーパー・タントラムの記憶 今度の標的はインドネシアか

よみがえる2013年5月22日の記憶ーー。現在の状況は、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が量的金融緩和の縮小を示唆し、市場を混乱させた「テーパー・タントラム」の時と似ている。 アジアの新興国のなかでも米ドル建ての借り入れが多いインドネシアから、外国資本が流出するとの思惑が強まっているという。背景にあるのはファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の弱さだが、これまで金融緩和の姿勢をとってきたインドネシア銀行(中央銀行)のアグス・マルトワルドジョ総裁の任期が5月に満了し、「タカ派」と目されるペリー・ワルジョ副総裁が次期総裁に就くことも売り材料視されている。景気減速と通貨安のなか、新総裁は難しいかじ取りを迫られることになりそうだ。 インドネシアの長期金利の上昇(債券価格の下落、グラフ赤)は海外投資家の売りが主因と指摘されており、財政赤字拡大を懸念した米ドルへの回帰との見方が有力だ。株(グラフ緑)と債券(赤)と通貨(青)のトリプル安という、スパイラル的な売りを仕掛けるのに格好の標的となっているようだ。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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