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満身創痍の地銀株にも選別の芽 前向き評価、持たざるリスク意識

超低金利などを背景に地方銀行の厳しい経営環境が続いている。投資家からは地銀業界全体に弱気の目が向けられているが、4~6月期決算の発表を前にアナリストの間では一部の地銀に対し「持たざるリスクが意識され始めている」との前向きの評価がある。地銀でも買える銘柄を選別しようという兆しが出てきた。 18日付のリポートで一部の地銀について「持たざるリスク」を指摘したJPモルガン証券の西原里江シニアアナリストらは、なかでもふくおかFG(8354)と千葉銀(8331)について投資判断を最上位の「オーバーウエート」に据え置いた。ふくおかFGは預貸利ざやの縮小が他行より早いペースで下げ止まるとみており、千葉銀は法人向け手数料ビジネスの伸びなどを評価する。 十八銀行(8396)との経営統合に向けた審査が長引いているのに目が向きがちなふくおかFGだが、モルガン・スタンレーMUFG証券の長坂美亜アナリストらも買いを推奨する。11日付のリポートでは「独自の事業モデルを有する地銀も存在する」とし、ふくおかFGのフィンテックを生かした事業への積極的な取り組みを評価する。同社はスマホにプラットフォームを確立するiBank事業を推進し、口座アプリのダウンロードが増加している。スマホを通じた即時決済サービスも導入した。 SMBC日興証券の佐藤雅彦アナリストらは19日付で、一部の地銀の4~6月期決算について「株式売却益などで(通期計画に対する純利益は)高めの進捗率になる」と見通す。特に任天堂(7974)の大株主である京都銀(8369)については、株式配当の受け取りで純利益の進捗率が3カ月間にもかかわらず4割前後に達すると予想している。ふくおかFGと京都銀は7月31日に4~6月期の決算を発表する予定。千葉銀は8月6日に予定している。 シェアハウス問題が表面化したスルガ銀行(8358)や水増し融資が発覚したコンコルディアFG(7186)傘下の東日本銀行など悪いニュースが続き、地銀をひとくくりに「買えない業界」とみる投資家は少なくない。今年に入ってからの株価は20日時点でふくおかFGが10%安、京都銀が14%安、千葉銀が20%安と同期間の東証株価指数(TOPIX)の4%安と比べ地銀株の低迷ぶりは目立つ。だが、株価の反発を狙った選別物色の芽は生まれているようだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 矢内純一】   ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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インフラ投資、成長と環境の両輪で アジアの役割大きく HSBCリポート

QUICKは「アジア特Q便」と題し、アジア各国・地域の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はHSBCセンター・オブ・サステイナブル・ファイナンスのマネージング・ディレクター、ゾーイ・ナイト(Zoё Knight)氏が世界で求められるインフラ投資についてリポートします。   ■自然災害、気候変動への対応は待ったなし 昨年は、世界各地で天候に起因する自然災害が重なり、社会や経済に打撃を与えた年として記憶に残る1年となった。米国はハリケーン「ハービー」、中国南部は台風「ハト」、そしてアイルランドと英国はハリケーン「オフィーリア」に襲われ、また山火事が米国カリフォルニア州やスペイン、ポルトガルで猛威をふるった。さらにインドやバングラデシュ、ネパールでは洪水で大きな被害が発生した。 これらの自然災害が警告するところは明らかである。気候変動がもたらす影響は苛烈なものであり、多角的な対応策を世界全体で早急に講じる必要がある。 極めて難しい課題だ。多くの科学者の指摘では、世界の気温上昇を産業革命前に比べ2度以内に抑える必要がある。そのためには、過去1世紀半にわたって築き上げられてきた数多くの経済活動を見直し、再構築しなければならない。工場や発電所では二酸化炭素排出削減が求められる。建築物や都市全体のエネルギーや水の活用効率を向上する必要がある。輸送とエネルギーのシステムは化石燃料から脱却する必要がある。さらに道路やダム、住宅、通信網を、頻発する激しい嵐や海面上昇に耐えられるものにしなければならない。 こうしたシフトの対象がまさにインフラであり、インフラ投資について現在下されている決定が今後数十年にわたる気候変動との戦いにおいて重要な意味を持つことになる。インフラ計画の多くは完成までに数年を要し、中には数十年かかるものもある。従って、単純に現在の世界情勢に合わせて事業や投資の計画を立てるべきではなく、気候変動のシナリオを考慮し、今後15年、20年あるいは30年先の将来を見据えて二酸化炭素削減の必要性を織り込んでいくことが極めて重要である。 いずれにせよ、世界全体がインフラ投資を必要としているのは事実だ。世界経済は絶え間なく進歩し、労働者と企業の生産性向上が常に求められる。地方から都市部へ移動する人の数はますます増加している。アジアやアフリカをはじめ世界の多くの地域で人口は増加している。こうしたあらゆる背景から、より多くのエネルギーや輸送、住宅、通信網やITネットワークへの需要が着実に生まれている。 ■今後15年で100兆ドル規模が必要に 今後のインフラ投資は2つの課題を満たせるような形で実施することが求められる。すなわち生産性を向上させ経済成長を実現させるだけでなく、並行して炭素ガス排出の最少化を目指す方法に基づいて経済や社会を気候変動の影響に適応させていくことになる。 そこには相応の費用が生じる。古いシステムの刷新と成長促進という2つの目的を果たすためには、世界全体で、今後15年間で100兆米ドル規模のインフラ投資が必要になるだろう。さらに将来的に気候変動の影響に対応する費用がこれに加わることになる。インフラの原型が環境に配慮した「グリーン」なものである方が将来的にプラスだ。 おそらく最も喫緊で、かつインパクトの大きい変化が求められているのはエネルギーインフラである。発電と送電を担う電力システム、そして電力を消費する側の交通システムや建築物、都市と同様2つの課題に対応しなければならない。まずは太陽光発電や風力発電等の低炭素型の代替エネルギーを利用するなどして、電力の消費あるいは浪費を抑えて排ガスを削減していく必要がある。次に気候変動の影響への対応力をより高めなければならない。 幸いにも、足元では建設セクター、そして再生可能エネルギー開発の分野の技術やプロジェクトに向けて投資マネーが次々と流入している。 この変化の過程でアジアが果たす役割は大きい。都市化や人口成長、持続的な経済拡大を背景に、アジアは今後数年間の世界全体の需要増加の約60%を占めると考えられる。温室効果ガスの排出量においてそれぞれ世界第1位と第3位を占める中国とインドは、いずれもグリーン経済を目指して本格的な取り組みを進めている。例えば、インドには2022年までに175ギガワット(GW)の電力を再生可能エネルギーから生み出す計画がある。また中国は太陽光発電、風力発電、電気自動車の分野ですでに主導的立場にある。 ■民間マネーの活用が不可欠 このような世界的なエネルギーシステムの移行に要する莫大な費用を、公的部門だけで賄うことは難しく民間資金の活用が重要になる。HSBCが昨年9月に発表した委託調査によれば、世界各国の機関投資家の3分の2あまりが低炭素や気候に関連する事業への投資拡大の方針を示している。 日本では昨年、世界最大の年金基金であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、環境・社会・企業統治(ESG)に配慮している企業で構成される3つの日本株指数を選定し、この指数に連動したパッシブ運用を合計1兆円規模で開始したと発表した。日本国内ではESG投資が注目され、より多くの機関投資家が企業に対して環境問題に取り組むことを要求している。また日本政府は国内企業に、事業と戦略にSDGs(持続可能な開発目標)を織り込むことや、都市化や気候変動から問題が生じている諸外国に向けてその問題に対処するための質の高いインフラや先進技術を輸出することを促している。 人口増加、都市化、経済発展、生産性向上、そして気候変動と、世界各国の政府はさまざまな課題への対応を迫られている。こうした課題に解決する共通の鍵となるのは、二酸化炭素排出が少なく効率性に優れ、また世界的な気温上昇によって将来発生する可能性のある物理的影響に適応するためのインフラである。直近の技術進歩によって環境に配慮した「グリーン」な選択肢は単に環境面だけでなく、経済的そして経営的な面からも意義のあるものとなっている。ただし早急に行動を起こす必要がある。将来の問題を最小限に抑えるためには今日決断することが極めて重要である。 ※アジア特Q便は、QUICK端末で先行してご覧いただけます。

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踏み込んだプレゼンター、瀬踏みするインベスター ソフトバンクGのフェアバリューとは

今週、ソフトバンクG(9984)が9909円まで上値を切り上げ、年初来高値を更新した。理由は様々あるなかで、ある中小証券幹部は「6月20日に開催された株主総会で、孫正義社長の発言が胸に刺さった投資家がいるのではないか」とささやく。 総会で孫社長は自らが試算したソフトバンクG株の「フェアバリュー」をはじいて見せた。投資先の企業価値と抱える負債の差引から1万4199円だという。ただ、これに終わらないのが孫流なのだろう。現時点で既に上場申請をしている通信子会社のソフトバンクの価値=+αがあるとして「(ソフトバンクG株の)中には実は2万円前後のものが入っているのではないかというのが、私がいましつこく細かく説明した内容です」とした。 総会前の株価は8000円台前半で推移していた。孫社長の試算に比べれば割安。総会の壇上で「ソフトバンクグループの株が買いか売りかというと私は絶対買いだと思っています。だって中身の方が多いのだということです」と断言した。株価は総会前日にあたる6月19日終値から1カ月後の7月19日まで株価は2割上昇した。 社長が単に「割安なのでお買い求めください」といったところで個人投資家と言えどもそう簡単には動かない。ボラティリティの高い銘柄でもある。それでも投資家の心を揺さぶったのが以下の一枚の図かもしれない。 ※ソフトバンクGのIRサイト「株主総会 書き起こし(https://bit.ly/2NsKWYZ)」より 時価総額と株主価値を描画しているが、この図は株主価値から見れば時価総額は2000年代前半のITバブル時に迫る、もしくは抜くとのメッセージにも読み取れる。前出の中小証券幹部は「ここまで経営者が株価に対し前のめりになると、投資家も無視はできなくなる」と話す。 市場が想定するフェアバリューはどの水準なのか。QUICK FactSet Workstationがまとめているアナリストの目標株価の平均は7月18日時点で1万2425円。気がかりなのは2カ月前から700円ほど切り下がっている点だ。孫社長が試算したフェアバリューは市場の目線から大きく離れている印象はないが、市場の株価予想のモメンタムそのものは上向いていない。 ITバブル期を超えるとのメッセージに対し市場はまだまだ半信半疑なのだろう。株主総会で孫社長は「(自分が)何を発明したのか」として強調したのが「群戦略」だった。テクノロジーではない。カリスマ社長の強弁と言えども曖昧さに賭けるほど市場もお人よしではない。 ソフトバンクG株はコングロマリット・ディスカウントなどが指摘され本来価値に対して割安との見方が一般的だ。その修正分だけでも上値余地があると考えられるが、まずはアナリスト予想の平均まで切り上げられるのか。偉大なるプレゼンテーターである孫社長のセールストークを市場が瀬踏みを始めるのはそこからだ。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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銅先物が1年ぶり6000ドル割れ 鉱山開発銘柄が大幅安

19日の米国株式市場で、米鉱業大手フリーポート・マクモランが下落。一時、前日比1.435ドル(8.4%)安の15.645ドルまで下げた。同日のロンドン(LME)市場で、銅先物3カ月物が一時、心理的な節目の6000ドルを下回った。大台割れは昨年7月以来、1年ぶり。貿易戦争が世界経済に悪影響を及ぼすとの不安感は根強い。銅相場の急落で、鉱山開発事業への悪影響が懸念された。 銅以外の非鉄相場も軟調で、アルコアも一時14%安まで下げた。カナダ株式市場ではファースト・カンタム・ミネラルズ(FM)も大幅安となった。(今田素直) <銅先物3カ月物と、鉱山開発銘柄の株価推移> (注)銅先物3カ月物が青、フリーポート・マクモランが赤、アルコアが緑、ファースト・カンタム・ミネラルズがオレンジ     ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

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【朝イチ便利帳】20日 6月の全国CPI、決算は東京製鉄や米GEなど

20日は6月の全国消費者物価指数(CPI)が発表されるほか、3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。海外ではゼネラル・エレクトリックなどが決算を発表する予定だ。  

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イナリサーチ(2176)が16%高、ショーケースTV(3909)が5%安  19日の夜間PTS

20日の株式市場で、イナリサーチ(2176)やレッグス(4286)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で20日の基準値を大きく上回る水準で約定した。イナリサーチの約定価格は基準値に比べ16.06%高、レッグスは同10.87%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> ショーケースTV(3909)も注目されそうだ。前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で20日の基準値を下回る水準で約定した。ショーケースTVの約定価格は基準値に比べ5.46%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄>    ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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国債市場の膠着は極限レベル 「ボラ・ゼロ」間近、相場操縦問題も影

債券相場の変動率(ボラティリティー)が極限レベルにまで低下している。過去の先物価格の値動きに基づいて算出するヒストリカル・ボラティリティー(HV)は18日時点で0.4%と過去最低を更新した。足元では債券先物の値幅が中心限月でも10銭未満にとどまる日が続く。長引く日銀の金融緩和の下で低変動率に慣らされてきた市場関係者ですらうめくほど動意は乏しくなってきた。 日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)長期化によって、操作対象となる新発10年物国債を中心に、現物債の取引不成立は珍しくなくなっている。新発10年債は6月以降だけで3日も取引されない日があった。そうなると現物債の価格変動リスク回避(ヘッジ)に用いられる債先の取引もおのずと細る。 ある国内銀行の債券ディーラーは「取引はやめていないが、動かなければヘッジの必要性が薄れるので様子を見ざるを得ない」とこぼす。ヘッジ目的の売買減少で一段と相場変動はなくなり、自己玉での取引も難しくなる。悪循環だ。 プラス利回りの長期債や超長期債を保有(キャリー)すればたとえ水準は低くても利息収入があり、売買益をあえて狙わなくともよい。国内生命保険会社など長期保有目的の投資家の比率が高まると相場の膠着感は増す。 加えて、イールドカーブ(利回り曲線)が右肩上がりのままなら、時間の経過に伴い利回りが低下(価格は上昇)する「ロールダウン効果」を見込んだ売買も呼び込める。ロールダウン狙いの取引は相場を動かすほど頻繁には売り買いしない。 BNPパリバ証券の井川雄亮債券ストラテジストは「ボラティリティーが下がれば下がるほどキャリーとロールダウン効果は大きくなる」と話す。「全く市場が動かなければ、0.5%を下回る利回りの20年債を買っても3カ月後には利益が出せる計算になり、ロールダウン効果を狙う買い方が正当化される」という。 さらに6月末に飛び出した三菱UFJモルガン・スタンレー証券による先物取引の相場操縦問題が一段と参加者心理を冷やした。 証券取引等監視委員会は三菱モルガンに対し、実態を伴わずに大量の売りと買いの注文を出す『見せ玉』を指摘。見せ玉は許される行為ではないが、数千億円単位での取引が当たり前だった過去の市場を知っているディーラーには戸惑いも漂う。「一般論としては十分理解できるものの、マーケットメイク(値付け)や見せ玉、通常取引との明確な仕切りは難しい」(外資系金融機関)、「喉に刺さった小骨のようで、取り組みがより慎重さを増すのではないか」(国内金融機関)といった声が漏れていた。 日本国債の変動率を算出する「S&P/JPX 日本国債 VIX 指数」は7月上旬に1.11%と過去最低を更新した後、1.2%を挟む水準で推移している。ゼロ%台にはまだ距離があるものの、「このままだと時間の問題」との声は多い。債券先物の値幅(高値と安値の差)を月間でみると、6月は44銭とQUICKで遡れる1993年9月以降では最低となった。7月は19日時点で19銭の値幅にとどまる。記録更新の可能性は高まっている。 【日経QUICKニュース(NQN ) 片岡奈美】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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クラウド好調のマイクロソフト、会計基準変更で影響も 【米決算プレビュー】

米国企業はちょうど4~6月期決算発表シーズンの真っ只中。事前の市場予想では主要企業は2割前後の増益が見込まれているが、原油をはじめとした原材料費、人件費などコスト高への警戒感は経営者の間で根強い。7月以降は米中貿易戦争の影響も想定され、通期見通しを変更する企業が続出する可能性もある。恒例の米決算プレビューで注目企業の読みどころを紹介する。 マイクロソフトの第4四半期(4~6月期)決算発表は19日。QUICK FactSet Workstationがまとめたアナリストの調整後EPS予想(28社平均)は1.08ドルで、前年同期(0.98ドル)から増益となる見通しだ。三本柱となる事業の利益がそれぞれ拡大している。なかでも成長著しいクラウドサービス「アジュール」の伸びに注目が集まる。ただ今期予想には会計基準変更に伴う影響がある点に注意が必要だ。 【マイクロソフトのEPSと株価の推移】   (注)グレーの折れ線は株価。棒グラフの水色はEPS予想の最高値、青色は最安値。●はEPS実績値で緑が市場予想を上回り、赤が下回ったことを示す 【4~6月期の市場予想】 ・売上高                 292億ドル    (+18.3%) ・調整後EPS(1株利益)   1.08ドル  (+10.2%) ・事業別売上高  PBP: 市場予想96.8億ドル (+14.6%)   /会社計画95.5~97.5億ドル  中央値 96.5億ドル   IC: 市場予想90.8億ドル (+22.2%)   /会社計画89.5~91.5億ドル  中央値 90.5億ドル  MPC: 市場予想 104億ドル (+18.2%)   /会社計画 103~ 106億ドル 中央値104.5億ドル ※QUICK FactSet Workstationをもとに作成。カッコ内は前年同期比 事業には3部門の柱がある。「オフィス」を扱うビジネス・プロセス(PBP)事業、ウィンドウズやゲーム、タブレットPC「サーフェス」などを含むモア・パーソナル・コンピューティング(MPC)事業は4~6月期でそれぞれ二桁増収が見込まれる。 利益成長への期待が高いのがもう一つの柱、インテリジェント・クラウド(IC)だ。クラウドなどの企業向けサービスは利益成長が続く。マイクロソフトの株価を5年で2倍以上の高値に押し上げた立役者だ。 4月26日公表の1~3月期の業績で、PBP事業の売上高は前年同期比17%増。オフィス365が順調に伸びた。MPC事業は13%増だった。IC事業も17%増と好調。中でもアジュールは前年同期比93%の増収となった。4~6月期の売り上げも大幅増が見込まれる。 <過去20四半期決算分析> EPS実績  対アナリスト予想 上振れ回数      16 下振れ回数         4 EPS実績/アナリスト予想(%) 平均乖離率   +9.1 平均上振れ率    +13.5 平均下振れ率      -8.4 決算発表直後1日の値動き 上昇回数     14 下落回数      6 平均騰落率   +1.2 平均上振率         +4.1 平均下振率          -5.5 ※QUICK FACTSETの「サプライズ履歴」をもとに作成 今期も高成長は続くのか。2019年6月期の第1四半期(18年の7~9月期)のEPS予想は0.91ドルと、前年同期の0.84ドルから増益が見込まれている。19年6月期通期のEPSは4.03ドル(前期の市場予想は3.83ドル)と利益成長の期待は高い。 もっとも今期見通しにはリスクがある。海外収益の大きなマイクロソフトにとってはドル高が重荷だ。新しい収益認識の基準を適用することで利益を目減りさせるとの見方もある。収益認識の新方式に従うと、長期契約やライセンス契約は外国為替相場の変動の影響が大きくなる。巨大なライセンス契約を保有するソフトウエア大手の同社には注意が必要になる。 株価は最高値圏の100ドル台を保っている。マイクロソフトがソフトウエア開発者向けサイトを運営する米ギットハブを75億ドルで買収すると6月に発表し、収益拡大を見込んだ買いが集まった。買収によりギットハブのユーザーをクラウドサービスに誘導すれば、さらに事業規模が膨らむからだ。 好業績を開示した後に、投資家が持ち高を整理するために保有株の一部を売却することはよくある。決算発表直後1日の株価をみると、過去20回のうち14回は上昇したが、6回は下落した。業績期待が先行して押し上げられた株価水準にあるなかで、利益確定売りが相次いで失速するのか、それともクラウドビジネスの収益がさらに拡大すると判断した買いが続き、右肩上がりのチャートを形成するのか。クラウドビジネスの貢献を見定める大事な決算になる。(今田  素直)   ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

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コモディティ相場で閉じ始めたワニの口

コモディティ相場で、チャート上大きく開いたワニの口が閉じ始めた。原油先物(グラフ紺色)と銅先物(グラフ茶色)価格のかい離のことだ。2017年12月末の値を100とした相対チャートをみると、原油と銅のかい離幅は7月10日に35まで広がっていたが、足元は28へと縮小した。本来、原油と銅はどちらも世界経済の動向に左右される商品。原油相場は米国によるイランへの経済制裁などにより供給懸念が強い一方、銅価格は世界経済の鈍化懸念を織り込んでいるとされる。 上顎(あご)にあたるWTIが下落 マーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘代表は「現在のところ貿易戦争への懸念を正直に映しているのではないか」と指摘する。銅に関しては世界各国で生産調整が起きている状況は少なく、最大消費国である中国の経済の伸び鈍化を映し出すという。そのうえ、米国との通商摩擦において中国の切れるカードが少ない点も影響としてあるとみられる。 世界経済の体温計である銅は売られ過ぎとの見方も少なくない。だが、自動車や電子部品、電線などあらゆる製品に使われる銅の下げが止まらない現状からすると、世界景気の先行きを示している可能性も高い。一方で原油は世界の物流や交通の流れも映し出す。閉じ始めたワニの口が一段と縮まるようならば他の金融市場においても影響は無視できない。 ある国内投信のストラテジストは足元の株式と商品相場の状況や通商摩擦の影響を鑑みながら「現在の株式相場は最後のユーフォリア(陶酔感)なのでしょうか」とつぶやいていた。商品相場から先行きを探るのもひとつのカギとなるだろう。(中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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イナリサーチ(2176)が19%高、インスペック(6656)が15%高 18日の夜間PTS

19日の株式市場で、イナリサーチ(2176)やインスペック(6656)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で19日の基準値を大きく上回る水準で約定した。イナリサーチの約定価格は基準値に比べ19.13%高、インスペックは同15.32%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄>  ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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【朝イチ便利帳】19日 6月の貿易統計速報、マイクロソフト決算

19日は財務省が6月と1~6月の貿易統計速報を発表するほか、内閣府が7月の月例経済報告を発表する予定。海外では、6月の米景気先行指標総合指数などが発表される。   

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鈍い物価、要は気持ちの問題 賃金伸びず遠い好循環 7月のQUICK短観 

国内では需給ギャップが改善する一方、物価上昇率が伸びない状況が続いている。QUICKが18日にまとめた7月の短期経済観測調査(QUICK短観)によると、上場企業の半数以上が物価の上がりにくい要因に「消費者の根強いデフレ心理」を挙げた。 7月のQUICK短観は上場企業365社が回答。このうち304社が物価に関する特別質問に回答した。調査期間は7月3日~12日。 物価が上がりにくい最も大きな要因は何なのかーー。「消費者の根強いデフレ心理」との回答は56%を占めた。次いで「賃金の伸び悩み」が37%となり、この2つで9割以上に達した。政治の賃上げ号令にも関わらず、企業側は賃金の伸び悩みを「自覚」しているといえる。業績拡大が賃金上昇につながり、それが消費拡大と物価の上昇をもたらすという景況回復の理想のサイクルからは程遠い現状が浮かび上がる。 一方、「電子商取引(EC)の拡大」と答えた企業は4%にとどまる。物価上昇の頭を抑える一因になっているとの見方も出始めた、いわゆる「アマゾンエフェクト」はまだ、それほど影響力が大きくないようだ。また「人手不足を補う省力化投資」は3%にとどまった。さらに、2%の物価目標を掲げ金融緩和を続ける日銀に対して「金融緩和が不足している」とみているのはわずか1%だ。 6月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くベースで前年同月比0.7%の上昇と伸びは鈍い。7月のQUICK短観をみると、1年後のCPI上昇率の見通しは加重平均で前年比「0.8%」と前月の調査から0.1%低下。2年後の見通しは1.0%と、前月比で0.2%低下した。 QUICK短観の調査結果について、みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは「消費がさえず、企業が値上げしにくいなか、物価は日銀の考えとは逆に向かっている」と分析する。日銀は30~31日の金融政策決定会合で物価が上がりにくい背景を精査する見通しだ。 (QUICKナレッジ開発本部 永島奏子、大谷篤)

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貿易摩擦、日本企業は意外に冷静? 「経済停滞」心配だが…… 7月のQUICK短観

米中の貿易摩擦が激化するなか、QUICKが18日まとめた7月の「QUICK短期経済観測調査(QUICK短観)」によると、日本企業は貿易摩擦の深刻化で経済全体の停滞を心配しているものの、自社への直接的な収益影響などは比較的、少ないとみていることが分かった。 7月のQUICK短観は365社の上場企業が回答し、うち308社が貿易摩擦に関する特別質問に回答した。調査期間は7月3日~12日。 貿易摩擦による最も大きな影響は何かを聞いたところ、「経済全体を停滞させる」が45%(139社)で最多だった。次いで「大きな影響なし」が22%(69社)だった。 「外為相場や株式相場の変動による悪影響」が20%(61社)、「販売減や調達難およびコスト増で収益面に悪影響」が11%(33社)と続いた。「生産・調達体制(拠点や経路)の見直し再編を迫られる」は2%(6社)だった。   ※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。

資産運用研究所

三井住友トラストAM、インデックスシリーズのパイオニア (インデックスファンドNAVI)

資産形成をしている個人投資家の間で、指数連動型のインデックス投資が広まりつつある。運用各社は様々なインデックスファンドを展開し、信託報酬の引き下げや品ぞろえの拡充など独自の取り組みでしのぎを削っている。 「インデックスファンドNAVI」では、運用各社のインデックスファンドシリーズについて、それぞれの特徴や強みを解説する。第2回は国内で初めてインデックスファンドをシリーズ化したパイオニア、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「SMTインデックスシリーズ」を取り上げる。 ※「インデックスファンドNAVI」シリーズの第1回は6月27日配信の三菱UFJ国際投信 ■国内初のインデックスファンドシリーズ 同社が国内初のインデックスファンドシリーズとして2008年に立ち上げたのが「SMTインデックスシリーズ」だ。信託銀行系列の資産運用会社で培った運用ノウハウを生かし、「分かりやすい、始めやすい、続けやすい」をコンセプトにしたこのシリーズを設定した。 目指したのは、投資初心者でも長期で安定した資産形成に取り組めるようなファンドシリーズ。それまで長く年金基金や機関投資家に投資商品を提供してきた実績とノウハウを個人向けの商品開発にも応用した。 シリーズの名前は、会社の略称(三井住友トラスト・アセットマネジメント=SMTAM)から付けられた。2008年1月の設定当初は6本だけだったが、現在は28本に増加。純資産総額(残高)の合計は、今年1月に2000億円を超えた(図1)。 昨年11月には新しいシリーズを投入。手数料ゼロのノーロードで、ネット専用の「i―SMTインデックスシリーズ」を新設した。 ■「高品質」「幅広い品ぞろえ」が強み これらのシリーズの強みは「品質の高さ」(商品戦略企画部の宇野直樹部長)。インデックス運用では指数の値動きとの乖離(かいり)をいかに最小限にとどめるかが評価尺度の1つだが、同社のインデックスファンドはこの「トラッキングエラー」が小さいことでも定評があるという。 幅広い品ぞろえも特徴だ。シリーズを構成するのは、市場全体の動きに連動する伝統的なインデックスファンドだけではない。インデックスに関する深い知識を生かして商品開発に取り組み、より効率的な運用を目指す「スマートベータ(賢い指数)型」のファンドも展開している。 例えば「配当貴族指数」に連動するファンドは、一定期間以上連続して増配している優良株に投資する「スマートベータ型」だ。日本と米国、欧州を対象にした3種類をそろえた。 ■人気の「世界経済インデックス」、GDPに応じて分散投資 「SMTインデックスシリーズ」には、5本のバランス型ファンドがある。このうち2017年8月に設定した「SMT 世界経済インデックス・オープン」(64311178)は、先進国と新興国、日本それぞれの株式と債券の6資産が投資対象だ。株式と債券に半分ずつ投資し、地域別の組み入れ比率は国内総生産(GDP)総額の比率に基づき決定する。 シリーズとは別で、2009年1月から運用している「世界経済インデックスファンド」(64315091)は、設定来のリターン(分配金再投資ベース)が18年6月末時点で119.09%と高く、個人投資家の支持を集めている。このファンドは地域別のGDPの比率を参考にしつつ、専門家の知見なども取り入れながら運用する。年1回ごと地域別構成比を見直す点や投資対象は「SMT 世界経済インデックス・オープン」と同じだ(図2)。 ■統合で運用力を強化 同社は今年10月に三井住友信託銀行の運用部門と統合する予定で、国内で最大規模の運用会社となる。年金運用に強みを持つ同部門との統合により運用力を強化していく。 今後は顧客ニーズの多様化にどう対応するかが課題の1つ。インターネットで取引する個人投資家には「i―SMTシリーズ」を活用してもらい、「SMTシリーズ」では伝統的な指数にこだわらず、さらに進化した指数連動型の商品を投入していく方針だ。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

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FANG、本場も日本も絶好調 関税発動に動じず

17日の米国市場でアマゾン・ドットコムが9日続伸し、1.17%高の1843.93㌦で終えた。連日で上場来高値を更新し、時価総額は9000億㌦の大台に迫る状況となった。フェイスブックや米検索大手グーグルの親会社であるアルファベットも上場来高値を更新し、ナスダック指数はザラ場・終値ベースの史上最高値を更新した。 アップルは上場来高値を更新していないが、大型ハイテク株ではマイクロソフトがやはり上場来高値を更新。フィラデルフィア半導体指数は戻りが鈍いものの、関税発動(タリフ・オン)の後にこれまで堅調だったFANGが崩れるのでは無いかとの見方はひとまず杞憂に終わっている。 QUICK FactSet Workstationでトランプ政権が鉄鋼・アルミ関税を発効した3月23日終値を100として、タリフ・オン後の米主要指数などの値動きを見たところ、グラフ赤のFANG銘柄が24.81%上昇してS&P500(グラフ青、8.55%)をアウトパフォームしている。大型のモメンタム株に投資するファクター戦略が奏功していることが伺えた。 NT倍率が13倍台で歴史的な高値圏にある中、グラフ黄色の日本版FANG(ファーストリテイ、アインHD、日電産、ソフトバンクG)の値動きを見たところ、18.84%高でこちらも日経平均株価(グラフピンク、10.09%)をアウトパフォームしていた。前日の先物手口をみると、クレディスイスが4日連続で日経先物とTOPIX先物の両方を買い越していた。モルガン・スタンレーも日経先物を2328枚の大幅買い越しており、海外ヘッジファンドとみられる先物買いが活発化していた。FANG銘柄の強さに示される通り、ドル高・FANG高でリスク・オンの流れが強まれば、出遅れ感のあった日本株にも買いが続くと見込まれる。(片平正ニ)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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ALBERT(3906)が13%高 IGポート(3791)は13%安 17日の夜間PTS

18日の株式市場で、ALBERT(3906)やエスケイ(7608)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で18日の基準値を大きく上回る水準で約定した。ALBERTの約定価格は基準値に比べ13.56%高、エスケイは同12.23%高だった。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄>   IGポート(3791)やPCNET(3021)も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で18日の基準値を大きく下回る水準で約定した。IGポートの約定価格は基準値に比べ13.77%安、PCNETは同10.48%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。      

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【朝イチ便利帳】18日 6月の訪日外国人客数、ベージュブック

18日は7月のQUICK短観、6月の訪日外国人客数、4~6月の訪日外国人消費動向調査などが発表される予定。IPO関連ではアクリート(4395*J)、プロレド・パートナーズ(7034*J)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。海外では6月の米住宅着工件数などのほか、日本時間19日3時00分に米地区連銀経済報告が発表される予定だ。

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人民元に広がる先安観 トランプ流、再び中国を翻弄 QUICK月次調査<外為> 

米国と中国の貿易戦争の火ぶたが切って落とされたのを受け、外国為替市場では中国・人民元の先安観が広がっている。QUICKがまとめた7月の月次調査<外為>によると、人民元相場が今後6カ月間に下落するとの予想は2016年12月以来の多さになった。 中国本土市場(オンショア)の人民元は対ドルで1ドル=6.69元前後と、およそ1年ぶりの安値圏にある。対円では年初の1元=17円台前半から16円台後半に下げている。米中貿易摩擦が激しさを増してきた6月以降、人民元に対する下落圧力が増している。 月次調査によると、金融機関の外為担当者のうち、向こう半年間で人民元の対円相場が下落すると予想した人は全体の56%を占め、比率は16年12月(63%)以来の大きさとなった。上昇予想の割合から下落予想の割合を差し引いたディフュージョンインデックス(DI)はマイナス44と、同じく16年12月(マイナス50)以来の大幅なマイナスとなった。16年は後半に中国景気が減速するなかでトランプ大統領の誕生が重なり、元安・ドル高懸念が加速し、およそ8年7カ月ぶりの元安水準となった局面だ。今回もまた人民元は貿易戦争を仕掛けたトランプ氏に翻弄されている格好だ。 貿易摩擦が中国経済に与えるダメージに対する懸念も広がる。外為市場関係者が貿易摩擦で最もマイナスの影響を受けるとみているのが「中国」。全体の53%が世界第2の経済大国の名を挙げた。「中国の習近平主席には長いスパンで(今回の事態に)臨む余地がありそうだが、そうした楽観には案外、死角があるようにみえる」との指摘も出ている。 中国国家統計局が16日に発表した18年4~6月期の実質国内総生産(GDP)の前年同期比の伸び率は6.7%と、3期ぶりに減速した。インフラ投資も消費も伸び悩み、貿易戦争が外需を直撃するリスクにも直面している。中国は人民元の安値誘導で米国の制裁に対抗しているとの見方もあり、「戦局」の行方次第で通貨の安定が一気に損なわれる可能性も看過できない。(QUICKナレッジ開発本部) ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。今回の<外為>の調査期間は7月9~11日。QUICKの情報端末で月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。

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