英PMIが映すBrexit混迷 2年半ぶり低水準、暗雲たちこめる企業マインド

5日に発表された1月の英サービス業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と市場予想(51.0)を下回り、国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた直後の2016年7月以来、2年半ぶりの低水準となった。 この指数は50が活動拡大・縮小の分かれ目となっており、1月の数字はギリギリの水準だ。3月29日の離脱期限が近づくなかでEUとの協定案がまとまらず、最終的に合意なき離脱に追い込まれる可能性がある。企業が英経済の混乱、腰折れ懸念を強めていることの表れといえる。(丹下智博 ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】6日 トヨタやソフトバンクG、三菱重など決算 11月の米貿易収支

6日はトヨタ自動車(7203)やソフトバンクグループ(9984)が2018年4月~12月期決算の発表を予定しているほか、IPO関連では東海ソフト(4430)の仮条件が決定する。海外では11月の米貿易収支が発表予定、中国や香港などが休場。   【6日の予定】 国内 時刻 予定 10:30 1月の輸入車販売(輸入組合) 11:00 1月の車名別新車販売(自販連) その他 12月期決算=AGC   4〜12月期決算=日本紙、三菱ケミHD、新日鉄住金、古河電、ミネベア、三菱重、トヨタ、マツダ、バンナムHD、住友商、ソフトバンクG   海外 時刻 予定 0:30 米エネルギー省の石油在庫統計(週間、7日) 8:05 クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演(7日) 9:00 パウエルFRB議長が集会で質疑応答(7日) 22:30 11月の米貿易収支   10〜12月期の米労働生産性指数(速報値) その他 タイ中銀が政策金利を発表   ブラジル中銀が政策金利を発表   10〜12月期決算=ゼネラルモーターズ(GM)、スポティファイテクノロジー   中国、香港、韓国、台湾、シンガポール、マレーシア、ベトナムが休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 6366 千代建、米でLNGプラント受注 業務範囲絞り損失回避狙う 日経 +4.05% 2/5 3436 SUMCO、18年12月期営業益2倍超 ウエハーに追い風 日経 +1.65% 2/5 9613 NTTデータ、4〜12月純利益6%増 日経 +1.36% 2/5 7202 いすゞ、4〜12月営業1割増益 海外販売伸びる 日経 +1.22% 2/5 7951 ヤマハ、4〜12月営業益16%増 中国で楽器好調 日経 +1.04% 2/5 7269 スズキ、7年ぶり営業減益 4〜12月1%減、インド市場減速 日経 +0.70% 2/5 2229 カルビー、今期営業益下振れ 「フルグラ」苦戦 日経 +0.57% 2/5 4958 長谷川香料、10〜12月営業益6%減 原料高響く 日経 +0.49% 2/5 9434 ソフトバンク、2018年4〜12月期は営業19%増益 「非通信」拡大焦点に   日経 +0.44% 2/5 2432 ディーエヌエ、今期純利益54%減 日経 +0.43% 2/5 7203 トヨタ、中国販売11カ月連続増 日経 +0.38% 2/5 8750 第一生命HDなど生保、「節税保険」見直し 経営者向け、4月から 日経 +0.28% 2/5 6841 横河電、4〜12月営業益22%増 日経 0.00% 2/5 5406 神戸鋼、今期営業益49%減に下振れ アルミ銅事業不振 日経 -0.23% 2/5 7201 日産自とルノー、自動運転でグーグル陣営に参画 1600万台規模 日経 -0.25% 2/5 2503 キリンHD、健康分野強化 協和発酵バイオ子会社化 日経 -0.56% 2/5 8316 三井住友FG傘下の三井住友銀、外貨建て保険の利回り明快に 「一括払い型」で   日経 -0.67% 2/5 7532 「ドンキ」のパンパシHD、今期は32%増益 日経 -0.92% 2/5 5020 JXTG、今期営業益4900億円に下振れ 原油安で利幅縮小、自社株買いの追加検討   日経 -1.98% 2/5 7267 中国CATL、ホンダとEV用電池で共同開発発表 日経 -2.49% 2/5

大統領はおもてなし、議長はおもねりなし? トランプ・パウエル夕食会談の後味

トランプ大統領と米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が4日夜にホワイトハウスで非公式の夕食会に臨んだ。リチャード・クラリダFRB副議長、スティーブン・ムニューシン財務長官も同席したという。 イラスト:たださやか トランプ氏が招待したといい、経済情勢について話し合いが行われたという。FRBの発表資料によれば、パウエル議長は1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での発言に沿って話したといい、最後に「私とFOMCの同僚は、雇用の最大化と物価安定を支援するために金融政策を運営し、慎重かつ客観的に、政治的な判断に基づかずにこれらの決定を下す」と述べたという。 トランプ大統領がFRBの利上げ路線を批判する中、パウエル氏は独立性を強調したとみられる。ただ1月FOMCでは利上げの一時停止に加え、バランスシートの縮小ペースを見直す方針が正式に文書で示されたばかり。政治情報サイトのポリティコによれば、今回の会合は1日に予定が決まったといい、4日は1時間半ほど話し合いがもたれたという。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙電子版によれば、トランプ政権の関係者は「これまで大統領執務室で行われたどの会合よりも、平等で誠意あるものだった」と良い雰囲気の会合だった旨を指摘。ちなみに、2月4日は66歳となるパウエル議長の誕生日でもあり、トランプ氏が慰労をするには良いタイミングだった。ステーキも振る舞われたという。 大統領とFRB議長が夕食を共にするのは珍しく、トランプ氏によるFRB議長批判が一服するのか今後のツイッターが注目されそうだ。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

フェイスブック波瀾曲折の15年 時価総額4倍、「いいね!」は何倍?

4日の米株式市場でフェイスブックが反発。前週末比2%高の169.25ドルで終えた。この日は同社の創立記念日。2004年2月4日の創業から、丸15年を迎えた。 ■フェイスブックの株価(グラフ紫)と時価総額(グラフ青) 公式HPには創業時のザッカーバーグ氏らの写真が掲載されている 昨年は個人情報流出問題の対応に追われたが、先週発表した2018年10~12月期決算は市場予想を上回る増収増益で最高益を更新。モルガン・スタンレーやJPモルガンをはじめ、アナリストによる目標株価引き上げが相次ぎ、見直し買いが入っている。 QUICK FactSet Workstationによると、4日時点の時価総額は4831億ドル(約53兆円)で12年5月の上場時(初値ベースで1150億ドル)から4倍以上に膨らんでいる。(根岸てるみ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

市場を去る元祖債券王 運用ファンドの成績はグロースとはいかず

4日の米国市場で資産運用会社のジャナス・ヘンダーソンが反落し、0.31%安の22.03ドルで終えた。この日にファンドマネジャーを務めるビル・グロス氏(74歳)が3月1日付で退職すると発表。グロス氏は1971年にパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)を共同で創業し、債券ファンドとして過去最大規模に成長させてかつては債券王と称されたが、2014年にジャナスに移籍してからは以前ほど注目されることは減っていた。運用成績の不振に加え、同氏が運営するファンドからの資金流出も取り沙汰されていた。また、ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)が現在は新債券王の異名を持つ状況のせいか、特に著名ファンドマネジャーの引退を警戒する動きは限られた。 かつてPIMCOを共同創業したモハメド・エラリアン氏は4日にツイッターで「伝説的な投資家ビル・グロスが、債券投資の革新とパフォーマンスを残して去る。彼のポートフォリオに関するアプローチは、世界中の投資家によって今日も使われ続けている。彼の引退に幸あれ」と引退を惜しんだ。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】5日 ソフトバンクなど決算 米大統領が一般教書演説、ISM非製造業

5日は財務省による10年物国債の入札が行われるほか、ソフトバンクや三菱商、伊藤忠などの4~12月期決算が発表される。またIPO関連では識学(7049)の仮条件が決定する。 海外では1月の米ISM非製造業景況感指数や11月の米製造業受注などが発表される予定だ。   【5日の予定】 国内 時刻 予定 10:00 2月の当座預金増減要因(日銀) 10:30 10年物国債の入札(財務省) その他 閣議   12月期決算=SUMCO、協和キリン、日電硝   4〜12月期決算=双日、ニチレイ、日清食HD、三井化学、フジHD、神戸鋼、コンコルディ、スズキ、ヤマハ、伊藤忠、三菱商、丸井G、ソフトバンク、NTTデータ、スクエニHD 海外 時刻 予定 0:00 1月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数(6日) 9:30 メスター米クリーブランド連銀総裁が講演   12月の豪貿易収支   12月の豪小売売上高 12:30 豪中銀理事会の結果発表 19:00 12月のユーロ圏小売売上高 その他 トランプ米大統領が一般教書演説   10〜12月期決算=ウォルトディズニー、スナップ   中国など春節(旧正月)   中国、香港、韓国、台湾、フィリピン、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムが休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 3612 ワールドが営業益1%減、4〜12月 日経 +6.38% 2/4 6305 鉱山機械、ロシアで拡販 日立建機、ダンプトラックなど 対米貿易摩擦、追い風に 日経 +3.24% 2/4 7994 オカムラが経常最高益、4〜12月1割増 日経 +3.22% 2/4 9619 イチネンHD、純利益55%増 日経 +3.07% 2/4 4004 昭電工、営業益2.3倍 前期1800億円強、黒鉛電極の利幅拡大 日経 +2.17% 2/4 4508 田辺三菱、20%減益 4〜12月最終、薬価引き下げ響く 日経 +2.12% 2/4 6965 ホトニクス、5%増益 10〜12月最終、X線光源伸びる 日経 +2.09% 2/4 4507 インフル薬、小さな巨人 塩野義、国内シェア47% メガは素通り、「看板」守る 日経 +1.75% 2/4 5802 住友電、純利益下振れ 今期1%増、車用電線伸び悩む 日経 +1.40% 2/4 8214 AOKIHD、営業益1割減 4〜12月 日経 +1.26% 2/4 4911 「日本製」アジア輸出加速 資生堂、九州に新工場 日用品や食品、相次ぎ増産投資 各紙 +1.17% 2/4 4631 DIC、1割減益 前期営業 インキ樹脂、原料高で 日経 +0.86% 2/4 6752 パナソニック、利益下振れ 今期営業3850億円、中国販売が低迷 各紙 +0.85% 2/4 2269 明治HD傘下の明治、乳製品値上げ 4月出荷分から、牛乳は最大3.5% 各紙 +0.83% 2/4 9887 松屋フーズ、純利益7%減 日経 +0.83% 2/4 2784 アルフレッサ、純利益39%増 日経 +0.82% 2/4 9142 JR九州、純利益1%減 4〜12月、減価償却費膨らむ 日経 +0.81% 2/4 3632 グリーが純利益43%減 7〜12月、開発外注費かさむ 日経 +0.81% 2/4 4062 イビデン、純利益91%減 今期、スマホ向け部品不振 日経 +0.31% 2/4 4208 宇部興の純利益、4〜12月14%減 合成ゴム採算悪化 日経 +0.28% 2/4 4452 花王、中計達成へ再加速 今期営業益8%増 5大新技術、相次ぎ製品化 日経 +0.12% 2/4 1333 マルハニチロ、サバ缶7%上げ 各紙 -0.13% 2/4 5803 フジクラ今期、純利益78%減 スマホ向け落ち込む 日経 -1.05% 2/4 6971 京セラ、欧州2社買収へ 米中摩擦に対応 拠点増、リスク分散 日経 -2.02% 2/4 8114 デサント、反対表明へ 伊藤忠の敵対的TOBに発展 日経 -5.99% 2/4 8001 +0.81% 2/4

【朝イチ便利帳】4日 パナソニックなど120社が決算 米決算はアルファベット、中国など休場

4日は1月のマネタリーベース、財政資金対民間収支やQUICK月次調査<債券>が発表されるほか、ヤフー(4689)やパナソニック(6752)など約120社が決算発表を予定している。IPOでは、エスコンジャパンリート投資法人投資証券(2971*J)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。 海外では、米製造業受注が発表される予定だ。中国(上海・深セン)、韓国は休場。米国の決算では、アルファベット(グーグル)が予定されている。   【4日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 1月のマネタリーベース(日銀) 11:00 1月のQUICK月次調査<債券> 15:00 1月の財政資金対民間収支(財務省) 15:00過ぎ ファストリが1月の国内ユニクロ売上高を発表 その他 12月期決算=花王   4〜12月期決算=キッコマン、帝人、イビデン、宇部興、エーザイ、ヤフー、住友電、フジクラ、三菱電、パナソニック、JR九州、三菱UFJ   7〜12月期決算=グリー 海外 時刻 予定 0:00 11月の米製造業受注(5日) 9:30 18年12月の豪住宅着工許可件数   メスター米クリーブランド連銀総裁が講演(5日) 16:00 1月のトルコの消費者物価指数(CPI) その他 中国(上海深セン)、韓国、台湾、ベトナムが休場   シンガポール、マレーシア市場が半日取引   海外10〜12月期決算=アルファベット(グーグル)、ギリアドサイエンシズ 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 4661 OLC、アルバイト2割正社員に 最大4000人 日経 +2.78% 2/1 6861 キーエンス、4〜12月最終11%増益 7年連続最高に 日経 +2.52% 2/1 9143 SGHD、純利益18%増 今期上振れ、足元の荷受け好調 日経 +1.43% 2/1 6723 ルネサス、1000人削減 半導体、国内縮小に対応 日経 +0.80% 2/1 6758 ソニー、今期純利益70%増の8350億円に上振れ 最高益で増配 日経 +0.58% 2/1 9437 NTTドコモ、4〜12月営業益5%増 日経 +0.40% 2/1 4502 武田、新薬伸びるも減益 4〜12月純利益32%減   +0.25% 2/1 3563 スシローGH、500店を5.6日に一斉休業 士気向上など狙う(日経、以上4日) 日経 +0.15% 2/1 6963 ローム、4〜12月純利益26%増 車向け電子部品好調 日経 0.00% 2/1 7267 ホンダ、4〜12月営業益3%減 米中で減速 日経 -0.12% 2/1 7201 日産自、英でのSUV生産計画を撤回 「合意なき離脱」警戒 日経 -0.16% 2/1 7011 三菱重、社長に泉沢氏 収益モデル再構築課題 日経 -0.33% 2/1 6501 日立、今期純利益50%減 株売却益で800億円上方修正 日経 -0.79% 2/1 6971 京セラ、今期一転減益 営業益16%減、スマホ用部品不振 日経 -1.30% 2/1 4005 住友化、4〜12月純利益18%減 薬価改定や原料高響く 日経 -1.41% 2/1 8439 東京センチュ、IoT機器貸し出し 農業管理など 日経 -1.67% 2/1 8058 三菱商、インドネシア配車大手ゴジェックに出資 日経 -2.20% 2/1 4902 コニカミノル、4〜12月純利益81%増、複合機伸びる(日経(各紙、以上2日) 各紙 -2.56% 2/1 5411 JFE、生産現場再建急ぐ スチール社長に技術畑の北野氏 日経 -2.61% 2/1

証券営業の凄腕たち【Episode1】投資はストーリー、顧客との共有が大事

米中の貿易戦争や中国の景気減速が世界経済へと波及するなか、株式相場では先を見通しにくい環境が続いている。予想を立てづらいなかで証券会社の営業担当者はどのように情報収集や分析をして顧客に銘柄を提案しているのか。販売現場の生の声は個人投資家や市場関係者にとっても参考にするべき点が多い。証券会社で活躍する凄(すご)腕営業担当者に証券営業の戦略を聞いた。第1回は大和証券の糴(せり)川明憲さん。「世界中の資金の流れを注視してストーリー(仮説)を立て、顧客と共有することが大事」だと話す。 大和証券 糴川明憲氏 せりかわ・あきのり  2008年立命館大卒、大和証券入社、京都支店を経て14年9月に現在勤務する渋谷支店に。入社以来、個人や未上場法人向けのリテール営業を担当。現在は資産コンサルタント部の上席課長代理。これまで社長賞8回、月間賞44回の受賞歴を持つ。34歳。京都府出身   ――どういう視点で銘柄を選び顧客に提案していますか。 「銘柄から探すというより様々な指数をみてどういったところにお金が流れているか、自身のスト―リー(仮説)を立ててそこから銘柄を選定してお客様に提案しています。株価の動きだけでなく、リスク度合いを測る米国のハイイールド債は買われているか、現物資産の金に資金が向かっていないか、先行指数となる銅やアルミなどの非鉄の商品指数はどうかなど、まず世界でどういう風にお金が流れているかを把握するのが重要だと思います」 「営業先で意見を聞きながら一緒にストーリーをつくり、共有しています。お客様と自分がみているストーリーに距離やギャップが生じないようにしています。見通しが外れてしまうこともありますが、そのときはなぜそうなったのか検証し、次に備えるようにしています」 ダウ輸送株指数で米消費動向を読む ――どういった指数や情報源を参考にしていますか。 「とりわけ米国債と原油価格、ダウなどの主要株価指数、米国のハイイールド債、ダウ輸送株指数は重要指数として注視しています。ダウ輸送株指数は米国の消費動向を敏感に反映する先行指数で毎日見られるので重宝しています。そのほかブラジルなど新興国の株価も含め約20の指数をQUICK端末で毎朝確認しています」 「情報は出社前や移動時間を活用し、新聞や週刊紙、スマートフォンのアプリやウェブサイトも含め5~10媒体くらいに目を通しています。多くの媒体を見ることで情報が立体的になります。幅広く話題を集めるのがリテールでは求められます」 資産運用以外のことでも思いついたらやる ――いま顧客が興味を持っている商品や分野にはどういうものがありますか。 「現在は多くの高齢者もスマートフォンを利用しアマゾンで買い物をする時代です。既に米国IT(情報技術)大手は身近な存在となっており、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムのいわゆる『GAFA』などの個別株やファンドを買えないかという問い合わせが来るケースがかなり増えています。これまで遠いイメージだった米国株ですが、お客様の多くは米IT大手がここ20年程度でダイナミックに株価を上げ時価総額を増やしてきた事実を知っています」 「また単に資産を増やすというより、自身の本業や今後の生活に関わる深い部分に問題点を感じられる方が多くなったように思います。事業承継やM&A(合併・買収)などを含めたソリューションサービスに興味をもたれる方が増えています。実際、証券各社もコンサルティング営業に注力しており、当社も力を入れている分野です。一人一人のニーズの幹に当たる部分に対応できるよう提案に力を入れていきたいと思います」 ――顧客への接し方で工夫していることはありますか。 「話に幅を持たせることは意識しています。単純に相場の想定の話だけでは退屈になってしまうので、世間話や天気、趣味の話もして時にはそれだけで帰ってしまうこともあります。訪問してその場で商品を購入してもらうというよりも、ストーリーを話して相場がこうなったらこうしましょうという前提条件だけをつくり、後で電話で提案することが多いです」 「大事な資産を預かっているので、可能な限り資産運用以外のところでも役に立ちたいと思っています。何かできないか思いついたことは何でもやるようにしています。若い頃、先輩をまねしてポエムを書いて渡したこともあります。センスがなくて響かなかったのが苦い思い出です」 証券会社の凄腕営業担当者というと、押しの強そうなイメージがあるが、糴川さんは口調も穏やかで物腰も柔らかく思わず長話してしまいそうなタイプだ。一方で毎朝20種類を超える指数の確認や情報収集はしっかりと欠かさない。顧客目線の真摯な対応に加え、日々の基本的な作業を高い次元でやり続ける「持続力」が顧客の信頼を勝ち取っているようだ。〔日経QUICKニュース(NQN)神宮佳江〕=随時掲載します

再び動き始めたトルコリラ買い 「利下げ当面なし」の観測、市場不安やわらぐ

外国為替市場でトルコリラが戻り歩調を強めている。対円は1月31日に1リラ=21円台を回復し、およそ1カ月ぶりの高値を付けた。トルコ中央銀行が公表した四半期インフレ報告書をきっかけに、当面は利下げはないとの見方が広がった。米連邦準備理事会(FRB)が金利引き上げの姿勢を後退させていることも米ドル安を通じてリラの買い安心感につながっている。 トルコ中銀は1月30日に最新のインフレ報告書を発表し、2019年末のインフレ率見通しを14.6%とした。2018年10月時点の15.2%から下方修正し20年末のインフレ見通しも引き下げたが、市場関係者が注目したのは予想の前提が「引き締め的な政策スタンス」だった点だ。 トルコでは3月末、首都のアンカラや最大都市イスタンブールの市長などを選ぶ統一地方選を控える。市場では「エルドアン大統領が選挙前の景気刺激策として利下げを求め、中銀が応じるのではないか」との思惑が出ていたものの、インフレ報告書を受けて「中銀はテコでも動かないとの見方が強まった」(野村証券の中島将行・外国為替アナリスト)という。 中銀の「自信」の背景として、昨年夏から秋にかけてのリラ安がトルコ経済に好影響を及ぼし始めたことも見逃せない。トルコの文化観光省によると、18年の外国人旅行者数は過去最高となった。リラ急落でトルコ旅行の割安感が高まった。一時はブランド品を安く買おうとする企業の「トルコ詣で」が広がった。いずれにせよ外貨獲得が進めば、ドル建て債務の多いトルコのファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)改善を促す。 しかも18年終盤から米金利の先高観が薄れ、「トルコショック」の一因にもなった米ドル高圧力が薄れている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが金利先物から算出する米国の金融政策予想「フェドウオッチ」によると、直近では19年は「利上げなし」が76%、「1回の利下げ」が17%。利上げを織り込む動きはしぼんでいる。高金利通貨であるリラには資金が流入しやすい。 米国株の変動性指数(VIX指数)は足元では2カ月ぶりの低さ。市場の不安心理は和らいでいる。高金利のリラが投資家の視線を集める条件は整ってきた。 〔日経QUICKニュース(NQN) 矢内純一〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

19億円の後始末いまも アルゼンチン債デフォルト問題、今月下旬に債権者集会

アルゼンチン債のデフォルト(債務不履行)。市場関係者の多くは既に忘れているかもしれないが、後始末はまだ終わっていない。アルゼンチン政府は今月下旬にも債権者集会を開き、過去に発行しデフォルトした円建て外債(サムライ債)のうち、未償還になっている一部について最終和解案を示す予定だ。国内の個人投資家を巻き込んだドタバタ劇の幕は果たして下ろせるのだろうか。 今回対象になるのは、1996年から2000年までに発行された4本のサムライ債だ(下表)。01年に財政破綻し、国内外の借金を計画通りに返せなくなったアルゼンチンは05年と10年の2度、債務再編のためにデフォルト債の保有者に対し、新たな国債と交換する「エクスチェンジ・オファー」を実施した。16年には和解の意向を表明し、遅延損害金込みで未償還元本の150%を支払うといった今回の議案と同内容で個別に和解協議を進めてきたが、債権者全員との合意に至っていない。 4本の未償還額はおよそ19億円と、1900億円強あった発行総額の1%程度まで減った。債権者の数は不明だが、数百人規模との見方が出ている。債券の管理会社である銀行とアルゼンチン政府はいまだ係争中で、遅延損害金などを含め未払い金の約180%ほどの支払いを求めているとみられる。残存元本が少額でも合意成立に向けたハードルは低くはない。 今回の債権者集会の開催には半数を超える債権者の出席が必要になる。どうにか開催にこぎ着け、参加者の3分の2以上の賛成を得られれば、ようやくすべての債権者と和解への道が開ける。議案が成立するとアルゼンチン政府は120日以内に債券管理会社に元本の150%に相当する額を支払い、債権者はその後2年間のうちに順次、管理会社からお金を受け取ることになる。 アルゼンチン債はサムライ債のほか主に欧州市場で流通するユーロ円債も含めれば、個人を中心に3万~4万人が投資したともいわれた人気商品だった。とりわけ日本では有利な利回りで運用可能な金融商品が少なく、有利に調達をしようとした発行体と、相対的に高い利回りを求める国内勢の思惑が一致。サムライ債の発行が急速に膨らんでいった経緯がある。 アルゼンチン債の発行当時の格付けは投機的等級のダブルB格で、投資に踏み切るにはかなり勇気がいる水準だったはず。それでも背に腹は代えられない――。運用難に苦しむ投資家がリスク覚悟で低格付け債を求め、損失をこうむる構図はいつでも起こり得る。アルゼンチン債の教訓を忘れてはならない。 〔日経QUICKニュース(NQN) 片岡奈美〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

初の減益ZOZO株ダウン、需要予測フィットせず 証券各社はまだ強気

ZOZOが2019年3月期の連結業績予想を下方修正し、一転減益になると発表したのをうけて、1日午前の株式市場ではZOZO株への売りが膨らんだ。午前の終値は前日比8%安。寄り付き後に10%下落して2000円を割り込む場面もあった。相次いで公表された証券各社のアナリストリポートで、先行きに対する見方は分かれている。 野村証券では、新たな業績予想の前提を「保守的」と評価。会員向け割引サービス「ZOZOARIGATO」に関連するブランドの退店などの混乱は、早晩終息するとみているもようだ。 また、モルガン・スタンレーMUFG証券は解決すべき課題はあるものの、プラットフォームの優位性には変化はないとの見解を示したようだ。 みずほ証券では20年3月期にPB事業での赤字解消方針が示された点を前向きに評価。目先は株価の上値が抑えられても、20年3月期の業績反転で下値が大きく切り下がるリスクは軽減するとみているようだ。 一方、SMBC日興証券では大幅下方修正を「ネガティブ」と評価。「ZOZOARIGATO」の影響が大きく、業績予想が困難としているようだ。(弓ちあき) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

2ケタ増収予想でも成長鈍化懸念 最高益アマゾン、株価は乱高下

1月31日の米時間外市場でアマゾン・ドット・コムが乱高下している。一時は通常取引に比べて1.8%ほど高い1750.45ドル近辺まで上昇したが、買い一巡後には下げに転じた。通常取引に比べておよそ5%低い1625ドル近辺まで下落する場面もあった。 31日の通常取引終了後に発表した2018年10~12月期決算は売上高、1株利益(EPS)ともに市場予想を上回り最高益だったが、同時に示した19年1~3月期見通しを嫌気する売りに押されている。 10~12月期の売上高は前年同期比19.7%増の723億8300万ドルと市場予想の718億7960万ドルを上回った。部門別では主力のインターネット通販が12.5%増の398億2200万ドル、利益率の高いクラウドサービス「AWS」が45.3%増の74億3000万ドルと大きく伸びてそれぞれ市場予想を上回った。AWSの伸びが寄与してEPSは6.04ドルと市場予想の平均(5.65ドル)を上回った。 一方、19年1~3月期の売上高見通しは前年同期比10~18%増の560億~600億ドルになると示した。市場予想の608億2600万ドルを上限でも下回るため、先行きに対して警戒感が広まる展開となっている。米CFRAリサーチは決算発表を受けて、19年のEPS見通しを引き上げたものの目標株価を従来どおり2000ドルに据え置いた。(中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】1日 1月の米雇用統計、ソニーやNTTドコモが決算

1日は2018年12月と通年の失業率や有効求人倍率、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の18年10~12月期運用状況が発表されるほか、ソニー(6758)やNTTドコモ(9437)などが決算発表を予定している。IPO関連では、 エネクス・インフラ投資法人の公開価格が決定される予定。 海外では、1月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)や1月の米雇用統計などが発表される予定だ。   【1日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 12月と18年の失業率(総務省)   12月と18年の有効求人倍率(厚労省)   QUICKコンセンサスDI(1月末時点) 10:20 3カ月物国庫短期証券の入札発行(財務省) 13:30 小林同友会代表幹事の記者会見 14:00 1月の新車販売(自販連)   1月の軽自動車販売(全軽自協) 15:30 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の10〜12月期運用状況 その他 閣議   12月末の税収実績(財務省)   日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が発効   4〜12月期決算=住友化、武田、小野薬、コニカミノル、JFE、豊田織、日精工、NTN、ジェイテクト、日立、OKI、ソニー、キーエンス、デンソー、ローム、京セラ、三菱自、アイシン、ホンダ、HOYA、豊田通商、三井物、阪急阪神、SGHD、NTTドコモ     海外 時刻 予定 0:00 12月の米建設支出(2日)   1月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数(2日)   1月の米消費者態度指数(確報値、ミシガン大学調べ、2日) 10:45 1月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI) 19:00 1月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値 22:30 1月の米雇用統計 23:45 カプラン米ダラス連銀総裁が講演 その他 10〜12月期決算=メルク、エクソンモービル、シェブロン   マレーシア市場が休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 6594 日電産、独社を買収 100億円で、減速機を強化 日経 +4.15% 1/31 5486 日立金、今期純利益12%減 日経 +3.30% 1/31 6981 村田製、40%増益 4〜12月最終、車載電子部品伸びる 日経 +3.10% 1/31 6301 コマツ、4〜12月純利益19%増 社長に小川氏、新興国開拓に重点 日経 +2.86% 1/31 3092 ZOZO、初の減益 今期純利益12%減、PB事業伸びず 各紙 +2.52% 1/31 8035 東エレク、純利益40%増 4〜12月 半導体投資、先行きは懸念 日経 +2.18% 1/31 6988 日東電、純利益16%減 今期、減益幅が拡大 日経 +2.12% 1/31 7974 任天堂、「遺産」頼みの回復 4〜12月純利益25%増、スイッチ販売下方修正   日経 +2.05% 1/31 3386 コスモバイオ、一転最終増益 前期9%増 日経 +1.62% 1/31 6952 カシオ、初の早期退職実施 日経 +1.61% 1/31 7011 三菱重社長に泉沢氏 宮永氏は会長に 構造改革にメド 日経 +1.57% 1/31 7201 日産自の西川社長ら、3社「合議制」を維持 トップ会談で一致 各紙 +1.44% 1/31 8304 あおぞら銀、純利益11%減に 4〜12月 日経 +1.36% 1/31 6702 富士通、4〜12月純利益7%減 独工場の閉鎖費計上 日経 +1.30% 1/31 6724 エプソン、今期一転営業減益 5%減620億円 日経 +1.28% 1/31 8604 野村、赤字1012億円 4〜12月、過去のM&Aで損失 各紙 +1.26% 1/31 8058 三菱商、6%増益 4〜12月最終、利益進捗率は低水準 日経 +1.24% 1/31 9433 KDDI、純利益3%増 4〜12月 日経 +1.11% 1/31 7205 日野自、4〜12月純利益3%減 日経 +1.01% 1/31 6954 ファナック、42%減益 10〜12月営業、中国での受注急減 日経 +0.99% 1/31 8411 みずほFG、純利益14%減 4〜12月 日経 +0.84% 1/31 8316 三井住友FG、純利益2%減 4〜12月 日経 +0.77% 1/31 2802 味の素、今期純利益64%減 日経 +0.66% 1/31 4217 日立化、純利益11%減 今期 日経 +0.56% 1/31 4519 中外薬、前期純利益27%増 日経 +0.46% 1/31 8308 りそなHD、純利益30%減に 4〜12月 日経 +0.45% 1/31 6504 富士電機、今期純利益下振れ 日経 +0.44% 1/31 9432 NTT、ぷららをNTTドコモ傘下に 通信と映像融合 日経 -0.61% 1/31 9437 -0.13% 1/31 3938 LINE、赤字に転落 前期最終 スマホ決済、投資重く 日経 -3.68% 1/31

HFT隆盛で変質、外為市場は元には戻らず  by 花生浩介氏(シリーズ:ベテランに聞く)

外国為替市場の主要プレーヤーや取引形態は1980~90年代に比べると激変した。コンピューターや人工知能(AI)の発達で高頻度取引(HFT)が幅をきかせる時代になり、2008年のリーマン・ショック後に規制強化が進んだ影響もあってどんな場面でも腰を据えて売り買いの価格を示す「マーケットメーカー」は姿を消した。日本興業銀行(現みずほ銀行)や香港上海銀行(現HSBC)で30年以上為替ディーリングに携わった花生浩介氏は「HFTによって売買高自体は増えたが、市場の流動性はむしろ減少した。もう元には戻らないだろう」と話す。【聞き手は日経QUICKニュース(NQN)=菊池亜矢】 花生浩介(はなお・こうすけ)氏 1980年に日本興業銀行入行。84年から為替ディーリングの道を一貫して進む。2001年にロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)東京支店で外国為替部部長、06年から香港上海銀行に移り外国為替本部長とマネージングディレクター。17年にバルタリサーチを設立し個人の目線からマーケット情報を提供する傍ら、トレーニング用品やソフトウエアを扱うスポーツ関連企業フィットネスアポロ社の社長 ■混乱時のパニック増幅しやすく 現在の市場の主役はAIをバックにしたHFTだ。HFTはふだんはマーケットメーカーのように振る舞って相場の値動きを決める半面、混乱時にはいっせいに手を引き、パニックを増幅してしまう。いざというときには頼りにならない。責任感をもって市場機能を維持する真のマーケットメーカーがいない現在の外為市場は、市場メカニズムの是正といった自らの優れた機能を大きく損ねている。市場は事実上しぼんでしまったといっていい。 ディーラーの駆け出しのころ、日本はバブル絶頂期だった。金融危機の前で金融機関や投資家のリスク許容度は極めて大きく、いまでは考えられない大金が活発に動いていた。現在に比べるとはるかに小さい規模の市場の中で、30歳代にかけての5~6年は朝から夜中まで顧客の注文に応じて価格を出し続けた。 ときには大きなリスクも取ったが、ポジションの保有時間は長くて5分、下手をすると5秒で回転させて「流動性」を供給してきた。回転売買に徹していた気がする。結局はそれがリスクヘッジになっていたかもしれない。当時は自分よりも巨額の持ち高を振り回し、マーケットメーカーの役割を果たすディーラーがごろごろいて市場全体が活気づいていた。 ■ポンド危機の攻防に息のむ 忘れられないのは1992年の9月。英国がジョージ・ソロス氏率いるヘッジファンドの英ポンド売りに耐えられず、欧州の為替相場メカニズム(ERM)離脱を決めたころだ。ある日、東京市場でイングランド銀行(英中央銀行)がポンド防衛のため、日銀に委託してポンド買い・円売り介入をしたと噂された。一方、ロンドン市場でソロスファンドは売り崩しを続け、他の投機筋も追随し英ポンドは暴落した。 投資家が中央銀行に歯向かうなどということは通常は考えられない。だがERM離脱によって英国の金利は大幅に低下し、通貨安もあってその後の英国経済は回復に向かった。政府・中銀の無理な政策を市場メカニズムが是正した好例といえ、ファンド勢の動きに感心したのを覚えている。 コンピューターの草創期で取引記録は完全には機械化できず、損益も手計算でリアルタイムでの把握は難しかった。それが不正やミスの温床になったわけで、昔を懐かしんでもしょうがない。ただコンプライアンス(法令順守)強化など規制でがんじがらめになった結果、市場のダイナミズムは間違いなく失われた。 「毎日が戦争」の感覚で混乱の極みのような生活を続けていたにもかかわらず、疲れたとか嫌になったとかの記憶はない。大きな損失を抱え途方にくれたことは何度もあったが、ディーリングは結果がすべて。学歴も派閥も関係ない極めてフェアな世界で奮闘できたのは幸せだった。 外為市場はスポーツに例えると、地元の野球少年がメジャーリーガーと一緒にプレーするようなもの。「伝説のディーラー」と呼ばれる人は尊敬できる人が多く、いつか自分もそうなりたいと励みになっていた。理屈やデータの通りに動くコンピューターやAIの時代はそれはそれでフェアなのかもしれないが、淡泊すぎる。 ■大局観を忘れずに そんな中でも為替でディーリングを続けるとすればどんなスタンスで臨むべきだろうか。とりあえずは世界の大まかな流れを忘れないようにしたい。 ニューヨークで勤務した1990年代後半は米経済が絶好調だった。政策を担っていたのはグリーンスパン米連邦準備理事会(FRB)議長とルービン財務長官、サマーズ財務副長官という最強トリオ。折しもWindows95が発売になり、IT(情報技術)化の波が押し寄せていた。業種を問わずパソコン導入が加速した。米国のバロンズ誌が毎年出す景気予測で、エコノミストらの「好景気は続かない」という主張がことごとく外れていく。それまでと違うレベルで設備投資の革命が起きていると感じた。 「本場」に身を置くことで近視眼的な見方から離れ、大局観を得るのは大切だ。インターネット全盛の現代はネット経由で様々な情報を入手できるが、それでも「百聞は一見にしかず」の真理はまったく変わらない。 リーマン・ショックを境に産業の主役が金融からITに移ったことも重要だ。金融はITと親和性が高く、リーマン・ショック前までは最先端の技術を誇る業界だった。しかし、金融危機後は名だたる金融機関が公的資金で救済され金融規制に縛られると業界全体が萎縮した。現在はアップルやグーグルなど大手IT企業の取り組みのほうがずっと面白く金融は背中を追いかける格好になっている。金融とITをあわせた「フィンテック」でファイナンスは前だが、実際にはITの後じんを拝しているとの印象が否めない。 足元のAI活用はコンプライアンス違反を避けるためとの後ろ向きな理由もある。機械なら基本的に不正はしない。ヒューマンエラーによる訴訟リスクを抱え込まずに済む。金融は徹底的にリスクを抑える方向になり、生産性を抑えた。 ■次の活路は新興国市場に AI活用の大きな流れはおそらく止められない。万難を排して最先端の技術革新をもう一度金融に取り入れないと、金融業界の復活はないだろう。 金融が他の産業と異なるのは決済をつかさどっている点だ。決済は最も大切な社会インフラの1つで、多額の資金を安定的に決済することで社会全体の安定を下支えする。流動性や安定性は他の産業とは比較にならないほど大切で、流動性を担保する意味は大きい。1回あたりの取引金額から考えてもリスクが取りにくい環境になっているはずなのに、機械化以前のほうがリスクが少なかったように思えるのは昔のほうが流動性が厚かったからだろう。 昨年初めにかけて仮想通貨がブームとなったが、投機性だけに焦点が当たると通貨としての必然性は失われる。為替を含めた決済システムを仮想通貨の基幹技術「ブロックチェーン」に変えるといった話でも、市場流動性を確保する方向に持っていくなどの努力を忘れてはならない。 昨年の「トルコリラショック」などを振り返ると、新興国では短期金融や為替市場が未整備で、為替差損リスクヘッジの手法や投資情報など主要国では当たり前のインフラがまだ整っていないと痛感した。新興国経済は世界全体の約半分を占めるまでに拡大しているのに金融市場は脆弱で、流動性は異様に低い。 裏を返せば、新興国市場での流動性創出は金融業界に残された数少ない課題だ。経済成長率が1~2%の先進国でできることはほとんどなく、もはやリターンも期待できない。次の活路は新興国に求めるべきだろう。 (随時掲載)

⤵サンバイオショックの後遺症 「バイオ銘柄2年サイクル」終幕か 

サンバイオ(4592、マザーズ)の臨床試験が不調だったことで活況を呈していたバイオ株相場が暗転した。関連株が2年程度かけて上昇局面を演出するサイクルを踏まえると、サンバイオ株の急落を機に弱気相場入りした可能性もある。 サンバイオの株価は、18年の1年間で2.5倍と急上昇した。一方、時価総額上位10銘柄で構成した「バイオ関連株バスケット」は2018年のパフォーマンスが小幅下落。17年と比べると明らかに失速していた。過去の経験則を踏まえれば「上昇2年サイクル」の曲がり角を意識せざるを得ない。 だが、個別では明るい材料もある。臨床検査試薬大手の栄研化学(4549)が29日に発表した18年4~12月期の連結純利益は、前年同期比27%増の32億円だった。19年3月期通期の予想値である30億円上回る好決算だ。海外で便潜血検査用試薬の売上が伸びたほか、コスト削減も収益を押し上げた。 サンバイオに関しても成長ストーリーを描けなくなったわけではない。 みずほ証券の野村広之進シニアアナリストは、同社の将来を左右する慢性期脳梗塞の臨床試験が主要評価項目を達成できなかったことは、ネガティブサプライズだったという。しかし、「臨床試験の打ち止めによるコスト削減効果に、もう一つの新薬が寄与すれば業績の黒字転換は若干早まる可能性もある」(野村氏)と指摘。もう一つの新薬とは、外傷による脳損傷を治療するものだ。当局への申請など事務的な手続きに加えて、施設が充実した病院の導入に限られることなどを踏まえると、普及速度は緩やかだろうと野村氏は想定している。 そのほか、そーせいグループ(4565)のがん向け新薬の臨床試験が開始されるほか、アンジェス(4563)は足の血管が詰まる病気の治療薬を今年から販売すると言われている。 もちろん、過度な楽観は禁物だ。いちよし証券の宇田川克己課長は、「18年12月にマザーズ市場に上場した新規株式公開銘柄は、きょうから指数に組み込まれる。12月期本決算の銘柄も多いため、好決算を発表した銘柄が買われ、指数の持ち直しに寄与するかもしれない」という。個人投資家の視線はバイオ関連株から好決算銘柄へ徐々にシフトしかねず、バイオ株全体が持ち直すにはよほどの好材料が必要と言える。(根岸てるみ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

注目の米企業決算&株価 FB⤴ MS⤵ ビザ⤵ 

フェイスブック 時間外で11%高 予想上回るEPSを好感、ユーザー数も想定線に着地 30日の米時間外取引でフェイスブック株は167.74ドルと、通常取引終値の150.42ドル(前日比4.32%高)を11.51%上回った。通常取引終了後に公表した2018年10~12月期決算で1株利益(EPS)が2.38ドルとなり市場予想(2.18ドル)を大幅に上回った。売上高も169億1400万ドルで市場予想163億8900億ドルを超えた。 日次と月次のユーザー数は市場予想並みで、情報漏えい問題などの影響が想定の範囲内でとどまっている状況も投資家に安心感を与えたようだ。   マイクロソフト 時間外で下落 決算はほぼ市場予想通り、クラウド成長鈍化 マイクロソフト株は、通常取引は前日比3.34%高(106.38ドル)で引けていたが、時間外では売られ通常取引の終値と比べて2.71%安の103.49ドルだった。2018年10~12月期(2Q)決算で、1株あたり利益(EPS)が前年同期比15%増の1.10ドルと、市場予想(QUICK FactSet Workstation、1.09ドル)を小幅に上回った。売上高は12%増の324億ドルで、予想(325億ドル)を小幅に下回った。クラウドサービスの「アジュール」がけん引したほか、SNSの「リンクトイン」も好調だった。ただ、アジュールの売上高の伸び率は前年同期比76%増と、98%増だった前年同期からは低下した。   ビザ 時間外で軟調、年末商戦は好調だったが…… ビザは時間外取引で135.38ドルと通常取引の終値(前日比1.92%高の137.6ドル)を下回った。 2018年10~12月期決算で1株利益(EPS)が1.30ドルとなり、市場予想(1.25ドル)を上回った。好調だった米国の年末商戦を背景に同社カードを利用した取引が前年同期比で11%増となった。実態を伴う利益成長が好感されたものの、時間外では買いが続かなかった。 (岩切清司、松下隆介) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

ハト乱舞、FOMC満額回答に株⤴金利⤵ 利上げ確率も⤵

米連邦準備理事会(FRB)は30日、米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決めた。公表した声明文は「段階的な追加利上げ」が正当化されるとの文言を削除、金融政策を「忍耐強く」判断するとの文言を挿入し、利上げの休止を示唆した。2017年秋から開始したバランスシート縮小についても「修正する用意がある」と見直す姿勢を示した。 満額回答ともいえる金融引き締めに慎重な「ハト派」的な内容を受け、米国市場では長期金利が低下し、株価が急上昇した。米10年債利回りは2.68%台へ低下、ダウ工業株30種平均の上げ幅は430ドルを超えた。 ■「利下げ」が織り込まれつつある シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループの「Fedウオッチ」によると、2019年中の利上げ確率は29日の19.2%から10.5%に低下する一方、利下げ確率は6.8%から9.4%に上昇した。政策金利の維持は72.0%から79.6%へ上昇している。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】31日 中国PMI ファナックや任天堂など400社 アマゾン、GEなども

31日は12月の鉱工業生産指数速報などが発表されるほか、2年利付国債の入札発行が行われる。企業決算は、ファナックや任天堂など、約400社が決算発表を予定している。 海外では1月の中国の製造業PMIなどが発表されるほか、アマゾン・ドット・コムなどが決算を発表する予定だ。   【31日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 対外対内証券売買契約(週間、財務省)   12月の鉱工業生産指数速報(経産省)   日銀金融政策決定会合の主な意見(22〜23日開催分) 10:30 雨宮日銀副総裁が山口県金融経済懇談会であいさつ(下関市)   2年利付国債の入札発行(財務省) 12:00 12月と18年の建機出荷額(建設機械工業会) 13:00 12月の自動車輸出実績(自工会) 14:00 12月と18年の住宅着工(国交省)   雨宮日銀副総裁が記者会見(下関市) 19:00 1月の為替介入実績(財務省) その他 12月期決算=LINE、中外薬   4〜12月期決算=日清粉G、ヤクルト、日ハム、味の素、ZOZO、野村不HD、アステラス、塩野義、第一三共、板硝子、TOTO、ガイシ、日立金、LIXILグ、オークマ、コマツ、住友重、富士電機、富士通、エプソン、カシオ、ファナック、村田製、日東電、川重、日野自、任天堂、東エレク、H2Oリテイ、あおぞら銀、りそなHD、三井住友FG、みずほFG、SBI、野村、マネックスG、インヴァスト、日通、郵船、商船三井、川崎汽、JAL、KDDI、中部電、関西電、Jパワー、東ガス、大ガス 海外 時刻 予定 0:30 米エネルギー省の石油在庫統計(週間、1日) 10:00 1月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)   1月の中国非製造業PMI 17:55 1月の独失業率 19:00 12月のユーロ圏失業率   10〜12月期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値 22:30 米新規失業保険申請件数(週間)   10〜12月期の米雇用コスト指数 23:45 1月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI) その他 10〜12月期決算=アマゾンドットコム、マスターカード、ダウデュポン、ゼネラルエレクトリック(GE)、韓国サムスン電子 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 6762 TDK、今期営業増益幅縮小 日経 +0.63% 1/30 7751 キヤノン、19年12月期純利益5%減 デジカメ苦戦、買収効果道半ば 日経 +0.48% 1/30 9022 JR東海JR東日本が4〜12月純利益最高 JR西日本は災害で最終減益 日経 +0.30% 1/30 9020 -0.05% 1/30 9021 -0.16% 1/30 3003 ヒューリック、今期純利益10%増 日経 +0.10% 1/30 7735 スクリン、今期一転40%最終減益 納入遅れ響く 日経 0.00% 1/30 5411 JFE傘下のJFEスチール、減産100万トンに 倉敷の高炉停止長期化で 日経 -0.02% 1/30 8001 伊藤忠、デサントにTOB 敵対的に発展も 日経ビジネス -0.05% 1/30 8114 -2.50% 1/30 9064 ヤマトHD、4〜12月期純利益2.5倍 試される値上げの次   -0.20% 1/30 6857 アドテスト、今期純利益18年ぶり最高545億円に 日経 -0.26% 1/30 6305 日立建機、今期営業7%増益に 鉱山機械伸びる 日経 -0.33% 1/30 6645 オムロン、今期純利益21%減 2度目の下方修正 日経 -0.35% 1/30 4661 OLC、4〜12月純利益最高743億円 日経 -0.36% 1/30 3099 三越伊勢丹、4〜12月純利益34%増 構造改革で回復基調 日経 -0.86% 1/30 1333 マルハニチロ、4〜12月純利益最高8%増 サバイワシ缶好調 日経 -1.21% 1/30 6753 シャープ、今期営業益19%増に下方修正 アップル減速響く 日経 -2.23% 1/30 4751 サイバー、今期一転減益 ネット広告事業伸び悩む 日経 -2.57% 1/30 9501 東電HD、今期純利益29%減 日経 -2.93% 1/30

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