平成・危機の目撃者⓮ 大西知生が見た外為指標不正の真実(2013)

信用失墜の瀬戸際、取引ルール作りに奔走 巨大な外国為替市場では参加者の利害関係が極めて複雑だ。しかも相対取引が中心のため長年、明確なルールがないままの「なれ合い」体質がまん延していた。国際ルールが固まったのはつい最近の2017(平成29)年。きっかけは13年、10年代前半まで繰り返されてきた外為指標の不正が発覚したことだ。ルール作りに奔走し「Mr.FXJapan」と呼ばれた大西知生氏は「あそこで動かなければ外為市場は瀕死(ひんし)の状態に陥ったかもしれない」と振り返る。       大西知生氏 おおにし・ともお 1990年に慶大経済学部を卒業し東京銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。その後はチェース・マンハッタン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)やドイツ銀行グループで為替市場にかかわり、2017年12月まで東京外国為替市場委員会の副議長として国際ルールの整備にあたった。現在は仮想通貨(暗号資産)交換業への参入を目指すFXcoinの代表取締役社長 ◆なれ合い体質まん延、顧客無視のディーラーも 2010年代前半、金融・資本市場では2つの大きな不祥事が起きた。一つは世界の企業向け融資や、金利スワップなどのデリバティブ(金融派生商品)の基準となるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)を巡る談合問題。12年、欧米大手銀の担当者が自らに利益になるようレートを決めていたことが発覚した。もう一つは13年に明らかになった為替指標の操作疑惑だ。欧米金融機関の一部の為替ディーラーが顧客から受けた注文に関する秘密情報を共有し、決済に絡む指標を操作しようとしていたとわかった。 疑惑発覚前の外為市場には取引規範として明文化されたルールがなかった。大手自動車メーカーがいくら売っている、機関投資家がいくら買っているといった情報があふれ、ディーラーたちが大手顧客の注文に便乗し売買をするといった顧客無視の動きがあった。いまでは禁止されている「見せ玉」などを駆使して収益をあげるのが良いディーラーとさえ思われていた。モラルの高いディーラーはなかなか利益を出せない不公平な状況も生じていた。 外為指標の不正はそうした不公平感や不満が吹き出す引き金にもなったほか、不祥事の責任が個人に対して追及されたために世界中のトレーダーは萎縮し、疑心暗鬼の連鎖によって日々の取引量は目に見えて細った。ルール作りは待ったなしだった。 ◆日本主導でガイドライン、バイサイドを説得 関係者が多岐にわたるとあって道のりは平たんではなかったが、日本がリーダーシップをとってどうにか合意にこぎ着けた。まず東京外国為替市場委員会は「外国為替ガイドライン」を作り、情報共有などについて具体例を挙げながらディーラーができること、できないことを「○」「×」形式で示した。例えば具体的な取引先名や、特定の水準にいくらの注文が控えるかなどは伝えてはならない。 東京を含む主要8カ国・地域の外為市場委員会の代表が東京に集まり2015年3月に開催された「外国為替市場グローバル会合」でこのガイドラインを公表すると、○×方式は分かりやすいと高く評価された。17年5月に国際決済銀行(BIS)が明らかにした「グローバル外為行動規範」でも同じ形式が採用になった。内容は日本に近い。外為業務の国際ルールをようやく一本化できた。 ガイドライン作成にあたってまずは国内の大手銀行、証券のマネジャーたちを集めて会合を開いた。すると「ガイドラインの通りに業務をするともうからなくなるからと反対」との声があがった。半面、自分の部下であるドイツ証券のスタッフには「ガイドラインよりもさらに厳しく律するぐらいにしてほしい」と指示した。顧客の一部は「ドイツ証券は情報をくれなくなった」と離れていった。 ガイドラインを作っても使ってくれる人がいなければ意味がない。大手製造業、商社、機関投資家などの「バイサイド」にも理解してもらわなければならなかった。東京外為市場委員会のメンバーはバイサイドと何度も議論した。 当初は「外為市場の改革というが、そもそもセルサイド(銀行や証券などのセールス部門)が悪いことをしたのが原因。その結果ルールを厳しくしたから情報提供などのサービスクオリティーが低下するのでは納得がいかない」と不満をぶつけてくるバイサイド幹部もいた。それでも市場の健全化はセルサイドだけでなくバイサイドも恩恵を受けるのだと粘り強く説明し、理解を得た。 一方、指標関連の不祥事をもたらしたヒューマン・リスク(人間のトレーダーを置くリスク)を完全に消し去るのは難しい。このところ急速に進んでいるコンピューター取引や人工知能(AI)の活用拡大はこと外為市場では避けられないだろう。感情をもたない機械取引はプログラムに沿って淡々と動くので、恣意的な不正はしない。記録も取りやすく顧客への説明責任を果たせる。 ◆今度は仮想通貨、実需拡大に期待 外為市場で自分ができることは一通りできたかなと思っていたところに仮想通貨と出会った。「外為市場のルール作りをした大西さんのような人が仮想通貨業界にもいたらいいのに」と周囲に乗せられる格好で転身を決めた。「仮想通貨は人々の生活を豊かにする」と確信した当時の思いは変わっていない。 17~18年初めのようなバブルが再び起こる可能性は低く、国際送金などにおける仮想通貨の利用を模索する企業は増えている。バブルを起こした投機取引の熱は冷めたが、決済などに絡む「実需」が拡大すれば、必要なインフラとして世間の認知度が増すだろう。 =聞き手は日経QUICKニュース(NQN)尾崎也弥 =随時掲載

目指せデータの達人⑦中国製造業PMI、連休中の最大のリスク

27日から始まる大型連休中は、米連邦公開市場委員会(FOMC)、4月の米雇用統計など重要イベントが相次ぐ。その中でも、相場を大きく動かすリスク要因となりそうなのが、30日に中国国家統計局が発表する4月の製造業購買担当者景気指数(PMI、Purchasing Managers’ Index)だ。 PMIとは、生産や新規受注などについて景況感を購買担当者にアンケート調査し、指数化したもの。「生産がどのぐらいになった」といった実際の数値をまとめたものではなく「現在の景気の雰囲気」を聞くソフトデータのため、景気の先行指標とされる。とりわけ「世界の工場」である中国の製造業PMIが低下すれば、世界景気の減速懸念が広がり、市場ではリスク回避の動きが出やすい。 リスク資産の代表格であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格と中国製造業PMIのチャートを並べてみると、連動性が高いことがわかる。昨年末にWTI原油先物が1バレル50ドルを割り込んだ局面では、中国PMIも景気の拡大と縮小の節目となる50を下回り、2年10カ月ぶりの低水準に沈んでいた。 その後、中国製造業PMIは2月に49.2まで落ち込んだ後、3月は50.5まで持ち直した。日経平均株価の動きを見ても、3月31日発表の中国製造業PMIの後、戻りを強める展開となっている。 中国メディアの財新などがまとめた民間版の製造業PMIも3月は50台を回復し、中国の景気減速に対する過度な懸念は和らいでいる。4月の中国製造業PMIについて、市場では「50を維持できるかがポイント」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)との声があがる。3月のPMIは春節(旧正月)の翌月だったため上昇しやすかったとの見方もあり、反動による悪化に注意する必要がありそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN ) 矢内純一】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

「予想上回る」のも「想定内」 ザイリンクス株急落、好決算と試練の道

24日の米市場の時間外取引で次世代通信規格(5G)関連の半導体ザイリンクス(@XLNX/U)が急落している。通常取引の終値を12%ほど下回る123.23ドル前後で推移。取引終了後に公表した1~3月期決算で売上高は前年同期比23.1%増の8億2836万ドルだった。市場予想の8億2598万ドルを上回った。一株利益(EPS)も0.95ドルと市場予想の平均(0.94ドル)を上回った。 ただ、決算の直前になって一部のアナリストから市場平均の業績予想を上回る結果を期待する指摘が相次いでいた。株価も昨年末からの上昇率は64%に達していた。開示された業績にサプライズが乏しく、利益を確定する売りが優勢となっているようだ。 ノムラ・インスティネットは24日付のリポートで「通信分野での力強い成長を確認できたが、粗利益の減少が続く見通しで、足元の高い売上高の成長力がどこまで維持できるか疑問も残る」として、投資判断を「ニュートラル」に据え置いたもよう。 サントラスト・ロビンソン・ハンフリーのアナリストは決算開示後のメモで「売上高利益率が66%となり、市場想定の68.6%に届かなかった」としたうえで「実績と予想は共に良くも悪くもあり、最近の株高を支える材料としては不十分な内容」との見方を示した。 これに対し、ビクター・ペン最高経営責任者(CEO)は発表後の電話による決算説明会で強気の姿勢を崩さなかった。5Gについて「ごく初期の段階にすぎないので、私たちはピークには程遠い、ということも明確にしておきたい。5Gは非常に『野心的』であるためかなりの期間継続します。つまり、5Gは4Gよりもずっと大きな要因となる」と述べた。また「5Gは間違いなく成長の原動力であると考えている。そしてかなりの初期段階にあり、まだ終わっていないと指摘しておきたい」とも付け加えた。(岩切清司、松下隆介) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。  

【朝イチ便利帳】25日 日銀が金融政策発表 任天堂、京セラ、アマゾン、インテルなど決算

 25日は日銀が金融政策決定会合の結果を公表し、黒田東彦総裁が記者会見する。任天堂(7974)、京セラ(6971)、大和(8601)、野村(8604)などが3月期決算を発表する。IPO関連ではトビラシステムズ(4441)、グッドスピード(7676)が東証マザーズに上場する。  海外では3月の米耐久財受注額などが発表されるほか、インテル、スターバックス、アマゾンなどの1~3月期の決算が発表される予定だ。   【25日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 対外対内証券売買契約(週間、財務省) 12:00 3月の建機出荷額(建設機械工業会) 14:00 3月の外食売上高(日本フードサービス協会) 15:30 黒田日銀総裁が記者会見 その他 日銀金融政策決定会合の結果公表   4月の「経済物価情勢の展望(展望リポート)」(日銀)   3月期決算=ZOZO、野村不HD、積水化、アステラス、第一三共、OLC、ヤフー、日立金、富士電機、アドテスト、京セラ、川重、日野自、任天堂、大和、野村、松井、マネックスG、丸八証券、JR東日本、JR東海、関西電   東証マザーズ上場=トビラシステムズ、グッドスピード 海外 時刻 予定 16:30 スウェーデン中銀が政策金利を発表 20:00 トルコ中銀が政策金利を発表 21:30 米新規失業保険申請件数(週間)   3月の米耐久財受注額 その他 インドネシア中銀が政策金利を発表   1〜3月期決算=UPS、スリーエム(3M)、インテル、スターバックス、アマゾンドットコム、フォードモーター   オーストラリア、ニュージーランド市場が休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 3938 LINE、1〜3月期最終赤字103億円 スマホ決済投資かさむ 各紙 +6.46% 4/24 9434 ソフトバンクと米グーグル、成層圏に5G基地局 日経 +0.97% 4/24 9984 ソフトバンクG、独決済大手に出資 日経 +0.39% 4/24 6861 キーエンス、前期純利益7%増 海外でセンサー伸びる 7年連続で最高更新 日経 +0.04% 4/24 6645 オムロン、今期純利益22%減 制御機器伸び悩む 日経 0.00% 4/24 7751 キヤノン、純利益45%減 1〜3月 日経 -0.25% 4/24 6954 ファナック中国不安濃く 今期、想定超す6割減益予想 5G対応も思わぬ逆風 日経 -0.64% 4/24 3850 イントラマト、5年連続増配 今期、年24円に 日経 -0.95% 4/24 4452 花王、1〜3月純利益5%減 紙おむつ販売減る 日経 -0.98% 4/24 6305 日立建機、今期純利益3割減 円高進行見込む 日経 -1.04% 4/24 6701 NECの前期、純利益13%減 日経 -1.19% 4/24 7211 三菱自、中国エンジン生産を縮小 合弁見直し、電動化対応 日刊工 -1.25% 4/24 1861 熊谷組の前期、純利益16%減 日経 -1.31% 4/24 6501 日立、日立化を売却へ グループ再編仕上げ 日経電子版 -1.42% 4/24 4217 -0.53% 4/24 2928 RIZAP、松本取締役退任 日経 -1.60% 4/24 8002 丸紅、前期減損500億円 貿易摩擦で米事業悪化 日経 -2.55% 4/24 9509 北海電社長退任へ 大規模停電の検証区切り 毎日など -2.71% 4/24 9532 大ガス、山口の石炭火力建設計画から撤退 日経 -2.73% 4/24 7201 日産自、営業益45%減 前期2度目の下方修正 各紙 -3.99% 4/24 9508 九州電の川内原発、停止の可能性 規制委、テロ対策延期認めず 各紙 -5.28% 4/24

戻ってきた永守節、戻ってくる下期業績 日電産、半年ぶり高値

「永守節」の威力は絶大だった。 日本電産(6594)は24日午前、東京都内で2019年3月期の決算説明会を開催した。およそ300人超のアナリストやメディアが出席し、会場は満席状態。会長兼最高経営責任者(CEO)の永守重信氏は2020年3月期の下期の業績回復に自信をみせ、その後に株価は一時1万6225円と2018年10月以来の高値をつけた。 ■日本電産の24日の値動き 「尋常ではない変化が起きた。46年経営を行ってきたが、月単位で受注がこんなに落ち込んだのは初めて」などと説明していた通り、前期実績は厳しい内容。足元では緩やかに回復し、在庫も減ってきたが、新製品の好調さに比べて既存の製品がやや苦戦しているという。「他では中国向けが回復しつつあると、はしゃいでいるようだが、私は根拠なき期待感を持たず厳しくみている」と、引き続き中国経済に慎重な見方だった。 しかし、下期の見通しに話が移るとトーンが一変。お馴染みの自信に満ちた口調が戻ってきた。 自動車向けモーターを軸に今期の下期の受注残が積み上がってきており、5G向けファンモーターの需要も伸びているという。「今後、新製品をどんどん投入していく。中国に利益や製品を取られるなんて考えずどんどん出していく」と強調した。 今期の予想営業利益は上期が24%減だが、通期では26%増と、典型的な下期V字回復となる。株価がこの日の高値をつけたのは10時30分で、永守氏の説明後にちょうど質疑応答が盛り上がりを見せていた時間だ。中国景気の鈍化に伴って1月に業績下方修正を発表した背景について「政府もメディアも楽観的だったため、警告を発する必要があった」という解説のオマケまで付いた。 さらに16日に買収を発表したオムロンの子会社で自動車向け部品のオムロンオートモーティブエレクトロニクスについては、「時価総額の縮小が懸念される自動車関連の企業なんて、どうして買ったんだと、センスのないことをいう人も多い。例外があることを理解できていない」と反論した。 健在だった永守節と、はっきり反応した株式市場。独特のコミュ力(りょく)を羨ましく感じている経営トップは、さぞかし多いだろう。(根岸てるみ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

目指せデータの達人⑥踏み上げ相場は都市伝説?「信用売り残」の見方

東京証券取引所が公表している「信用取引残高」は、株式需給を読むうえで重要な指標だ。信用取引は約定日から6カ月以内に反対売買するのが一般的。信用買い残が増えていれば、将来の売り圧力の高まりとみなされ、反対に売り残が増えていれば、買い戻し需要が増え相場上昇を促すとの見方が一般的だ。だが、こうした常識とされる見方には落とし穴がある。 ■信用売り残は日経平均のピークに先行 実は、信用売り残のピークは日経平均株価のピークと同じか、先行してもわずかな期間にとどまることが少なくない。 2018年に売り残(東京・名古屋2市場、制度信用と一般信用の合計)が最も多かったのは、9月下旬の1兆673億円。一方、日経平均は10月2日に27年ぶりの高値である2万4270円を付けたが、それをピークに年末にかけて急落した。15年に売り残が最大だったのは5月下旬の8683億円。この年の日経平均は直後の6月に高値を付け、秋にかけて中国・人民元の切り下げショックで急落した。 通説によれば、信用売り残が膨らんでいる場合、株高で評価損が膨らんだ空売り勢が損失覚悟の買い戻しを迫られ、相場はどんどん上昇するというイメージを抱く。だが、現実には、そうした踏み上げ相場はごく短期間に終わる。 新規の好材料が出ない限り、追随する買いは広がらない。むしろ売り残のピークは相場急落のシグナルとみた方が実用的で、通説は「都市伝説」の類いに近いことをデータは物語る。 「踏み上げ相場=短命」というイメージは相場格言にも現れている。個別銘柄のチャート分析には「三空踏み上げに売り向かえ」という言葉がある。三空とは、上昇局面の場合はローソク足で当日安値が前日高値を上回る「窓」が3日続く状態で、3つ目の「窓」が売りのシグナルとされる。 今年に限っては、信用売り残の多い少ないが相場に波乱をもたらす可能性もある。 ■貸株超過残高(=逆日歩付きの空売り残高の総額)の推移 ※出所は日本証券金融、貸借取引貸付金・貸付有価証券平残(東証・ジャスダック)、単位100万円 信用残が多い銘柄には、空売りする際に株を借りる手数料である「逆日歩」が発生する場合がある。今年は4月下旬に10連休を控えており、逆日歩が付く銘柄を信用売りしている投資家は、23日までに信用売りを解消しないと、受け渡しが連休にかかって11日分の逆日歩を払う必要が生じるケースが考えられる。 市場では、10連休を前に「逆日歩を嫌った信用売りが買い戻され、相場が上がる」との思惑が浮上している。だが、岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは「連休前には持ち高を手じまう現物株売りも出るため、相場への影響は限定的だ」と話す。銘柄によっては上昇する可能性もあるが、伊藤氏は「相場全体を押し上げるようなことにはならないだろう」と見ていた。 〔日経QUICKニュース(NQN) 矢内純一〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

平成・危機の目撃者⓭ 八尾和夫が見たマイナス金利政策(2016)

「黒子」日銀のあるべき姿を問う まもなく「令和」の時代が幕をあける。一方、日銀は長短金利操作付きの量的・質的金融緩和を粘り強く続ける構えで、終わりが見えない。日銀で高松や仙台の支店長を歴任し、現在は東京証券信用組合の理事長を務める八尾和夫氏は「突然のマイナス金利政策は日銀マンだった私も本当に驚かされたが、日銀の政策がここまで世の中を騒がせるのは過去になかった」とサプライズ続きだった平成終盤の政策対応に戸惑いを隠さない。 八尾和夫氏 やお・かずお  1975年に日本銀行に入行し、留学、北京勤務などをへて人事局研修課長や情報サービス局広報課長を務める。98年1月から高松支店長、2002年5月から仙台支店長を歴任後、05年6月に全信組連の専務理事に転じた。11年6月に中央労働金庫の常勤監事に就いた後、15年6月から現職 ◆あっという間に崩れるのがマーケット 日銀のマイナス金利政策には参った。導入が決まった2016年から我々が手掛ける証券金融の世界にまで、新たな収益源を求める地方の銀行などが参入してきた。我々よりも低い貸出金利を提示し、利ざやは縮まった。 半面で資金需要はさほど刺激されず、貸し出しの量は増えない。単純に金融機関の利ざやを落とす「効果」ばかりが目立つ。金融機関の経営者は業態にかかわらず軒並み頭を抱えているはずだ。 金融緩和の出口はいずれ来る。スムーズに着地できればよいが、株や債券など金融市場の先行きに気をもむ市場関係者は少なくない。だからといって今の時点で運用をゼロにするわけにはいかず、株買い、債券買いの持ち高は膨らんでいく。転換点で起きる衝撃が大きくならないよう願うばかりだ。 きっかけは何にせよ、あっという間に崩れるのがマーケットの歴史だ。日本人が9割保有しているから問題ないといわれる日本国債であっても安心してはいられない。 ◆政治に振り回されている ここ数年は一般のメディアでも日銀の一挙手一投足を追いかけているが、こんなに日銀に関心が高まることはかつてなかった。金融政策は本来、世の中が過激な方向に傾かないよう調整したり、時間稼ぎをしたりするものだ。日銀は黒子のように、任せておけば知らないうちにうまくやってくれる、そういう信頼される存在であって欲しい。 1998年4月の日銀法改正は「大蔵省本石町出張所」(日銀本店の住所は日本橋本石町)とも称された日銀に、きちんと権限と責任を持たせて独立させるべきだとの機運が高まったからだ。では日銀は一体どこを見ることになったか。国民とその代表である国会だった。それ自体はあるべき姿なのかもしれないが、昨今はかなり政治に振り回されている感じがする。 昭和の時代は首相ですら(当時の政策手段である)公定歩合に触れるのはご法度だった。それも今は昔。日銀には、短期的な視点に偏りがちな政治とは距離を置き、中長期的な観点から政策を打ち出すことが本来は求められているのではないか。 ◆「デフレ脱却」は何を示すのか、「物価上昇」で何を目指すのか 日銀の中には2つの広報部門がある。マスコミ向けの対応をする専門部署の企画局広報と、マスコミを除く広報業務を手掛ける情報サービス局だ。 日銀も主体的に自ら発信をしていこう――。90年、国内外に向けての情報発信や外部からの問い合わせや要望などの窓口となる情報サービス局ができた。97年にホームページの開設にこぎつけ、スクリーンに映るパソコン画面を示しながらの記者発表では「画期的な仕組みだ」と感嘆の声があがった。 97年といえば北海道拓殖銀行や山一証券など大きな金融機関が相次いで破綻に追い込まれた。情報サービス局には「日銀の政策が悪いからではないか」と直接お叱りの電話がかかってきた。それでも開かれた日銀を目指そうとの姿勢は変わらなかった。 98年1月に赴任した高松支店長時代は、日銀に対する幅広い理解を得ることの大切さを痛感した。四国地方では都市圏ほどバブルの後遺症はなかったもののさまざまな金融不祥事が報じられるなか、日銀への風当たりもかなり強かった。「豪華すぎる」と批判を受けた支店長舎宅を引き揚げるとテレビのワイドショーにも取り上げられた。 仙台支店長を務めていた2002年、金融再生プログラムが発表され急速な不良債権処理が進むなか、「銀行も破綻やむなし」といった雰囲気が広がり続け、株価も急落した。03年にりそな銀行への公的資金注入が決まり、ようやく株価は底を打ったが、経済の先行きは読めない。地元経済界との懇談などで何と説明したらよいのか本当に苦しく、体調を崩してしまったほどだ。それでもいろいろと考えを巡らし、自分の言葉で語り続けた。 当時、政治は株価が上がると「政策が良かったから上がる」と都合のいいようにアピールし、株価が下がると「マーケットはマーケットが決めるから仕方ない」という。政治の動向も、相場決定の重要な一因となるはずだが……。 ところで「デフレ脱却」とはいったい何を示すのだろう。単なる貨幣現象なのか、経済活動の本質そのものなのかが曖昧に聞こえる。物価さえ上がればよいというものではなく、経済の活性化を通じて潜在成長率を高めることが大切だろう。 令和の時代に向け、より長期的で総合的な政策を展開していってほしい。 =聞き手は日経QUICKニュース(NQN)片岡奈美 =随時掲載

【朝イチ便利帳】24日 日銀決定会合 決算はファナック、キャタピラー、ボーイングなど

24日は日銀金融政策決定会合が開催される(25日まで)。その他、ファナック、日立建機などの決算発表が行われる。 海外でも、フェイスブック、テスラなどの決算発表が行われる予定だ。   【24日の予定】 国内 時刻 予定 14:00 2月の景気動向指数改定値(内閣府) その他 日銀金融政策決定会合(25日まで)   3月期決算=キッコマン、イビデン、日立建機、オムロン、キーエンス、ファナック、JAFCO、カブコム、大ガス   1〜3月期決算=LINE、花王、中外薬、キヤノン   東証マザーズ上場=ハウテレビジョン 海外 時刻 予定 10:30 1〜3月期の豪消費者物価指数(CPI) 17:00 4月の独Ifo企業景況感指数 その他 カナダ中銀が政策金利を発表   1〜3月期決算=バイオジェン、AT&T、ボーイング、キャタピラー、ビザ、フェイスブック、ペイパル、ラムリサーチ、テスラ、マイクロソフト 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 7309 シマノの今期、純利益4%減 予想を下方修正 日経 +1.88% 4/23 7516 コーナン、LIXILグ系建材卸を買収 240億円で 日経 +1.75% 4/23 5938 +1.39% 4/23 8303 新生銀グループの昭和リース、神鋼リース株の8割を取得へ 日経 +1.31% 4/23 5423 東京製鉄の前期、単独税引き益37%増 日経 +1.01% 4/23 8698 マネックスGのマネックス証券、投資でためたポイントを仮想通貨に交換 日経 +0.80% 4/23 7012 川重など油圧機器増産、北米アジアなど 建機需要増に対応 日経 +0.59% 4/23 8801 三井不などの選手村マンション、5千万〜1億円超に 低価格、市況に影響も 日経 +0.55% 4/23 6436 アマノ、営業益5%増 前期最高、働き方改革が追い風 日経 +0.30% 4/23 8133 エネクス、前期純利益4%増 ガソリンの利幅拡大 日経 +0.11% 4/23 8316 三井住友FG傘下の三井住友銀、ノルマ廃止 行員への目標割り振り禁止、顧客資産増加を重視 日経 -0.17% 4/23 7201 日産自、19年3月期決算 大幅な業績下方修正、24日発表 テレビ東京 -0.20% 4/23 6594 日電産、今期最高益に 2年ぶり EV用モーター伸びる 各紙 -0.44% 4/23 9658 ビジ太田昭、今期増配へ 9年連続 日経 -0.52% 4/23 6752 パナソニック、ロームに半導体事業の一部売却 日経 -0.77% 4/23 6963 -1.42% 4/23 9619 イチネンHD、営業益6%増 前期、最高更新 日経 -0.97% 4/23 4922 コーセー、前期営業益下振れ 北米で化粧品伸び悩む 日経 -1.24% 4/23

4日で230億円の損 売り出しのトラウマ招くかんぽ株

親会社の日本郵政(6178)が売り出したかんぽ生命(7181)株が23日、投資家の手に渡った。きょうの始値(前日比横ばいの2204円)は売り出し価格(2375円)を171円(7%)下回った。申し込み最終日からわずか4営業日しか経っていないにもかかわらず、売り出し株数ベースでは含みと実現の合計で約230億円の損が一時的に生じた計算だ。投資家にとってトラウマとなりかねないディールとなった。 22日時点の時価総額は1兆3200億円。4日の発表から1300億円以上減少した。とりわけ、投資家による申し込みと、幹事証券による株価買い支え、いわゆる「安定操作」が終わった17日以降の下落率が7%と目立つ。 株価純資産倍率(PBR)は0.6倍台、配当利回りは3%台だ。投資妙味の点で売り叩く理由は見当たらない。需給要因としか考えられない。 市場では「売り出し株を引き受けた個人が早々に見切り売りに動くと踏んで、機関投資家が先回り的に売ったのではないか」との声が聞かれる。だが、株価は上場来安値まで残り1割あまりの水準に沈み、大半の少数株主は含み損を抱えているはずだ。機関投資家が思惑で損切りするとは思えない。日本証券金融はかんぽ株の貸株の申し込みを制限しており、空売りも難しい。 一つ、可能性として考えられるのは、売れ残りを抱えた引き受け証券会社による処分売りだ。 売り出しでは通常、投資家は売り出し価格決定までの需要申告(ブックビルディング)期間中の購入希望は証券会社に申し出ればキャンセルできるが、売り出し価格決定後の正式な申し込みのキャンセルは受け付けられない。 引き受け証券が売れ残りを抱えたのだとしたら、ブックビルディングが不調だった可能性が高い。ただし、そうだとすれば、売り出し価格決定日の終値から最大10%まで可能だった売り出し価格を決める際の割引率が4%にとどまったのはなぜかという疑問が残る。 主幹事の1社の大和証券は「個別の案件には答えられない」(広報部)としている。 かんぽ株の売り出しを巡っては、自社株買い直後に売り出し価格を決めるやり方に、当初から「分かりにくい」と戸惑う声が多かった。3月の任天堂(7974)株の売り出しでは、売り出し価格決定後に自社株買いが実施された。任天堂株の売り出しの引き受け主幹事は、かんぽ株の主幹事には入らなかった野村証券だった。任天堂は売り出し価格を上回って推移している。 エクイティ(株主資本)による資金調達の成否は投資環境に左右される面が大きい。とはいえ、「投資家の利益の先に市場や証券会社の発展がある。売り出し人も発行体も証券会社も時代遅れの供給者論理に傾いてはいないだろか」。最近の株式市場での資金調達について、あるベテランの市場関係者はこう話していた。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 永井洋一】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

平成・危機の目撃者⓬ 伊藤嘉洋が見たバブル崩壊(1992)

市場の宿命、令和の時代も必ず起きる 平成の日本はバブル崩壊とその後始末に追われた。海外でも1997(平成9)年のアジア通貨危機や2008年のリーマン・ショックに直面し、18年にはインターネット上の仮想通貨ビットコインなどのバブル崩壊が起きた。それらの出来事が示すのは、投資家が利益を追求する限りバブルは避けられないということだ。株式市場にかかわって今年で57年、酸いも甘いも知る大ベテランの伊藤嘉洋・岡三オンライン証券チーフストラテジストは「バブルは次の令和の時代でもまたやってくる」と断言する。 伊藤嘉洋氏 いとう・よしひろ 1962年に岡三証券に入社し、取引所のフロアで独特のサインを駆使して売買注文を出す「場立ち」から市場でのキャリアをスタート。90年には株式部長に就任し、約9年間にわたってメディアの解説者やセミナー講師としても活躍。その後は岡三投資顧問、岡三アセットマネジメントを経て2010年から現職。長年の経験を生かした相場見通しや銘柄解説は評価が高い ◆「敗戦処理」に明け暮れた日々 岡三証券の株式部長に就任したのは1990(平成2)年4月だった。前年の12月に日経平均株価が3万8915円の史上最高値を付け、世の中は浮かれきっていた。大手証券会社からは5万円などという今から思えばとんでもない予想まで飛び出した。資産価値がどんどん高くなって給料やボーナスも増え、それが一段の株高につながっていたのだが、いったん崩れるとあっという間だ。 相場があれよあれよと下げ始めたのは92年のこと。証券各社が何度予想を切り下げても止まらず、日経平均はついに2万円の節目を割り込んだ。(損失が生じた)顧客に毎日頭を下げ続ける文字通りの「敗戦処理」となったが、それを乗り越えて99年まで株式部長を務められたのを誇りに思う。 岡三投資顧問に移った後に経験したのが99~2000年にかけてのIT(情報技術)ブームだ。コンピューターやインターネットの発達でネット企業に対する投資熱が高まり、自動車や機械といった「オールドエコノミー」から主役が交代していく動きを目の当たりにした。だが、ここでもバブルは起きた。 2つのバブルのけん引役はいずれも海外マネーによる先物の買いだった。日本で先物取引が始まったのはバブル終盤の88年でまだ歴史が浅く、先物を積極的に取引する国内投資家はまだ少なかった。今でこそ「海外の先物買い」はよく知られているものの、当時は姿があまりはっきりせず、気がつくと先を越されていた。特に個人がついて行けない。「高値づかみ」をした結果、相場の下落局面で痛手をこうむるのをたくさん見てきた。 ◆家計に巨額の貯蓄、投資余力は大きく 2008年のリーマン・ショックや12年以降のギリシャの財政不安などいくつかの危機を乗り越え、日経平均は昨年10月に2万4000円台と、27年ぶりの高値を付けた。90年代のバブル崩壊の傷がようやく癒えようとしているなかで「令和」の新時代を迎える。秋には消費増税を控え、働く世代の懐は苦しくなりそうだが、家計全体では依然として巨額の貯蓄を抱える。個人の投資余力は大きく、バブルはどこかのタイミングでまた繰り返されるだろう。 個人が平成初期のバブル時代に買った不動産や株などの資産価値は当時には到底及ばないため、売るに売れない状況が続きそうだ。ただそんな人たちも子供がいれば遠からず相続の時期が来る。相続する側は資産が含み損を抱えているとの認識は乏しい。特に不動産の現金化にはためらいはないだろう。 不動産や株の売却が進むと相場を一時的には押し下げるかもしれないが、懐の潤った個人は新たな消費や投資に動く可能性が高い。株式市場にも新たなお金を呼び込みそうだ。 しかも日欧を中心に世界はなおも歴史的な低金利環境にある。市中にあふれて行き場をなくしたマネーは株式などのリスク資産に移らざるを得ず、景気の悪化局面でもしばらくは株高を促すはずだ。 ◆過去に学び、転換点を見逃すな ジョン・テンプルトンが残した有名な相場格言に「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく」とある。リーマン・ショック後の米経済が長期回復をしながら先行き不透明感が残っているように、足元は「懐疑」に向かっている段階だと思う。株価の本格上昇は実はここからではないか。それでもバブルは必ず崩壊する。 日本の個人がまた負けないために大事なのは、過去の教訓に学んで相場の転換点を見逃さないことだろう。日々の動きは「あや」にすぎないと割り切り、相場が大局的にみて「上昇」、「横ばい」、「下降」のどの段階なのか冷静に見極めてほしい。そのうえで、自らの決めたルールに従って損失を確定させる潔さが必要だ。 =聞き手は日経QUICKニュース(NQN)尾崎也弥 =随時掲載

【朝イチ便利帳】23日 決算は日電産や東京製鉄、P&Gやベライゾン、UT、TIなど

23日は2月の毎月勤労統計確報、3月の企業向けサービス価格指数、3月の食品・全国スーパー売上高、全国百貨店売上高などが発表される予定。 海外では3月の米新築住宅販売件数などが発表される予定だ。 【23日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 2月の毎月勤労統計確報(厚労省) 8:50 3月の企業向けサービス価格指数(日銀) 10:30 2年物利付国債の入札(財務省) 13:00 3月の食品スーパー売上高(日本スーパーマーケット協会など) 14:00 3月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会) 14:30 3月の全国百貨店売上高(日本百貨店協会) その他 閣議   3月期決算=東京製鉄、日電産 海外 時刻 予定 23:00 3月の米新築住宅販売件数 23:30 米エネルギー省の石油在庫統計(週間) その他 3月のシンガポール消費者物価指数(CPI)   海外1〜3月期決算=ツイッター、コカコーラ、プロクターアンドギャンブル(P&G)、ベライゾンコミュニケーションズ、ユナイテッドテクノロジーズ、テキサスインスツルメンツ(TI)、イーベイ、スナップ 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 7994 オカムラ、一転6%減益 前期最終、冷凍冷蔵ケース不振 日経 +0.68% 4/22 7201 ルノー、日産自に統合再提案 日産自は拒否へ 各紙 +0.55% 4/22 7984 コクヨ、一転8%減益 今期営業、原料高響く 日経 +0.37% 4/22 4755 楽天三木谷氏「携帯料金、超シンプルに」 アイサムで講演 日経 +0.32% 4/22 2503 キリンHD傘下のキリンビール、一番搾りを2年ぶり刷新 日経 +0.32% 4/22 7182 ゆうちょ銀、ゆうちょPay 来月8日に開始 日経 +0.16% 4/22 8001 伊藤忠、純利益25%増 前期、最高に 食料繊維が好調 日経 +0.15% 4/22 9503 関西電、1キロワット時8円で買い取り 家庭の太陽光余剰分 日経 +0.06% 4/22 2602 日清オイリオ、純利益最高に 前期30%増 日経 0.00% 4/22 6504 富士電機、2期連続最高益 前期営業、車向け半導体好調 日経 -0.28% 4/22 9671 よみランド、前期純利益11%減 減益幅は大幅縮小  日経 -0.59% 4/22 9508 九州電、優先株配当率下げ 日経 -0.60% 4/22 4185 JSR、前期営業益横ばい 合成ゴムなど振るわず 日経 -1.86% 4/22

平成・危機の目撃者⓫ 池水雄一が見た「有事の金」の復権(1999)

財政も将来も不安、ソブリンリスクに目向く 「有事の金」。その存在感が増したのは実はここ20年ほどの話にすぎない。1980年代に東西冷戦が終わった後、政治リスクが薄れたと判断した各国の政府・中央銀行はいざというときのために取っておいた金を売り続け、「金は石ころになる」とまで言われた。転機は99(平成11)年のワシントン協定だった。商品市場の生き字引で「ブルース」の異名を持つディーラーの池水雄一氏は「中銀による金の売却基準を厳しくしたこの協定がなければ金の復権はなかった」と振り返る。 池水雄一氏 いけみず・ゆういち  1986年上智大学外国語学部卒業、住友商事入社。90年からクレディ・スイス銀行、92年から三井物産の貴金属チームリーダーを務める。2006年に南アフリカのスタンダードバンク(現ICBCスタンダードバンク)東京支店副支店長に転じ、09年から支店長。元三和銀行(現三菱UFJ銀行)の外国為替ディーラーで現在は衆議院議員を務める今井雅人氏(本シリーズ➌に登場)は大学の同級生 ◆ワシントン協定で中銀の売却を制限 1989(平成元)年に1トロイオンス=400ドル程度だった金価格はワシントン協定を境に復活し、足元では1300ドル近辺で推移している。協定ができた99年といえば97~98年のアジアやロシア危機の余韻さめやらぬころだ。新興国を中心に財政赤字への懸念がくすぶっていた。 それまで長らく、中銀は金の最大の売り手だった。運用担当者が第2次世界大戦を知らない若い世代に代わり、「冷戦は終わったし金を持っていてもしかたない」との雰囲気がまん延していた。だがアジア危機などをへて、1970年代からの財政拡張で高まってきた国家のリスク(ソブリンリスク)に目が向かいやすかったのかもしれない。 協定では欧州各国の中銀が年間の売却量を計400トンに制限することになった。欧州系の中銀は保有している金の貸し出しもしていて、借り入れた鉱山会社などは先物の売りで価格下落のリスクを回避(ヘッジ)してきたがそれにも制約をかけた。協定締結まで緩やかな右肩下がりで、300~400ドル程度を行ったり来たりしていた金相場はにわかに底堅くなった。 世界に存在する金の総量はよく「オリンピックプール3杯半ほど」と表現される。一辺21.3メートルの立方体程度なのだという。限られたパイの中で最大のプレーヤーである中銀の売りを抑えれば、需給はおのずと引き締まる。 その後、2001年に起きた米同時多発テロは国際情勢の緊張感を再び高めた。世界は思ったほど平和ではない――。世界大戦や冷戦構造から局地的なテロが新たな脅威として意識されるようになり、「セーフヘイブン(安全資産)」として金のニーズが高まった。 ◆鉱山会社のヘッジ売りも止まる ワシントン協定は金鉱山会社の手足も縛った。金の先安観が強かった80~90年代の相場環境で、オーストラリアや南アフリカなど主要産金国の鉱山会社は中銀から安く借り入れた金を主な担保に数年先までの生産分相当額の先物を売ってきたが、中銀がなかなか金を貸してくれなくなったので市場から調達せざるを得ない。コストは上がる。ヘッジが機能しづらくなっていた。 ヘッジ戦略は相場の下落時に鉱山会社を守ってくれるが、先物売りが現物の売りに波及し値段をさらに下げる負の側面もあった。ワシントン協定はその悪循環を止める役割も果たしたわけだ。 しかも01年以降は「有事の金」復権で価格が上昇傾向に転じ、数年前に安い価格で積みあげた先物の売り持ち高には含み損が膨らむ。金価格の下落がこれ以上は見込めないとなると、各社は先物の買い戻しを急ぎ始めた。先物売りが減るだけでなく買い戻しが入る。買いが「倍々ゲーム」で広がるようなものだ。 ただディーラーの視点では「有事の金買い」にあまり踊らされないことが重要だ。紛争などが起きて投資家が我先にと金を買うと、必ず相場のオーバーシュート(行きすぎ)が起こる。短期的にはひとまず調整が入る「有事の金売り」を意識し、落ち着いたところで改めて買うスタンスが良いだろう。 平成の話ではないが例えば、1979年に発生したソ連のアフガニスタン侵攻。ニューヨークの金相場は200ドル台から850ドルまで急騰した後、すぐに押し戻されてきた。目端の利く投機筋は誰よりも早く持ち高を作ろうとし、イベントが人々の間で認知されれば利益確定を進める。そんなときは相場はいったん下がる。 ◆米中ロ、国際政治の不透明感を反映 2006~07年ごろから金の世界は変わってきたと感じる。08年のリーマン・ショックに続き、足元では英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレクジット)問題やトランプ米政権の登場などいままでの常識では考えられない事態が起き、資本主義の前提が崩れてきた。漠然とした将来の不安は解消しそうにない。「有事の金」の価格が200~300ドル台に戻る可能性はもうないだろう。 米国が金本位制を放棄した1971年の「ニクソン・ショック」からしばらくは金の大口保有者は米国とドイツなど先進国の中銀で、ワシントン協定まで金の売り手だったのは欧州勢だった。だが2010年ごろから中銀は金の買い手に転じている。中国やロシアなどが外貨準備として保有していた米ドルを売り、金の買いに傾いているためだ。米国との微妙な関係と国際政治の不透明感を映していると考えられる。 基軸通貨のドルを持つ米国は別の通貨を多く保有していてもしょうがないので外準に占める金の割合は現在も75%と突出している。その他の欧州各国の間に中国やロシアなどの「新参者」が割り込んでいく展開になってきた。 中国は世界1位の、ロシアは世界3位の金産出国でもあるため、市場で買わなくても金の保有割合を増やせる。近年はロシアが世界6位、中国は7位の金保有国に浮上した。ロシアが数年前にルーブル下落に苦しんだ際にどうにか持ちこたえられたのは、金の保有を多くしていたからとの指摘が聞こえてくる。 リーマン・ショック以降の米金融緩和政策の影響は大きかった。低金利の資金が行き先を求めて市中にあふれる構図は金に限らず商品相場全体に追い風だった。2012年に量的緩和第3弾(QE3)が始まったころ1600ドル台で推移していた金相場は、米連邦準備理事会(FRB)の出口政策が意識されると1200ドル台まで下げたが、19年に入ると今度は「緩和の終わりの終わり」が意識されている。金は再び上昇トレンドに戻ると予想している。 =聞き手は日経QUICKニュース(NQN)片岡奈美 =随時掲載

米高華低キャタピラー続く悪路 コスト上昇も追い打ち【米決算プレビュー】

米決算シーズンが本格化する中、金融情報会社ファクトセットの18日付のリポートによれば、この日までにS&P500採用銘柄の15%の企業が2019年1~3月期(1Q)決算を発表したという。このうち1株当たり利益(EPS)が市場予想を上回ったのは78%の企業で、過去5年平均を上回っているとのこと。EPSは平均で市場予想を5.7%上回ったといい、比較的好調な決算が出ているようだ。 今週はS&P500採用銘柄のうち150銘柄が決算を発表する。24日(日本時間25日)に決算を発表するボーイングやキャタピラーなどダウ工業株30種平均採用の12銘柄が含まれ、米決算シーズンは最初のヤマ場を迎える。 キャタピラーの決算は中国向け需要のモメンタムを探るカギになる。前回の2018年10~12月期決算は、中国を軸としたアジア・太平洋地区の建設機械の売上高が前年同期比4%減となり、国内株式市場で同業のコマツ(6301)や日立建機(6305)などに連想売りが広がった。今回はどうか。 市場予想       1~3月期            ・売上高  132億7000万ドル(3%) ・純利益  16億5000万ドル(1%減) ・EPS  2.82ドル(3%)  ・S&P500種構成銘柄の純利益の伸び率 3%減  ※QUICK FactSet Workstationの4月17日時点のデータを使用。()内は前年同期比。EPSは希薄化後。S&P500種構成銘柄の純利益の伸び率は18日時点。 中国向け建機の販売4%減 QUICK FactSet Workstationによると、米中貿易摩擦の影響などでキャタピラーの1~3月期の純利益は1%減と、小幅減益が見込まれる。主力の北米向け建機の売上は10%程度の増収が見込まれるものの、中国向けは約4%減と前期からの不振が続き、収益の足を引っ張ったようだ。加えて、米国による中国への追加関税で鉄鋼やアルミニウム価格が上昇し、建機の製造コストが上昇し収益を圧迫した可能性もある。 ダウ工業株30種平均は年初から18日までに15%上昇した一方、キャタピラー株の上昇率は14%と若干下回る。中国の1~3月期の実質国内総生産(GDP)が6.4%増と市場予想を上回ったことは下支え要因だが、中国の景気減速の懸念はなかなか払拭できない。今回の決算発表が弱めの内容となれば、キャタピラーだけでなく国内の建機メーカーにもまた売りが波及するかもしれない。(根岸てるみ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】22日 3月のコンビニ売上高、香港やロンドンが休場

 22日は3月の白物家電出荷額や主要コンビニエンスストア売上高などが発表される。安倍首相が欧米訪問へ出発する。  海外ではオーストラリア、ニュージーランド、香港、パリ、ロンドンが休場となるほか、3月の米中古住宅販売件数などが発表される予定だ。   【22日の予定】 国内 時刻 予定 10:00 3月の白物家電出荷額(JEMA) 15:30 中西経団連会長の記者会見 16:00 3月の主要コンビニエンスストア売上高(日本フランチャイズチェーン協会) その他 安倍首相が欧米訪問へ出発(29日まで) 海外 時刻 予定 23:00 3月の米中古住宅販売件数 その他 海外1〜3月期決算=ハリバートン   オーストラリア、ニュージーランド、香港、パリ、ロンドンが休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 4765 Mスター前期純利益11%増 投信データ配信好調 日経 +4.12% 4/19 6988 日東電、がん薬の開発拠点 日経 +1.53% 4/19 6222 島精機7割減益 前期最終を下方修正 日経 +1.47% 4/19 6758 ソニー、中国アニメ会社始動 平井氏「多様性生かす」 日経 +0.60% 4/19 8515 「投機級」社債国内初の公募 アイフル、広がる調達手段 日経 +0.38% 4/19 8056 ユニシス、眼鏡型端末でビル点検 作業工数5割減 日経 +0.10% 4/19 4506 大日本住友、減益幅が縮小 前期最終、新薬開発計画見直し 日経 0.00% 4/19 8703 カブコム、アプリで投資 個人型確定拠出年金に 日経 0.00% 4/19 7203 中国清華大と共同研究 トヨタ社長講演、EVなど 日経 -0.25% 4/19 4661 OLC、5年ぶり最高益 前期 日経 -0.36% 4/19 9437 NTTドコモ5年ぶり減益 今期営業、通信料金下げ響く 日経 -0.48% 4/19 5020 JXTG、全給油所でポイント還元 消費税10%時、対応そろえ顧客確保 日経 -0.52% 4/19 8572 過払い金返還で引当金積み増し アコム、394億円 日経 -0.52% 4/19 8604 野村の永井CEO 顧客との金融取引、柱に 中国合弁、年内に開業 日経 -0.70% 4/19 4689 ヤフー、広告配信5900件停止 日経 -0.72% 4/19 8306 三菱UFJ、損失1000億円 前期、子会社システム開発中止 日経 -0.75% 4/19 4540 ツムラ、茨城工場にロボ 労働生産性25%向上(日刊工、以上22日) 日刊工 -0.89% 4/19 2899 永谷園HDが一転、25%減益 前期最終 日経 -1.02% 4/19 2651 ローソン全店、端末刷新 複数店の発注作業可能に 日経 -2.27% 4/19 1925 大和ハウス最終減益 前期、中国関連会社不正響く 各紙 -5.05% 4/19

「ダビンチ」のISRG期待に届かず 成長鈍化の懸念、時間外で大幅安

手術支援ロボット「ダビンチ・サージカル・システム」に成長鈍化の懸念が浮上した。手術機器のインテュイティブサージカル(ISRG)が18日に発表した2019年1~3月期決算は増収増益だったものの、売上高と1株利益が市場予想を下回った。「ダビンチ」の販売台数は伸びたものの、市場の高い期待に届かなかった。時間外取引で株価は7%あまり下げる場面があった。 売上高は前年同期比15%増の9億7370万ドルと、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(9億7500万ドル)をわずかに下回った。市場が注目するダビンチの出荷台数は235台。前年同期から27%増えたが、18年10~12月期(34%増)や18年7~9月期(37%増)からは鈍化した。販管費や研究開発費が利益を圧迫し、特別項目を除く1株利益は2.61ドルと市場予想(2.70ドル)を下回った。 15年10~12月期以降続く2ケタ増収を維持するなど、決算自体は悪くない。ただ手術用ロボット業界でほぼ独占的な地位を築いている同社に対する市場の期待は高かった。株価は好調な業績を先回りするように12日に上場来高値を付けて、過去2年間で約2倍となっていた。超えなければいけないハードルが切り上がっていたのも時間外取引の株価下落を誘った。 事業環境にも不透明感が漂う。米民主党議員が提唱する「国民皆保険制度(メディケア・フォー・オール)」導入の議論が盛り上がり、20年の米大統領選に向けて米医療制度改革や医療費削減の動きが加速する可能性がある。治療費が高額になりやすい手術支援ロボット普及の遅れにつながるとの連想が働きやすく、足元のヘルスケア関連株の軟調さはISRG株も無縁ではない。 会社側は成長維持に自信を示す。決算説明会では19年12月期のダビンチを使った手術が前期比15~17%増えるとの見通しを示した。手術時間の短さなどから患者の負担が少ない「低侵襲」のロボット手術は国内外で急速に普及しており、業界の成長余地は大きい。米国では従来の内視鏡手術からロボット手術への切り替えが進み、椎間板ヘルニアや重度の肥満を解消するための外科手術などへの適用が拡大するとみられる。 19年には一部の基本技術の特許が切れるとも伝わっており、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やメドトロニックなどの医療機器大手が20~21年にかけて参入するとみられている。ただISRGはロボット開発で先行するうえ、手術医の研修といったサービス分野でも強みがあり、競争への懸念は乏しい。にわかに浮上した成長鈍化観測を払拭できるのか、市場の高い期待を上回るまでは株価の上値は重くなるかもしれない。 【日経QUICKニュース(NQN ) 横内理恵】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

ドローン熱気うなるうなる 用途も関連銘柄もフライト範囲拡大中

物流や輸送から、警備や監視、災害対応、測量、撮影、農薬散布用まで形状や性能はいろいろ。小型無人機「ドローン」のデモ飛行や産業応用事例のプレゼンテーションには、どこも人だかり。取材で訪れた「第5回国際ドローン展」(17~19日、幕張メッセ)で、改めてドローンに対する注目度の高さを実感した。 ドローンは各種規制の影響で諸外国に比べて出遅れ感が否めないが、人手不足が深刻な農業や建設などの分野で着実に市場規模が拡大しているうえ、足元で規制緩和の動きが出ているのが追い風だ。さらに、2020年から本格的な商用化が始まる5G技術の普及で高精細の映像を送受信しやすくなるほか、ドローンが移動中の通信も安定するため、物流やインフラ点検など活躍の場が広がるとみられる。 関係者で混み合う国際ドローン展(千葉・幕張メッセ) インプレス総合研究所によると、2018年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は前年比85%増の931億円で、2019年度も前年比56%増の1450億円に拡大する見通し。2024年度には5073億円(2018年度比で約5.4倍)に達すると見込まれている。また、プライスウォーターハウスクーパースによれば、ドローンを使った商用サービスの潜在的な市場規模は世界で1270億ドル(約14兆円)に達するという。 国内ドローン市場が諸外国に比べて出遅れているのは、各種規制の影響だろう。ドローンの事故が相次ぎ社会問題化した2015年にドローン規制が施行された。規制には、道路交通法、電波法、各都道府県の条例などあるが、カギを握るのは航空法だ。航空法ではドローンに関して、日中に飛行させることや、イベントなど人の多く集まる場所での飛行禁止、危険物の輸送や物を落とすことなどを禁止している。 しかし、足元で徐々に規制緩和の動きが強まっている。18年に飛行制限が緩和され、無人地帯では人の目が届く範囲外でもドローンを飛ばせるようになり、人が遠隔地からタブレット端末で航路を指示して自動飛行するような使い方が可能になった。19年からはトンネルや橋などインフラの定期点検で目視確認の条件が緩和され、需要拡大が見込まれる。 ドローン関連ビジネスを手掛ける銘柄はいくつかある。空中写真測量専用ドローンのトプコン(7732)、ドローンによる三次元測量支援サービスのパスコ(9232)、航空測量のためのドローンパイロットスクールを運営するアジア航測(9233)、ドローン配送サービス開始予定の楽天(4755)などあるが、いずれも本業ではない。 そこで注目したいのがドローンビジネスを本業としている、産業用ドローン開発の自律制御システム研究所(ACSL、6232)だ。操縦者の介入が不要なドローンの自動制御技術が強みで、地下などGPSが使えない環境で飛ばせるドローンも商用化している。先行投資負担が重く赤字が続いているが、ドローン配送サービスを本格化させる楽天に機体を提供するなど注目度が高い。相場急落に見舞われた18年末にマザーズ市場に新規上場し、初値は公開価格を大きく下回ったが、その後はレオスキャピタルの大量取得などを背景に値を戻した。ドローン市場の拡大による恩恵は他銘柄より大きいため、中長期的に注目すると面白そうだ。(本吉亮) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

きてるきてる債務バブル IMFも警鐘、リスクオンは軽傷で済まない?

国際通貨基金(IMF)が先日公表した「国際金融安定性報告書」では、クレジット・サイクルに対する警鐘を鳴らした。第一章は「信用サイクルの成熟期における脆弱性」がテーマだ。 大多数の先進国では債務返済能力は向上しており、企業のバランスシートは、緩やかな景気後退や金融状況の徐々なタイト化には耐えうると見込まれる。しかしながら、総体としてみると債務も金融上のリスクテイクも拡大しており、信用力が低下した債務者も見られる」 レポート内には多くのデータが収容されている。その中でもクレジット・サイクルがどの局面にあるかを示した以下のチャートは興味深い。米国のクレジット・サイクルピークを迎えレポートでは既に後期に入っていると指摘している。 ■米国のクレジットサイクル ※IMFの「国際金融安定性報告書」より この局面を野村証券の松沢中氏は「株式はファンダメンタルズの比較的良好な市場(米中)や銘柄(ハイテクなど)が高騰し易く、そうでないところ(日欧、金融など)との較差が拡がって行く。典型的な信用拡張サイクル終盤の形になりそうだ。従来4~6月はいったん株価やクレジット市場の過熱感が収まり、7~9月からリスクラリー再開を見込んでいたが、4~6月もラリーが続いてしまい、その分終焉も早まる可能性が高い様に感じ始めている」(4月15日)としていた。 米国みずほ証券の石原哲夫氏は米企業の短期債務比率の上昇に着目する。「企業の資金繰りが悪化した可能性(デフォルトリスクの上昇)や金利費用以外にリストラ手段がなくなったサイン」と考えられるためだ。歴史的には現時点で依然として低水準にあるものの、2018年4~6月期を直近のボトムにして再び上昇基調に転じたという。加えて「短期債務の対GDP比率は、すでに長期平均を上回っている」。これらはIMFが懸念するクレジット・サイクルの後期入りを示唆していると言えるのだろう。 日本に目を転じても、超金融緩和にもかかわらず、国内のデフォルト率は上昇している。日本リスク・データ・バンクの集計によると18年6月から19年1月まで連続してデフォルト率が上昇した。1.15%は15年12月以来、およそ3年ぶりの高水準となる。 ※日本リスク・データ・バンクの「RDB企業デフォルト率」より 銀行株アナリストの間でも「邦銀の一般貸倒引当金水準はスルー・ザ・サイクルのリスクを反映しておらず、将来的に積み増しを迫られる可能性が高い」(SMBC日興証券の中村真一郎シニアアナリスト)との指摘も漏れ始めた。 日銀が17日に公表した「金融システムレポート」に対し市場では「これまでに以上に金融機関経営(特に地域金融機関)に対するダウンサイド・リスクに関する警戒感を強めている印象」(ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦氏)との見方が相次いだ。 レポートでは金融機関による不動産セクターへの融資に焦点を当て、過熱感としては約30年前の不動産バブル期以来だと分析してみせた。国内の不動産市況が大きく変調するようだと金融システムに動揺が広がりかねない。 国内外で信用リスクに対し警戒感がじわりと高まりそうなムードだ。ただ、実際の融資の現場の心理は改善している。国際信用ポートフォリオ・マネージャー協会(IACPM)が18日に、米・欧・アジアで金融機関の与信リスク担当者に3カ月ごとに実施する信用市場の動向調査を公表した。3月の調査では今後12カ月のデフォルト(債務不履行)見通し指数はマイナス50.0。前回(同72.3)から改善した。同指数はプラス100からマイナス100までの範囲で、低いほどデフォルトの発生が高まるとみる関係者が多いことを示す。 ■目先のデフォルトリスクは一服 さらにクレジットスプレッドの先行きについて示す指数も3四半期連続の改善となった。IACPMは「米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の姿勢を変更したことが大きく、リセッションへの不安感が後退した」としている。 FRBが金融引き締め政策を緩め短期的な投資心理の改善が続き、株価水準自体が切り上がっている。クレジット・サイクル拡大の終焉という「崖っぷち」を視野に入れてのリスクオン相場は危険なチキンレースのキナ臭さがする。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】19日 3月と18年度のCPI、米国市場など休場

19日は3月と18年度の全国消費者物価指数(CPI)や4月の主要銀行貸出動向アンケート調査が発表される予定。 海外では3月の米住宅着工件数が発表される予定。聖金曜日のため米株式、債券、商品市場が休場となるほか、香港、シンガポール市場なども休場となる。   【19日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 3月と18年度の全国消費者物価指数(CPI、総務省) 8:50 4月の主要銀行貸出動向アンケート調査 10:20 3カ月物国庫短期証券の入札(財務省) 15:00 生保協会長会見 その他 閣議 海外 時刻 予定 1:10 ボスティック米アトランタ連銀総裁が講演 21:30 3月の米住宅着工件数 その他 香港、フィリピン、シンガポール、インドネシア、インド、オーストラリア、ニュージーランド、ロンドン、ブラジル市場が休場   聖金曜日で米株式、債券、商品市場が休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 6740 Jディスプレにつなぎ融資 台中勢出資までINCJが200億円 日経 +5.19% 4/18 7201 日産自の19年度生産計画15%減 「ゴーン路線」修正 日経電子版 +0.34% 4/18 7203 トヨタやソフトバンクグループ(SBG、9984)、米ウーバーと自動運転連合 出資交渉、分社化後に計1100億円 各紙 +0.33% 4/18 5261 リソルが純利益1%増 前期14億円 日経 0.00% 4/18 9022 JR東海「のぞみ」の運行、1時間最大12本 来春から 日経 -0.68% 4/18 7974 任天堂の「スイッチ」、中国で発売へ ロイター報道 日経電子版など -1.37% 4/18 6958 ソニー、中国でアニメ制作 3兆円市場に照準、グッズ直販も 日経 -1.78% 4/18 9064 ヤマトHD、利益120億円下振れ 前期最終250億円 1〜3月 大口戻らず 日経 -1.92% 4/18 1969 高砂熱、6%増益 前期最終、再開発需要で上方修正 日経 -2.15% 4/18 2378 ルネサンス、一転減益 前期営業益6%減 小型ジム台頭 日経 -2.77% 4/18 5938 LIXILグ潮田氏、取締役辞任へ 瀬戸氏、復職へ株主提案 各紙 -2.84% 4/18

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