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メルカリ上場へ秒読み着々 仮条件きょう決定

きょうから6月。今年のIPOの最大のヤマ場が訪れる。フリーマーケットアプリ(フリマアプリ)を運営するメルカリ(4385)のマザーズ新規上場は19日。仮条件はきょう1日に決まる。2200~2700円の想定仮条件に対して、どの程度の乖離があるか確認したいところだ。来週4日から8日まで投資家の需要を測るブックビルディングが行われ、いよいよ11日に公開価格が決定する。 ◆QUICK Knowledge特設サイトで「メルカリ上場」を公開中。特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。 想定仮条件の平均価格2450円から計算した時価総額は3315億円。マザーズで時価総額首位のミクシィ(2121)を上回る大型IPOとなる。 <メルカリの上場関連情報>

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米長短金利差ここまで縮小、利上げペース鈍化を意識 【 US Dashboard】

米国の長短金利スプレッドが、2008年のリーマン・ショック以降の最低レベルまで縮小している。足元のスプレッド縮小は、長期金利の低下が短期金利の低下を上回るペースで進んだことによって起こる「ブルフラット」の動きであり、これは一般的に景気減速局面に起る現象だ。また、長短金利差が逆転する「逆イールド」は、景気後退の前触れとも言われている。 米セントルイス連銀のブラード総裁は5月29日の都内での講演で、来年中には長短金利が逆転する可能性を指摘。「FRBは長短金利の逆転につながるような政策に積極的になる必要はない」と述べていた。マーケットは米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースの鈍化を織り込み始めたのかもしれない。(池谷信久)     ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

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「公正な貿易だ!」の標的、メキシコ株ETFが4ヵ月ぶり安値

31日の米国市場でメキシコ株に連動するiシェアーズMSCIメキシコETFが続落し、1.06%安の44.68ドルで終えた。一時は44.28ドルまで下げて1月26日以来、4カ月ぶりの安値圏に沈んだ。 トランプ政権がこの日、欧州連合(EU)やカナダ、メキシコから輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を発動すると発表した。6月1日から実施するもので、鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を追加する。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉期限を1日に控える中、保護貿易主義に対する警戒感が強まり為替市場でドル高ペソ(MXN)安が進む中、為替差損分も含めて弱い展開だった。 メキシコ政府は米政府の動きを受けて鉄鋼や農産物に報復関税を課すと発表した。NAFTA加盟国のカナダ株に連動するiシェアーズMSCIカナダも0.45%安で軟調だった。 31日の欧州市場でも、STOXXヨーロッパ600指数が0.63%安で反落した。独鉄鋼大手のティッセンクルップは1.26%安で弱かったが、鉄鋼大手のアルセロール・ミタルは0.32%高で小じっかり。鉄やアルミの価格上昇が警戒され、バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ、ダイムラー、ルノーといった自動車株は軒並み下げた。 31日にツイッターで「公正な貿易だ!」とつぶやいたトランプ大統領。誰が混乱の原因を作っているのか考えれば理解不能なツイートである。 今回の関税策に関して、ゴールドマン・サックスは31日付のリポートで「米国経済への影響は穏やかなものになるとみられるが、貿易政策の見通しにややネガティブなシグナルが出た」と指摘した。リポートでは、アルゼンチンやオーストラリア、ブラジル、韓国などからの追加関税が除外されていることを踏まえ、インフレ率への影響は小さいと指摘。仮にEUやカナダ、メキシコからの鉄鋼・アルミに追加関税があったとしても、「個人消費支出(PCE)コア物価指数で1ベーシスポイント(bp)の押し上げにとどまるだろう」と見込んだ。  その上で、今回の関税措置が発表されたことに対しては「カナダとメキシコにも適用されたことで、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉が早期に合意される見込みが無くなったことを示唆している」と指摘。「政権の交渉スタンスはしばしば予測不可能だが、他の交渉イベントにもリスクがある」との見解を示した。(片平正ニ) ★トランプ氏のツイッター https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1002298565299965953   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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アステラス薬(4503)が3%高、日精工(6471)は3%安 31日の夜間PTS

1日の株式市場で、システムズD(3766)や日本通信(9424)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で1日の基準値を大きく上回る水準で約定した。システムズDの約定価格は基準値に比べ16.47%高、日本通信は同14.62%高だった。また、主要銘柄ではアステラス薬(4503)が基準値を3.81%上回る水準で約定した。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> ITM(2148)やポーラオルHD(4927)も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間のPTSで1日の基準値を下回る水準で約定した。ITMの約定価格は基準値に比べ4.03%安、ポーラオルHDは同3.32%安だった。また、主要銘柄では日精工(6471)が基準値を3.07%下回る水準で約定した。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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【朝イチ便利帳】1日 メルカリ仮条件、5月米雇用統計など発表

1日は財務省が1~3月期の法人企業統計を発表する。その他、5月の新車販売(自販連)や5月末時点のQUICKコンセンサスDIなどが発表される予定。19日上場予定のメルカリ(4385)の仮条件も決まる。 海外では、主要7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議が6月2日までカナダのウィスラーで開催される。その他、5月の米雇用統計や5月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などが発表される予定だ。

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MSCIで中国本土株に熱視線 流れ込む170億ドル、「国際化」試す

米指数算出会社のMSCIは6月1日、中国本土上場の人民元建てA株を「新興国株指数」に組み入れる。高い知名度を持つ指数への採用が呼び水となり、海外投資家にとってなじみが薄かった中国株への関心が高まっている。 MSCI効果は早くもじわりと広がっている。海外勢の熱い視線を示すのが、香港と中国本土(上海・深セン)の両市場の相互取引だ。5月の本土株の買越額は30日時点で451億元(約7600億円)と、上海と香港の相互取引が開始した直後の2014年11月(405億元)を上回って月間として過去最高になる見通し。英HSBCによると、海外勢による18年5月時点の中国株の保有額は1900億ドルと1年間で7割増えた。 海外勢が特に注目するのは、消費や医療関連銘柄だ。中国の金融情報サイト「東方財富網」によると、相互取引を通じた海外投資家の保有金額が大きい中国本土株の上位20銘柄のうち、消費関連や医薬品が11を占める。上位に並ぶのは、白酒製造の貴州茅台酒や五糧液、家電の美的集団や珠海格力電器、青島海爾(チンダオ・ハイアール)など、中国の家庭で高い知名度を誇る顔ぶれだ。 大手銀行や石油大手が香港市場に重複上場している一方、食品や家電には上海や深センのみに上場する銘柄が多い。「外国人投資家は中国人より運用リスクをとらず、値動きの良い銘柄よりも1株あたりの利益が大きい銘柄を好む」(UBS証券)。消費や医療関連は相対的に収益の振れ幅も小さく、海外勢の資金が流入しやすい。 大和キャピタル・マーケッツ香港はMSCIの採用決定後にA株のアナリストカバレッジを始めた。現在の対象は茅台酒や美的など消費関連を中心に14銘柄だが、今後2~3年でおよそ100銘柄まで増やす計画。藤井卓ディレクターは「深センなどの中国企業を回るツアーに多くの日本人投資家が集まるなど、関心は高まってきた」と話す。 欧米の金融機関も中国株の調査を強化している。ロイター通信によると、米シティグループは調査対象を18年末までに昨年の170から250銘柄に、JPモルガンも年内に200銘柄超まで倍増する計画だ。BNPパリバ・アセットマネジメントは500銘柄までの拡充を視野に入れているという。 もっとも、投資対象として中国株が乗り越えるべき課題は多い。海外勢の間では、企業統治や市場制度への疑念がくすぶる。香港紙の信報によると、米カリフォルニア州教職員退職年金基金(カルスターズ)のエイルマン最高投資責任者(CIO)は、中国株を巡る投資環境について「明らかに感情的な投資に満ちている」と指摘した。個人投資家の存在感が大きい市場では、価格変動が大きくなりがちという。「ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点を重視するため、A株参入でベストな時機を逃すかもしれない」とも語り、中国株投資には慎重な姿勢を示す。 アバディーン・スタンダード・インベストメンツの姚鴻耀・中国株ヘッドも「中国企業には財務情報の透明性や投資家保護で改善の余地があり、投資対象として信頼できる企業が限られるのが現状」と話す。 今回のMSCIの指数組み入れでは、指数に連動した「パッシブ運用」を通じて流入する資金は総額170億ドル(約1兆8000億円)程度の見込みだ。940兆円にのぼる中国株全体の時価総額と比べると小さく、相場を直接押し上げる効果は限られる。長期にわたって売買停止となる銘柄の多さや、香港・中国本土の祝日の違いといった制度上の課題も残る。海外マネーを継続して呼び込むために乗り越えるハードルは高い。 【日経QUICKニュース(NQN)香港=柘植康文、林千夏】   ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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ソニー来期の営業益は7000億円強 2期先を読む「QUICK Forecast」、市場予想より控えめ

QUICKは国内上場企業の2期先までの業績予想を提供する「QUICK Forecast 企業業績」のサービスを始めた。3月期決算企業の多くは2019年3月期の業績予想を開示しているが、このツールを使うと、20年3月期の予想値もはじき出せる。企業収益の方向性を探るのに便利だ。 QUICK Forecastの予想値はQUICKの業績・財務データや日本経済新聞社の「日経NEEDS」のデータベースをもとに、アナリスト予想の平均値であるQUICKコンセンサスを加味して算出。マクロ指標なども統計的手法で分析し、反映させている。このため、会社側が示す予想やアナリスト予想の数値と必ずしも一致しない。 たとえば、ファナック(6954)。同社が4月下旬に発表した2019年3月期の業績見通しによると、連結純利益は前期比24%減の1377億円となる見通し。しかし、QUICK Forecastでみると19年3月期の純利益は1690億円と7%の減益にとどまるようだ。QUICKコンセンサスの1760億円(5月29日時点)は下回るが、会社予想を上回る水準だ。 ※19年3月期と20年3月期の棒グラフは水色が会社予想、薄い青色がQUICK Forecast予想。単位100万円 ファナックは20年3月期の見通しを出していないが、QUICK Forecastでは純利益が1930億円になると予想されており、QUICKコンセンサス(1866億円)を上回る。統計的な手法を加えてみると、今期は市場予想に届かないが、来期は予想以上に利益が伸びるというわけだ。 今期減益のソニーは再び最高益を更新できるか 18年3月期に20年ぶりに営業利益が最高を更新したソニー(6758)。19年3月期の営業利益は前期比9%減の6700億円の計画を立てているが、QUICK Forecastでは7%減の6820億円となる。アナリスト予想によると、20年3月期の営業利益は7773億円(5月29日時点)と再び最高を記録するが、QUICK Forecastは3%増の7030億円と控えめな予想を示す。 QUICK Forecastは全上場企業約3700社のうち、必要なデータがそろわない一部の銘柄を除き、ほぼすべての銘柄をカバーしている。決算や業績予想の修正などに対応し、タイムリーに予想値を算出することができる。現在はβ版として提供しており、サービス内容は適宜、改善・更新される。QUICKの情報端末の「ナレッジ特設サイト」ではこのほかさまざまな決算情報のコンテンツツールを提供している。 (QUICKナレッジコンテンツグループ 伊藤央峻)

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メルカリの仮条件あす決定 想定は2200~2700円、時価総額3000億円規模に

フリーマーケットアプリ(フリマアプリ)を運営するメルカリ(4385*J)が6月19日、マザーズに新規上場する。想定仮条件は2200~2700円で、想定仮条件の平均価格2450円から計算した時価総額は3315億円。マザーズ市場で時価総額が首位のミクシィ(2121)を上回る大型IPOとなる。仮条件はあす6月1日に決まる。想定仮条件に対し、どの程度の乖離があるか確認したいところだ。 ◆QUICK Knowledge特設サイトで「メルカリ上場」を公開中。特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。 ※6月19日上場日までのスケジュールや有価証券届出書から注意点を探ったオリジナルコンテンツ「IPOを読む」、メルカリ関連ニュース一覧、公募株数や大株主などがわかる上場メモ、財務データ、代表者プロフィールなど、多くの情報を取り揃えている。     

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5月の米雇用統計、市場予想から上振れも 天候要因の好影響に注目 【 US Dashboard】

30日に発表された5月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)の全米雇用リポートで、民間部門の就業者数が前月比17万8200人増加した。市場予想(18万5000人増)をやや下回る弱めの数字だった。6月1日発表の5月雇用統計の非農業部門の新規雇用者数(NFP、市場予想19万人増)の下ブレリスクがやや警戒されるものだった。  今回のADPを受けて、JPモルガンは30日付のリポートで「5月に雇用がしっかりと増加したことが示され、市場予想をやや下回るものだったが、ADPが雇用統計のNFPと関係性があって、初版になるとは証明されていない」としながら、「当社はNFPが25万人増えると予想する。市場予想は19万人増だが、最近の天候要因による好影響がADPには現れなかったとみられる」と指摘した。 ノムラ・セキュリティーズは30日付のリポートで「ADPは当社予想(20万5000人増)や市場予想を下回るもので、4月分も20万4000人増から16万3000人増に下方修正された」としながら、「ADPは全体として予想を下回るものだったが、しかしながら5月雇用統計は天候要因で市場予想を上ブレると見込まれる」と指摘。「歴史的にみて、ADPは天候要因による雇用の増加を反映することが難しかった」とし、NFPで20万5000人増を見込んだ。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールとしてご利用ください。   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

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住阪セメ(5232)が4%高、OKI(6703)は2%安  30日の夜間PTS

31日の株式市場で、やまねM(2144)や地域新聞(2164)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で31日の基準値を大きく上回る水準で約定した。やまねMの約定価格は基準値に比べ20.95%高、地域新聞は同18.94%高だった。また、主要銘柄では住阪セメ(5232)が基準値を4.77%上回る水準で約定した。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> ACCESS(4813)も注目されそうだ。前営業日夜間のPTSで31日の基準値を下回る水準で約定した。ACCESSの約定価格は基準値に比べ5.01%安だった。また、主要銘柄ではOKI(6703)が基準値を2.21%下回る水準で約定した。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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【朝イチ便利帳】31日 ラクスル(4384)が新規上場 、G7財務相・中銀総裁会議

31日は4月の鉱工業生産指数速報、建機出荷額、自動車生産・輸出実績、住宅着工戸数などが発表される予定のほか、2年物国債の入札が行われる。IPO関連ではラクスル(4384)が新規上場するほか、SIG(4386)の仮条件が決定する。 海外では5月の中国製造業・非製造業購買担当者景気指数、4月の米個人所得・個人消費支出などが発表される予定のほか、主要7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議が6月2日までの予定で開催される。

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株急落、午前10時すぎの売りの正体 「黒い白鳥」140の警戒線

30日午前の東京株式市場で日経平均株価は400円安と大幅続落し、節目の2万2000円を一時割り込んだ。イタリアやスペインの政治不安が広がり、国内外の投資家から株価指数先物に損失回避を目的とした売りが膨らんだ。株価変動率の急上昇で売りが売りを呼ぶ2月の「VIXショック」と似通うが、前回との違いもある。相場の急変を予想し、一部の投資家は下落への備えを進めていた可能性が高い点だ。 投資家の不安心理を測る指標は2つある。一つは恐怖指数の別名で知られるVIX。もう一つは、めったに起こらない大惨事を意味する「ブラックスワン(黒い白鳥)」を代名詞に持つスキュー指数だ。 VIXは足元の相場状況を反映しやすいのに対し、スキューは投資家のヘッジ需要が高まると上昇するという構造上の違いがある。 米S&P500種株価指数を対象としたVIXとスキュー指数をみると、2月のケースではVIXの上昇がスキュー指数に先行していた。これは、相場下落に対して投資家のヘッジが遅れていたことを示す。 一方、今回はスキュー指数の上昇がVIXに先行している。これは、投資家が先回りでヘッジに動いていたことを示す傍証だ。 実際、29日の米スキュー指数は141と、4月18日以来およそ1カ月ぶりの高水準を付けた。「140の『警戒ライン』を上回るとヘッジ需要優勢を意味する」(国内証券ストラテジスト)。 【スキュー指数(青)とVIX(赤)の推移】 東京市場でも欧州の政治リスクに備える動きが前週から出ていたとの声がある。 例えばイタリアでポピュリズム政党と極右政党が連立政権の樹立で合意した18日以降、23日と24日、29日は10時すぎに日経平均が急落した。 ある国内銀行の株式担当者は、この時間帯の株安について、「イタリア政治の不安を警戒した欧州の投資家が日本株先物に損失回避(ヘッジ)を目的とした売りを出していた」と話す。 市場では「景気も減速し始め、日本株の持ち高を減らさなければならない瀬戸際にきている」(ピクテ投信投資顧問の松元浩常務執行役員)と弱気の声が増えている。それでも、すでに下落への備えを進めている投資家が多ければ、2月のような連日の急落劇は避けられるかもしれない。 【日経QUICKニュース(NQN) 田中俊行】 ※スキュー指数はQUICKのサービス「US Dashboard」でご確認いただけます。 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

資産運用研究所

楽天証券、IFA経由の預かり資産拡大  「3つのA」と「全天候型」を重視

インターネット証券大手の楽天証券が「対面型」の独立系金融アドバイザー(IFA)を介した預かり資産を伸ばしている。IFAは特定の金融機関に所属せず、顧客に資産運用のアドバイスをすると同時に、金融商品の売買に関する仲介業務を担う。楽天証券は2008年にIFA事業を始め、今年3月末時点で70社(所属IFAは計857人)と契約、預かり資産残高は3226億円、顧客口座数は約2万4000に達した。預かり資産と口座数は1年間でそれぞれ41%、29%増えた。 ■「3つのA」と「全天候型」を重視 「預かり資産(asset under management)残高」「アドバイザー(advisor)数」「口座(account)数」――。同社の常務執行役員でIFA事業部長の大嶋広康氏がIFAビジネスを進めるうえで何より重視しているのは3つのAだ。「収益は後からついてくる。預かり資産の拡大を優先するのは、IFAサービスが顧客から受け入れられていることの何よりの証左となる」と力説する。 同社はIFA事業者と契約する際、将来にわたる事業の継続性を最重視する一方、事業者が持つバックグラウンドの多様性を許容する。結果として「様々な専門性を持つIFAが集まり、全体として市場環境の変動に左右されにくい『全天候型』の分散された顧客資産基盤が構築されている」(大嶋氏)からだ。 ■カンファレンスで契約IFAを表彰 今月25日には都内で18回目となる「楽天証券IFAカンファレンス」を開催した。同社と契約しているIFA事業者と所属IFAを対象に、半期の事業基盤の伸びなどをランキングし、上位の会社と個人を表彰する催し。東京・大阪2拠点で開催し、東京会場には全国から200名あまりのIFAが集まった。 ランキングは上位3社に「アイ・パートナーズフィナンシャル」「CSアセット」「ファイナンシャルスタンダード」が入った。 楽天証券は毎月のようにIFAを志願する個人への説明会も開催している。2017年は約250人が参加した。大手金融機関で営業活動に従事している30代半ばの若手も多いが、「金融商品の販売には長けているのに、個人の資産運用に関して総合的にアドバイスやコンサルティングする実力は十分ではないケースがある」(大嶋氏)のが実情のようだ。 ■IFA養成のビジネススクールを7月に開始 楽天証券はきんざい(東京・新宿)と連携して7月からプロのIFAを養成する「楽天ファイナンシャルアドバイザー・ビジネススクール」を開講する。CFP(認定ファイナンシャル・プランナー)や証券アナリストなどの知識を学ぶ基礎コースと、金融商品に関する専門知識に加え、顧客に対して包括的なアドバイスを提供するための実務力を養成する実践コースに分かれ、どちらも有料だ。 「金融商品を販売するのではなく、顧客に寄り添った生涯のコーチとして、付加価値の高い提案ができる実務家を養成するのが主な目標。IFAとしてのその後の独立や、既存の契約IFA事業者への紹介も積極的に取り組む予定」(同社IFA事業部の渡邊めぐ美氏)という。 楽天証券全体の預かり資産残高は3月末時点で5兆円を突破しており、IFA経由はまだ全体の1割に満たない。楽天証券の契約IFAの平均像をみると、IFA1社当たりの預かり資産残高は平均で46億円、1人当たりは4億円弱。IFA事業の収益性は「2017年の平均で預かり資産残高に対して年率1.5%程度」(大嶋氏)のようだ。 預かり資産を拡大しながらIFA事業の収益性を上げていくうえで、顧客の収益や満足度を高める顧客本位のアドバイザーをどのように育成していくのかが重要になってきそうだ。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

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「80兆円」の文言が消える日は近い? 日銀の国債買い入れ、17年度は49兆円

日銀が金融調節運営を解説する「2017年度の金融市場調節」のリポートを発表した。2017年度の日銀の実際の国債買い入れ額は「49兆円」と、方針として掲げている「80兆円をめど」から大きく下方に乖離(かいり)していることがあらためて確認できる。 「日本銀行の国債保有比率の上昇と国債買入れ額」の題したリポート内のコラム(BOX8)では、国債発行残高に対する日銀の保有比率が40%を超える水準となり、この「ストック効果」で金利の下押し効果がしっかりと働いていると強調。今後についても「市場動向に応じて長期国債の買入れ額を柔軟の調整していく考えである」としている。 ■日銀のバランスシートと国債買い入れに関するコラム(「2017年の金融市場調節」から) 市場関係者がリポートを読めば「近い決定会合で80兆円をめどという文言が削除される可能性が高まった」という印象を抱くかもしれない。ただ、海外要因による日本経済の下振れリスクが高まっているなか、この文言が削除されたとしても金利は上がりにくいというのが多数派の見方となりそうだ。外国為替市場でさえも、これだけで円を売るという動きにはつながらないだろう。(丹下智博 ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています

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新コラム【 Art Market Review 】 草間彌生のエッチング、予想価格を上回る落札額

アート市場の動向は投資マネーの動きや熱気の度合いを表すバロメーターのひとつ。主に富裕層による購入が多い美術品の相場は、株式相場の動きと一定の連動性があり、海外ではアート投資はインフレヘッジの手段としても定着している。日本の美術品の市場規模は2400億円程度とされ、7兆円近くある世界全体の中では大きくない。ただ、本格的な高齢化社会に入り相続に伴って美術品が出やすくなるなどで、サラリーマンにも手が届く価格帯の作品が数多く取引されるようになってきた。国内で定期的にオークションを開催しているのは4社。知名度が高く、オークションのベンチマークとなっている作家の作品を通じてアート市場の今を読み解いていく。 初回は、現代アートにおいて不動の人気を博している草間彌生さん。4月20~21日の2日間にわたって開催されたSBIアートオークションで取引された草間さんの作品の動向についてリポートする。 SBIアートオークション Modern and Contemporary Art 出品数481点、うち落札数417点 落札率=86.7%  落札総額=6億4739万8250円  (4月20~21日 東京・代官山のヒルサイドフォーラム) 草間さんの作品には、いわゆる1点物と呼ばれるキャンバスや彫刻、素描などのオリジナル作品、そして版画のように同一モチーフで複数エディション(部数)制作されるマルチプル作品がある。オリジナルは、その希少性からいち早く価格が高騰したが、100部程度のエディションがあるマルチプルの版画作品も、オリジナルの後を追うように価格が高騰した。 版画作品の中では、カラフルな色彩のシルクスクリーンやリトグラフの技法を使った作品の価格が上昇する一方で、色彩がモノトーンに近い地味目なエッチング作品の価格は上昇から取り残されていた。しかし近年は上昇の影響がエッチング作品にまで及んできている。 今回出品された草間さんの版画作品30点のうち4点がそのエッチング作品で、その中の3点が落札予想価格の上限を超えて落札された。つまり、市場の予想を超えて高値の落札結果となったわけだ。なかでも1994年制作の「Polka Dots」は落札予想価格の下限50万円、上限80万円に対して、落札価格がおよそ107万円となった。2014年からの草間さんのエッチング作品の値動きを見ると、17年から上昇が顕著になっている。 草間さんの作品はキャンバスや素描・彫刻などのオリジナル作品、シルク印刷の版画作品も同じように右肩上がりの相場動向であるが、これまで比較的購入しやすかったエッチング作品も高根の花となりつつある。草間さんは16年に文化勲章を受章。昨年、国立新美術館で開いた大規模個展では期間3カ月で約52万人を動員した。東京都の名誉都民にも選ばれ常に注目を浴びる存在だ。昨年から始まったとみられるエッチング作品相場の上げ基調がどこまで続いていくのか注目される。(月1回配信します) ※アート・コンサルティング・ファーム提供  ⇒リポート全文はこちら SBIアートオークションの次回開催は7月14日     

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国債から銀行株まで、イタリア売り一色 中銀総裁は「信任失墜の瀬戸際」

イタリア売りが止まらない。イタリア国債を売る動きが広がり、2012年の欧州債務危機の再来を危惧する声が高まっている。イタリア中央銀行のビスコ総裁は29日、イタリアの政局混迷が深まるなか、市場でイタリアに対する信任が失墜の瀬戸際にあると警鐘を鳴らした。 イタリアの再選挙は「早ければ7月29日になる」と一部では報じられており、同選挙がイタリアのユーロ圏離脱の是非を問う事実上の国民投票になり得るとの懸念がイタリア売りを加速させている。5月15日に-0.27%とマイナス圏にあったイタリアの2年物国債利回り(グラフ緑)は2.02%へと急騰した。 29日の株式市場でも主要指数は軒並み大幅安となった。イタリアのFTSE・MIB指数は前日比2.65%安と大幅に5日続落し、終値ベースで2017年7月24日以来10カ月ぶりの安値水準に沈んだ。STOXXヨーロッパ600指数は1.37%安。欧州版「恐怖指数」のVSTOXXは13.33%高の20.15と、4月4日以来およそ2カ月ぶりに投資家心理の不安感を示すとされる20の大台に乗せた。 スペインのラホイ首相の不信任決議の採決を6月1日に控え、IBEX35指数も2.48%安大幅安となり、4月4日以来の安値となった。サンタンデール銀が5.44%安、ウニクレディトが5.60%安、インテーザ・サンパオロが4.09%安となった。スペインやイタリアの金融株が急落し、STOXXヨーロッパ600銀行株指数は3.18%安の大幅安だった。 また、米国市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は大幅に5日続落。期近の7月限の清算値は1.69%安の66.73ドルだった。中心限月の清算値ベースで4月17日以来1カ月ぶりの安値となった。イタリアの政治リスクへの警戒感からユーロが売られ、ドル指数(DXY)が強含んだこともドル建てのコモディティ相場の重しとなった。原油版恐怖指数のOVXは4.61%高の29.04と大幅高となり、30の大台に迫った。(丹下智博、片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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三越伊勢丹(3099)が2%高 レオパレス21(8848)は7%安 29日の夜間PTS

30日の株式市場で、やまねM(2144)や共同PR(2436)が注目されそうだ。いずれも前営業日夜間の私設取引システム(PTS)で30日の基準値を大きく上回る水準で約定した。やまねMの約定価格は基準値に比べ16.23%高、共同PRは同15.37%高だった。また、主要銘柄では三越伊勢丹(3099)が基準値を2.12%上回る水準で約定した。 <夜間PTSで基準値対比の値上がり銘柄> 一方、レオパレス21(8848)や三社電機(6882)も注目されそうだ。いずれも前営業日夜間のPTSで30日の基準値を下回る水準で約定した。レオパレス21の約定価格は基準値に比べ7.65%安、三社電機は同3.67%安だった。 <夜間PTSで基準値対比の値下がり銘柄> ※「寄り前ランキング」は、QUICK AI速報としてQr1などQUICKの情報端末でニュース配信中。QUICK Knowledge特設サイトは、QUICKの情報端末でご覧いただけます。

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【朝イチ便利帳】30日 1~3月期の米GDP改定値、5月のADP全米雇用リポート

30日は国会で党首討論が行われるほか、5月の消費動向調査(内閣府)などが発表される予定。海外では、5月の米オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)全米雇用リポートや1~3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値、米地区連銀経済報告(ベージュブックなどが発表される予定だ。  

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