大取社長「国内勢シェア拡大、息長く取り組む」 (特集:日経平均先物30周年)3

取引開始30周年を迎える日経平均先物。商品、先物市場の使い勝手や魅力を一段と高めていくには何が必要なのか。特集の3回目(最終回)は、大阪取引所の山道裕己社長のインタビューをお届けする。 山道 裕己(やまじ・ひろみ)氏        1977年(昭52年)京大法卒、野村証券入社。07年専務、08年グローバル・インベストメント・バンキング部門CEO。2013年6月から現職。広島県出身   ■様々な投資家が参加してこそ良好な市場 ――大阪のデリバティブ市場の歴史を残す日経平均先物が30周年の節目を迎えます。 日経平均先物は株価指数先物という商品のなかで、取引規模としても世界トップ5に入るような商品となった。TOPIX先物もベンチマークとして世界の投資家の間で認知されるまでに成長した。歴史を紐解くと、1990年代に相場イベントが発生した際、日経平均先物などはいち早く動くため「悪玉論」が台頭して取引規模が縮小したこともある。多くの投資家に活用される商品となったのは先人たちの努力の賜物だろう。 ただし、まだまだ課題はある。株価指数オプションを含め、社会的認知度は道半ばだ。デリバティブ商品としての取引活用方法など、リテラシー向上への息の長い取り組みは続けていく。 ――具体的な取り組みは? 個人投資家向けに取引所のホームページの情報を拡充してきた。単に読み物を提供するだけでなく、最近は動画での講義などコンテンツを充実させた。取引の疑似体験ができるシミュレーターも提供しており、投資家のすそ野を広げる取り組みをしてきた。 中小証券や地場証券に対してはリスクマネジメントの活用策としての講習を続けてきた。すぐに成果が現れるものではないが、徐々にトレーダーの人数が増えるなど地道な努力が実を結びつつある。 国内の機関投資家に対しては受託者と委託者の双方に呼びかけて、年2回のセミナーを実施している。毎回100人以上の参加者が集まるほどだ。今後も様々なアプローチを続けていくつもりだ。足元ではゆうちょ銀行が日本を代表するプレーヤーになり、積極的にデリバティブでの運用をしている。 公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も運用の多様化に伴うリスク管理の強化策として株価指数先物の運用に向けた体制を検討・構築するとの方針を示している。今後はGPIFも実際に株価指数先物を活用していく段階だ。 コンピューターによる高頻度取引(HFT)が台頭し、米国ではトレーダーを多く抱えて自己売買を行う「アーケード」と呼ばれる主体もある。彼らは機械的な注文を出すというより、オプションと先物を組み合わせたストラテジーを組むなど独自の力を培って生き残ってきた。こうしたプロ集団の戦略講習会を開くなど、地道に参加者のすそ野を広げる活動もしてきた。 参加する投資家がHFTだけになってしまうと、マーケットは成立しない。短期、中期、長期と様々なタイプの投資家が存在してこそ良好なマーケットだ。多様な参加者がいなければマーケットのエコシステムは成立しない。   ■スピードよりもシステムの信頼性と公平性 ――世界的に取引システムの高速化も進んでいます。 現在のシステムは2年前の2016年に稼働した。注文を受けてから板登録し、通知を返すまでの処理速度はミリ秒(1000分の1秒)からマイクロ秒(100万分の1秒)の単位にまで上がっている。現状、次期システムに関する具体的な議論は始まってもいない段階だ。 処理速度を速めるのであれば、次はナノ秒(10億分の1秒)を目指すという段階だが、まずは、スピードよりシステムとしての信頼性や公平性を重視していくべきではないか。ナノ秒まで処理スピードを上げると、取引が可能な主体が極端に減る可能性がある。相場イベントがあった際に取引量が想定の2倍を超える場面なども出てきた。システム面での拡張可能性という観点も重要だ。なによりも最終投資家からみた公平なシステムづくりが大切だ。 ■コモディティ連動の商品などラインアップ拡充検討 ――海外取引所に比べて商品数が少ないとの指摘があります。 2018年にフレックスオプションを追加するなど拡充策は打ち出している。とはいえ、他の取引所に比べて商品ラインナップの少なさは課題だ。現状、大阪取引所の商品は日本の株式相場に連動したものがほとんどだ。今後はコモディティに連動した商品など幅を広げる方向で検討していきたい。 アジアでは中国のデリバティブ市場が活況だ。中国のコモディティ取引所は上海、大連、鄭州と3カ所に存在する。欧米の投資家にとって中国のマーケットは魅力的だろう。ただ、3年前のチャイナショック発生時のような流動性の枯渇への懸念や当局の締め付けへの警戒感も根強い。マーケットとしての信頼性が高いのは、日本としての優位点ではないか。5年後や10年後に向けての魅力的なマーケットを作り上げていきたい。まだまだ取り組むべき課題はたくさんある。 なによりも日本の個人投資家にはもっとデリバティブを活用してもらいたい。日経平均先物やTOPIX先物は商品として成長はしてきたが、取引のシェアの7割ほどは海外勢が握っている。相場にもよるが、運用手段としてもっとデリバティブの活用は可能だ。今後、市場全体の成長とともに国内投資家のシェア拡大に向けた施策を講じていく。 =おわり (聞き手は中山桂一、写真は片平正二)   (特集:日経平均先物30周年)1 大阪発祥、息づくコメ先物のDNA (特集:日経平均先物30周年)2 取引に厚み、個人と海外勢の需要つかむ ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【アルゴウオッチ】 膨らむ「米債先ショート」、CTAも惑わす

コンピューター経由のアルゴリズム取引を手掛けるシカゴの商品投資顧問(CTA)などの投機筋が、米10年物国債先物のショート(売り持ち高)拡大を解釈しあぐねている。債先の主要な売り手としてささやかれるのは、様々な資産価格の変動率(ボラティリティー)に応じて資産配分を調整する「リスク・パリティー」型のヘッジファンド。だが10年現物債の値幅がここにきて特に大きくなったわけではない。傾向が見いだせない中でアルゴの動きは鈍った。 アルゴ系CTAはここ1カ月ほど、米経済指標などのファンダメンタルズ(基礎的条件)を分析し判断する「グローバル・マクロ」の米長期債買い戦略に便乗してきたとみられる。足元の米利上げや米中貿易摩擦などによる新興国経済の減速が米景気にも影を落とすとのシナリオが前提だ。ところが、グローバルマクロとともに債先を買ってもそれを上回る規模で売り注文が覆いかぶさってくる。 米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週まとめているシカゴ商品取引所(CBT)の建玉報告によると、投機筋をあらわす非商業部門の米10年債先物の売越幅は14日時点で69万8194枚だった。データが開示されている1993年以降では最も多い。 10年債のショートは5月下旬に110万枚を超えた後、米中貿易摩擦への懸念がくすぶった7月にかけては90万枚前後まで細ったが、8月に入ると再び急ピッチで増えている。14日時点は118万4009枚と5月のピークを一気に超えた。その間、米10年債利回りは久しぶりに3%台に乗せたものの、中国の景気懸念やトルコ情勢の混迷などを前に低下し23日は2.8%台で推移している。リスク・パリティーが米債売りを急ぐほど振れてはいない。 野村証券の高田将成クロスアセット・ストラテジストは23日付リポートで「リスク・パリティーの売りは保有現物債のヘッジ(現物の価格下落リスク回避)」と指摘した。リスク・パリティーが本気で変動率上昇を警戒しているのなら、現物の売りがもっと膨らみ米長期金利にはより強く上昇圧力がかかっていたはずで、本来のリスク・パリティー戦略とは分けて考える必要があるとの認識を示した。 真相はやぶの中だが、巨額のショートはふとした拍子に巻き戻しが加速しかねないだけに、売りには積極的には加わりづらい。「新債券王」と呼ばれるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が17日、米債ショートの積み上がりに警鐘を鳴らした記憶も残る。さりとて売り手の本音がはっきりしないうちは買いにも傾けない。 「同じ債先を売るなら金利先高観がそれなりに出ている日本国債のほうがいいのではないか」――。米債先に対するアルゴの気迷いはしばらく続きそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。  

米長短金利差11年ぶり低水準 2-10年で20bp割れ視野

23日の米債市場で2年債と10年債の利回りスプレッドが縮小した。QUICK FactSet Workstationによれば2-10年スプレッドは21.85bpとなり、前日(22.12bp)から縮小。2007年7月以来、約11年ぶりの低水準を付けて20bp割れが視野に入った。 米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が24日に米ワイオミング州ジャクソンホールで講演を行うのを前に、フラットニングの流れが続いた格好。政策金利との連動性が高い2年債利回りが高止まりする一方、この日は米中の貿易紛争懸念から10年債は横ばいだった。S&P500が史上最高値圏にある一方、長短金利差が縮小している状況からは景気鈍化リスクが示されている。(片平正ニ)   米2-10年債の利回りスプレッド(15年チャート) (QUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】24日 7月の全国CPI、FRB議長講演

24日は7月の全国消費者物価指数(CPI)、企業向けサービス価格指数などが発表される予定のほか、3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。IPO関連では香陵住販(3495*J)の仮条件が決定する。海外では7月の米耐久財受注額などが発表されるほか、パウエルFRB議長がジャクソンホールで講演を行う。

取引に厚み、個人と海外勢の需要つかむ (特集:日経平均先物30周年)2

取引開始から30周年を迎える日経平均先物。特集の2回目は、経済環境の変化や制度面の充実など、世界でも有数のデリバティブ商品に発展するまでの道のりを紹介する。 1988年9月3日の日経平均先物市場開設の様子(大阪取引所提供)   ■バブル崩壊後は低迷、アベノミクス相場で増加に拍車 1988年(昭和63年)に取引が始まった日経平均先物は、バブル崩壊後は売買代金が低迷していたが、2000年代に入ると日本株の好調さと歩調を合わせて増加傾向にある。リーマン・ショックが起こる1年前の2007年には年間の日経平均先物の売買代金が初めて500兆円を突破。日経平均ミニ先物やその他の先物関連を含めると15年には1400兆円に迫る状況となった。 日経平均先物の売買代金が増加している背景として、取引時間の延長や日本株が堅調なことに加え、高頻度取引(HFT)の影響が指摘されている。10年1月に東京証券取引所が東証次世代システム「arrowhead(アローヘッド)」を導入したのに続き、大阪取引所(OSE)は11年2月に新しいデリバティブ取引システムの「J-GATE」を導入した。J-GATE導入後、欧州系証券や米系証券の経由の短期売買が手口の上位を占め、商品投資顧問(CTA)などとみられる商いが活発で流動性が増している。 特に13年以降は日経平均先物、日経225ミニ先物を合わせると年間800兆~1000兆円前後で高止まりしている。12年12月に第二次安倍内閣が発足して始まったアベノミクス相場で株高の流れが強まる中、13年3月に黒田東彦元財務官が日銀総裁に就任して量的・質的金融緩和を導入した。政策的な後押しにより株高基調が定着したことが日経平均先物の商い増加に直結している。 ■ミニ先物が登場、個人や裁定取引などに裾野広がる 日経225ミニ先物の取引の開始(06年7月18日)は、投資家層の広がりを促した。日経平均先物(ラージ)の取引単位は日経平均株価の100倍のため、日経平均が2万2000円の時は220万円が最低取引単位(1枚)となるが、ミニ先物は10分の1の22万円が最低取引単位となる。取引単位と証拠金がラージの10分の1となるため、個人投資家が利用しやすくなった。また呼値がラージの10円に対し、ミニは5円と細かいため機動的な売買に向いている。さらに限月もラージの3カ月ごとに対してミニ先物は毎月存在するため、先物と現物の裁定取引を行う機関投資家の利用も多い。 ラージとミニを合計した売買代金ベースの年間取引シェアを見ると、17年に個人は13.6%となり、海外投資家(72.9%)に次ぐ2位。ミニだけなら19.6%のシェアとなっており、小口化で個人の普及に弾みがついたことが分かる。 ■夜間取引の時間拡大でさらに活況 1990年代後半、日本は大手銀行や証券などの経営破綻が相次ぐ金融不況の真っ只中にあった。ある投資家が「あの銀行は助かるのか」と心配になり、深夜に部下をその銀行の本店に向かわせたところ、帰ってきた部下は「夜なのに煌々と明かりが灯っていました」と報告した。経営破綻を避けようと深夜まで職員たちが対応にあたっていたのだろう。金融危機が深刻になれば翌日の東京株式市場はショックに見舞われると判断し、その投資家は急いでシカゴ市場で日経平均先物を売り、難を逃れたという。 日経平均先物は今でこそ日中、夜間で取引が行えるが、開始直後は日中取引だけだった。夕方からのイブニング・セッションが始まったのは2007年9月で、その後に段階的に時間が延長され、今のように翌朝5時30分まで取引できるようになったのは16年7月からである。前述した投資家も、OSEの夜間取引が1990年代に朝方まで延長されていればわざわざシカゴ市場に注文を出さなくて済んだはずである。 夜間取引には大きなメリットが2つある。1つ目は米国時間の経済統計やイベントなどの動きを踏まえて国内の投資家が夜間に取引できること。2つ目は海外投資家が母国市場の取引時間中にOSEの日経平均先物に注文を出せることである。東京市場の休日対応などの課題は残るが、取引時間はほぼ24時間対応となって利便性が増してきた。 ■3市場に上場する珍しい先物、OSEのシェアは7割 日経平均先物は、日経平均株価という1つの株価指数に対して複数のライセンスが与えられた珍しい先物だ。最も早く取引が始まったのはシンガポール国際金融取引所(SIMEX、現在のシンガポール取引所=SGX)で1986年9月。英ベアリング銀行の経営破綻を題材にした映画「マネートレーダー銀行崩壊」(99年公開)で、派手な半被を着た主人公のトレーダーがシンガポールで取引していたのは日経平均先物である。その後の88年9月に大阪証券取引所(当時)、そして90年9月にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)と、3つの取引所に上場して現在に至っている。 CMEとSGX(当時SIMEX)は84年に相互決済制度(MOS)を締結した。現在、SGXで取引した日経平均先物はCMEでも取引が可能となり(逆も可)、日経平均先物の利便性は一段と高まった。その一方、OSEも時間延長などで海外投資家の取引ニーズに応えており、OSEによるラージ換算での日経平均先物の売買シェアは約7割と高水準を維持している。 ラージ・ミニといった商品の種類、取引時間などで、OSEの競争力は他の取引所と比べても遜色ない。日本経済が発展し、日経平均も上昇基調が続けば日経平均先物への国際的な需要は高まる。OSEの日経平均先物の取引状況が映し出すのは、文字通り日本株の魅力そのものである。 =続く (片平正二) (特集:日経平均先物30周年)1 大阪発祥、息づくコメ先物のDNA (特集:日経平均先物30周年)3 大取社長「国内勢シェア拡大、息長く取り組む」 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「外為ルール、全ての市場参加者が遵守を」 東京市場委の星野議長に聞く

ロンドン市場などで不正な外国為替取引が発覚したのをきっかけに、各国の中央銀行と民間の外国為替市場参加者が外為業務の統一ルール「グローバル外為行動規範」を策定し、1年あまりがたった。東京市場の透明性と効率性の向上のため規範遵守の輪を広げようと、東京外国為替市場委員会議長として陣頭指揮をとる星野昭氏(三菱UFJ銀行シニアフェロー・金融市場部共同部長)に、活動の意義や今後の方針などを聞いた。 ※QUICKは8月30日に東京・日本橋の本社で「外国為替セミナー」を開きます。星野氏と日本銀行為替課長の廣瀬敬久氏が講演し、パネルディスカッションでは外為業務の行動規範や新しいベンチマークの重要性などを討議します。お申し込みはこちら ――グローバル外為行動規範を遵守する意思を表明した国内の市場参加者は7月末時点で107社に達し、世界全体の3割弱を占めるまでになりました。 「現時点でほかのどの国・地域よりも数多くの遵守の意思表明を得ている。グローバルに見ても、銀行のほか、資産運用会社や生損保、事業法人など幅広い場参加者が意思表明しているという意味が大きい。規範は全市場参加者が対象であり、ヘッジファンドを含む幅広い市場参加者だ。多くの市場参加者が遵守意思表明書にサインするには、雰囲気づくりが重要になる。銀行だけでなく、いわゆるバイサイドにあたるエンドユーザーがサインすることで、自分もサインしなくてはいけないというムードを広げていきたい。いわば外堀を埋める作戦だ」 ――ルールづくりの機運が盛り上がったきっかけはなんですか。 「2013年にロンドン市場などで為替相場の指標価格を不正に操作したり、顧客の注文を利用して自己ポジションを仕込んで収益を上げたり、ということが相次いで発覚した。こうした市場操作が行動規範づくりのきっかけの一つになっているのは間違いない」 「もう一つ大きな流れとして、OTC(相対取引)をどうすべきかという議論があった。リーマン・ショック後の2009年にOTCのカウンターパーティーリスク(取引相手先リスク)が強く意識されるなか、OTCを残すか取引所にするかという2つの意見が出てきた。クロスボーダーの外為を取引所で取引するのは難しいので、OTCを維持するためにルールを整備し、仕組みを強化しようということになった。OTCの外為のルールづくりは、エポックメイキングな取り組みだ。ほかのマーケットにも同じように展開されていくと思う」 ――行動規範は中身がかなり詰め込まれています。 「いろいろな原則を盛り込んでいる。網を大きく広げ、その網の目を細かくした。たとえば、原則17は電子取引で顧客から受けた注文が不利に動いた場合に拒否できる慣行『ラスト・ルック』を取り上げた。ラスト・ルックを採用する市場参加者は、透明なかたちでそれを適用するとともに顧客に適切に開示すべきだ、とうたっている。電子取引はミリ秒単位なので、相手先と取引を締結する前にカバーをとるといったように、注文を受けて執行するまでの一連のプロセスの順序をひっくり返すことさえできてしまう。わずかなアドバンテージ(有利)をものにしようという市場参加者が遵守意思表明書にサインしない理由は、ここにある。遵守意思表明書にサインしてしまえば、彼らのストラテジーが崩壊してしまうところもあるからだ」 ――行動規範は時流に応じて見直すそうですが、次の重要なテーマは何でしょうか。 「我々も含め市場参加者はアルゴリズムトレーディングを使っているが、アルゴが暴走するリスク、想定通りに動かなくなるリスクなど、コンティンジェンシーを含めたリスクガバナンスが大きなテーマになってくる可能性があると思う。フラッシュクラッシュ(瞬時の急落)をできるだけ起こさないようにすることと、起きた時の対応も今後のテーマになるだろう。昔はいったん『ダン(取引成立)』と言ったら『ダン』というのが外為市場のカルチャーで、取引を取り消すのは恥だった。最近はいろいろな市場参加者がいる。フラッシュクラッシュで相場が大きく動いた際、どこまで取引が正しいのか、どこまで取引を締結させるのかが議論の対象になるだろう」 ――6月に世界各国の中央銀行や外為市場委員会で構成するグローバル外為市場委員会の副議長に就任されました。 「グローバル外為市場委は、東京やニューヨーク、英国、香港、シンガポール、オーストラリアなど16カ国・地域の外為市場委がメンバーになっている。今年6月にはジョージアがアソシエイトメンバーとして加わった。7月にはロシアからメンバー申請があり、いま手続き中だ。参加国・地域が広がっている。委員会のワーキンググループの議論を事務局役の日銀、ニューヨーク連銀、英イングランド銀行の3中銀が吸い上げ、議長と副議長を交えて、新たなルールを決めていく。大変意義深く、その役目は大きい」 (聞き手はナレッジ開発本部 大谷篤)    

最長ブル相場vsドル安・金利低下 経済指標の下振れ続く米国の強弱感

「株式市場の歴史において最長のブル相場となった。アメリカおめでとう!」。こうツイートしたトランプ大統領はいつも以上にドヤ顔だったに違いない。これまでのS&P500の長期上昇相場は1990~2000年の3452日間。09年3月9日から続いたブル相場は22日で3453日となり、史上最長を更新した。 その一方で、この日の米国市場でドルの総合的な強さを示すドル指数(DXY)は5日続落し、0.13%安の95.09で終えた。一時は95の節目を割り込み、今月2日以来、半月ぶりの安値水準となった。 米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(7月31日~8月1日開催分、ミニッツ)が公表され、その中で「利上げに向けて間もなくさらなる措置を取ることが適切になるだろう」との見解が示される一方、「貿易紛争によって経済成長に影響が出かねない」「広範囲の関税策によって家計の購買力が減る恐れがある」などとの意見もみられ、FOMCミニッツの発表後にNYダウやドル指数が軟調になる場面があった。 CMEグループのFedウォッチツールによれば9月FOMCでの利上げ織り込み度は96.0%となり、前日(93.6%)からやや上昇。米債市場では10年債が買われ、長期金利は2.819%と前日比0.011低下した。 ★ドル指数(緑・左)と米10年債利回り(白・右)の年初来チャート (QUICK FactSet Workstationより) 米経済指標の下振れが続くのも気になるところ。22日に発表された7月の中古住宅販売件数は534万戸(季節調整済み年率換算)となり、16年2月以来、2年5カ月ぶりの水準に減少した。減少は4カ月連続で、QUICK FactSet Workstationの市場予想540万5000戸も下回った。 市場予想との乖離の度合いを示すシティーグループのエコノミック・サプライズ指数はマイナス幅を拡大している。経済指標でポジティブサプライズよりもネガティブサプライズが増えていることも、長期金利が上がりにくい要因になっている。(片平正ニ、池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米中貿易問題が重い銅と大豆、銅と大豆で重たい米長期金利

国際商品の総合的な値動きを示すロイター・コアコモディティーCRB指数(グラフ赤)が、今月15日におよそ8カ月ぶりの低水準を付けるなど下落基調が続いている。 米中貿易摩擦への警戒感が高まった6月以降、商品市況の中でも特に下げが目立つのが銅(点線グラフ緑)と大豆(点線グラフ黒)だ。幅広い分野に使われる銅は景気の先行指標と言われ、主要需要国である中国の景気悪化が懸念されている。中国は米産大豆の6割を輸入しており、7月にはその米国産の大豆に25%の追加関税をかけた。 賃金上昇が加速しない状況では、インフレ期待は商品市況次第の面があり、米長期金利(グラフ青)とCRB指数の連動性は高い。米長期金利が再び3%台に向けて上昇するには、米中貿易問題が収束に向かい、商品市況が回復する必要があるとの見方ができる。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】 23日 ジャクソンホール会議 ユーロ圏や米の8月PMI速報値

23日は6月の景気動向指数改定値などが発表される予定。IPO関連ではマリオン(3494*J)の仮条件が決定する。 海外では8月のユーロ圏・仏・独・米のPMI速報値などが発表されるほか、米ジャクソンホール会議が25日までの日程で開催される。

大阪発祥、息づくコメ先物のDNA (特集:日経平均先物30周年)1 

日経平均先物が、1988年(昭和63年)9月3日の取引開始からまもなく30周年の節目を迎える。デリバティブ市場の世界でも指折りの売買高を誇るが、1990年代には悪玉論が囁かれて商いが低迷したこともあった。そんな紆余曲折を経て成長してきた日本の先物市場の過去、現在、そして未来を、QUICKデリバティブズコメントチームが解説する。3回シリーズの1回目は、大阪の地に生まれ今も脈々と息づく「先物のDNA」。 大阪・北浜の大阪取引所   ■「世界初」シカゴの先物取引所より100年以上も前 シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の前身で、世界初となるシカゴの先物取引所が創設されたのは1848年だが、この遥か100年以上も前に日本でデリバティブ市場が開設された。大阪取引所の社史などで歴史をたどってみる。 日本が鎖国をしていた江戸時代中期の大阪・堂島。1730年(享保15年)に大阪堂島米会所で取引が始まった「帳合米取引」が現在の先物取引の原型となる。 当時、大阪には全国から年貢米が集まり蔵屋敷が仲買人に対して米を売っていた。この際、仲買人は代金の約3分の1を保証金として差し入れ、蔵屋敷から預り証である「米手形」を受け取っていた。堂島米会所ではこの手形を売買する「正米取引」の現物取引と、現在の先物の原型である「帳合米(ちょうあいまい)取引」が許可されていた。 帳合米取引は帳簿上の名目の取引で、実際の米や代金の授受が一切行われない「差金決済取引」。1年を3期にわけて取引され、各期の最終日に共同精算日を設定するなど現在の先物取引の原型ができあがっていた。米手形の取引に比べて立会時間も2時間早く始まり、帳合米取引が常に米取引の価格をリードして相場安定の機能を有したと言われる。 現在でも先物取引の単位を「枚」と呼ぶのは当時から米手形を1枚、2枚と数えていた点に由縁すると言われている。 「摂津名所図会」で描かれた堂島米会所(大阪取引所所蔵)   ■明治以降は短期先物が主流、投機が過熱 明治に入り1878年(明治11年)には大阪取引所の前身である大阪株式取引所が設立され、「帳合米取引」のノウハウは世界でも珍しい「定期取引」に活用された。「定期取引」は毎月末日を仕切りとする期限3カ月、3限月を原則とする現物株を対象にした取引だ。現物株の取引にもかかわらず受け渡し期日までの期間に転売や買い戻しが可能で、期日になると売買の差の金額の支払いと株式の受け渡しがなされた。 大阪株式取引所ではさらに約定後1カ月は決済の繰り延べが可能で、転売や買い戻しが可能な短期清算取引も導入した。次第に短期清算取引が売買の主流を占めるようになり、ともすれば現物市場の存在を欠いた投機的な取引を過熱させる方向に向かった。戦時体制下で取引が禁止される段階まで、短期先物取引が大阪株式取引所で主流を占めていた。 第二次世界大戦後に占領軍最高司令部(GHQ)が取引所三原則のひとつとして「先物取引の禁止」を指示。戦後の長期間に渡って日本の証券取引所は現物取引のみの市場になった。 ■戦後の長期間にわたり中断、「株先50」の登場は1987年 戦後は北浜証券界が中心となって清算取引の復活を唱えてきたが、長く実現には至らなかった。しかし、1983年(昭和58年)に日米両蔵相により設置された「日米円ドル委員会」で日本の金融市場の自由化や制度改革が要求されるなか、債券先物市場の創設が検討対象に挙がる。 国債の大量発行が始まった時代、リスクヘッジの場がない状況が海外投資家から問題視されたためだ。結局、1985年(昭和60年)に東京証券取引所で国債先物取引が開始された。皮肉にも取引禁止を指示した米国からの要請により取引が実現したわけだ。 株式関係の先物については当初、投機的だとして慎重な意見が相次いだ。しかし、債券先物取引が始まった時期に、まず学問的検知からの研究を行い、日本の株式市場全体が肥大化していく中で、リスク管理としての株式先物への要望が高まっていった。そして数多くの研究会の検討や大阪証券界挙げての支援体制と協力を得て、1987年(昭和62年)6月9日に通称「株先50」が大阪証券取引所で取引を開始した。午後の立会だけだったが、初日に5532枚の売買高となり好調なスタートを切った。 株先50とは50銘柄をパッケージにした株価指数先物だった。銘柄の選定は受渡決済の円滑化に重点を置き、上場株式数が3億株、時価総額1000億円、売買高が1年で2億株または5年で10億株と設定。日経平均株価の過去の動きと連動性の強い銘柄を選定した。選定された50の発行体に対しては取引所関係者が個別に訪問して銘柄選定への理解を深めるなど、地道な取り組みを進めたという記録も残る。 株先50の「次」として予定されていた日経平均先物が88年(昭和63年)9月3日に導入されると株先50は大きく売買高を減らし始める。日本の株価指数先物のパイオニアである株先50は92年(平成4年)3月に取引を停止し、日経平均先物にバトンを繋いでいく。=続く (中山桂一) (特集:日経平均先物30周年)2 取引に厚み、個人と海外勢の需要つかむ  (特集:日経平均先物30周年)3 大取社長「国内勢シェア拡大、息長く取り組む」 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

外為ディーラーは狩猟民族たれ by 小池正一郎氏(シリーズ:ベテランに聞く)

狩猟民族の心構えがなければディーリングには勝てない――。市場のベテランに相場との向き合い方を聞く「ベテランに聞く」の第2回はグローバルマーケット・アドバイザーの小池正一郎氏。外国為替市場の生き字引で円が変動相場制に移る以前から市場に関わってきた小池氏は、日本人が好むレンジ前提で相場の流れに逆らう取引の「待ちの姿勢」を批判する。そのままでは欧米投機筋などの執拗な順張りには到底太刀打ちできないという。【聞き手は日経QUICKニュース(NQN)編集委員=今晶】 小池正一郎(こいけ・しょういちろう)氏 1969年に長銀入行後、外国為替畑を主に歩き、2度のニューヨーク支店経験をもつ。長銀証券を経てスイスUBS銀行外国為替本部の在日代表に就いた後、米シティバンク・プライベートバンクに移籍。2006~15年に国際金融情報コンサルティング会社のプリンシパリス・日本代表を務め、現在にいたる ■徹頭徹尾アグレッシブなスタイル 高収益を目指すにあたって必要な心構えはいくつかあるが、その1つが「市場は狩猟民族が仕切る」との認識だ。著名投資家ジョージ・ソロス氏にせよ、ジム・ロジャーズ氏にせよ、そのトレードスタイルは徹頭徹尾アグレッシブだった。狙った獲物をどこまでも追いかけるように、相場の流れに乗る順張りを突き詰めてくる。 苦い経験がある。日本長期信用銀行(現新生銀行)のニューヨーク拠点でトレーダーをしていたときだ。ドルが対円で上げ始めた局面で、なじみの外国銀行ディーラーからレートを出すよう求められた。ドルの売りと買い双方のレートを示すと彼は買ってくる。しばらくするとまた彼から再びレートを出せと言われ「さらに買われると困るからややドル高にしよう」とレートを提示するとちゅうちょせずに買う。その後間を置かずに再び彼から呼ばれ、かなりドル高の水準を示したにもかかわらずたたみかけて買ってくる。 海外勢のこうした買いによってドルは上昇する一方だったが、売り手に回ったこちらは含み損でノックアウト寸前。「狩猟民族はこういうものか」と心底怖くなった。 足元では狭い範囲で売り買いを繰り返す機械取引の「HFT」が増えてきたものの、欧米勢の基本的なマインドは変わっていないはずだ。ここ数年だと2016年の英国による欧州連合(EU)離脱決定やトランプ相場などで一度動きが出ると、狩猟民族の強みをいかんなく発揮する。軽い気持ちで逆張りをすると大けがしかねない。 ■高いところにお金が流れる 相場予想をする際にまず押さえておきたいのは「高いところにお金が流れる」との原則だ。高い低いの判断基準は安全性と成長性、利殖性の3つ。安全性には市場規模の大きさや取引の自由度をあらわす「流動性」の概念を含む。 有事の際に円買いが進むのは、日本が国として安全だからではなく、円の流動性が高いためだと理解すべきだろう。利殖性は一般市民の目線で、名目金利から物価上昇率を差し引いた「実質金利」の高低が深くかかわってくる。 この原則を18年の相場に適用すると、米ドルと米国株が有望とみている。市場では米利上げが米景気を冷やすとの懸念がくすぶっているものの、米経済指標は今のところ堅調で、景気の腰は相当に強いのではないか。米株式相場の上昇局面はまだ続くと思う。 次に相場は生き物であり、勢いの強弱について常に意識しなければならない。例えば幼、青、壮、老の4段階に分け、現在どのレベルにいて基調転換の可能性がどの程度高いかを考えていく。市場は群集心理に左右されるので、参加者が何を注視しているのか、いち早く情報を得る努力も必要だ。 ■地球儀を眺める気持ちで視野を広げよ 「地球儀の上に立って世界を眺めろ」。いつだったか、米バンカース・トラスト(現ドイツ銀行)の名物ディーラーがこんなアドバイスをくれた。外為市場の中心はユーロの対ドル取引やドルの対円取引で、日本人に限らず円、ドル、ユーロの主要3通貨ばかり見てしまいがちだ。だが他にも収益源はいっぱいある。 2回目のニューヨーク赴任後、のちにソロス・ファンドのアドバイザーを務め、ソロス氏による1992年の英ポンド売りの舞台裏をよく知るリチャード・メドレー氏(故人)と親しくなった。メドレー氏がごく限られた人数向けに開いたパーティーで、デビッド・マルフォード氏(元米財務次官)などの「通貨マフィア」(通貨当局の事務方の幹部)に近づけた。ヘッジファンド業界のことも深く知り、視野が急速に広がった。メドレー氏がその後、調査会社を立ち上げ、市場に影響を与えたのは周知の通りだ。 インターネット全盛の現代は情報があふれていて、玉石の見極めはかなり難しい。既に通貨マフィアの時代ではなく、政府や中央銀行、民間金融機関はコンプライアンス(法令順守)の制約がきつく、昔のように独自に質の高い情報を得られることはなくなった。ただ、人でもメディアでもいいので、信頼できる情報源を1つでも作っておきたい。 個人的なおすすめは英エコノミスト誌だ。記事は長くて小難しいが、表紙などの風刺画に政治や経済、市場の本質がうまく表現されている。それを見るだけでも参考になる。 (随時掲載)  

ブラジルレアルも下げ止まらず 10月の大統領選へ不透明感

ブラジルレアルが続落している。21日は1レアル=27.19円(前日比53銭マイナス)とレアル安・円高で取引を終了。対円で年初からの下落率は2割にのぼり、トルコリラやアルゼンチンペソなどに次ぐ落ち込みだ。 10月の大統領選をめぐる世論調査では、禁固刑で収監中のルラ元大統領がトップとなったと報じられている。しかし、同氏の立候補が認められない場合は後継のアダジ氏が代理となるとの見方が大勢だが、同氏の支持率は高くない。 世論調査での2位は元軍人で右派のボルイソナロ下院議員だが、長く左派色の濃かったブラジルが右傾化することをマーケットは懸念しているようだ。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】 22日 FOMC議事要旨 チームスピリットが新規上場

22日は7月の白物家電出荷額(JEMA)が発表されるほか、財務省政策評価懇談会(財務省)が開かれる予定。IPO関連ではチームスピリット(4397*J)が新規上場する。 海外では、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月31日~8月1日開催分)や7月の米中古住宅販売件数などが発表される予定だ。  

3452日の歴史、3451日の現実 S&P500にみる長期ブル相場の有効期限

20日の米国市場でS&P500種株価指数は一時2859.76まで上昇し、1月に付けたザラ場・終値ベースの史上最高値(2872.87)にあと13.11ポイント(0.4%)に迫った。先行き不透明が出ている割に強い地合いが続いている。 エバコアISIによれば前回のS&P500の長期上昇相場は1990~2000年に3452日続いたという。今回は3451日。2000年3月にS&P500がピークを打った際にFF金利は6.00%、10年債利回りは6.19%、株価収益率(PER)は31倍だったといい、ITバブル当時と現在を比較する事には違和感もあるが、その後、2001年3月に米国はリセッションを迎えた。長期ブル相場の最終局面が近いのだろうか。 ちなみにノムラ・セキュリティーズは19日付で「米国:追加関税による不確実性を我々の予想に組み込む」と題するリポートを公表し、2018年・19年の米国内総生産(GDP)予想をやや引き下げていた。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

「嬉しくない」で金利もドルも⤵ T砲介入、夏バテも夏休みもなし

20日の米国市場でドル指数(DXY)は4日続落し、0.38%安の95.77で終えた。トランプ大統領が17日にニューヨーク州で行われた資金集めのイベントで、「共和党支持者向けに米連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が低金利政策をとると見込んでいたが、逆に金利を引き上げていると不満を漏らした」(ブルームバーグ)などと報じられたことでドル安が進んだ。 この日はロイターもトランプ氏とのインタビューで「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」と伝えた。さらにトランプ氏は「中国は為替を操作していると思っている。ユーロもまた、操作されていると思う」と述べ、貿易紛争懸念が残る状況下、FRBの利上げを受けてドル高が進む中で人民元やユーロが下落基調にあることに不満を示した。珍しく、日本や円についての言及はなかった。 今週、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれるカンザスシティ地区連銀主催の金融シンポジウムでパウエル議長の講演を控える中、トランプ氏から利上げをけん制するかのような見解が相次いだことになる。トランプ氏は7月19日にCNBCのインタビューで利上げに関して「私は嬉しくない」と述べていた経緯がある。 20日はトランプ氏の利上げけん制発言を受けて、米10年債が買われる展開となった(金利は低下)。米10年金利は2.81%台へ低下し、7月上旬以来の水準。ドル指数と米長期金利は8月に入ってから正相関の関係を強め、ドル安・金利安の流れが強まっている。(片平正ニ、池谷信久)    <ドル指数(緑・左)と米10年債利回り(白・右)の年初来チャート> (注)QUICK FactSet Workstationより作成 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。    

【朝イチ便利帳】21日 7月の全国百貨店売上高、20年物国債の入札

 21日は7月の食品・全国スーパー売上高、全国百貨店売上高などが発表される予定のほか、20年物国債の入札が行われる。IPO関連ではナルミヤ・インターナショナル(9275)の仮条件が決定する。第100回全国高校野球選手権大会の決勝戦が、午後2時から甲子園球場で開催される。秋田県勢としては103年ぶりの決勝進出をはたした金足農(秋田)と、大阪桐蔭(北大阪)が対戦する。 海外では豪中銀理事会の議事録などが発表される予定だ。

落ちた橋、再び落ちそうな信用力 イタリア財政不安、株も債券も売り

イタリアで14日発生した高速道路の高架橋の崩壊事故が金融市場に影を落としている。インフラ投資など財政拡大が容認されるのではないかとの懸念がくすぶり、同国10年債利回りは足元で3.1%台と、政局混迷から同国金利が急騰した5月下旬以来の高さで推移している。今秋の欧州連合(EU)への予算案提出を前に、財政懸念を市場の波乱要因として意識する市場参加者が増えている。 イタリアではポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」と極右「同盟」による連立政権が、予算案の閣内協議を進めている。予算案の作成中に起きた高架橋の崩壊事故を受け、サルビーニ内相は先週、「イタリア国民の安全を最優先しなければならない」と発言。EUの財政基準を超えても歳出を増やすべきだと主張した。 一方、EU側は監視の目を強めている。ダウ・ジョーンズ通信は17日、欧州委員会の報道官の話として「イタリアは2014~20年にEUインフラ基金から約25億ユーロの提供を受けている」と伝えた。EUとしては、イタリアは資金を受けている以上は財政基準を守るのが当然との考えのようだ。 イタリア政府は高速道路の管理会社「アウトストラーデ」の責任を追及する構えを見せる。同社の親会社である伊運輸大手アトランティアの株価は大きく値を下げている。同国の代表的な株価指数「FTSE・MIB」は前週末17日まで7日続落しており、トルコ情勢への過度な警戒が一服するなかでも下げ止まりの兆しは見えない。 事故の責任の所在がどこであれ、市場では「財政拡大の連想が働きやすく、イタリア債の売り要因として意識される」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広マーケットエコノミスト)との声が多い。予算案は9月27日までに議会に提出した後、EUに10月15日までに出さなければならない。 市場では「米中の貿易摩擦やトルコ情勢を材料にした取引に食傷気味になっている」(国内証券)との声も聞かれる。5月に金利が急上昇した際は世界的な株安も招き、金融市場に「イタリア・ショック」が走った。財政不安が強まる事態に備え、イタリアの金利上昇をきっかけに市場が再び動揺するシナリオも頭の隅に入れておいた方が良いだろう。 【日経QUICKニュース(NQN) 矢内純一】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

投機筋ついにユーロ売り越し トルコ余波、半端ないドル一強

米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(14日時点)でユーロが1789枚のネットショートとなった。ユーロの投機ポジションがショートとなるのは2017年5月2日以来、1年3カ月ぶりのこと。トルコと米国の対立が激化したことで13日、トルコの通貨リラの対ドル相場が1ドル=7.2362リラに急落。史上最安値を更新するなか、ドル高・欧州通貨安の流れを受けてユーロ売りが活発化した格好だ。 豪銀大手オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は20日付のリポートで、CFTCの為替ポジションを踏まえて「レバレッジド・ファンドとアセット・マネジャーズらは2週続けてドルを買い越した」と指摘した。ドルの買い越し規模は前週比で5億ドル増の303億ドルに膨らんだといい、2015年11月以来の高水準に達したという。米中の貿易紛争懸念が残るなか、ドル指数が強含んでいることと整合的な動きとみられる。 なお、リポートでは「今週はFOMCの議事要旨のほか、ジャクソン・ホールでパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が週末に開かれるため、短期的なポジショニングを占う上で重要なものになるだろう」と指摘した。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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