香港→ロンドン4兆円「求婚」は成就するか 取引所再編うずたかい壁

日経QUICKニュース(NQN)香港=柘植康文 香港取引所が11日、英ロンドン証券取引所(LSE)グループに買収を提案したと発表した。総額296億ポンド(約3兆9400億円)でLSEの全株式の取得を目指す。新規上場企業の誘致などで世界の取引所間で競争が激化しているのに加え、反政府デモの長期化で香港の金融センターとしての地位も揺らいでいる。買収により中国と欧米の市場を結ぶ役割の強化を図るが、統合実現に向けたハードルは高そうだ。 「LSEにずっと憧れていた。両社は企業版のロミオとジュリエットのような関係だ」 「世界の東と西を結び、顧客にイノベーションや取引の機会を提供できるようになる」 李小加最高経営責任者(CEO)は11日夜の電話会見で今回の提案の意義をこのように強調した。アジアから欧州まで18時間に渡る取引時間帯をカバーできるようにし、中国の金融市場の段階的な開放にあわせて人民元建て金融商品への投資を増やしつつある欧米勢を取り込みたい考えだ。 香港取引所の念頭にあるのが、中国本土と香港での株式相互取引の成功だ。2014年に始まった相互取引は海外投資家にとって困難だった中国本土株への投資を香港経由により容易にし、手数料収入が香港取引所の業績を底上げした。17年には海外勢が香港を通じて中国本土の債券を売買できる「債券通(ボンドコネクト)」も開始した。LSEの買収で欧州の投資家をさらに呼び込み、中国の金融市場への「入り口」としての香港の役割を一段と高める狙いがある。 中国本土の上海・深センの証券取引所との競争も意識している。上海証券取引所がハイテク新興企業向け市場「科創板」の取引を7月から開始したほか、足元では香港デモの激化を受けて中国政府が深センの金融市場の機能強化を打ち出した。成長する中国企業の上場誘致などは中国本土の市場が最大のライバルとあって、香港市場の魅力を高める必要に迫られていた。新規株式公開(IPO)を目指しているサウジアラビアの国有石油会社、サウジアラムコの誘致など世界的な競争を見据えている面もある。 もっとも12日の投資家の反応は冷ややかだ。香港取引所の株価は一時4%近く下落した。香港取引所が提示したLSE株の買い取り価格は10日終値(68.04ポンド)に約23%上乗せしており、19年のPER(株価収益率)で40倍超に相当する。光大新鴻基の温傑ストラテジストは「買収が実現しても短期的な相乗効果は限られる」とし、「割高な買収価格が嫌気されそうだ」と語る。 今回の買収の実現に懐疑的な見方も多い。LSEは8月初めに金融情報会社リフィニティブ・ホールディングスを総額約3兆円で買収すると発表していた。香港取引所はLSE買収の条件として、LSEがリフィニティブの買収を取りやめることをあげた。一方、LSEは11日に、「香港取引所の提案を検討し、適時に追加の開示をする」としながら、「リフィニティブの買収を実行に移す姿勢は変わらない」との声明を出した。 香港取引所は2012年にロンドン金属取引所(LME)を買収した。ただ、LSEに対しては16~17年にかけてドイツ取引所や米インターコンチネンタル取引所(ICE)が買収に乗り出したが、いずれも実現しなかった。格付け大手フィッチ・レーティングスは「世界の規制当局は金融市場インフラの競争環境に懸念を強めている」として、「香港取引所によるLSEの買収は、LSEによるリフィニティブの買収よりも規制当局の反対に直面しそうだ」と予想した。 香港政府は香港取引所株の約5%を保有する大株主だ。最近では「逃亡犯条例」改正案を巡る抗議活動を巡って英政府高官が中国政府の介入をけん制し、中国側が反発する一幕があった。香港への中国政府の影響が強まっていることに欧米で警戒感が広がるなか、英国の規制当局や政界が取引所の合併提案に難色を示す可能性もある。 電話会見で李CEOが例えに使ったロミオとジュリエットの物語の結末は悲劇的だ。香港取引所のLSEに対する「求婚」も、成就するかどうかの不透明感は拭えない。 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

AI普及で相場の長期大変動は起きにくく 機械学習の第一人者が語る

日経QUICKニュース(NQN)=今晶、菊池亜矢 金融・資本市場で人工知能(AI)活用が進み、外国為替市場のような競争が激しいマーケットではデータはすぐに解析される。高頻度取引(HFT)の拡大もあり、かつてのような「大相場」は持続しにくくなった。東京銀行(現三菱UFJ銀行)などでデリバティブ(金融派生商品)ディーラー経験を持ち、市場取引におけるコンピューター利用研究の第一人者でもある桜井豊氏は「AI時代に大変動は長期化しづらい。緩やかなトレンド(基調)形成が基本と理解すべきだ」と指摘する。 桜井氏は現在、独立系シンクタンクRPテックの取締役兼AIファイナンス応用研究所の所長を務める。2019年6月に『機械学習ガイドブック』(オーム社)を刊行した。 桜井豊(さくらい・ゆたか)氏  1986年早大卒、東京銀行に入行。93~2000年はロンドン支店で円金利オプションや、異なる通貨間の交換取引である「ベーシス・スワップ」のマーケット・メーカーとして活躍した。00年にソニー銀行に転じ、01年から執行役員市場運用部長を務めた後、10年にRPテックに移籍 ■自然言語処理、投機筋の運用の定番に ――現在、機械学習は市場取引でどう活用されていますか。 「機械学習を(市場での取引に)応用しようとする試みは広がりを見せている。むやみに使うのではなく、適切な目的を決め、それに対しピンポイントで機械学習を取り入れるやり方がうまくいきやすい」   「対象となる情報はそれこそ多岐にわたる。大量のデータ処理や高頻度での取引をするのなら高性能のコンピューターが必要だが、そうでなければ20万~30万円程度の市販のパソコンでも多様な使い方が可能だろう。ディープラーニング(深層学習)のツールがずいぶん発達してきたこともあり、選択肢が増えてきた」 「機械学習の試験的な利用も容易になった。個人や中小企業レベルでも(公表され入手が容易な経済統計などの数字や、自社の在庫と販売実績といった)手持ちのデータと、少し知識をもつ人材がいれば試せるはずだ。正しく使うにはコツが必要だが、ビジネス用途では、例えば注文を受ける前でもある程度の正確さで販売予想を立てられるような使い方もできるようだ」 ――どういう分野での進展が目立ちますか。 「近年はテキストや活字、音声といった『自然言語処理』の分野の発展がめざましい。テキスト解析などは基礎的な技術として昔からあるが、ディープラーニングなどを活用したいくつかの新手法をうまく組み合わせることで、ウェブブラウザーの機械翻訳はここ数年で飛躍的に性能が向上した」 「自然言語処理のノウハウは、既にヘッジファンドなどの投機筋の運用で定番の1つになっている。ニュース見出しはこれまでも解析されてきたが、テキスト以外のデータを併用したり、さらに深く文脈を分析したりすることも可能になってきた」 ■リスク配慮、緩やかトレンドの時代に ――この8月は、トランプ米大統領の予測不能な言動や行動に市場が振り回された1カ月でした。どう受け止めていますか。 「過去に情報量が少なかったときは、AIを含めたコンピューター勢は対応できず、HFTも流れに乗れなかったので、外国為替市場で円相場は大きく円高に振れた。だが情報が蓄積され技術的にも成熟するにつれてHFTの存在感が回復し、市場は安定してくる。訳もわからず参入し相場をかき回す参加者も減る。足元でリスク回避や欧米の金融緩和観測などを背景に円高加速の思惑が根強いにもかかわらず、変動率は逆に下がっているのはそのためだろう」 「かつて円相場のトレンドが変わるときには、市場が短期に激しく揺れ動いた。1日に数円単位で値が動くのが当たり前で、1998年の「LTCM(ロングターム・キャピタル・マネジメント)ショック」時には2営業日で20円程度も円が急伸した」 「昔は規制が緩く、一方向にポジション(持ち高)を大きく傾けるディーラーがかなりおり、ひとたび巻き戻されると際限なくオーバーシュート(行き過ぎ)した。リスク管理の制約がきつくなった現在は、もうそんなことはない。感情のないコンピューターは入力したルールを決して外れない」 ――振れそうで振れない、そんな相場展開が続くということでしょうか。 「リスク管理が厳格な時代は、何か事が起これば投資家はいっせいに手を引く。市場に厚みをもたらすHFTも同じで、相場の瞬時の急落(フラッシュクラッシュ)のきっかけになる。今年1月、正月の『真空地帯』を突いて円が対ドルで瞬間的に急騰したような現象は状況次第ではこの先もしばしば起きるだろう。それでも、誰かがポジションを持ち過ぎているわけではないため、(LTCMショックのような)反動に伴う劇的な長期のトレンド転換は生じないはずだ」 「データが蓄積されれば、AIはそう間を置かずに対応できる。今後はコンピューター制御にAIの関与が深まっていくため、相場が大きく振れても短命に終わる傾向は続きそうだ」 「過去の相場はダイナミックに動いて面白かったが、不必要に変動しすぎていたのではないだろうか。現在はリスクに適切に配慮しつつ、合理的な相場水準を意識しながら緩やかにトレンドを作るという、いままで体験してこなかった局面だと感じる。AI時代の新たな典型をみせられているのかもしれない」 ■それでも「大局観」は必要 ――AI活用のポイントは何ですか。 「市場でAIを活用して勝っている人のほとんどは、学習したものが絶対だとは考えていない。学習したことが機能しない可能性は高いとの前提でコンピューターを使っている。過去の経験則が役に立たない場面は必ずある。8月はその典型だろう。意識しているしないにかかわらず、最終的に全体像を捉えたり、構造を読み取れたりする『大局観』を有している人は強い」 「浮き沈みが激しい中でも、HFTなどで生き残ってきた投資家は多くいる。技術を使っていま何ができていて、これから何ができるかをきちんと理解しているからだ。色々なツールが出回っているが、うまく使いこなせなければ宝の持ち腐れだ」 ――国内銀行も遅ればせながら機械化に向かっています。 「日本の金融機関はようやくツールを使い始めたばかりで、海外に比べると周回遅れだ。しかも実際のツールを動かしているのはほぼ30歳代。実際に何が起きているか、自分の手や目で確認している経営陣はゼロといっていい。決定権のある人が技術や問題を把握しないまま、最適な決定をするのは難しいだろう」 参考記事:AI取引、テールリスクには無力 長期投資の全面依存は難しく(7/26)      「ひるまず迷わず」機械ならでは モデル運用、定石なき相場で成果(7/12)      HFTの生命線 「超短期」「超高速」にAIはどこまでついていけるか(7/5) ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

今度は「マイナス金利」でFRBに圧力 利下げ確率⤵で88.8%

QUICKコメントチーム=池谷信久、写真=Tom Brenner/Getty Images トランプ米大統領は11日、「FRB(米連邦準備理事会)は金利を0%かそれ以下に下げるべきだ」とツイッターに投稿した。★トランプ大統領のツイッターはこちら ツイートでは「Boneheads(まぬけ)」の表現で、いつも以上に批判のトーンを強めた。FRB攻撃はこれまで、主にドル安を目的にした利下げ要求だったが、今回は、金利が下がれば国債発行で資金を調達したときに金利負担が大きく減るなどとしており、財政ファイナンスにあからさまに言及したともいえる。かねてムニューシン財務長官も超長期債の発行を真剣に考えると発言している。 米債市場では長期金利が小幅に低下したものの反応は限定的だった。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が金利先物から市場の利下げ予想の確率を算出する「Fedウオッチ」では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における利下げ確率が逆に88.8%と前日の92.3%からやや低下している。 強まる風圧。パウエル議長とFRBはどこまで「骨のあるやつ」なのか、これからのFOMCはそこにも注目だ。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

日本国債は相対的に高利回り、海外勢の買いは続く アクサIMの木村氏

QUICKコメントチーム=大野弘貴 米中貿易摩擦の激化を受けて景気減速が鮮明となる中、世界中で金利の低下が進んだ。アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサIM)の木村龍太郎・債券ストラテジストはQUICKのインタビューで「為替ヘッジプレミアムを加味した日本国債の利回りは、海外勢からみて魅力的」であるとして、更なる金利低下も十分に考えられると語った。主な一問一答は以下のとおり。 ――アクサIMはどのような特色がありますか。 「世界最大級の保険・資産運用グループであるアクサ・グループの一員として、マルチ・エキスパートの資産運用ビジネスをグローバルに展開している。私が所属している債券運用部は日本国内の債券運用にフォーカスし、投資に役立つような経済・金融市場の分析をしている。その際、パリにいる日本経済担当のエコノミストと協働したり、グローバルな金利動向も加味したうえで、ハウスビューを策定している」 米景気後退は回避の見通し ――今後の経済見通しは。 「米国経済は、世界各国の中では相対的に堅調さを維持している。これは、米国内総生産(GDP)の約7割を占める個人消費が堅調なためだ。ただ、米中貿易戦争が米国の輸出と生産活動の下押し圧力となっている。4日に発表された8月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は49.1と16年8月以来3年ぶりに好不況の境目である50を下回った。製造業では景気悪化が強く意識されている。製造業で雇用と賃金の伸びが抑制されることで、好調な米個人消費にも陰りが見え始めるか、注意が必要な局面である。特に、18年は年後半にかけて消費が不振であった時期があるため、これから発表される個人消費関連の経済データは前年比でみて実態以上に良好な結果となる可能性がある。また、今後控えている関税引き上げにより、駆け込み需要的な形で消費が前倒しされている可能性もある」 ――足元の経済状況で、当初の見通しと比べて想定外だった点は何ですか。 「2019年初に策定した当初の見通しに比べ、世界経済の下振れリスクが高まっている。米中貿易戦争の激化による世界的な貿易の停滞は、当初はリスクシナリオとして捉えていた。ただ、足元の経済の実態は、このリスクシナリオがメインシナリオに傾きつつある」 ――景気後退を意識すべきなのでしょうか。 「景気後退は回避されるとみている。8月は米国の10年債利回りが2年債利回りを下回る『逆イールド』が発生し景気後退を警戒する声が高まった。これは、今後の景気減速とFRBの利下げを織り込んだ動きだ。また米中の貿易対立については、来年の米大統領選を控えていることもあり、妥結に向けた何らかの進展が見られ始めると想定している」 ――米中の貿易対立について、先行きは楽観的にみて良いのでしょうか。 「米中対立は大きく分けて2つの問題があると考えている。対中貿易赤字をいかに削減するかという問題と中国が技術革新を進めている中、ハイテク分野を筆頭とした米中の覇権争いだ。前者については、中国が米国から穀物などを輸入することや中国企業が米国内に工場を設立するなどして現地生産化を進めることで、ある程度の解消が可能とみている」 「一方、後者については、長期化する可能性が高く短期間での妥結は難しいだろう。これは、これまでの米国の高成長の源泉であったことと安全保障の面で大きな問題となるからだ。トランプ米大統領は大統領選を控えていることもあり短期間での解決を望んでいるが、米議会は中国に対し、トランプ米大統領よりもより強硬な立場にあると捉えている」 日銀、追加緩和は副作用大きい ――景気への先行き不透明感と中央銀行による利下げ期待により、8月に入り金利は一段と低下しました。先行きの金利見通しについて教えてください。 「今後の景気の回復期待を支えている要因の1つが金融緩和期待である。また、20年にかけて米国の成長率は緩やかに減少していくと予想している。低金利は解消しにくく、一段の金利低下も考えられる」 ――金利低下を受けて、投資家はどのような資産を選好していますか。 「少しでもインカムによるリターンを得ることのできる資産が選好されている。例えば、海外投資家から見ると、為替ヘッジプレミアムを加味した日本国債の利回りは、他の先進国のの国債利回りと比較して非常に魅力的な利回りとなっている。実際に、財務省が公表する対外対内証券投資を見ても海外投資家は日本国債を大幅に買い越している。日本国内の投資家の動きでは、為替ヘッジをつけない外債投資や不動産やインフラ投資など、流動性をある程度犠牲にして高利回りを追求する動きも加速している。また、金利低下時に値上がりが期待できる資産への投資も増えている」 ――今後の日銀の金融政策について、どのような動きが考えられますか。 「マイナス金利幅の拡大を予想する声も聞かれているが、弊社ではやや慎重な見方をしている。これ以上の追加緩和は、期待される効果より副作用の方が大きくなると想定している。日本経済が景気後退に陥る、若しくは外国為替市場で1ドル=100円を超える円高にならない限り、現在の金融政策を維持するのではないかと考えている」 ――日銀が現状の金融政策を維持するにも関わらず、日本国債の利回りがさらにと低下する可能性はあるのでしょうか。 「十分考えられる。現在の金利低下を主導しているのが海外からの買いフローによるものである。また、金融規制上、一定の国債を保有するインセンティブも働いている。投資機会が残っている限り、日本国債への買いは続くだろう」 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】12日 ECB政策、米CPI、東京ゲームショウ(~15日)

 12日は内閣府が7月の機械受注を発表し、日銀が8月の企業物価指数を公表する。ゲーム見本市「東京ゲームショウ」が幕張メッセで開幕する。海外ではマレーシア中央銀行や欧州中央銀行(ECB)、トルコ中央銀行が金融政策を決める。   【12日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 8月の企業物価指数(日銀)   7月の機械受注統計(内閣府)   対外対内証券売買契約(週間、財務省) 11:00 8月のオフィス空室率(三鬼商事) 13:30 7月の第3次産業活動指数(経産省) 15:00 8月の投信概況 その他 ゲーム見本市「東京ゲームショウ」が開幕(幕張メッセ、15日まで)   福証Qボード上場=ピービーシステムズ 海外 時刻 予定 3:00 8月の米財政収支(13日) 18:00 7月のユーロ圏鉱工業生産 20:00 トルコ中銀が政策金利を発表 20:45 欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表 21:30 ドラギECB総裁の定例記者会見   米新規失業保険申請件数(週間)   8月の米消費者物価指数(CPI) その他 韓国市場が休場   マレーシア中銀が政策金利を発表 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 9501 東電HD、送電投資の抑制響く 千葉停電 復旧あす以降 各紙 +4.89% 9/11 8306 格付け見直し 邦銀に波紋 ムーディーズ、三菱UFJの評価下げも 超低金利のリスク警戒 日経 +4.43% 9/11 4689 ヤフー、ZOZOを買収へ 前沢社長は経営から退く 日経電子版 +3.11% 9/11 3092 +2.55% 9/11 9308 乾汽船、投資会社から臨時総会請求 報酬など巡り 日経 +2.62% 9/11 6954 機械の稼働従業員の作業データ、クラウドで安全に管理 ファナックや富士通、納入先の効率化支援 日経 +1.90% 9/11 6702 -1.23% 9/11 7912 大日印、自社株買い 600億円上限 日経 +1.43% 9/11 9020 JR東日本、高架下に学生向け賃貸 日経 +1.26% 9/11 8028 米アマゾン、店駅にロッカー ファミマ小田急と 宅配の再配達削減 日経 +0.94% 9/11 9007 +1.99% 9/11 9681 東京ドーム 2〜7月期純利益12%増   +0.92% 9/11 2678 アスクル、ネット通販黒字化へ 22年5月期メド 日経 +0.54% 9/11 7150 島根銀再生「1年かけない」 SBIの北尾CEOに聞く 不動産子会社設立も 日経 +0.41% 9/11 6741 信号、無線式システム受注 日経 +0.41% 9/11 9434 ソフトバンクの端末代半額免除、批判相次ぐ 総務省有識者会議 日経 +0.26% 9/11 6841 横河電、医薬食品向け機器事業を黒字化 来期計画 日経 -0.96% 9/11

景況感、製造業6年半ぶりの悪さに 9月QUICK短観、非製造は堅調

日経QUICKニュース(NQN)、QUICK編集チーム 米中貿易摩擦に起因する中国経済の減速などの影響が広がり、企業の景況感がなかなか改善しない。QUICKが11日発表した9月の企業短期経済観測調査(QUICK短観)で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は製造業がプラス3と前月から4ポイント悪化し、2013年3月(マイナス1)以来6年半ぶりの低い水準となった。 業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いて算出する。製造業のうち、素材業種は前月比2ポイント改善のプラス4、加工業種は同8ポイント悪化のプラス1だった。 米中摩擦により、半導体関連や工作機械をはじめ、幅広い製品分野で生産活動・設備投資が冷えこんでいる。日韓問題も重なり、インバウンド需要の伸びに陰りが出てきたことも景況感悪化の一因になっているとみられる。上場企業の4~6月期決算は15%減益で、製造業に限ると45%減と苦戦が目立ったが、それに沿った内容といえる。 3カ月後の先行き見通しはプラス3と前月に比べて2ポイント悪化した。水準としては16年7月(プラス2)以来の低さだった。 一方、非製造業の業況判断DIはプラス27で前月と変わらず。消費増税が迫っている割には相対的に堅調に見える。キャッシュレスのポイント還元などの景気対策に加え、駆け込み需要の少なさが逆に「反動減も少なくて済みそう」との見方につながっている可能性もありそうだ。 QUICK短観は上場企業を対象に毎月実施している。今回の回答期間は8月28日~9月8日で、313社(金融機関を含む)が回答した。

銀行営業の凄腕たち【Episode4】PF組成、顧客の期待値を超えろ

日経QUICKニュース(NQN)=菊池亜矢 みずほ銀行 工藤弘史氏 くどう・ひろし  2008年九大卒、同年4月にみずほ銀行入行。江戸川橋支店や虎ノ門支店で融資営業を担当した後、行内の「ジョブ公募」に志願して14年にプロジェクトファイナンス営業部プロジェクトファイナンス第二チームに移る。15年7月から調査役。16年3月に組成した総額約1900億円と国内案件としては過去最大規模となる関西国際空港と大阪国際空港特定空港運営事業に対するファイナンスにも携わった インフラ整備などの大型事業にかかわる資金調達を担うプロジェクトファイナンス(PF)。国内で2012年以降、PFの累積組成額べースで首位に立つみずほ銀行の「ホープ」と称されるのが工藤弘史さんだ。法学部や経済学部出身が多い銀行では異色の存在といえる農学部出身で、担当6年目に入った工藤さんは「顧客の期待値を常に超えるような提案や(要望への)対応を続け、リスクを徹底的に管理して進めてきた計画が目に見える『形』になる。それが仕事の醍醐味です」と生き生きと語ってくれた。 融資は数十年単位、徹底的にリスク洗い出し ――プロジェクトファイナンスを分かりやすく教えてください。 「明確な定義はありませんが基本的には文字通りで、『特定のプロジェクトにファイナンスを付ける手法』です。返済原資は対象となるプロジェクトだけ。融資資金の回収も担保の実行もそのプロジェクトから生じるものに限られます。20~30年の長期融資が基本で、何よりも安定性が重視されます」 「銀行の役割は大きく分けて2つです。1つは事業会社と一緒になってプロジェクトの枠組みを作る設計段階でのファイナンシャルアドバイザー(金融面からの支援)の役割。もう1つは融資可能な状況になったときに計画の実現可能性を精査したり、計画の仕様や契約を他の金融機関に説明したりするアレンジャー(とりまとめ)の役割です。いま在籍している部署は国内案件に特化しており、メガソーラーや風力などの発電所やインフラ関連事業がメインで、だいたいファイナンシャルアドバイザーとしての案件を1~2件、アレンジャーとしての案件を4~5件、同時進行で抱えています」 ――プロジェクトファイナンスのメリットは何でしょう。 「すべてを通常のコーポレートファイナンス(企業向け融資)でまかなうこともできるでしょう。ただプロジェクト単位の融資にすれば、事業会社は万が一の不測の事態が起きたときに出資額以上の責任を負わなくて済みます。融資を併用することによるレバレッジ(てこ)効果もメリットでしょう。例えば100億円規模のプロジェクトで20億円のエクイティ(自己資本)に対し、デット(負債・銀行融資)で80億円出せれば資本の効率性は増します」 「貸し手の金融機関としては、プロジェクトがうまくいかないと返済を求められなくなる恐れがあるため、徹底的にリスクを洗い出さなければなりません。確かに手間もかかれば『リーガル(法務)コスト』など外部のコンサルタント(専門家)にお願いするための費用も相応に大きくなるので、プロジェクトの規模が小さいと手間とコストを吸収しきれない面はあります。それでも超低金利環境の長期化が懸念される中、数十年単位で安定的なリターンが得られるのは銀行にとって代えがたいメリットです」 発電技術から会計・税務まで幅広い知識が不可欠 ――営業をし、融資を進めていくうえでどんな苦労がありますか。 「実務ではかなりの分量の契約書をやり取りします。案件によりますが30本近い契約書を精査するでしょうか。契約書1本あたり、多いもので150~200ページくらいあります。ほかにも数十年にわたる工程表に、その時々の資金の流れや収益・損益状況などを照らし合わせながら、とても細かな出納帳のようなエクセル(表計算ソフト)のスプレッドシートとにらめっこになることが多いです」 「支店で得意先営業をしていたころはほとんどは企業の財務担当者と一対一で仕事をしていたのですが、いまは企業の事業担当者を中心に、例えば建設会社や保険会社、設備の運営・維持管理のオペレーターなど関係者数は圧倒的に増えました。事業の専門家らと一緒に仕事をするため金融の知識は当然ながら、発電所であれば発電技術や仕組みといった事業そのものの知識も欠かせません。契約書のやり取りには高度な会計や税務知識も必要です。専門分野の情報を常にアップデートして取り入れるのは大変だと感じる半面、面白くもあります」 アイデア総動員、計画実現の「最適解」を ――どのようなことを心がけていますか。 「チームのスローガンは『(顧客の)期待値を超えよ!』。自分のモットーも同じです。いかに柔軟な発想で顧客が求めているレベルを超えられるかが腕の見せ所だと思っています」 「国内でのプロジェクトファイナンスはエネルギーとインフラに関わる案件が主で、国の政策に左右される面も大きい。銀行から『こういうプロジェクトを実現しませんか?』と提案するものではなく、受動的な業務かもしれません。ただ計画が持ち上がった段階でひとたび接点ができたら、アイデアを総動員して計画実現のための『最適解』を早く提供するという点で、これまでの営業と何ら変わりはないと思っています」 ――とはいえ、モノが大きいだけに一筋縄ではいかないんじゃないですか。 「大切なのはファイナンスの対象プロジェクトのリスクをいかに残らないようにするかです。事前にリスクを排除し、同時にリスク回避の善後策をいくつも考えておく。手元の預金を積んでおくとか保険を掛けておくとか、うまくいかなくなったときの備えを万全にしておくわけですね。ノウハウが既に確立している手法だけに、まっとうにやっているだけでは何の付加価値も提供できません」 「発電所やインフラ事業は用地確保がまず重要です。土地を購入するとか、賃借権を締結したうえで登記するなどしますが、広大な土地の一部が相続上の関係などで購入も登記もできないとなるとどうするか。一部が利用できない可能性を明確にするだけでなく、土地が使えなくなるリスクを回避するためにあらゆる手段を考えます」 「ゴールに対していかに『ニアリーイコール』(ほぼ到達)の状態に近づけるか。これまでの正攻法に固執せず、機動的にリスクを減らせるかどうかがアピールポイントになってきます。熱意で飛び込んできたプロジェクトファイナンスの世界、社会性が高い大規模案件に携われる満足感は思い描いていた通りでした。道路や空港、発電所など出来上がった物を目にすると苦労も吹き飛びますね」 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

【朝イチ便利帳】11日 内閣改造、法人企業景気予測調査 米PPI

11日は安倍晋三首相(自民党総裁)が内閣改造・自民党役員人事を実施するほか、内閣府と財務省が2019年7~9月期の法人企業景気予測調査やQUICKが9月の全国企業短期経済観測調査(短観)を公表する。 海外では8月の米卸売物価指数(PPI)や7月の米卸売在庫・売上高を発表する。   【11日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 9月のQUICK短観 8:50 7〜9月期法人企業景気予測調査(財務省内閣府) 10:30 5年物利付国債の入札(財務省) その他 内閣改造自民党役員人事 海外 時刻 予定 21:30 8月の米卸売物価指数(PPI) 23:00 7月の米卸売在庫売上高 23:30 米エネルギー省の石油在庫統計(週間) 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 7181 かんぽ生命不正問題 金融庁きょうから検査 各紙 +5.40% 9/10 6305 日立建機、油圧ショベル常時監視 東南アで異常検知サービス 日経 +4.47% 9/10 7201 日産自、ルノーとの交渉停滞も 西川社長辞任で 日経 +3.71% 9/10 8750 明治安田と第一生命HD傘下の第一生命、スマホで保険金請求 入院給付金など 日経 +2.94% 9/10 8053 住友商、米鉄道車輪の株追加取得 日経 +2.17% 9/10 7011 三菱重H2Bロケット打ち上げ中止 発射台付近で火災 日経電子版 +1.66% 9/10 7269 インド車市場、官製不況 スズキは工場休止 購入負担増で買い控え 日経 +1.34% 9/10 3382 セブン&アイ傘下のセブン—イレブンジャパン、8月全店売上高2.4%増 日経 +1.24% 9/10 9432 政府、NTT株を一部売却へ 2494億円分 日経 +0.49% 9/10 2427 アウトソシン、外国人実習生支援に商機 営業益100億円規模めざす 日経 -0.20% 9/10 2502 アサヒ、欧州ビール事業を再編 高級品の輸出増狙う 日経 -0.62% 9/10 1766 東建コーポ、39%減益 5〜7月最終 賃貸受注伸び悩む 日経 -1.56% 9/10 3349 コスモス薬品、増税分を値下げ 日経 -1.78% 9/10 9743 丹青社、純利益9%減 2〜7月 日経 -2.18% 9/10 6367 ダイキン、空調汚れの自動検知サービスを10月開始 日経 -2.20% 9/10 6098 リクルート株売却益、9社で計2400億円 凸版や大日印など今期計上 日経 -2.63% 9/10 7911 +0.44% 9/10 7912 +1.16% 9/10

東南アジア投資に好機 内需関連で米中摩擦を乗り越えろ HSBCリポート

米中の貿易摩擦で市場が不安定になるなか、リスク回避のカギを握るのは東南アジアへの投資——。高い潜在成長力を誇る東南アジア経済と投資妙味のある地域やセクターについて、HSBCプライベート・バンキング部門の東南アジア統括チーフ・マーケット・ストラテジスト、ジェームズ・チェオ(James Cheo)氏がリポートします。 2020年代、世界で4番目の経済圏に 世界の市場のボラティリティは今後数カ月間上昇するとみられる。市場の不確実性を懸念する投資家にとって、内需を中心とした長期的な高い潜在成長力を持つ東南アジアは、投資機会の宝庫となるだろう。 東南アジア経済は近年かなり堅調に推移してきた。域内の主要国では国内消費が経済成長をけん引してきた。関税をめぐる米中の対立を受けてサプライチェーンが変化するなか、東南アジアの経済成長率が北東アジアを上回る可能性もある。 一般的には輸出(外需)に代わり、投資主導の経済成長が期待される。この投資は年内に実施され、来年まで続くものと考えられる。インドネシアは2020年半ばに始動するであろう新たなインフラプロジェクトに乗り出した。タイの東部経済回廊(EEC)プロジェクトは2019年第4四半期に再び加速し、マレーシアでも主要インフラプロジェクトの一部についてようやく政策の方向性が定まりつつある。 さらに、東南アジアの多くの国は輸出の減速に備え、財政と金融の両面で政策手段を有している。金融面ではすでに多くの中央銀行が金融緩和に乗り出している。 東南アジア経済は中長期的に世界で重要性を高めていくだろう。世界で最も急成長している経済圏のひとつだが、実態はあまり知られていない。経済規模は2020年代に倍増し、米国、中国、欧州連合(EU)に次ぐ世界で4番目の経済圏になると予想されている。  近年の東南アジアの経済成長率は5.4%に達している。経済の潜在力を理解するために例を挙げると、東南アジア地域が5%で成長すると、1年間でギリシャに匹敵する経済が誕生し、2年間でフィンランドに匹敵する経済が登場する。そして3~4年でシンガポールや香港並みの経済が誕生することになる。 成長ストーリー支える「都市」「若者」「デジタル」 東南アジアの成長ストーリーは、「都市化」「人口動態」「デジタル革命」によって支えられている。 南アジア(インドを含む)と東南アジアの都市の人口は合計で25億人を超え、その数は中国をも上回る。しかし、東南アジアでは依然として人口の58%以上が農村など、都市部以外の地域に居住している。 都市化は減速することもなく、今後さらに加速するとみられる。インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナムの中規模の都市では人口が急速に拡大する見通しである。若年層が多い東南アジア諸国が2020年代のアジアの成長の波をけん引するであろう。 都市人口の増加に対応するため、東南アジア地域では少なくとも年間600億米ドルをインフラ整備に充てることが必要である。インドネシアだけで、今後5年間で4250億米ドルのインフラ支出が計画されている。 ■インフラ整備が必要なタイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム 増える中間層、ネット経済で生産性が向上 ほとんどの先進国で社会の高齢化が進んでいるのに対し、東南アジアでは若い労働者人口が増加している。 域内の人口は、米国やEUを超える約6億5000万人にのぼり、そのうちの60%は35歳以下である。所得面では、2030年までには人口の60%以上が中間層に仲間入りする。域内では中間層が倍増する見通しであり、今後アジアの中間層の増加の90%を東南アジアが占めることになる。 さらに、デジタル革命の進行による生産性向上も期待できる。東南アジアのインターネットユーザーは3億5000万人を超え、すでに米国の全人口を上回っている。 東南アジアでは毎月、米国シカゴの人口よりも多い300万人以上がインターネットを使い始めている。新たなテクノロジーに対する受容性の高い若年層が増加している東南アジアでは、インターネット経済が2025年までに3倍に拡大して2400億米ドルを超えると推定されている。 テマセクとグーグルが行った最近の研究によると、東南アジアのデジタル経済の価値は2015年から倍増し、720億米ドルに達している。2018年は東南アジアのeコマースの分野の価値が1年前から倍増した。デジタル・マーケットプレイスの一例として、スマートフォンのアプリを使った配車サービスの登場が挙げられる。2018年現在、東南アジアの配車サービスのアクティブユーザーは3500万人にのぼり、500の都市で一日に800万台が配車されている。 高利回り社債への投資環境も好転 HSBCはアジアへのエクスポージャーを若干見直すことで、投資家が貿易摩擦によるリスクを回避、あるいは乗り越えることが可能と考えている。アジアについてはややオーバーウェイトのポジションを維持するものの、台湾など貿易の影響を受けやすい市場から、インド、インドネシア、シンガポールに投資を分散することが賢明であると考えている。セクター別では、一般消費財と通信サービス・セクターを選好し、個別銘柄では、都市化、技術革新、人口動態など長期の成長要因の恩恵を受ける企業に注目している。 クレジット(社債など)にも強気である。米連邦準備理事会(FRB)のハト派的なガイダンスによって米国債の利回りは低下しているが、キャリーに妙味がありクレジット・ファンダメンタルズが改善したことから、アジアのハイイールド債の投資環境は好転している。特に中国やインドネシアのハイイールド債に魅力がある。   ※本情報は、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘することを目的としたものではありません。有価証券その他の取引等に関する最終決定は、お客様ご自身のご判断と責任で行って下さい。株式会社QUICKおよび情報提供元であるジェームズ・チェオ氏は、本情報を利用して行った投資等により、お客様が被った、または、被る可能性のある直接的、間接的、付随的または特別な損害またはその他の損害について、一切責任を負いません。

【朝イチ便利帳】10日 8月工作機械受注 新型iPhone発表

10日は8月のマネーストック(日銀)、工作機械受注額(速報値、日本工作機械工業会)の発表がある。海外では中国のCPI、新型iPhone発表が予定されている。 【10日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 8月のマネーストック(日銀) その他 8月の工作機械受注額(速報値、日本工作機械工業会)   閣議 海外 時刻 予定 10:30 8月の中国卸売物価指数(PPI)   8月の中国消費者物価指数(CPI) その他 インド市場が休場   米アップルが新型iPhoneを発表 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 4238 ミライアル、今期純利益36%減 半導体市況が悪化 日経 +3.64% 9/9 8439 東京センチュ、米航空機リース子会社化 3200億円投資 日経 +2.97% 9/9 2301 学情、単独税引き益、11〜7月6%増 日経 +2.93% 9/9 4568 第一三共、新抗がん剤 販売申請 英大手と開発 日経 +2.58% 9/9 3382 セブン&アイ、傘下のセブンでスマホ決済追加 d払いなど4種類 来月全店で 日経 +2.12% 9/9 8153 モスフード、海外の店舗売上高3割増 22年3月、収益源を多様化 日経 +1.45% 9/9 8601 大和、米運用会社グローバルXとETFで合弁 日経 +1.26% 9/9 2811 カゴメ、野菜飲料のアジア輸出8倍 20年代前半までに 日経 +1.25% 9/9 4188 三菱ケミHD、薄膜フィルムに140億円 21年に設備 日経 +1.09% 9/9 5411 JFE、傘下のJFEエンジが英ベルギーで発電プラント受注  日経 +0.78% 9/9 8001 伊藤忠、車載器販売の米社に出資 日経 +0.77% 9/9 9020 JR東日本、東京竹芝、文化拠点に、開発概要 劇場や商業施設 日経 +0.74% 9/9 6502 東芝、AIで鉄道ダイヤ 英で受注 日経 +0.60% 9/9 8179 ロイヤルHD、天丼てんや、税込み価格「同一」「別額」を併存 日経 +0.50% 9/9 7201 西川日産自社長、16日辞任 「日仏連合」に影響 各紙 -0.22% 9/9 9983 ファストリ、ユニクロで採寸アプリ 写真から推定、サイズ提案 日経 -0.72% 9/9

増税のポイント還元「景気浮揚の効果ない」目立つ QUICK月次調査

日経QUICKニュース(NQN) QUICKが9日発表した9月の株式月次調査(3~5日)によると、10月の消費増税後の2兆円規模の景気対策について、ポイント還元による景気浮揚効果は「ほとんどない」との回答が57%で最も多かった。増税後の景気刺激策に対し、慎重な見方が多いようだ。 同質問に対しての回答は、次いで「需要の先食い程度の効果にとどまる」が24%、「むしろ混乱などが生じるためマイナス」が13%となった。 消費増税の株価への影響については「織り込み済みで変化なし」が41%で最も多かったが、「ファンダメンタルズの悪化要因になりマイナス」が37%、「外国人投資家の警戒感が強まるなど需給の悪化要因になりマイナス」が21%で続き、マイナスの影響を指摘する回答が合計では半数を超えた。 日経平均株価の1カ月後(19年9月末)の予想は2万0989円と、前回調査の改定値(2万1482円)を下回った。2万1000円割れの予想は3ヵ月ぶりとなる。今後半年で株価変動をもたらすとして注目している要因は、「景気・企業業績」との回答が47%と最も多く、「政治・外交」との回答が前回から9ポイント増えた。 今回の調査は金融機関や証券会社などに所属する株式市場関係者222人に聞き取りし、61.7%にあたる137人から回答があった。 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

【朝イチ便利帳】9日 7月の国際収支、4~6月期のGDP改定値

9日は7月の国際収支や4~6月期の国内総生産(GDP)改定値の発表が予定されている。 9月のQUICK月次調査<株式>も発表される。   【9日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 7月の国際収支(財務省)   8月の貸出預金動向(日銀)   対外対内証券売買契約(月間、財務省)   4〜6月期の国内総生産(GDP)改定値(内閣府) 10:20 6カ月物国庫短期証券の入札(財務省) 11:00 9月のQUICK月次調査<株式> 13:30 7月の特定サービス産業動態統計速報(経産省)   8月の企業倒産(民間調査会社) 14:00 8月の景気ウオッチャー調査(内閣府) 15:30 中西経団連会長の記者会見 海外 時刻 予定 4:00 7月の米消費者信用残高(10日) その他 マレーシア市場が休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 7201 日産自西川社長、退任の意向 日経電子版 +2.47% 9/6 8473 SBI、島根銀行に出資へ 「地銀連合構想」が始動 各紙 +1.89% 9/6 7150 +16.41% 9/6 3116 トヨタ紡織、詐欺被害か、ベルギー子会社、40億円の資金流出 日経 +1.88% 9/6 9843 ニトリHD、大型家具最大2割値下げ 日経 +0.29% 9/6 3938 LINE子会社、仮想通貨交換業者の登録完了 日経 +0.25% 9/6 2353 日本駐車場、28%最終増益 2019年7月期、海外で大型受注 日経 0.00% 9/6 9202 ANAHD、ソニー銀代理店 外貨預金など取り扱い 日経 -0.49% 9/6 9064 ヤマトHD、引っ越し一部再開へ 日経 -0.57% 9/6 8267 イオン、クレカのポイント増税前10倍 日経 -1.74% 9/6 6632 JVCケンウ、自動運転ZMP(東京文京)の全株売却 「方向性異なる」 NQN -1.92% 9/6

「高ROE無双」という名の「分断相場」 日本株、本格反騰は遠く

QUICKコメントチーム=松下隆介 「完全にバブルですね」。ある市場関係者が1枚のチャートを手に、こう語る。描かれているのはバリュ―スプレッドと呼ばれる、銘柄間の株価純資産倍率(PBR)の格差を示すファクターの動きだ。PBRの格差は、足元ですでにITバブルを超えているという。「理論的にまったく説明がつかない」と、頭を抱える。 2019年に入り、投資家の物色が極端になっている。「高クオリティ」とされる、自己資本利益率(ROE)が高い銘柄に資金が集中している。TOPIX500採用の銘柄のうち高ROE上位100銘柄と低い100銘柄で分けて値動きを比べると一貫して高ROE優位だ。バリューと、高ROEに近い位置づけのグロースを比較しても同じ動きだった。 ※いずれもTOPIX500が対象で、2018年末を100として指数化 実際、UBSの直近のリポートによると、ROE上位100に入るHOYA(7741)、キーエンス(6861)、ソフトバンクG(9984)などでアクティブ投資家のウエートが高まっている。世界景気の先行き不安が根強いため「質への逃避」が続いている。「利回り追求でにじみ出たお金が一部、高ROEのようなグロース株に向かい相場を支えている」(外資系投資顧問)との声も多い。 東証1部全体の時価総額に占めるROE上位100銘柄(TOPIX500)のシェアをみると、ほぼ一本調子で上昇している。こうした動きは、東証1部の売買代金が1カ月ぶりの大商いとなり、市場が明るさを取り戻した5日も続いた。「株式相場をけん引し、下落すれば下支え役になる」。チャートからは、こんな姿が見て取れる。八面六臂の大活躍だ。 ※TOPIX500が対象 問題は、いつまでこの流れが続くのかだ。智剣・Oskarグループの大川智宏氏は「景気見通しが不安定な環境が続く以上、しばらくは止まらない」と指摘する。米中貿易交渉の再開で足元はリスクオンムード。だが、懐疑的な見方はなお多い。「世界景気への悲観論を吹き飛ばすほど大きな方向性の変化が見えないと、本格的なバリューシフトは起こりにくい」(大手銀行トレーダー)。 大型株から小型株、グロース株からバリュー株など循環物色があってこそ相場は大きく上昇するもの。「バリュエーションがかなり割安な日本株は中長期的にみて魅力的」(ブラックロック・ジャパンの番場悠プロダクト戦略本部長)との声は多いものの、特定のテーマに偏り、物色に広がりを欠くいまの市場では、本格反騰は見込みにくいのかもしれない。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】6日 景気動向指数、米雇用統計、FRB議長がパネル討議

 6日は総務省が7月の家計調査を発表する。海外では8月の米雇用統計の発表がある。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がパネル討議に参加する。   【6日の予定】 国内 時刻 予定 8:30 7月の家計調査(総務省)   7月の毎月勤労統計速報値(厚労省) 8:50 8月上中旬の貿易統計(財務省) 10:20 3カ月物国庫短期証券の入札(財務省) 14:00 7月の景気動向指数速報値(内閣府) その他 閣議 海外 時刻 予定 0:00 米エネルギー省の石油在庫統計(週間) 1:30 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がパネル討議に参加(7日) 19:30 ロシア中銀が政策金利を発表 21:30 8月の米雇用統計 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 8848 レオパレス、新たに1344棟で不備 各紙 +4.77% 9/5 2427 アウトソシン、営業利益700億円強に 24年12月期 日経 +4.10% 9/5 6758 ソニー、新スマホ「エクスペリア5」発売 ゲーマー開拓 日経電子版 +3.88% 9/5 4755 楽天、携帯本格参入半年先送り 来春に 携帯基地局の整備遅れ 各紙 +2.67% 9/5 9632 スバル、今期純利益53%増 受注好調で上方修正 日経 +2.14% 9/5 6367 ダイキン、熱波の欧州で空調拡大 増産や研究拠点 日経 +2.10% 9/5 9946 ミニストップ、21年度から新契約 各紙 +1.99% 9/5 3402 東レ、再生繊維を強化 ペットボトル、売上高500億円に 日経 +1.94% 9/5 8601 大和、クレセゾンと資本提携 顧客層を拡大 異業種参入に対抗狙う 各紙 +1.42% 9/5 8253 +1.30% 9/5 1928 積ハウス、純利益34%増 2〜7月、戸建て海外けん引 日経 +1.33% 9/5 3258 ユニゾTOB、代理人を追加 米フォートレス 日経 +0.34% 9/5 2433 ソフトバンク(SB)が新会社、データ活用支援 英アーム博報堂DY傘下の博報堂と 日経 +0.25% 9/5

騒乱香港、「撤回」でも視界は晴れず 冷える観光や消費、株価に試練

NQN香港=安部健太郎 香港政府への抗議デモのきっかけとなっていた「逃亡犯条例」改正案を、政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官がついに「正式に撤回する」と表明した。一時的に株価は急反発したが、「撤回」はデモ隊が掲げた「五大要求」のひとつに応えたにすぎず、抗議活動が収束するかは不透明だ。観光や小売りをはじめ香港経済の低迷はなお続くとの見方が根強い。 学生らの抗議活動も収束の兆しが見えない(5日) 写真=Anthony Kwan/Getty Images 「五大要求」は、容疑者の中国本土への移送を可能にする条例改正案の「撤回」のほか、「警察のデモ隊への武力行使に関する独立調査委員会の設置」、一連の抗議活動での「逮捕者の訴追見送り」、「抗議活動を暴動とした政府見解の取り消し」、有権者が1人1票を投じる「普通選挙の導入」だ。デモ隊は13日を回答期限としていた。 林鄭長官のこのタイミングでの「撤回」表明は、新中国成立70周年となる10月1日の国慶節(建国記念日)を前に、中国政府の意向を組んで事態の沈静化を急ぐ狙いがあったとみられる。5日午前の同氏の記者会見によると、「撤回」に踏み込むことで市民との対話を進める糸口にしたかったようだ。だが改正案はすでに6月に「事実上凍結」されていたうえ、他の4大要求には応じなかった。 香港株式相場はひとまず「撤回」を好感。「撤回」の見通しが報道された4日にハンセン指数は前日比3.9%高の2万6523で終えた。5日は午後に利益確定の売りが出て下げたものの、午前は堅調に推移していた。大和キャピタル・マーケッツ香港の熊力ストラテジストは「抗議デモが本格化した6月以降、中国本土株に比べ香港株は割安感が強まっていた。条例改正案の撤回は、本土株と比べた割安感の解消に向かう一因になる」とみており、ハンセン指数は2万8000程度まで持ち直す可能性があると指摘する。 香港の六福金融の黄威アナリストも「撤回表明は市場に与えた安心感が大きい」と話す。そのうえで、ハンセン指数は「2万6800までは回復するだろうが、2万7300は短期的な上値抵抗線になる。この水準を突き抜けられるかどうかは過激化している抗議活動が落ち着いていくか次第だ」とみる。 抗議活動が収束に向かうかどうかは不透明感が強い。2014年の民主化デモ「雨傘運動」のリーダーだった黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏は「抗議活動をやめることはできない」と表明。200万人(主催者発表)が参加したデモなどを呼びかけてきた「民間人権陣線」も「要求がすべて実行されるまで闘い続ける」との構えだ。4日夜にはさっそく、林鄭長官の回答に不満を持った若者の一部が警官隊と衝突したり、地下鉄駅の改札を破壊したりする騒動も起きた。 抗議活動は香港経済にとっては重荷となっている。4日に英調査会社IHSマークイットが発表した8月の香港購買担当者景気指数(PMI)は40.8に低下し、09年2月以来の低さとなった。7月の小売売上高は高額品を中心に前年同月比11.4%減少し、同月に香港を訪れた観光客数は同4.8%減った。抗議活動で空港が一時閉鎖された直後の8月15~20日に限れば、観光客数は前年同期と比べ半減したもようだ。 旅行・観光施設運営の香港中旅国際投資の傅卓洋主席は、地元メディアによると2日の記者会見で、香港の政情不安について「長期化すれば我が社だけでなく香港経済は悲惨な状況になる」との懸念を示し、7~8月の同社の香港でのホテル事業収入は前年同期比で3割減ったことを明らかにした。住宅販売にも陰りが見えており、香港政府土地登記処のデータでは8月の住宅売買件数(7月取引分が中心)は前月から15%減少した。 今後は6月の200万人デモのように一般市民が多数参加する大規模なデモは減っていく可能性があるが、過激化した一部の参加者と警察との衝突は散発的に続くとみられる。 香港への観光客は中国人が約8割を占めており、「香港人に敵視されていると不安を感じる中国人が増えており、香港への観光や不動産投資の停滞が続く可能性がある」(大和の熊氏)との見方もある。シティバンクが19年の経済成長率見通しを従来の1.5%から0.9%に引き下げるなど、今年の成長率見通しの引き下げも相次ぐ。米中貿易摩擦の激化もあり香港経済の試練はなお続きそうだ。 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

低調売買、裁定売り残急増、そして金融政策 浮かび上がる因果関係

QUICKコメントチーム=大野弘貴 閑散相場が続いている。指数の水準に大きな変化がない割に、市場にはどこかあきらめムードが漂う。 それを如実に表しているのが取引量だ。8月の1日当たりの平均売買代金は1兆9823億円と3カ月連続で2兆円を下回った。3カ月連続で1日当たりの平均売買代金2兆円を下回るのは5年ぶりで、低調な記録が目立つ。9月に入っても傾向は変わらず、2日の東証1部の売買代金は約5年4カ月ぶりの水準に落ち込み、米国の祝日「レーバー・デー」明けとなった3日の売買代金も1兆3874億円、4日も1兆5931億円と復調の兆しは見られない。もはや夏休みなどの言い訳が通じる状況ではない。 一方、大阪取引所(OSE)が2日に発表した8月のデリバティブ合計取引高は8月としては過去2番目を記録した。中でもナイト・セッション(NS)の取引高シェアは47%と過去最高を更新した。足元の投資環境が、海外動向にかなりの影響を受けている様子が伺える。 ここまで売買が細った背景に米中通商問題と先行きの景気後退リスクがあるのは明白だが、理由はそれだけではないかもしれない。考えられる1つの要因として存在感を増した日銀のETF買いがある。 アベノミクス初期は、海外投資家の買いが相場上昇をけん引したが、その海外勢の14年度末以降の日本株の保有比率は低下傾向にある。昨年来から続く日本株の売却では拍車がかかり、この売りを吸収した主体の一つが日銀だった。日銀のETFの買い入れを反映する信託銀行の保有比率は12年以降、上昇傾向にある。 その日銀のETF買いについて、市場関係者が関心を寄せているのが、8月に急増した裁定売り残との関係だ。 日銀のETF買いと裁定売り残増の因果関係は以下のようなオペレーションが「橋渡し役」として考えられるという。  日銀がETFを買い入れる際、信託銀行の特金を通じ証券会社に発注する  →証券会社は保有している現物株を運用会社に提供し、運用会社は受益権口を発行  →証券会社は保有している現物株の売却に伴うエクスポージャーをヘッジするため、先物を購入する→裁定売りとなる  →信託銀行の特金に、買い入れたETFの受益権口が計上される 他には金利の低下を指摘する声も聞かれる。「短期金利がプラスである場合、先物は現物に対しコストがかかりがちだ。しかし、足元の短期金利がマイナスの状況ではコストがかからないことから、現物を買わなくてもいいというインセンティブが働きやすい」(外資系証券)。 そもそも「裁定取引に係る現物株式の売買及び現物ポジションの報告は明確なルールが定められていない。例えば自己ポジションのみ報告して委託ポジションを報告しなかったり、ヘッジ目的のみ報告して純粋なトレードを報告しなかったり。証券会社ごとに対象が異なるため、連続性はない」(国内証券トレーダー)との声がある。実態を把握するのは難しく、安易に相場展開と結びつけるのは注意も必要といえそうだ。 ただ、「裁定売り残自体は、日銀によるETFの買い入れが始まった時から拡大する傾向になってきました。他にも当然、先行き不安で先物売りを入れていたり、一段の金利低下で先物価格が現物より割安になった理由もあると思われる。過去最大に膨らんだ裁定売り残は、こうした要素が合致したためと考えられそうです」(ストラテジスト)との声も聞かれている。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

【朝イチ便利帳】5日 30年国債の入札、米ADP雇用リポート、ISM非製造業

5日は財務省が30年物利付国債の入札を実施するほか、自販連が8月の車名別新車販売を公表する。決算では積水ハウス(1928)が2019年2~7月期の決算を発表する。 海外では8月のオートマテック・データ・プロセッシング(ADP)全米雇用リポートや米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、7月の米製造業受注などが発表される。   【5日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 対外対内証券売買契約(週間、財務省) 10:30 30年物利付国債の入札(財務省)   8月の輸入車販売(輸入組合) 11:00 8月の車名別新車販売(自販連) その他 麻生太郎財務相、遠藤俊英金融庁長官が「フィンサム2019」であいさつ   2〜7月期決算=積ハウス 海外 時刻 予定 0:00 米エネルギー省の石油在庫統計(週間、6日) 10:30 7月の豪貿易収支 16:30 スウェーデン中銀が政策金利を発表 21:15 8月のオートマチックデータプロセッシング(ADP)全米雇用リポート 21:30 米新規失業保険申請件数(週間)   4〜6月期の米労働生産性指数(改定値) 23:00 7月の米製造業受注   8月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 2379 ディップ、AI部門営業益150億円に 24年2月、求人サイト偏重脱却 日経 +3.59% 9/4 4689 ヤフー、発行済み株式数27.5%消却へ 日経 +2.18% 9/4 2413 日経平均銘柄入れ替え、エムスリー採用 東京ドーム除外 日経 +1.22% 9/4 9681 +0.94% 9/4 6701 NEC、営業益2.5倍に 4〜9月、構造改革で固定費減 日経 +1.11% 9/4 3284 オフィスサポート、フージャース株を買い増し 保有比率25.27%に NQN +0.98% 9/4 6758 ソニー格付け、1段階引き上げ シングルAマイナスに 日経 +0.85% 9/4 2432 ディーエヌエ、5月発表の自社株買い初の実施 上限の0.25% NQN 0.00% 9/4 4452 「人工皮膚」×保湿剤 花王、肌での効果確認 日経 -0.40% 9/4 7203 トヨタ中国販売、8月3.8%減少 18カ月ぶり前年割れ 日経 -0.69% 9/4 9064 ヤマトHD、宅配便の現金払い値上げ キャッシュレス促す 増税を機に価格見直し 日経 -1.28% 9/4 7201 日産自の西川社長、報酬数千万円上乗せか 社内規定に違反 各紙 -1.73% 9/4 2217 モロゾフ、税引き益33%減 2〜7月単独 日経 -1.99% 9/4 6268 ナブテスコ、独子会社を営業黒字に 来期、車関連機器を拡販 日経 -2.10% 9/4 8411 Jコインに不正アクセス みずほFG、加盟店情報1.8万件流出か 各紙     6971 京セラ、独自動車部品大手と和解 日経    

ワンタップバイ、CFDを個別株でも 内山社長「50万口座に拡大めざす」

日経QUICKニュース(NQN)=中山桂一 ソフトバンク(9434)が出資するスマートフォン(スマホ)専業証券のワンタップバイ(東京・港)は2019年内に日本の個別株でレバレッジを効かせる差金決済取引(CFD)のサービスを始める。10月から口座開設を受け付ける。 内山昌秋社長兼最高経営責任者(CEO)は日経QUICKニュースのインタビューに応じ、新サービスを相次いで投入して裾野を広げ、現在15万件程度の獲得口座数を、目先で50万口座への拡大を目指す考えを明らかにした。 ――ワンタップバイの現状は。 「2016年に創業してから専用アプリのダウンロードは160万件を超えた。7月末時点の口座数は15万弱と、スマホ専業証券で規模が最も大きい」 ――ワンタップバイの強みは。 「スマホで簡単な操作で、1000円から企業の株主になれる。一般の方が尻込みをする『投資』のハードルを下げている。取扱銘柄は日米の有名銘柄に絞っている」 「投資家にとって大事なのは株価が上がったか下がったかというよりも自分が投資した1000円がどうなったかで、その点を分かりやすい表示にしている。株式を購入するときも事前に銀行口座を登録すれば自動引き落としができるようにした」 ――新サービスにも意欲的です。 「投資家が用意した資金の5倍のレバレッジを効かせて個別株を取引できる差金決済取引(CFD)を始める予定だ。一定の投資経験を積んで投資の醍醐味を学んだ人に新たなステージに入っていただけると思う。レバレッジを効かせた取引は信用取引が一般的だが、そこまで大きなリスクがある商品ではない。損を出しても大きくならないようにするロスカット(損失確定)の仕組みを取り入れる」 ――今後の展開は。 「金額指定で新規株式公開(IPO)株に投資できるサービスなども計画している。これまでに当社に口座開設をした顧客層は20代・30代が全体の60%を超えている。既存の証券会社では一般的に60代以上の顧客が多いため、対照的だろう。今後はさらに新たなサービスも投入し、投資経験のない40代にも裾野を広げたい。強みである見やすさ、わかりやすさを突き詰めながら、目先は50万口座達成を目指す」   ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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