業績期待指数5カ月連続マイナス 銀行DIは加速度的に悪化(3月)

この2カ月でコンセンサスDIが急速に悪化 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年3月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス30と5カ月連続のマイナスとなりました。2月末時点に比べ10ポイントの悪化となり、前月に続いて2012年12月(マイナス32)以来の低水準となりました。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。 DIがマイナスということは、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 企業業績に対する懸念の高まりは株価にも表れており、日経平均株価は3月末にかけて3日続落。さらに、名実ともに新年度相場入りした4月1日は、日銀企業短期経済観測調査(3月、日銀短観)が市場予想以上に悪化したことが投資家心理を冷やし、同日の日経平均は594円安と急落し、今年4番目の下げ幅を記録しました。ドル円相場は1ドル=112円台と、主要企業の想定為替レートに比べて円高に振れていることも輸出企業を中心に業績の先行き懸念を高める要因となっています。 製造業DIは2012年11月以来の低水準に 製造業の先行きに対する厳しい味方は、DIにも明確に表れています。製造業DIは、昨年秋口以降マイナス幅を広げてきましたが、ここ2カ月で悪化度合いが加速し、3月はマイナス48と2012年11月(マイナス50)以来の低水準となりました。 これに対して非製造業DIは2月、1年4カ月ぶりとなるマイナスに転じましたが、3月はプラス1とかろうじてプラス圏に浮上しました。日銀がマイナス金利付き量的・質的金融緩和を導入し、今後の追加緩和観測もくすぶる中でこうした政策が追い風になると期待される不動産など一部内需関連の業績期待がで高まったことが一因です。 銀行DIが大幅悪化 プラス幅拡大は不動産のみ 業種別コンセンサスDIをみると、2月に比べてDIのプラス幅が拡大したのは「不動産」のみにとどまりました。マイナス幅が縮小したのは「機械」、「卸売」の2業種でした。一方、プラス幅が縮小したのは「建設」と「その他金融」の2業種で、プラスからマイナスに転じたのは「食料品」、「情報・通信」の2業種。マイナス幅が拡大したのは「化学」、「医薬品」、「鉄鋼」、「非鉄金属」、「電機」、「輸送用機器」、「小売」、「銀行」の8業種となりました。 マイナス幅が拡大した業種のうち、銀行は2月のマイナス15からマイナス79へと大幅にマイナス幅を広げました。これは世界的な金融危機の余波で不良債権処理や減損損失の計上などにより大手銀行が軒並み大幅な最終赤字(2009年3月期)に転落した時期と重なる、2009年5月(マイナス89)以来の低水準です。 今回のDI悪化は日銀によるマイナス金利の導入により、業績懸念が一段と強まったからです。10年物金利までマイナスになり、20年、30年という超長期金利まで低下傾向をたどるなか、イールドカーブのフラット化が進み、銀行は収益を挙げにくい状態になっています。 市況悪化で海運の業績期待が後退 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。 TDKはスマートフォン(スマホ)向け電池が好調であることに加え、合弁会社設立に伴う一時益である約1500億円の計上が、業績の押し上げ要因になりました。一方、川崎汽船は原油安によって燃料安というメリットはあったものの、バルチック海運指数の低迷ぶりからも分かるように全体的に海運市況が悪化しており、業績見通しが不透明になっています。こうした海運業の業績低迷は、世界的な景気の低迷による影響ともいえるでしょう。 予想純利益率の上方修正率(3カ月前比)の高かった上位5銘柄は以下の通りです。 銘柄名            修正率TDK(6762)・・・・・・・・・57.62%鹿島建設(1812)・・・・・・・・30.20%中部電力(9502)・・・・・・・・28.39%ニコン(7731)・・・・・・・・・28.35%小野薬品工業(4528)・・・・・・28.22% 一方、下方修正率ランキングの上位5銘柄は以下の通りです(▲は減少)。 銘柄名            修正率川崎汽船(9107)・・・・・・・▲72.13%東芝(6502)・・・・・・・・・▲50.51%ジャパンディスプレイ(6740)・▲49.48%三井金属鉱業(5706)・・・・・▲47.38%イビデン(4062)・・・・・・・▲43.52%

業績期待指数、3年2カ月ぶり水準に急低下 非製造業はマイナス転落(2月)

全産業ベースのDIが急落 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年2月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス20と4カ月連続のマイナスとなりました。 2015年11月から16年1月まで3カ月連続でマイナス3が続いていましたが、ここにきて一気にマイナス幅が拡大し、2012年12月(マイナス32)以来3年2カ月ぶりの低水準となりました。 DIの急速な悪化はそれだけ、業績見通しを下方修正するアナリストが増えていることを示しています。2月に入り一時1ドル=110円台まで一気に進んだ円高が輸出関連企業を中心にした業績の先行き不安につながっています。また、米アップルの「iPhone(アイフォーン)6」の販売不振を受けて電子部品関連の業績見通しも下方修正が相次ぎました。 銘柄数の内訳は「強気」が60銘柄と前月比30銘柄減、「変化なし」が184銘柄で変わらず、「弱気」も100銘柄で変わらずになりました。変化なし、弱気は前月と変わりませんでしたが、強気が30銘柄も減るあたり、企業業績は徐々に厳しさを増しつつあるようです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 非製造業DIは1年4カ月ぶりマイナス転落 製造業DIはマイナス35と1月(マイナス11)から24ポイント悪化、水準としては2012年12月(マイナス46)以来の低水準となりました。 現在の為替レートは1ドル=112~113円程度。2月に付けた110円台からはいくぶん円安方向にはありますが、国内主力企業の想定為替レートが115~118円程度であることを考えると想定よりも円高水準であることは変わらず、この水準が続くと輸出関連企業にとっては業績悪化懸念につながります。世界経済の減速懸念など1~3月期は厳しい事業環境にあるとみられ、今後、業績のもう一段の下方修正を強いられる企業も出てくる可能性は高そうです。 一方、非製造業DIはマイナス3と2014年10月(マイナス10)以来、1年4カ月ぶりにマイナスに転じました。内需関連には円高や原油安などが仕入れコストの減少につながり業績に追い風になる企業もあるとの見方も成り立ちますが、最近は円安進行によるインバウンド(訪日外国人)の増加に伴う業績への恩恵を享受していた企業も少なくありません。国内の個人消費に力強さがみられないなか、インバウンド需要にも陰りがみえてくるようだと非製造業の見通しも厳しさが増してくる恐れもあります。 輸送用機器や化学の見通しが急速に悪化 業種別コンセンサスDIを見ると、1月調査に比べてDIのプラス幅が拡大したのは「食料品」「建設」「その他金融」の3業種のみでした。これに対して、「機械」や「電機」は1月調査から一段とマイナス幅が拡大。「化学」や「輸送用機器」などは1月調査のプラスからマイナスに転じ、それぞれマイナス33、マイナス58となりました。いずれも円高の影響を大きく受けたものと思われます。このほか、「医薬品」「小売」も1月調査のプラスから2月はマイナスに転じました。 電力会社の上方修正相次ぐ 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。 ユニーグループHDは下方修正率のトップとなりました。GMS(総合スーパー)の利益率悪化などが業績の足を引っ張っる構図となっています。一方、それとは逆に電力会社の上方修正が目立っていますが、これは原油やLNG(液化天然ガス)の輸入価格が大幅に低下したことによって、収益の改善期待が急速に進んでいることが要因のようです。 予想純利益率の上方修正率(3カ月前比)の高かった上位5銘柄は以下の通りです。 銘柄名           修正率中部電力(9502)・・・・・・・32.66%ニコン(7731)・・・・・・・・30.45%東北電力(9506)・・・・・・・28.76%東京電力(9501)・・・・・・・24.16%小野薬品工業(4528)・・・・・21.42% 一方、下方修正率ランキングの上位5銘柄は以下の通りです(▲は減少)。 銘柄名           修正率ユニーグループHD(8270)・▲99.58%川崎汽船(9107)・・・・・・▲83.06%東芝(6502)・・・・・・・・▲67.17%日本板硝子(5202)・・・・・▲52.55%住友金属鉱山(5713)・・・・▲43.90%

業績期待指数3カ月連続マイナス 非製造業の見通し悪化、銀行はマイナスに(1月)

業績期待指数3カ月連続マイナス 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2016年1月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス3と3カ月連続のマイナスとなりました。3カ月連続のマイナスは2014年5~7月(3カ月連続マイナス)以来、1年半ぶりです。 1月のDIは11~12月に続き同じマイナス3でしたが、DIのマイナスはアナリストによる業績見通しが下方修正優勢に転じたことを表し、株式市場の業績期待が弱まっていることを意味します。今回の特徴は12月に続き、製造業DIのマイナス幅がやや改善する一方、非製造業DIのプラス幅が縮小した点です。これまでDI全体を下支えしてきた非製造業セクターに対する先行き警戒感は一段と広がってきているようです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 製造業DIは5カ月連続マイナス 非製造業の業績鈍化見通し続く 製造業と非製造業を比較すると、依然として製造業のDIが厳しくなっています。1月の製造業DIはマイナス11と12月から4ポイント改善したものの、5カ月連続のマイナスとなりました。今後の注目点としては、2016年3月期もそうですが、やはり来期以降の業績見通しでしょう。中国景気の減速や円相場の先行き見通しの不透明感など懸念要因は尽きません。ただ、日銀が1月の金融政策決定会合でマイナス金利の導入を発表しました。今後、1ドル=125円、130円というように、大きく円安が進むかどうかはまだ分かりませんが、市場関係者の間では円高進行に対する懸念はかなり後退したとの見方が出ているようです。今後は中国など海外経済の行方をより注視する必要が出てきそうです。 一方、気になるのが非製造業の行方です。DIは昨年9月のプラス25をピークに低下傾向をたどっており、1月はプラス8と昨年2月以来の水準まで低下しました。中国経済の成長率鈍化、景気の先行き不透明感、さらには習近平政権による中国国外における爆買い禁止令の影響で、中国からのインバウンド需要が後退するのではないかとの見方が、非製造業DIの低下につながる一因になったと考えられます。 DIプラス業種が減少 銀行はマイナスに転じる DIを業種別に見ると、16業種中、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回り、DIがプラスになっている業種は8業種と12月(9業種)から減少しました。一方、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回り、DIがマイナスになっている業種は7業種、上方修正銘柄と下方修正銘柄が同一でDIが0になっている業種が1業種でした。 さらに中身を細かくみると、プラス幅が拡大した業種は食料品や輸送用機器、情報・通信の3業種にとどまり、化学や不動産など5業種はプラス幅が縮小。非鉄金属や卸売はマイナス幅が拡大し、銀行はプラスからマイナスに転じました。銀行については、日銀のマイナス金利導入により、国債利回りの低下が銀行の収益を圧迫するとの懸念が広がっています。銀行は機関投資家のみならず個人投資家の多くが手掛ける人気セクター。業績懸念が広がると相場全体の値動きにも影響を及ぼす可能性が高いとみられ、今後の業績動向を注視する必要がありそうです。 スマホ向け部品の成長期待低迷でミスミが大幅下方修正 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。ミツミ電機は、主力のスマートフォン(スマホ)向け部品の成長期待剥落によって業績見通しが大きく弱気に傾きました。一方、小野薬品工業は、新規がん治療薬「オプシーボ」の販売好調が続き、前月に続いて業績見通しは大幅な上方修正となっています。 予想純利益率の上方修正率(3カ月前比)の高かった上位5銘柄は以下の通りです。 銘柄名           修正率小野薬(4528)・・・・・・・98.90%戸田建(1860)・・・・・・・49.72%ヤマダ電(9831)・・・・・・38.64%鹿島(1812)・・・・・・・・25.19%大林組(1802)・・・・・・・24.25% 一方、下方修正率ランキングの上位5銘柄は以下の通りです(▲は減少)。 銘柄名           修正率ミツミ(6767)・・・・・・▲56.02%セガサミーHD(6460)・・▲48.67%川崎船(9107)・・・・・・▲46.09%住友鉱(5713)・・・・・・▲37.48%日ケミコン(6997)・・・・▲36.45%

業績期待指数は2カ月連続マイナス…非製造業の先行き見通しに警戒(2015年12月)

業績期待指数2カ月連続マイナス 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(2015年12月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス3と2カ月連続のマイナスとなりました。2カ月連続のマイナスは2014年5~7月(3カ月連続マイナス)以来、約1年半ぶりです。 12月のDIは11月と同じマイナス3でしたが、DIのマイナスはアナリストによる業績見通しが下方修正優勢に転じたことを表し、株式市場の業績期待が弱まりつつあることを意味します。今回の特徴は製造業DIのマイナス幅がやや改善する一方、非製造業DIのプラス幅が縮小した点です。全体のDIは変わらずでしたが、これまでDI全体を下支えしてきた非製造業セクターに対する先行き警戒感が示唆されたともいえる状況です。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 非製造業の業績期待の悪化が顕著に 全産業ベースのDIは2カ月連続のマイナスとなりましたが、今後の注目点としては、マイナス幅がさらに拡大するのか、それとも底を打って徐々にプラスに転じていけるかどうかでしょう。 12月は製造業DIがマイナス15と4カ月連続のマイナスとなりましたが、11月(マイナス18)からマイナス幅が縮小しました。一方、非製造業DIはプラス12となったものの、3カ月連続でDIは悪化しました。 全体のDIが底堅さを示すには製造業の業績懸念に底入れ感が広がると同時に非製造業の業績期待が続く必要がありますが、現状、景気にとってプラスの材料はさほど多くありません。2016年3月期は過去最高益を更新する見通しの企業が多いのは事実ですが、投資家の関心はすでに来期(2017年3月期)に向かいつつあります。 これ以上の米ドル高・円安は見込めるのか、そもそも米国景気は盤石なのか、原油価格急落による新興国・資源国景気の影響はどうなのか、という外部要因とともに、国内の個人消費は上向くのか、デフレからの完全脱却は可能なのか、といった国内要因にも目を向けていく必要があります。 現状、いずれの要因についても、追い風が吹いているとは言えない部分が多く、2016年の景気は踊り場を迎える可能性も意識されます。それが企業業績に反映されるリスクもそろそろ想定しておく必要がありそうです。 機械や電機への業績懸念続く 建設、小売、不動産は明るい見通し DIを業種別に見ると、16業種中、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回り、DIがプラスになっている業種は9業種。一方、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回り、DIがマイナスになっている業種は6業種、変わらずが1業種でした。 中身を細かく見ると、機械や電機のDIはマイナス幅が拡大し、製造業DIの重荷になりました。半面、鉄鋼や非鉄金属はマイナス幅が縮小したことで、製造業全体のDIの改善につながりました。 非製造業では情報・通信がプラスとなったものの4カ月ぶりに悪化、卸売はマイナス幅が拡大しました。一方、建設、小売、不動産などはいずれもプラス幅が拡大。政府・日銀の政策期待などを背景にこうした明るい業種の業績期待が継続するかが先行きの全体業績を占う上で重要なカギの一つになりそうです。 小野薬に業績期待、板硝子は下方修正懸念 3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。3カ月前比で純利益の上方修正率が最も大きかったのは、小野薬品工業でした。免疫を利用した新規がん治療薬である「オプシーボ」の販売が好調で、業績が大幅に上方修正されました。一方、下方修正率が最も大きかったのが日本板硝子。スマートフォン液晶に使用する薄板ガラスの価格競争激化が業績低迷への警戒感につながったようです。 予想純利益率の上方修正率(3カ月前比)の高かった上位5銘柄は以下の通りです。 銘柄名             修正率 小野薬(4528)      101.27% 戸田健(1860)       54.92% ヤマダ電(9831)      43.09% トヨタ紡織(3116)      37.27% 大林組(1802)       28.74% 一方、下方修正率ランキングの上位5銘柄は以下の通りです(▲は減少)。 銘柄名              修正率 板硝子(5202)      ▲50.96% アドバンテ(6857)    ▲49.38% セガサミーHD(6460)  ▲49.03% 川崎船(9107)      ▲46.82% ミツミ(6767)       ▲45.23%

業績期待指数は3カ月連続悪化でマイナス転落..素材産業への懸念強い

業績期待指数は3カ月連続の悪化、ついにマイナスに転じる 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(11月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでマイナス3と、前月に比べて6ポイント悪化しました。DIの悪化は3か月連続で、マイナスに転じるのは2014年10月以来、約1年ぶりです。 DIがマイナス幅に転じたことは、アナリストによる業績見通しが下方修正優勢に転じたことを表します。それだけ、株式市場の業績期待が弱まりつつあることを意味しています。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 「過去最高益水準」の企業業績に物足りなさを感じる市場 今年6月のプラス17をピークにして、徐々に低下傾向をたどってきたQUICKコンセンサスDIが、ついにマイナスになりました。 確かに10月の日本の完全失業率は3.1%で、20年ぶりの低水準になりましたが、7~9月の国内総生産は2期連続のマイナスとなり、国内消費の改善も力強さに欠ける状況です。また、視点をグローバルに向けると、米国経済は堅調ですが、新興国経済の成長率が中国を中心に急減速しており、それが企業業績の足かせになっています。 メディアで報じられている通り、今期通期の企業業績は過去最高益水準にありますが、アナリストの業績予想が下方修正優勢ということは、市場の期待が高すぎたと考えられそうです。来期以降の企業業績についても弱気の見方が広まっており、今後の株価に及ぼす影響が懸念されます。 製造業のDIは前月のマイナス12からマイナス18へ悪化し、2013年1月以来の水準に落ち込んでいます。9月以降、製造業の業績期待が大きく後退しているのが分かります。市場では外需への不安から「鉄鋼」(マイナス43→マイナス100)や「機械」(マイナス24→マイナス34)といった世界景気に敏感な業種がマイナス幅を広げたほか、「化学」がプラス幅を縮めました(プラス33→プラス8)。鉄鋼の急激な悪化は、中国をはじめとする新興国経済のスローダウンが、業績に響いているものと思われます。 DI全体を下支えしてきた非製造業もプラス20からプラス15に悪化しました。 資源関連銘柄の業績下方修正懸念強まる 3か月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。3か月前比で純利益の下方修正率が最も大きかったのは、不正会計問題が発覚した東芝でした。神戸製鋼をはじめ、出光興産、JXホールディングス、三井金属など、鉄・非鉄および資源関連の業績下方修正が顕著という結果になりました。 まず、予想純利益率の上方修正率(3か月前比)の高かった上位5銘柄です。 銘柄名 修正率 大林組(1802) 49.85% トヨタ紡織(3116) 41.20% アダストリア(2685) 39.86% 鹿島建設(1812) 35.48% ヤマダ電機(9831) 34.45% 一方、下方修正率ランキングの上位5社は、次のようになりました。(▲は減少) 銘柄名 修正率 東芝(6502) ▲78.09% 出光興産(5019) ▲68.33% 神戸製鋼(5406) ▲64.44% JXホールディングス(5020) ▲63.25% 三井金属(5706) ▲60.61%

業績期待指数は2か月連続で悪化、製造業・非製造業ともに振るわず

業績期待指数は2か月連続で悪化 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(10月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス3と、前月に比べて7ポイント悪化しました。DIの悪化は2か月連続です。 DIのプラス幅が減少したことは、アナリストによる業績見通しの上方修正ペースが減速していることを表します。プラス幅は今年の最低水準になりました。それだけ、株式市場の業績期待が弱まりつつあることを意味しています。業績期待の鈍化を受けて、株式相場も様子見ムードが持続しそうです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 製造業の業績懸念が強まる、非製造業への期待感も鈍化 DIを製造業、非製造業に分けて見てみましょう。 製造業のDIは前月のマイナス5からマイナス12に悪化しています。9月以降、製造業の業績期待が大きく後退しているのが分かります。ドル高が頭打ちになったこと、中国経済の不透明感が強まったことが、業績の上方修正が見込めなくなった原因でしょう。自動車メーカーを含む「輸送用機器」がマイナス4からマイナス7、「電機」がマイナス23からマイナス41と、主力の輸出企業が軒並み悪化しています。 これまでDI全体を下支えしてきた非製造業もプラス25からプラス20に悪化。非製造業のDIが悪化するのは9カ月ぶりです。 電力株の上方修正目立つ アナリストによる業績予想の平均値「QUICKコンセンサス」について、3か月前と比べた純利益の上方修正率が大きな銘柄のうち、上位5銘柄をピックアップしてみました。 銘柄名 修正率 アダストリア(2685) 69.83% ファンケル(4921) 54.99% 九州電力(9508) 46.54% 東京電力(9501) 33.10% トヨタ紡織(3116) 28.61% 一方、予想純利益率の下方修正率(3か月前比)ランキング上位5社は、次のようになりました。(▲は減少) 銘柄名 修正率 ニチイ学館(9792) ▲66.97% 日新製鋼(5413) ▲62.18% 神戸製鋼(5406) ▲59.26% UACJ(5741) ▲51.98% アドバンテスト(6857) ▲51.10% 引き続きアダストリアの上方修正率がトップ。同社は業績好調に加え、10月30日の引け後に発行済株式数の0.82%を上限とする自社株買いを発表しており、株価にとっては好材料になっています。また九州電力や東京電力などは、原油価格の下落が発電コストを抑制することから、業績にとってプラスに働きました。

業績期待指数、製造業がマイナス転落…昨年10月以来(9月調査)

市場の業績期待は減速…全産業DIはプラス幅が今年最低 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(9月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス10と、前月に比べて6ポイント悪化しました。 DIのプラス幅が減少したことは、アナリストによる業績見通しの上方修正ペースが減速していることを表します。プラス幅は今年の最低水準になりました。それだけ、株式市場の業績期待が弱まりつつあることを意味しています。業績への期待感の弱まりは、株式相場においても様子見ムードを強める材料となりそうです。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 製造業の落ち込み目立つ 注目すべきは製造業のDIがマイナス5(前月はプラス10)と、昨年10月以来のマイナスに転落したことです。証券会社のアナリストの業績予想が下方修正優勢になったことを示しています。製造業の業績に対する期待感が剥落しているのが分かります。 今年に入ってから製造業DIは徐々に落ち込んできましたが、特に9月は中国の株価低迷と景気懸念に加え、円安期待が後退し、輸出色の強い製造業の業績にとっては逆風の月となりました。 DIを業種別に見ると、「電機」「機械」「非鉄金属」「鉄鋼」と世界景気の影響を受けやすい業種がマイナス幅を拡大。プラス圏を維持していた「輸送用機器」もマイナス4に転落しました(前月はプラス27)。輸出型企業に対する風当たりは全体に強くなっています。 実際、ここ数日、中国関連とされていた機械・鉄鋼企業では、懸念材料が相次いでいます。日立建機(6305)は早期退職者の募集を始め、人員削減によってコスト構造の改革を推進すると発表しました。鉄鋼と建機を主力とする神戸製鋼所(5406)も2016年3月期の連結営業利益を下方修正し、一転して営業減益になる見込みだと発表しました。 一方、DIのプラス幅が拡大したのは、非製造業に分類される「建設」「情報・通信」「小売」の3業種のみです。非製造業全体のDIはプラス25と、前月に比べて8ポイント改善。全体を支える格好となっています。 鉄鋼関連が下方修正率上位に アナリストによる業績予想の平均値「QUICKコンセンサス」について、3か月前と比べた純利益の上方修正率が大きな銘柄のうち、上位5銘柄をピックアップしてみました。 銘柄名 修正率 アダストリア(2685) 112.77% アルパイン(6816) 88.93% 九州電力(9508) 36.92% 味の素(2802) 31.19% 三井化学(4183) 27.04% 一方、予想純利益率の下方修正率(3か月前比)ランキング上位5社は、次のようになりました。(▲は減少) 銘柄名 修正率 ニチイ学館(9792) ▲64.19% 日新製鋼(5413) ▲56.55% UACJ(5741) ▲49.18% JXホールディングス(5020) ▲38.64% 日本板硝子(5202) ▲37.41% アダストリアは業績好調。2016年2月期には増配も予定されています。アルパインは保有株式の売却による特別利益の計上が期待されていますが、中国向け輸出の落ち込みが業績に悪影響を及ぼす懸念が残っています。 一方、高齢社会で注目される介護ビジネスのニチイ学館は目下、人材不足の問題を抱えており、それが業績の圧迫につながっています。下方修正率の大きい銘柄上位は鉄鋼が多くを占めており、中国の景気低迷による鋼材価格の下落が影響していると思われます。

市場の業績期待指数、底堅さの裏に透ける「中国不安」(8月調査)

市場の業績期待は底堅い…全産業DIはプラス幅が微増 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(8月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス16と、前月に比べて1ポイント改善しました。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 DIのプラス幅が増加したことは、アナリストによる業績見通しの上方修正ペースが加速していることを表します。 「機械」「鉄鋼」「卸売」などが悪化…中国懸念の影響か 製造業のDIがプラス6からプラス10に改善、金融もプラス60からプラス71に改善したことが、全体のDI改善に貢献しました。一方、非製造業はプラス17と前月から横ばいと、今年の改善基調が鈍っています。 製造業では「輸送用機器」が改善(プラス7⇒プラス27)しているほか、食料品や化学、医薬品の改善が目立ちました。一方「機械」がマイナス、つまり下方修正優勢に転じています(プラス43⇒マイナス5)。「鉄鋼」のマイナス幅も拡大(マイナス40⇒マイナス60)しました。 非製造業も「卸売」がマイナスに転じた(プラス10⇒マイナス11)ほか、不動産が伸び悩みました(プラス80⇒プラス45)。 8月後半の株式市場自体は波乱含みの展開となりましたが、コンセンサスDIの数値を見る限り、全体の企業業績期待は底堅く推移しています。とはいえ、業種によっては、中国経済への懸念が影を落としていると考えられます。 これから先を考えた場合、中国経済のスローダウンが気になるところです。中国政府としては、経済成長率7%を死守したいところですが、その可能性が徐々に低下している感があります。また、天津の爆発事件によって、中国でビジネス展開をしていた外国企業が、さらに中国ビジネスにコミットすることを敬遠する恐れもあり、その動向次第では、中国の経済成長率がさらに低下することも考えられます。 上方修正率の首位はアダストリア、下方修正率は資源系目立つ アナリストによる業績予想の平均値「QUICKコンセンサス」について、3か月前と比べた純利益の上方修正率が大きな銘柄のうち、上位5銘柄をピックアップしてみました。 銘柄名 修正率 アダストリア(2685) 87.45% 協和発酵キリン(4151) 28.31% 三井化学(4183) 27.68% 資生堂(4911) 24.50% 帝人(3401) 22.88% 一方、予想純利益率の下方修正率(3か月前比)ランキング上位5社は、次のようになりました。(▲は減少) 銘柄名 修正率 UACJ(5741) ▲50.81% LIXILグループ(5938) ▲39.65% 昭和シェル石油(5002) ▲33.01% 昭和電工(4004) ▲29.88% JXホールディングス(5020) ▲23.38% 純利益の上方修正率が最も大きかったのはアダストリア(2685)でした。同社はショッピングセンター内を軸にカジュアル衣料店を展開している会社で、2013年の商号変更前はポイントと名乗っていました。下方修正率トップのUACJ(5741)は古河スカイと住軽金が統合してできたアルミ圧延最大手です。 アダストリアは2014年2月決算で最終赤字になりましたが、2015年2月決算で黒字転換。2016年2月決算では黒字幅が大幅に拡大する見通しです。出店抑制、シンガポール店の完全撤退など、選択と集中を進めています。

電機の業績予想DIがマイナスに転落…全産業も悪化(7月調査)

全産業DIはプラス幅が縮小…業績期待がやや鈍る 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(7月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス15と、前月に比べて2ポイント悪化しました。4~6月の決算発表が本格化するなか、企業業績に対する市場の期待はやや減速しつつあります。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 DIのプラス幅が縮小したことは、アナリストによる業績見通しの上方修正ペースが減速していることを表します。 製造業が伸び悩む…「電機」はマイナスに転じる 製造業のDIがプラス13からプラス6に低下したことが、全体のDI低下に響きました。一方、非製造業は堅調。DIはこの半年間、改善を続け、7月末時点もプラス17と前月から1ポイント改善しています。 製造業では「輸送用機器」が改善(プラス5⇒プラス7)しているものの、「機械」(プラス61⇒プラス43)が伸び悩み、「電機」がマイナス、つまり下方修正優勢に転じています(プラス16⇒マイナス5)。 円安進行が一服したことから、輸出企業など円安メリットを享受する企業の業績再加速は期待薄となり、株価も一進一退が続いています。加えて、アベノミクスで強烈に経済を後押ししてきた安倍政権の支持率低下は、景気にとって決してプラスの影響は及ぼさないでしょう。 一方、改善が目立ったのは「化学」と「卸売」。「化学」はこれまでの原油安の恩恵を受けて一部製品の採算が改善しました。原油安による大手商社の業績悪化懸念から、昨年末以降、マイナス圏で推移してきた「卸売」は、ここにきてプラス圏に浮上しました。「小売」、「不動産」といった内需系業種も堅調を維持しています。 上方修正率2位にアダストリア、3位にキリンHDが登場 アナリストによる業績予想の平均値「QUICKコンセンサス」について、3か月前と比べた純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄のうち、いずれも上位5銘柄をピックアップしてみました。 銘柄名 修正率 参天製薬(4536) 91.07% アダストリア(2685) 64.71% キリンHD(2503) 55.28% コスモ石油(5007) 47.27% 東燃ゼネラル石油(5012) 37.82% 逆に、予想純利益率の下方修正率(3か月前比)ランキング上位5社は、次のようになりました。(▲は減少) 銘柄名 修正率 ベネッセHD(9783) ▲80.51% ラウンドワン(4680) ▲79.85% ファンケル(4921) ▲60.25% ニチイ学館(9792) ▲48.63% LIXILグループ(5938) ▲46.52%

市場の業績期待、製造業・非製造業ともに微増(6月調査)

市場の業績改善期待は持続…全産業DIは2か月連続で改善 株式市場のアナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(6月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス17と、前月に比べて1ポイント改善しました。4月末以降、2カ月連続で改善。企業業績に対する市場の期待は改善を続けていますが、勢いに減速感が見えてきました。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 DIのプラス幅が拡大したことは、アナリストによる業績上方修正のペースが加速していることを表します。 製造業、非製造業ともに微増にとどまる 産業別でみると、製造業(プラス12→プラス13)、非製造業(プラス15→プラス16)ともに微増となりました。金融は、プラス57からプラス64に上昇しています。 業種別でみると、DIの改善が目立つのは「食料品」、「機械」、「銀行」で、「輸送用機器」は3か月ぶりにプラスに転じました。悪化が目立つのは「鉄鋼」です。また、「医薬品」や「卸売」は、マイナス幅を大きく縮小させています。 欧州経済の行方がカギ 2カ月連続でDIは改善の動きを見せたとはいえ、6月調査の改善幅はわずかなものにとどまりました。企業業績を見るうえで、欠かすことができないのは、やはり欧州情勢でしょう。ギリシャ情勢の混迷がユーロという通貨制度そのものに対する不信感を招く可能性もあり、市場もまだ手探りの状況です。 欧州情勢の混乱の先にあるのは、リスク回避通貨とみなされている円の買いです。アベノミクスの名の下、2年半に亘って異次元と言われた量的金融緩和が実施され、1ドル=76円台から一時は125円台まで円安が進み、それが製造業を中心にした業績回復につながってきました。リスク回避の円買いから再び円高が加速すれば、製造業の業績回復に頭打ち感が浮上します。 加えて、世界的な景気低迷は、日本の内需にも悪影響を及ぼします。特にここ数年、訪日外国人観光客が急増してインバウンド消費が拡大しました。欧州経済が混乱すれば欧州だけでなく、さらに中国など欧州経済と結び付きが深い新興国の経済にも悪影響を及ぼし、訪日観光客の減少を加速させることも考えられます。 当面、ギリシャ情勢と、それが欧州経済全般に及ぼす影響から、目が離せません。 参天製薬が上方修正率トップ 予想純利益率の上方修正率(3か月前比)ランキング上位5社は、次のようになりました。1位の参天製薬は、過去3期にわたって純利益が成長しています(2013年3月期が165億円、2014年3月期が171億円、2015年3月期が240億円)。 銘柄名 修正率 参天製薬(4536) 88.85% 出光興産(5019) 63.20% コスモ石油(5007) 46.00% マンダム(4917) 45.92% キリンHD(2503) 45.70% 逆に、予想純利益率の下方修正率(3か月前比)ランキング上位5社は、次のようになりました。(▲は減少) 銘柄名 修正率 ベネッセHD(9783) ▲80.50% 船井電機(6839) ▲69.10% パイオニア(6773) ▲68.35% ニチイ学館(9792) ▲52.62% 資生堂(4911) ▲47.38%

市場の業績期待が4か月ぶりに改善…製造業が持ち直す(5月調査)

業績上方修正ペースが再加速…全産業DIは4か月ぶりに改善 アナリストによる業績予想の方向感を示す「QUICKコンセンサスDI」(5月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス16と、前月に比べて5ポイント改善しました。今年2月以降は3か月連続でプラス幅が縮小していましたが、ようやく底を入れ、上昇に転じたようです。株式市場の企業業績に対する期待が持ち直し始めました。 QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想連結純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から、「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出されます。DIがプラスということは、上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回っているということです。5社以上のアナリストが業績を予想する銘柄を対象にしているため、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかを判断するうえで参考になります。 DIのプラス幅が拡大したことは、アナリストによる業績上方修正のペースが加速していることを表します。 製造業と金融業が持ち直す、非製造業は引き続きしっかり 産業別でみると、非製造業が微増(プラス14→プラス15)にとどまったのに対し、製造業は前月調査分のプラス7からプラス12に上昇しました。また金融がプラス24からプラス57へ大幅上昇となり、全産業の数字を押し上げています。 製造業のコンセンサスDIが上昇したのは、5月中に進んだ円安の影響もありそうです。ドル/円は、5月1日に1ドル=119円台だったのが、5月下旬には一時、1ドル=124円台まで円安が加速しました。円安が進めば、輸出関連企業にとっては為替差益が見込め、それが業績を押し上げる要因になります。 業種別でみると、輸送用機器、食料品がマイナス幅を縮小させ、非鉄金属が大幅プラスに転じました。金融については、銀行もプラス幅を広げていますが、「その他金融」が大幅にプラス幅を拡大しました。一方、医薬品がマイナス幅を大きく拡大。鉄鋼が大幅マイナスに転じました。 今後の国内景気を見るうえで、さらなる円安の進行が個人消費に及ぼす影響は無視できないでしょう。今年の春闘では大手企業を中心にベースアップが行われましたが、今後、給料の引き上げが、円安にともなう国内物価の上昇に追い付けなければ、国内個人消費が落ち込む恐れがあります。 インバウンド需要は堅調ですが、国内個人消費の落ち込みを補えるとは、まだ言い切れません。2014年中の訪日外国人旅行者数は1300万人。2014年中の日本の個人消費は推計で293兆円とされる一方、2014年中の訪日外国人が、日本滞在中に使った旅行消費額は2兆305億円にとどまっています。もちろん、これらの数値は海外の景気動向に左右される面もあります。 ベネッセHDの先行きに厳しい視線 予想純利益の上方修正率(3カ月前比)ランキング上位5社は以下です。 銘柄名 修正率 出光興産(5019) 53.98% 任天堂(7974) 40.97% JDI(6740) 40.94% 長谷工(1808) 35.20% キリンHD(2503) 31.65% 4月調査分で上位5社に入っていた企業で、5月調査分でも修正率上位ランキングに5位までに入ったのはJDIのみです。また出光興産は原油価格の急落で、2015年3月期決算が赤字に転落。今期は原油価格が上昇しつつあることも踏まえて、大幅な業績改善が見込まれています。 一方、下方修正率ランキング上位5社は、次のようになりました。 銘柄名 修正率 ベネッセHD(9783) ▲80.65% 資生堂(4911) ▲45.49% 関西電(9503) ▲28.51% 武田(4502) ▲22.53% 国際石油開発帝石(1605) ▲21.85% 下方修正率トップとなったベネッセHDは、2015年3月期が最終赤字に転落しました。、2016年3月期に実施されるテコ入れ策などを受けた業績回復が期待されるところですが、市場は業績回復の先行きに厳しい見方をしているようです。

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