カリスマ投資家ダリオ氏、ダボスから警告 「私が最も恐れているのは……」

世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエーツを率いる米著名投資家のレイ・ダリオ氏が22日、「私が長期的に最も恐れているのは、大きな政治的・社会的反目を抱える中、最も価値のある道具である金融政策に限界があるということだ」との見解を示した。スイスのダボス会議で行われたパネルディスカッションの内容を米経済専門チャンネルのCNBCが伝えた。 ■日米欧の中銀のマネタリーベース(日本はグラフ青=兆円、米はグラフ赤=100億ドル、欧はグラフ緑=100億ユーロ) ダリオ氏のコメントは、米中の貿易戦争がビジネスと消費者心理を長く悪化させている状況下、投資家が深刻な世界経済の減速についてますます懸念するようになったのと歩調を合わせるもの。ダリオ氏はトランプ政権発足以降、ポピュリズムが世界的に高まっていることをもともと懸念していたが、「この種の政治問題が経済問題と密接に関連しているのが現在の特長だと思う」とも述べ、実体経済やマーケットの変動リスクとして政治要因を警戒していた。 また、CNBCのスクウォーク・ボックスに出演した際には「2020年にリセッションに陥るリスクがかなり高い」との見解も示していた。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

本石砲の弾道「微修正」に思惑 ETF購入方針見直しで買われる銘柄、売られる銘柄

日銀が22~23日に開催する金融政策決定会合後に公表する経済・物価情勢の展望(展望リポート)で物価見通しを引き下げる公算が大きい。金融政策の変更・修正は展望リポートでの物価見通し修正が「前提条件」になることを踏まえると、金融政策で何らかの微修正があっても不思議ではない。 黒田東彦総裁は2018年12月の金融政策決定会合後の記者会見で、世界経済の下振れリスクに懸念を示したほか、物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するために必要と判断されれば、適時・適切に追加緩和を検討していくと述べた。 ■年間6兆円、海外勢の売りの緩衝材に 日銀はブレグジットに揺れた2016年7月にETF購入額を従来比ほぼ倍増の6兆円に引き上げ、2018年7月の金融政策修正時には「資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて買い入れ額は上下に変動しうる」と方針を微調整していた。2018年の投資主体別売買動向では、外国人投資家が日本株を6兆円弱売り越したのに対して、日銀が6兆円強を買い入れたことで相場を下支えした経緯があり、買い入れ枠拡大を望む声は多い。 ただ、足元で相場がやや落ち着きを取り戻していることを勘案すると、ETFの買い入れ枠拡大に踏み切ることは難しそうだ。そこで現実的な路線で考えられるのはETF買い入れ配分の変更だろう。日銀が一部値がさ株の実質大株主になっていることなどを踏まえ、昨年7月の政策修正時にはTOPIX連動型ETFの買い入れ比率を従来の約75.0%から約87.5%へ引き上げた一方で、日経平均連動型は約22.4%から約11.2%に、JPX日経400連動型も約2.6%から約1.3%へ引き下げた経緯がある。 ■注目はキーエンスやメガバンク、ファストリやユニファミマ 今回もTOPIX連動型ETFの買い入れ比率を引き上げ、日経平均連動型比率を引き下げる場合は、TOPIX寄与度の高いトヨタ(7203)、三菱UFJ(8306)、NTT(9432)、キーエンス(6861)などの買い入れ比率が上がることになる。特に、キーエンスなど日経平均非採用銘柄や、日経平均寄与度が低いメガバンクなどはTOPIX連動比率の引き上げは歓迎されよう。 その一方で、日経平均寄与度の高いファーストリテイ(9983)、ソフトバンクG(9984)、ファナック(6954)、ユニー・ファミマ(8028)などの買い入れ比率が下がることになる。足元でファーストリテイの下落、任天堂の上昇などが目立つが、このような思惑も背景にありそうだ。(本吉亮) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先 物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門 への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。 米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

アルゴ勢とっくに「Brexit」 2年前からポンドの優先度引き下げ、備えはむしろ日銀緩和への思惑

英議会は15日(日本時間16日朝)、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)協定案を否決したものの金融・資本市場での反応は今のところ目立たない。2016年の国民投票でブレグジットが決まって以降、長期投資家は英ポンド建ての資産整理を進め、そう簡単には浮足立たなくなっている。コンピューター・プログラム経由の「アルゴリズム」も英国の優先度を下げ、トランプ米大統領の存在感が増した17年初めごろから米国の政治・金融政策などに軸足を移している。 英議会での採決結果が伝わると外国為替市場で英ポンドは急落したが、あまり間を置かずに戻した。対円は1ポンド=138円前後を底に140円近辺まで反発。15日の東京市場17時時点で付けていた139円90銭台とほぼ同じ水準になり、円の対ドル相場は1ドル=108円台でのもみ合いを続けた。「安全資産」のドイツや米国の債券への買いは限られ、米国では主要な株価指数が上昇しハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は1カ月ぶりの高値を付けた。 ポンドは、主要通貨にもかかわらず取引に厚みがなく、何も材料がない平時でも変動率は高い。採決前後に注文が細り、値が振れやすくなっていたことや、15日の英議会採決に否決予想がもともと多かった点を踏まえれば市場参加者は総じて冷静だったと解釈できるだろう。 「日欧の(金融緩和策の)『出口』は完全に遠のいた。そちらのほうが重要だ」。アルゴ周辺からはそんな声も聞こえてくる。15日の日米株高の背景には中国の金融緩和を含めた経済対策への期待があった。世界景気の先行き不透明感は簡単には消えそうになく、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続観測はだいぶ後退し、欧州中央銀行(ECB)の19年中の利上げには黄信号がともった。日銀もひょっとすると何らかの追加緩和を検討するのではないか――。プログラムの一部は日銀に関するニュースに円売りで応じる備えをしているという。 日銀が進める国債の大量買い入れやマイナス金利の弊害などから、日本国内では「追加緩和といっても何をするのか」との疑念が強い。ただ海外では日銀の政策に明るくない投資家がかなりいる。 ある欧州系ヘッジファンドの日本人マネジャーは「日銀が早ければ1月にも追加緩和の検討を始める、との思惑が出ているようだ」と話す。円が対ポンドや対ドルを含めてここにきて上値が重くなっているのには日銀の政策を巡る思惑が一枚かんでいるのかもしれない。 【日経QUICKニュース(NQN ) 編集委員 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

「株式相場の番人」は年初から大忙し パウエルのハト、強化版の本石砲

4日の米国市場でダウ工業株30種平均は746ドル高と急反発し、年明けの嫌なムードがひとまず和らぐ展開となった。背景にあるのが強い雇用統計とハト派的なパウエル議長の発言だ。いわゆるパウエル・プットを受けて、週明け7日午前の日経平均株価も2万円の大台を回復した。 そのパウエル発言について、JPモルガンは4日のリポートで「中国についての懸念が高まった2016年初頭にFedが取った転向を好意的に説明した。パウエル氏のメッセージは紛れもなく、我々の考えだ」と指摘。JPモルガンは今年、7月と12月に2回の利上げが行われると想定しており、「2016年は労働市場の引き締めが続いたため、米経済は最終的にトレンドを上回る程度に成長した」経緯を踏まえた。 ゴールドマン・サックスは4日付のリポートで3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率を従来の20%から10%に引き下げた。バランスシート縮小に関するパウエル氏の発言について「昨年12月FOMCでの『オートパイロット』発言からの修正を示しており、市場を落ち着かせることを意図したもの」とし、株式市場に配慮したことを評価していた。 トランプ大統領による解任リスクが取り沙汰されるパウエル議長だけに、株式市場が大荒れとなってトランプ氏の立場が厳しくなるような状況が続くようだと、市場が催促する場面が度々訪れるかも知れない。 米株がパウエル・プットで堅調な一方、国内要因としては日銀のETF買いが下支え要因として意識される。日銀は4日、本石砲(日銀のETF買い)を発射し、704億円のETF買いに踏み切った。2018年は年6兆円ペースを5000億円超を上回る6兆5040億円のETF買いを行っていたが、買入額を703億円から704億円に若干増やしつつ、仕事始めの4日に積極的な買い出動に踏み切ったことは株式市場に配慮する姿勢がうかがえる。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

弱気相場も「底」がある 個人と日銀、あの下げをならすのはあなた

一気に「弱気相場」入りした日米の株式市場。パニック的な下げもみられる中で、買いに回っているマネーがある。ETFだ。 24日の米国市場では、米国上場のETFで純資産が最大のS&P500に連動するスパイダーS&P500ETFに大規模な資金が流入した。QUICK FactSet Workstationによれば69億8375万㌦(7713億円)の資金流入となり、同ETFの一日の流入額としては、米長期金利上昇に端を発し、恐怖指数のVIXが急騰したいわゆる「VIXショック」が起きた2月13日(72億4257万㌦)以来、10カ月ぶりの大きさだった。 SPYは2.64%安の234.34㌦で大幅に8日続落し、2017年4月21日以来、1年8カ月ぶりの安値圏まで下げた。S&P500がザラ場ベースの史上最高値から20%超下げ、SPYも軟調だったが、バーゲンハンティングのような買いが入ったことは相場の底入れを占うシグナルとして注目される。 連休明け25日の日本。 日銀が本石砲(日銀のETF買い)を発射し、703億円のETFを買い入れた。これで12月は10回目のETF買いとなり、毎営業日に12億円を買い入れている「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」を含めた今年の年間買入額は6兆4337億円に達する見込み。あと1回、本石砲を発射すれば6兆5000億円を超える見込みだ。 日銀は今月10回のETF買いに踏み切り、10月(12回)以来のハイペースで買入を行っている。今月は12営業日のうち10回で既にETF買いを実施。今月の営業日のうち52.6%で買入を行った格好だ。10月は22営業日のうち12回(54.5%)の買入となっていた。 もうひとつは、レバレッジETFの日経レバ(1570)。大幅に5日続落し、10.22%安の1万4480円で終えた。日経平均株価が5.01%安で急落する中、レバレッジETFの日経レバも大幅安となり、この日の優先市場の売買代金ランキングのトップで商いを伴いながら大幅安となった。 この結果、日経レバの純資産は6日以来、半月ぶりに5000億円を割り込んだが、純資産を基準価額で割った口数は126万口増えた。日経平均が2.11%安で大幅安となった今月10日(254万口増)以来の増加だった。日経平均が大幅安となる過程で個人投資家の逆張りの買いが入った格好で、日経レバを通じた日経先物買いが相場の下支え要因として期待されそうだ。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

強気シナリオで日経平均2万8500円 2019年をエクコメ・デリコメ執筆陣が斬る

QUICKのエクイティコメント、デリバティブズコメントチームは、このほど年末セミナー「どうなる2019年相場」を開催した。エクコメ・デリコメのライターによるパネルディスカッションでは19年のテーマに関して活発な議論が繰り広げられた。エクコメライター上田誠は講演で「政策期待で強気継続」と持論を展開した。 最重要テーマ&材料 何に注目? ■「新テーマ探し」 山口正仁(エクコメ) 20年、30年前にあれっ?と思ったことが実現している。自動車の自動運転、インバウンド消費による疑似輸出などが大きくなっている。人手不足でファクトリー・オートメーション(FA)や外国人労働者などがテーマになっている。今後はフィンテックの次の「決済」が化けるのではないか。多く使われるし、儲かる分野だ。 ■「米景気」 松下隆介(エクコメ) 米国の消費者信頼感指数がピークアウトしていたり、米国の利上げが進む中、米企業のマージン・スクウィーズが起こって利益を圧迫したりする。米株のモメンタムは鈍化していく。マイナス要因がある一方、プラス要因もたくさんある。例えばインフレギャップはそれほど拡大していない。銀行の貸出姿勢もなお緩和的だ。米経済はまだらもようというのが率直な印象で、注意深く見ていかないと行けない。私はみんな強気の時は下を見ています。逆張りです。 ■「トランプ大統領、アップル」 片平正二(デリコメ) この2年間でトランプさんの予測不可能なことがはっきりしている。民主的なプロセスを踏まずに政策を決定しており、相変わらず、夜はFOXニュースを見ながらツイッターをやっているようで不安定な状況は続く。アップルについては弱気のレポートが出ている通りで、iPhone売上高は2017年に過去最高だったが、販売台数ベースではiPhone7が出た2016年がピークだった。結局、サプライヤーが同じなため、アップルから革新的なものは出ないので成長鈍化が警戒される。テスラを買収するくらいのサプライズが欲しい。最近は華為技術(ファーウェイ・テクノロジー)が話題だ。米国としては創業者の会長さんが共産党員である会社にああいうことをした以上、本気なのだろう。トランプさんが2020年の大統領選に臨む以上、最も重要なのは北朝鮮。在任中に北朝鮮に核ミサイルでの攻撃を許した大統領とトランプさんが歴史に汚点を残さないためには、米朝交渉が重要だ。その関連で、中国には貿易で圧力をかけ続けるとみられる。 ■「海外勢の先物買い、日銀のETF買い」 中山桂一(デリコメ) 需給の話です。今年、海外勢は日本株を現物で4兆5000億円以上売っている。先物で6兆5000億円、合わせて11兆円以上売っている。先物でこれだけ売っているのは過去あまり例がない。取材をしていると、楽観的な方は先物はキッカケがあれば買い戻すだろうとおっしゃる。特に海外勢の先物売りが秋口から多く出ており、短期の売り、リスク・パリティの売りなども巻き戻された時には勢いが出るのではないか。あと日銀のETF買いだが、きょうはTOPIXの前引けの下落率が0.03%で買っていた。6兆円というメドがある中で、日銀が柔軟な姿勢を示している。日銀という確実な買い手が存在することは相場の支えになるのではないか。日銀のオペレーションが変わる可能性は、この1カ月間で見えている。TOPIXの下落率の大きさに関わらず、変わってくる可能性はあるだろう。前場のTOPIXがプラスで終えても買ってくるケースも、お忘れでしょうが過去にあった。海外の下げなどを踏まえて動くこともあるだろう。ただ6兆円のメドを5000億円とか、大きく逸脱することはないのではないか。 ■「米金利、日銀政策修正」 池谷信久(デリコメ) ベタなテーマを前に、今週、話題になった米国の長短金利差の逆転「逆イールド」について見解を述べたい。過去の経験則として、確かに米国では景気後退が起きていた。なんで逆イールドだと景気が後退するのか? これは米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を引き締めすぎたことが原因、景気が悪くなるほど引き締めたということ。それではなぜ、景気が悪くなるほど引き締めなければならないか? それは物価のため。物価が上昇している中では、FRBは利上げをやめるわけにはいかない。だから結果的に景気は後退した。それでは今はどうなっているか。いまの米国のCPI、PCEデフレーターといったFRBが見ている物価指標は約2%。インフレ目標としている2%に近く、ちょうどいいところ。ムリにFRBが引き締める必要性は全くない。株式市場も不安定で不透明感が出ている中、FRBとしては姿勢を変えてくるだろう。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でこれまでのタカ派スタンスをハト派的に変えてくる、たぶんやってくるだろう。そうなると政策金利の上昇を織り込んで上昇していた2年債利回りは低下し、イールドカーブは順イールドに戻ると思われる。そもそも逆イールドが進んだ大きな理由は、WTI原油価格の下落だ。10月に原油が急落して、それに合わせて長期金利が低下した。また11月16日にクラリダFRB副議長が「政策金利は中立金利に近づきつつある」と話して、28日にはパウエル議長が「政策金利は中立金利をわずかに下回る」と述べた。何を言いたいかというと、中立金利というのは景気に対して良くも悪くもない、金融の引き締め・緩和効果もない水準ということ。そこに近づいてますよと言うことは、そこを超えることはないと述べたわけで、これは明らかにハト派姿勢に変わった事を意味している。最近の金利低下、原油安の中、金利のマーケットから見ているとなぜ株が売られるのか不思議だ。 ■「クレジットリスクの顕在化、銀行再編」 丹下智博【デリコメ) 2019年のテーマにしてあるが、実はもう始まっている。米自動車大手ゼネラル・モーターズは2008年のリーマン・ショックの時に一度経営破綻したが、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で200bpsに近づいた時にもう一度破綻するのではないかと大騒ぎになった。株価も大幅安になった。最近ではドイツ銀行が話題になっている。以前から経営不安が取りざたされていたが、こちらもCDSが200bpsを超えてきており、株価も大きく下げている。ただCDSで200bpsというのは年間2%の保証料率で、倒産確率としてはかなり低いほう。リーマン・ショック時には2000~3000bpsを記録したし、ソブリン危機の時にギリシャは7800bpsまで急騰した。200bpsという絶対水準は小さいと言え、投資適格債からジャンク債に格下げされるリスクがマーケットには非常にインパクトをもたらす。株式市場は倒産を心配するかも知れないが、債券市場では格下げを心配している。ドイツ銀で何か起きた場合の金融システムへの影響、マーケット・インパクトとしては、以前から経営不安が噂されており、取引先も厳選されている状態とみられるため、さほどマーケットへの影響は出ないだろう。それより、ドイツ銀が厳しい状況にあるのは、グローバルに金利が低く、銀行の収益が上がりづらい状況にあるという問題が根底にある。ドイツ銀行に限らず、日本の銀行もそうだ。貸し出し先についても、GMのように大丈夫と思っていたとこらが危なくなるショックの方が大きいと思う。 ■「底上げされるボラティリティ」 岩切清司(デリコメ) 米VIXや日経平均VIのチャートを見ての通り、ボラの水準が底上げされている。高水準にある面積が大きくなっている。株式のボラティリティが上昇する、すなわち、株式がリスク性の高い資産であるということがポートフォリオ管理上のファクターとなってくる。例えばVIXが10%を割っていた時の株式のリスク量と、今のリスク量は全然異なる。同じ100億円を持っていても、持てる株式の量は今の方が少ない。ボラがゆっくり上がって底上げされてくると、株式に投資できるお金の量が減ってくることになる。VIXが瞬間的に20を超えたからという議論はどうでもよく、趨勢的にボラティリティがどうなっていくのかというのが来年、再来年の相場を見る上で重要になっていくのではないか。 ずばり相場の見通しは? 2019年の日経平均株価の予想レンジについては、2万8500円で最も高い水準を示した中山が「日経平均の1株当たり利益が現在1780円。QUICKで出している2期予想で来年の企業業績を4.5%増と見込んでいた。EPSで5%増益、PERで最大15倍を想定すれば、最大の強気シナリオで2万8400円くらいになる」と指摘。ただ「QUICKの2期予想で増益幅が若干低下しているので、企業業績は若干切り下がる可能性がある」とも述べ、企業業績の伸び悩みを警戒していた。 10年債利回りの予想レンジでゼロ%と最も強気な見通しを示した丹下は「債券市場はみんなが行ったら困る方向に進む、ペイン・トレードになるとみている。10年債利回りがマイナスになった場合、株式市場がどうなっているのか考えると恐ろしいのでレンジとしてはプラスにした」と述べた。 ※QUICKエクイティコメントとQUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。エクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。デリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

日銀ステルス砲、打って支えていよいよ年6兆円

日銀は10日、3営業日連続となる上場投資信託(ETF)の買い入れを実施した。通常のETFが703億円、毎営業日買い入れている12億円の「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」12億円の合計715億円で、今年1月からの累計の買い入れ額は5兆9963億円。孤軍奮闘で日本株相場を支える「本石砲」が目安とする年6兆円がいよいよカウントダウンに入った。 国内証券のストラテジストは現状の日銀ETF買いを「ステルス量的緩和」とも評する。日銀は目標と定めている買い入れ枠を超える状況のなか、前場のTOPIXの下落率が小さくても積極的買い入れている。 この状況を前述のストラテジストは「投資家センチメント悪化によるリスクプレミアムの拡大を理由に『上下に変動しうるものとする』という7月に示した文言通りに行動している」と指摘する。 毎営業日に買い入れている新型ETFを考慮すると、すでに実質的に年6兆円の買い入れペースを超えた計算になる。今後もオーバーペースで買い入れを続けるか注目される。(中山桂一、片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

【朝イチ便利帳】5日 武田やアルパインが臨時株主総会、ベージュブック、米国休場

5日は武田がアイルランド製薬大手シャイアー買収をはかる、アルパインがアルプスとの経営統合をはかる臨時株主総会をそれぞれ開催する。IPO関連ではEduLab(4427*J)の仮条件、オーウエル(7670*J)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。 海外では11月の財新中国非製造業製造業購買担当者景気指数などのほか、日本時間6日4時00分に米地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表される予定だ。また5日はブッシュ米元大統領追悼のため、ニューヨーク株式市場等が休場する。 【5日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 12月の当座預金増減要因見込み(日銀) 10:30 若田部日銀副総裁が新潟県金融経済懇談会であいさつ(新潟市) 14:00 若田部日銀副総裁が記者会見(新潟市) 18:30ごろ 黒田日銀総裁があいさつ(年末エコノミスト懇親会) その他 武田がアイルランド製薬大手シャイアー買収をはかる臨時株主総会   アルパインがアルプスとの経営統合をはかる臨時株主総会 海外 時刻 予定 0:00 カナダ中銀が政策金利を発表(6日) 4:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック、6日) 9:30 7〜9月期の豪国内総生産(GDP) 10:15 クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長が講演(6日) 10:45 11月の財新中国非製造業製造業購買担当者景気指数(PMI) 19:00 10月のユーロ圏小売売上高 その他 インド中銀が政策金利を発表   ブッシュ(父)元大統領の追悼で米株式債券市場などが休場   タイ市場が休場 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 4502 武田、7兆円買収の是非問う シャイアー巡りきょう総会決議 日経 -0.82% 12/4 7201 日産自のゴーン元会長、再逮捕へ 直近3年、40億円過少記載疑い 日経など -1.18% 12/4 9681 東京ドーム、営業益7%減 2〜10月、不動産事業が苦戦 日経 -1.45% 12/4 9984 ソフトバンク、子会社清算で特別益3093億円 今期単独 日経 -1.53% 12/4 7267 ホンダ、中国新車販売11月4.3%減 日経 -2.38% 12/4 8604 野村CEO、国内営業費用1割削減表明 3年で 日経 -3.05% 12/4 9787 イオンディラ、TOBで自社株取得 109億円で 日経 -3.64% 12/4 8591 オリックス、酪農機器輸入会社を買収 400億円規模 日経 -3.78% 12/4 6816 アルパイン、アルプスと統合決着へ きょう臨時総会 日経 -4.01% 12/4 6770 -2.15% 12/4 9627 アインHD、純利益18%減 5〜10月 日経 -4.53% 12/4  

日銀2019年夏の「出口」を予言 バークレイズのリポート、市場に波紋

日銀は来夏にマイナス金利政策を解消する――。バークレイズ証券の山川哲史チーフエコノミストが11月28日付のリポートで示した予想が金融・資本市場で波紋を広げている。金融機関に評判の悪いマイナス金利政策は修正の思惑が絶えないが、海外勢に「出口政策」と受け止められれば円高加速につながりかねないだけに、政策修正には懐疑的な見方も根強い。現実味はあるのだろうか。 山川氏は今回のリポートで、19年度を通じて維持するとしていたマイナス金利政策を19年7月に解消すると予想。7月を過ぎると10月の消費増税やその後の反動による景気停滞などが見込まれるため、政策変更は難しくなるとの前提で、「変更するなら7月がデッドライン」と判断した。 7月までにまず、イールドカーブ・コントロールの方針を再び修正し、許容変動幅の拡大を通じ利回り曲線の傾きを急にして残存期間の長い国債の利回り上昇を促す。次に2%を「象徴的存在」として残したうえで徐々に物価が2%を目指すストーリーに変わりがないことを強調しつつ、現実路線にシフトするとのシナリオを描いている。 山川リポートの主張は金融機関の不満を代弁している面がある。山川氏が示す「マイナス金利政策は長期にわたって持続したときに加速度的に副作用が累積する」との指摘は、貸出先の確保や運用難にあえぐ地方銀行や信用金庫の苦境と重なる。 日銀が毎月公表している貸出約定平均金利によると1年以上の長期の「ストック貸出金利」は10月、国内銀行で0.860%と1976年の統計開始以降で最も低くなった。山川氏は「短期の政策金利がマイナスに固定される中、貸出金利の底上げがなければ金融機関の基本的な採算性はあがらない」と述べたうえで、「もしマイナス金利が解消できないまま次の景気後退期に突入し、景気刺激策の手足を縛られてしまう事態は中銀として避けたいはずだ」とも話していた。 ハードルは高い。日銀は7月31日に金融緩和継続の枠組みを強化するなかでフォワードガイダンスを導入し、「消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持する」と表明した。前日銀審議委員の木内登英・野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストは「政府が消費増税に過敏になっていることを考えれば、増税の影響が懸念されるタイミングでの政策変更は進めにくい」と話す。 さらに外為市場では降って湧いたような米利上げの打ち止め観測により、円安・ドル高のドライバーの1つだった日米金利差の拡大が止まるとの見通しが増えてきた。「対ドルではまず19年中の利上げの可能性がある通貨が買われ、円買いはまだ強くない」(国内銀行の外為ディーラー)。それだけに日銀が仮に「出口」を意識させる措置に踏み切れば円高インパクトは相当大きくなる。 QUICKが3日に発表した債券月次調査では、日銀の金融政策で19年中に実施されると思うものについて「マイナス金利の縮小・撤廃」の割合は15%だった。「10年金利の許容レンジの拡大」(47%)や「19年中は修正しない」(39%)の割合のほうが高いものの、「いくつもの環境が整えばマイナス金利撤廃は起こりうる」とのムードはそれなりに醸成されてきている。 〔日経QUICKニュース(NQN) 菊池亜矢〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

ささやかれ始めた日銀オペ見直し 「入札翌日は見送り」なら金利上昇も 23日懇談会に関心

日銀が23日に市場関係者と開く「市場調節に関する懇談会」を前に、国債買い入れオペ(公開市場操作)見直しの観測が浮上している。市場機能の改善に向け、参加者の間で有力なのが国債入札翌日の買いオペを見送るのではないかというものだ。議題にあがれば現実味が増しそうで、来週の懇談会に関心が高まっている。 関係者に「オペ懇」と呼ばれるこの懇談会は年2回開かれ、日銀の担当者と金融機関の市場部門関係者が参加する。昨年2月の会合ではオペの日程の事前通知が話題となり、その後日銀は毎月末に日程も含めた運営方針を明らかにするようになった「実績」がある。 今回の見直しの候補としては、財務省による国債入札の翌日は入札のあった年限の債券を対象としたオペを見送るとの観測がある。この説を有力視するみずほ証券の上家秀裕マーケットアナリストは「市場に出回る時間が長くなるため、流動性向上につながる」とみている。入札翌日にオペをしなければ「国債を多めに応札しても『翌日のオペに持ち込めば良い』との安心感がなくなるため、金利上昇要因となる」との見方もある。 日銀のTB(国庫短期証券)オペは3カ月物TB入札がある場合は翌営業日にオペを実施してきた。だが、10月はこの「暗黙のルール」通りではなくなっている。この変化が、国債でも入札翌日のオペを見送るとの観測につながっている。 オペの回数を減らしたり、オペ予定日を非公開化したりする説も市場にはある。予定日の非公開化は、不確実性が強まり、相場の変動率(ボラティリティー)が上がる可能性が高い。だが「債券相場の動きが『日銀のオペ日当てゲーム』のようになる」(国内証券の債券担当者)との懸念があり、否定的な見方もくすぶる。 日銀は7月末に金融緩和継続のための枠組み強化を打ち出したばかり。そのため今回のオペ懇については「政策変更後の市場動向の意見交換にとどまる」(大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジスト)との見方も少なくない。 だが、再び膠着感を強める債券相場に変化を求める市場関係者は多く、その期待が今回のオペ懇への関心を高めている。 〔日経QUICKニュース(NQN) 矢内純一〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

【朝イチ便利帳】25日 日銀決定会合の議事要旨(7月分)、9月の米消費者信頼感指数

25日は8月の企業向けサービス価格指数、白物家電出荷額、7月の景気動向指数改定値、8月の全国スーパー売上高などが発表される予定のほか、日銀金融政策決定会合の議事要旨(7月30〜31日開催分)が公表される。また黒田日銀総裁が経済団体懇談会で講演を行う。   IPO関連ではアイリックコーポレーション(7325)が新規上場するほか、ブリッジインターナショナル(7039)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。 海外では9月の米消費者信頼感指数などが発表される予定だ。   【25日の予定】 国内 時刻 予定 8:50 日銀金融政策決定会合の議事要旨(7月30〜31日開催分)   8月の企業向けサービス価格指数(日銀) 10:00 8月の白物家電出荷額(JEMA) 13:30 国債投資家懇談会(財務省) 14:00 7月の景気動向指数改定値(内閣府)   8月の全国スーパー売上高(日本チェーンストア協会)   8月の外食売上高(日本フードサービス協会) 14:35 黒田日銀総裁が経済団体懇談会で講演(大阪市) 15:30 中西経団連会長の記者会見 16:30 黒田日銀総裁の記者会見(大阪市) その他 閣議   柿木鉄連会長の記者会見   マザーズ上場=アイリックコーポレーション 海外 時刻 予定 22:00 7月の米S&Pコアロジックケースシラー住宅価格指数 23:00 9月の米消費者信頼感指数 その他 香港、韓国市場が休場   安倍首相が米NY国連総会で一般討論演説   海外6〜8月期決算=ナイキ 【今日の株価材料】 コード 材料 (NQN「今日の株価材料」より) News 比較 7011 三菱重、エンジン会社株一部売却 日経 +2.10% 9/21 7011 三菱重JAXA、H2Bの打ち上げ成功、「こうのとり」搭載 日経 +2.10% 9/21 6092 環境コンサル、中国で協業 エンバイオH、SOMPOと 日経 +2.00% 9/21 8630 +0.60% 9/21 7261 マツダ、損失280億円 西日本豪雨、生産抑制で 日経 +1.87% 9/21 9984 ソフトバンク、メール1000万通消去 日経 +1.51% 9/21 6503 三菱電4〜9月中間配、据え置きの14円に 株主還元を重視 日経 +1.42% 9/21 4324 電通、電子看板で地域の災害情報(日経、以上25日) 日経 +1.34% 9/21 6644 賃貸の家電、遠隔操作 入居者向けアプリ、パレットクラウドと大崎電(日経、以上24日) 日経 +1.26% 9/21 2653 イオン九州、西日本豪雨響き最終赤字12億円 3〜8月 日経 +0.91% 9/21 9202 ANAHD、民泊でマイル エアビーなど9社と連携 日経 +0.83% 9/21 4343 イオンファン、1割増益 3〜8月営業、クレーンゲーム好調 日経 +0.77% 9/21 2120 日生、LIFULL傘下の保険代理店仲介サイトの運営VB買収 若年層との接点確保 日経 +0.48% 9/21 4901 iPS、富士フイルムが初の企業治験へ 22年の製造販売承認めざす 日経 +0.43% 9/21 4506 iPS医薬、追う日本企業 大日本住友など実用化急ぐ 豪先行、産業育成へ正念場 日経 +0.32% 9/21 4755 携帯黒字化、1年前倒しも 楽天の広瀬研二CFO、通信エリア早期拡大 日経 +0.25% 9/21 6723 ルネサス、知財で稼ぐ 半導体の設計情報外販、眠れる技術を収益化 日経 +0.13% 9/21 9437 NTTドコモ社長「日本の料金、高くない」、総務省の調査に反論 日経 -0.06% 9/21 6702 富士通、映像データ1000分の1に圧縮 自動運転の精度高める 日経 -1.21% 9/21 4716 日本オラクル、税引き益11%増 6〜8月単独(日経、以上22日) 日経 -2.84% 9/21 7956 訪日消費、伸びた企業は? 日中両国で稼ぐピジョン、SNS発信奏功のコーセー(4922、以上23日) 日経 -2.98% 9/21  

「日銀文学」と「日銀時間」 きょうの決定会合、無風との見方

2013年春に黒田東彦総裁が就任して以降、金融政策決定会合の結果公表時刻の平均は12時18分となっている(黒田総裁が国会出席のため中断した14年10月の会合を除く)。 16年9月の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」導入など、重要な政策変更があった時の終了時刻は遅い。 「現状維持で展望リポートの公表なし」「現状維持で展望リポートの公表あり」「政策変更あり」の平均は、それぞれ12時2分、12時23分、13時3分だった。19日の決定会合では「現状維持」がコンセンサス。「展望リポート」の公表もなく、昼前に終わる可能性もある。(池谷信久) 過去の決定会合結果公表時刻・決定内容  (◎は展望レポート、○は中間評価) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

スティープ化が一服、伸び悩む超長期債利回り

超長期債との長期債金利差が、8月中旬をピークに緩やかに縮小している。 9月の日銀国債買い入れは「3~5年」と「5~10年」が8月対比で減額となる一方、「10年超」は前月から維持される見込みで、需給面から金利差は縮小しやすい。 日銀は7月末に政策の修正を実施したが、長期金利の上昇は小幅にとどまっている。3カ月物ユーロ円TIBORは4日、0.063%と2017年10月以来の水準まで低下した。銀行はTIBORを基準に貸し出すケースが多く、収益の悪化要因となる。運用難に苦しむ投資家の資金が超長期債に向かいやすいことも、超長期債利回りの上昇を抑えているようだ。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

外為市場の透明性向上へ「行動ルール普及を」 QUICKセミナー

QUICKはこのほど、東京都内で「外国為替セミナー」を開いた。金融機関や事業会社の担当者80人が参加し、日銀と東京外国為替市場委員会が普及を目指す外為業務の統一ルール「グローバル外為行動規範」について理解を深めた。 日銀為替課長の廣瀬敬久氏と東京外国為替市場委員会議長の星野昭氏(三菱UFJ銀行シニアフェロー・金融市場部共同部長)が基調講演した。 廣瀬氏はこの1年で世界の多くの市場参加者が行動規範の遵守を表明したことなどを説明。今後も各国・地域の中央銀行と民間の外為市場委員会が一体となって、幅広い市場参加者への働き掛けを続けていきたいと強調した。 星野氏は市場の流動性を高めるため、規則を厳しくするだけでなく行動の推奨例を示すことで、「過去1年間に幅広い投資家や企業からの賛同を集めてきた」と述べた。その上で同規範に賛同する企業を増やすことで、市場の公平性を一層高めていきたい」と呼びかけた。 東京外国為替市場委員会の星野議長(三菱UFJ銀行シニアフェロー・金融市場部共同部長) パネルディスカッションでは運用会社からみた外為行動規範について、野村アセットマネジメントの大熊貴之シニアトレーダーは、行動規範に賛同を示すことで「顧客や市場からの信頼を得ることができる」と話した。また、バークレイズ銀行の大澤孝元・市場営業本部長は「今後、超高速取引(HFT)業者などにも賛同を呼びかけ、公正な市場をつくる必要がある」と課題を示した。EBSディーリングリソーシスジャパンの大木一寛リージョナル・セールス・マネージャーは「様々な工夫を重ねて適正なベンチマーク(取引指標)の提供に努めている」と話した。 写真左からEBSディーリングリソーシスジャパンの大木氏、野村アセットマネジメントの大熊氏、バークレイズ銀行の大澤氏、日経ヴェリタスの小栗氏 〔日経QUICKニュース(NQN)〕

【朝イチ便利帳】29日 8月の消費動向調査、米GDP改定値

29日は8月の消費動向調査などが発表される。IPO関連ではナルミヤ・インターナショナル(9275*J)の公募・売り出し(公開)価格が決定する。海外では4~6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値などが発表される予定だ。

ステルス減額?ただの微調整? ペースダウン、夏の本石砲に思惑

日銀のETF買い入れ(本石砲)が議論を呼んでいる。8月に入ってからETFの購入ペースが落ちているため、将来の購入減額に向けた布石としての「ステルステーパリング」の思惑がくすぶる。 7月末の日銀金融政策決定会合ではETF買い入れに関して「年間約6兆円」という金額を残しつつ、「市場の状況に応じて、上下に変動しうる」との注意書きを加えた。購入基準は非公表だが、今年1~7月までは午前中にTOPIXが0.4%以上下落した際には700億円強の買い入れを実施。8月は15日にTOPIXが0.43%安、16日には0.42%安で午前中を終えていたが、買いが見送られていた。 <7月以降、前場TOPIXが下落した日の日銀のETF買い入れ状況> 野村証券は16日付リポートでETF会に関して「ステルステーパリング発動?その可能性は極めて高い」とのリポートを公表した。リポート内ではETF買入減額は静かに開始されたと見るのが妥当であろうと指摘している。一方、東海東京調査センターの鈴木誠一氏は現状の発動条件は「現状、TOPIXの前場の下落率が0.50%に設定されている」と指摘する。そのうえで足元までにETFの買い入れ進捗ペースが6兆円を上回るペースだったためであり、「ステルステーパリングが進行していると考えるのは期待しすぎ」とする。 歴史を紐解けばTOPIXが前場に0.45%下げても買い入れを見送っていた日はある。2016年10月12日にはTOPIXが前場を0.45%安で終えていたがETF買いは実施されなかった。この時期に日銀のETF買い入れが過剰なペースだったと指摘されていた。足元も当時と状況は重なり、これまでの買い入れペースはイーブンレベルから1600億円ほど上回っている。鈴木氏はこうした状況からあくまで「マイナーチェンジ」と捉える。 いずれにせよ「まだ状況を見極めるべき時期だが、ある程度の基準で買い入れが実施される状況は変わっていない」(国内証券)との声がある。ETFが買い入れがある限り、一部銘柄の需給を引き締めるという見方もある。議論は尽きないが、足元のピースだけでステルステーパリングとの結論を導くのは早計といえる。(中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

インフレ期待度さらに低下、長期金利も上昇余地は限定的

市場のインフレ期待の度合いを示す「ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)」(グラフ青)は6日、48bp(0.48%)と2017年12月以来の水準まで低下した。これは入札を控えた物価連動債の需給要因という側面もありそうだが、日銀が7月31日公表の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で物価見通しを下方修正するなど、インフレ期待が高まる環境にないことも背景にある。 BEIと長期金利(グラフ赤)はおおむね連動する傾向にある。7月の日銀の金融政策決定会合以降は長期金利が上昇したままだが、長期金利が一段と上昇する余地は限られそうだ。(池谷信久)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

円112円台、フォワードガイダンスを素直に読んだ海外勢

1日の東京外国為替市場で円の対ドル相場は続落した。前日に日銀が「当分の間、きわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」とのフォワードガイダンス(将来の指針)を導入したことを受け、海外市場では「日銀の緩和策が継続」との素直な解釈が多かった。運営方針の「弾力性」に将来の金利上昇を意識した国内勢とは、受け止め方に温度差があったようだ。 国内と比べ、海外ではフォワードガイダンスをより重視する傾向がある。「市場との対話の機会を持とうとする日銀の意思が感じられ、安心感がある」(ステート・ストリート銀行の若林徳広東京支店長)という。加えて、声明で2019年秋の消費税増税による影響にまで言及したのも、緩和からの出口に動くのは少なくとも19年秋以降との連想を誘い、「ずいぶん先になるとの印象を強くした」(りそな銀行の井口慶一・市場トレーディング室クライアントマネージャー)効果があったようだ。 UBS証券ウェルス・マネジメント本部の青木大樹・日本地域担当最高投資責任者は「欧州中央銀行(ECB)の手法をなぞった感がある」と指摘する。ECBは6月の理事会で量的金融緩和の年内終了を決めたと同時に「少なくとも19年夏までは従来の低金利を維持する」方針を明示。金融政策の方向としては正常化を見据えながらも、正常化には時間がかかると強調して市場の混乱を回避した。この時の印象が強く残る海外勢は、今回の日銀の声明もECBの際と似た感触で受け止めたようだと、青木氏はみる。 フォワードガイダンスは、文字通りに読めば将来の政策を示す「指針」であって、方向性は必ずしも緩和に向いているとは限らない。それでも2008年に米連邦準備理事会(FRB)がガイダンスを導入したのは金融緩和の継続を示唆するためだったとの経緯から、市場では「フォワードガイダンス=低金利維持」との印象が強いのかもしれない。 1日の東京市場の取引時間帯では、国内金利の上昇につれて円買いが強まる場面があった。だが円買いの勢いは長続きせず、午後時点では1ドル=112円台と同日の安値圏で推移した。日銀は今後の政策運営に柔軟性を持たせながらも、円の対ドル相場を円安・ドル高に傾かせた。国内ではフォワードガイダンスよりも政策運営の弾力性により関心が集まったが、フォワードガイダンスの導入も一定の効果を発揮しているようだ。 【日経QUICKニュース(NQN) 蔭山道子】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。    

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