読み筋いろいろ思惑いろいろ 中国の米国債保有が2年ぶり低水準

QUICKコメントチーム=片平正二 米財務省が16日に発表した5月の対米証券投資(TIC)統計によると中国の米国債保有額が1兆1102億ドルとなって前月(1兆1130億ドル)から28億ドル減ったことが分かった。減少は3カ月連続で、2017年5月(1兆1022億ドル)以来、2年ぶりの低水準に減ったことになる。 トランプ大統領が5月5日に中国に対する追加関税措置をツイッターで発表し、この月は米中の貿易戦争懸念が高まる時期だった。ただJPモルガンの16日付のリポートによれば、この月は英国が63億ドル買い越す一方でユーロ圏、産油国、日本、中国を除く新興国らがそろって売り越しとなっていた。英国経由の買いが中国によるものである可能性が残る一方、JPモルガンは「米国債に対する需要の大部分は民間部門からのものと予想され、公的部門による需要は依然として低調なものとなりそうだ」と指摘。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が高まる中で公的部門の売りが続く可能性を警戒していた。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米中緊張も緩和方向 GSのバロメーター▬▭▭▭▭  取り残される日本株……

米中の貿易協議に関して、ゴールドマン・サックスは20日付のリポートで「貿易リスクで株式のバリュエーションがどれほど割り引かれるかを理解する上で、我々は貿易緊張バロメーターを開発した」と明らかにした。 同バロメーターによれば、全体的に金融市場がみている現在の貿易戦争によるストレスポイントは2018年後半や2019年初頭の水準を下回っているといい、「米中の双方がダメージを受けるという予測は20%程度だ」という。4月中旬には80%程度だったが、5月5日にトランプ大統領が中国に対して第4段の関税措置をかける方針を示したものの、今月18日にトランプ大統領と中国の習近平国家主席が電話で会談し、米中首脳会談の開催で合意する中で同バロメーターからは緊張緩和がうかがえるとのことだ。 その上でゴールドマンは中国A株のほか、香港取引所上場の中国本土株(H株)に関してオーバーウエイト(買い)の判断を維持した。中国の国内政策の柔軟性、抵抗しがたい投資家の選択性の優位などを踏まえてアップサイドの機会があるというわけだ。 20日の米国市場でS&P500指数は史上最高値を更新して堅調だったが、QUICK FactSet Workstationで日米中の主要株価指数を指数化したところ、最も強かったのは上海総合指数(19.78%高)だった。これにS&P500が続き、日経平均株価やTOPIXは10%以下の上昇率で米中の後塵を拝している。 東証が20日発表した10~14日の週の投資主体別売買動向(東証、名証2市場の合計)によると、海外投資家は現物株を6週連続で売り越した。売り越し金額は1992億円と、前の週(1143億円の売り越し)からやや増加した。出遅れ感の強い日本株をよそに、紛争当事国の中国株に海外勢の関心が高まっている。(片平正二) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

トランプが仕掛ける貿易戦争 CDSは米国ひとり勝ち 中墨は保証料率⤴

激化する貿易戦争の当事国である米国と中国、メキシコとの間で、国の信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の明暗が分かれている。摩擦が経済に悪影響を及ぼすとの懸念から、中国やメキシコは国債のCDS保証料率が上昇している。一方で米国は低位で安定しており、CDSからみた信用力では戦いを仕掛ける側の米国の一人勝ちとなっている。 CDSは国や企業などの貸し倒れリスクを取引する金融派生商品(デリバティブ)。買い手は債権の元本の一定割合にあたる保証料を支払えば、債務不履行(デフォルト)が発生した際の損失分の保証を受けられる。このため国債の保証料率の上昇は、その国の景気や財政悪化への警戒感の高まりを示すとされる。 リスクに敏感な「炭鉱のカナリア」 QUICKによると、中国の5年物国債の保証料率(気配値ベース)は3日に0.6%まで上昇し、およそ5カ月ぶりの高さとなった。トランプ米大統領は5月5日に中国製品への追加関税引き上げの方針を表明した。貿易戦争が激しくなるにつれて、中国の保証料率は上昇傾向を強めている。 トランプ米政権が10日からすべての製品に5%の関税を課す方針を示しているメキシコも上昇している。「輸出減速で景気が悪化し、財政支出が膨らむとの連想が働いている」(国内証券のエコノミスト)という。米国が貿易戦争を仕掛ける相手国の保証料率の上昇を促しやすくなっている。 三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは「貿易戦争が現実的に世界経済の減速を招くとの見方が大勢になれば、米国の保証料率も上昇してくる」と予想する。仮に米景気が大幅に落ち込めば、財政拡大の観測が浮上するとみられるからだ。 ニューヨーク原油先物相場はすでに高値から2割超下げ、「弱気相場」入りしている。運用リスク回避の動きは着実に広がっている。だが、米株式市場では、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに動くとの見方からダウ工業株30種平均は反発の兆しが出ている。金融緩和が貿易戦争による悪影響を吸収するとの見方は株価の支えになっている。 CDSはリスクに敏感なため「炭鉱のカナリア」とも呼ばれている。米国債の保証料率の安定は、金融・資本市場全般がまだ悲観一色に染まっていない現れといえそうだ。 【日経QUICKニュース(NQN ) 矢内純一】   ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

カリスマ投資家ダリオ氏、ダボスから警告 「私が最も恐れているのは……」

世界最大のヘッジファンドであるブリッジウォーター・アソシエーツを率いる米著名投資家のレイ・ダリオ氏が22日、「私が長期的に最も恐れているのは、大きな政治的・社会的反目を抱える中、最も価値のある道具である金融政策に限界があるということだ」との見解を示した。スイスのダボス会議で行われたパネルディスカッションの内容を米経済専門チャンネルのCNBCが伝えた。 ■日米欧の中銀のマネタリーベース(日本はグラフ青=兆円、米はグラフ赤=100億ドル、欧はグラフ緑=100億ユーロ) ダリオ氏のコメントは、米中の貿易戦争がビジネスと消費者心理を長く悪化させている状況下、投資家が深刻な世界経済の減速についてますます懸念するようになったのと歩調を合わせるもの。ダリオ氏はトランプ政権発足以降、ポピュリズムが世界的に高まっていることをもともと懸念していたが、「この種の政治問題が経済問題と密接に関連しているのが現在の特長だと思う」とも述べ、実体経済やマーケットの変動リスクとして政治要因を警戒していた。 また、CNBCのスクウォーク・ボックスに出演した際には「2020年にリセッションに陥るリスクがかなり高い」との見解も示していた。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

世界貿易の鈍化、こっちのFedは急ブレーキ 業績下方修正フェデックスに売り殺到

19日の米株式市場でフェデックスが急落。前日比22.5ドル(12.16%)安の162.51ドルで終えた。18日の引け後に発表した業績下方修正を嫌気し売りが膨らんだ。2019年5月期通期の予想1株利益(EPS・特殊項目を除く)は、従来予想の17.2~17.8ドルから15.5~16.6ドルに引き下げられた。足元の数カ月で世界的に貿易が鈍化していることが背景にある。同社は早期退職制度や採用の抑制などによるコスト削減で対応する考えだ。 下方修正を受けてアナリストの目標株価引き下げが相次いでいる。QUICK FactSet Workstationによると、フェデックスの目標株価は市場平均で245.38ドルと、11月末の289.88ドルから急低下している。バンクオブアメリカ・メリルリンチは、19年度のEPSを12.15ドルと会社予想をさらに下回ると予想。目標株価を220ドルから193ドルに引き下げた。(根岸てるみ) ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米中、明暗分かれた小売売上高 中国は15年半ぶり低水準

中国が14日発表した11月の小売売上高の伸びは前年同月比8.1%増で、2003年5月以来、15年半ぶりの低い伸びとなった。個人消費の減速懸念が高まり、グローバルな株安の一因になった。 一方、同14日発表の11月の米小売売上高は前月比0.2%増と市場予想(0.1%増)を上回った。前年同月比では4.2%のプラス。また、10月分は上方修正されており、足元の個人消費の底堅さが改めて確認された。 トランプ大統領はツイッターやテレビのインタビューで「我々の貿易戦争が原因だ」「私(が仕掛けた関税)が原因だ」などと“戦果”をアピールしている。 株価大幅安にも関わらず米長期金利は小幅な低下にとどまり、CMEフェドウォッチ・ツールにおける12月利上げ確率も70%台後半を維持している。(池谷信久) ■中国(赤)と米国(青)の11月の小売売上高  ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米中貿易戦争で漁夫の利を得るのはどこか

買い戻しによって相場は復調気味だが、グローバルの投資家心理は中期的に冷え込む一方のようだ。 28日付でステート・ストリートが公表した11月の投資家信頼感指数は前月から1.7ポイント悪化し82.7となった。悪化は4ヵ月連続となり、指数自体は2012年12月以来およそ6年ぶりの低水準に沈んだ。 同指数は100が中立なだけに「投資家はリスクアセットのポジション調整を強烈に進めている最中」(調査を担当するケネス・フルート氏)と解釈できるようだ。低下を始めた5月以降、本格化したのがまさに米中貿易戦争だった。トランプ政権は4月ごろにリストの作成にとりかかり、6月には制裁第一弾を決定。7月上旬に発動した。さらに追加措置を断続的に決定するなどエスカレートするばかりだ。何らかの歯止めがかかるまで投資家としても身動きが取れない。 ただ、地域別の投資家信頼感指数では違った景色が見える。悪化が目立ったのは北米。むしろ「アジア太平洋地域の指数が改善したのは驚き」(フルート氏)と言える。 アジア地域の投資家心理がそれほど悪化していない理由はどこにあるのだろうか。1つのヒントになりそうなのが、野村証券が28日付で公表した「アジアにおいて『漁夫の利』を得る可能性のある経済(詳細版)」と題するレポートか。ざっくり言えば「米中貿易摩擦はマイナスばかりではない」とのシナリオの証明を試みたものだ。 レポートでは野村独自の「野村輸入代替指数(NISI)を考案」。5つの項目について指標化したものを加重平均し、どのアジア諸国のどのセクターが米中による輸入先変更の恩恵を受けやすいかを指標化したものだという。詳細はレポート本文を確認いただきたいが、分析では「恩恵を最も受けやすいのはマレーシアで、2位以下に大差をつけている。2位以下は、日本、パキスタン、タイ、フィリピンと続く。逆に恩恵を最も受けにくいのはバングラデシュ、インド、韓国である。詳細にみていくと、ASEAN諸国の多くが米国による対中関税の恩恵を、パキスタン、日本、マレーシアが中国による対米関税の恩恵を、それぞれ受けやすいことが分かった」としている。 このあたりにアジア地域の投資家のセンチメントが相対的にしっかりしている要因の1つがあるかもしれない。不透明感のみならず強弱感も交錯するグローバル市場。方向感を見極めるにはまだ時間がかかる。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

貿易戦争、投資判断引き下げで「中国売り」 アリババ急落、大型株ETFも

4日の米国市場で中国の電子商取引(Eコマース)大手のアリババ・グループが急反落し、3.84%安の156.13ドルで終えた。一時は153.87ドルまで下げ、52週安値(152.85ドル)に迫る場面があった。 JPモルガンが4日付のリポートで中国について投資判断をオーバーウエイトからニュートラルに引き下げたことが警戒された。リポートでは米国の関税措置で中国の輸出にネガティブな影響が出るほか、リスク・プレミアムが高いことからリスク回避の動きを引き起こす可能性があるなどと指摘し、中国を代表するアリババにも売りが発給した格好だ。  中国本土市場は国慶節のため1~7日は長期休場となっているが、この日の米国市場では中国の大型株に連動するiシェアーズ中国大型株ETFが2.44%安、ポータルサイトの百度(バイドゥ)が2.90%安となるなど中国関連銘柄が軒並み安となっていた。(片平正ニ)  ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

貿易戦争に一喜一憂 誘惑の成長株か妙味の割安株か

リスクオンとリスクオフが、いつ交互に反転してもおかしくない地合いだ。 10日の米株式相場は4日続伸して終えた。この間の上げ幅は744㌦に達し投資家心理の改善が続いている様子が鮮明になった。しかし、一部で米国が対中の関税リストを公表すると伝わり、東京時間11日早朝はリスクオフに冷や水が浴びせられた格好。米長期金利がやや低下すると、円相場は1㌦=111円25銭あたりから110円85銭前後まで買われた。市場は貿易戦争を忘れることなどできない。 マーケットを取り巻く環境が不透明感を強める中で、株式市場では1つの傾向がはっきりしている。それは成長株すなわちグロース株の優位性だ。MSCIの世界株でグロース株指数(青)とバリュー株指数(赤)を指数化したチャート(昨年末を=100)を見てほしい。 ※QUICK FactSet Workstationで作成 2月上旬のボラティリティ急騰を受けた反落相場から、バリュー株に比べてグロース株の戻りが圧倒的に強い。すでに年初来高値に迫っている。対照的にバリュー株は低迷が続いている。 これは東京市場でも同じ傾向が出ている。TOPIXのグロース指数とバリュー指数を指数化しても上記のMSCIと似た構図になる。もちろん、米株も同様。世界的にグロース株が選好されている。 クレディスイスは10日付のレポートで、米グロース株買いを推奨する半面、中小型株の評価を引き下げた。カギは相場循環をどうとらえるかにあるようだ。グロース株がバリュー株より優位になるのは、上昇相場の後期に見られるというのが一般的な解釈。景気減速や後退が意識され、長期金利が上がりにくくなればグロース株に有利に働くという。 確かに6月の米雇用統計が想定以上の内容だったにもかかわらず、米長期金利の上昇は限られた。金融政策の正常化を進める米連邦準備理事会(FRB)だが、は利上げの最終局面が見渡せる状況になってきた。米金利が上がらないのも無理はない。 もちろん、攻守が逆転する可能性はある。ゴールドマン・サックス証券では日本株の下期相場を展望するにあたり、成長性が比較的高いバリュー株に投資妙味があるとしている。 「秋には相場が上昇基調に復帰することを前提に、 (1)グロース株のバリュエーションがROEの優位性低下にもかかわらず高止まりしている、(2)コモディティ価格と賃金の上昇によりインフレ圧力が高まっている、(3)金利が正常化に向かっている、(4)バリュー株は世界経済の成長に対する感応度が高い、(5)コーポレートガバナンス改革により「隠れた価値」が解き放たれる可能性がある――との理由から、バリュー株のパフォーマンス好転を予想している。グロース株はバリュー株に対するROEの優位性が低下しているにもかかわらず、プレミアムのバリュエーションが持続しており、今後グロース株のバリュエーションには下押し圧力がかかりやすくなると考えられる」(6月22日付ゴールドマン・サックス証券『秋の収穫を待つ:下期の相場見通し』より) 悩ましいところだが、グロース株の魅力は依然として強そうだ。運用の主軸に置きつつも、バリュー株にも目配りする局面かもしれない。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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