Fasten Your Seatbelt 「貿易も為替も」で不安増幅、VIX急騰

QUICKコメントチーム=片平正二、松下隆介 5日の米国市場で恐怖指数のVIXが39.63%高の24.59で終え、投資家心理の不安感を示すとされる20の大台を5月13日以来、約3カ月ぶりに上回った。一時は24.81まで上昇して1月3日以来、7カ月ぶりの高水準を付けた。 5日に人民元相場が1ドル=7元の大台に乗せたことで中国当局による元安誘導観測が台頭。トランプ大統領が対中関税の第4弾を発動する方針を1日に示して以降、ついに中国が非関税分野での対抗措置を取って貿易戦争懸念が高まるのではないかとの見方から世界同時株安の流れがさらに強まった。 ダウ工業株30種平均など主要3指数の下落幅は今年最大となり、株安の流れが強まる中でボラが急騰している。米財務省が中国を為替操作国に認定したことから、さらなるボラティリティの急騰が警戒され、6日の東京市場でも日経平均ボラティリティー・インデックスが一時26台と今年1月7日以来の水準に急上昇した。 エバコアISIは5日付のリポートで、過去の貿易戦争懸念が高まった局面でファクター分析を行ったところ、ボラティリティ、バリューの銘柄が最もアンダーパフォームすることが分かったと指摘した。一方でモメンタム、売上高成長率の高いファクターは貿易戦争懸念が高まる中でアウトパフォームしたといい、「米中の貿易戦争懸念や米連邦準備理事会(FRB)の政策の先行きに不透明感が高まる中、モメンタムなどのファクターは今後数週間は恩恵を受けるだろう」と見込んだ。 CMCマーケッツのチーフ・マーケット・ストラテジスト、マイケル・マッカーシー氏によると、5日に中国は人民元を切り下げ、米国の農産品の購入を中止するよう指示したという。米政府は「為替操作国」と認定し、対抗した。S&P500種株価指数はこの4営業日で6%近く下落し、2018年10~12月のセルオフを超えている。 市場では20年央までに米連邦準備理事会(FRB)による利下げが3~4回実施すると見込まれており、中央銀行によるサポートを背景に世界的な景気後退に陥る可能性は低いかもしれない。ただ、市場の関心は米中貿易問題に集中し、アジア市場は苦境に立たされている。株式相場など急激に反転する可能性もあるが、数日から数週間にわたってボラティリティは上昇し続けるだろうとのコメントがあった。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

「悲惨」と「恐怖」と「弱気」が下支えする上げ相場

日米株式相場の緩やかな戻り基調はここへきて一服だが、上げ相場の終焉ととらえるのはまだ早い。依然として強気な投資家が多いためだ。UBSの富裕層部門であるCIOウェルス・マネジメントは「悲惨指数」をもとに、米株式相場の一段の上昇を見込む。過去の経験則によれば、インフレ率と失業率の合計であるこの指数が6.5%を下回ると、株価収益率(PER)が上昇するという。 悲惨指数が下がると株価は上がる 悲惨指数%はグラフ赤(右軸、逆目盛り)、S&P500種株価指数はグラフ緑(左軸) 投資家が許容できるPERの水準が切り上がれば、当然、株価も上がる。「米中貿易問題が長期的な解決に向かうなど事態が予想外に好転した場合には、米国株は10月の高値を抜く可能性も十分にあり得る」(UBSのマーク・ハーフェレ氏)。米株高は日本株にとっても好材料だ。 データを元に指数先物などを売買するCTAやリスク・パリティ・ファンドなどによる米国株シフトの動きも見込める。JPモルガンの4日付リポートによると、こうしたクオンツ勢の株式への配分比率がじわり高まっている。「株価のトレンドが崩れておらず、ボラティリティが低い状況のVIX指数ままであれば、買い持ち高を積み増し続けるだろう」と読む。 米国株のボラティリティ低下は、日本株への選好も強める。SMBC日興証券が2月末に発行したリポートによれば、「恐怖指数」と呼ばれる米VIX指数と日本株のPERの動きは、おおむね一致する。「18年10月の株価急落前の水準まで下がったVIXの動きは、景気先行きの不透明感を織り込んだことを意味する。PERも切り上がりが期待でき、日経平均は2万2600円程度が妥当」(圷正嗣氏)という。 恐怖指数の下落は景気不透明感を織り込んだ VIX(グラフ赤、右軸)とTOPIXの12カ月先予想PER(グラフ緑、左軸、倍)の推移 アナリストの業績修正の動きを示すQUICKコンセンサスDI(2月末時点)によると、製造業はマイナス51で1月末時点と比べ16ポイント悪化し、11年12月(マイナス59)以来のマイナス幅となった。前月と比べ一段とアナリストの下方修正が相次いだ。前月比で3ポイント改善したとはいえ非製造業もマイナス14と、企業業績の先行きには暗雲が垂れ込める。 業績見通しは弱気の底だが(QUICKコンセンサスDI) 製造業がグラフ緑、非製造業はグラフ赤 ただ、東海東京調査センターの平川昇二氏は、DIが製造業、非製造業とも08年秋のリーマン・ショック後の下限に位置している点に注目。「08~09年のような景気後退局面でないのであれば、いまが収益モメンタムのほぼ底。早晩DIは反転に向かうと予想され、株式相場が上昇する可能性が高い」と指摘する。いいとこ取りにも聞こえるストラテジストたちの論評だが、米中貿易摩擦など、投資家が気を揉んでいたイベントが前向きに進み始めたのは確かだ。(松下隆介) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米国株は高ボラ×長ボラ相場に 需給面で忍び寄る2つの恐怖 

米国株式市場は、27日のダウ工業株30種平均の値幅が871ドルにのぼるなど、相変わらずのジェットコースター相場。恐怖指数のVIXは投資家心理の不安感を示すとされる20の大台を12月4日以降、16営業日連続で上回っている。2月に米長期金利の上昇に端を発していわゆる「VIXショック」が起きた際、VIXは2月6日に50.30まで急騰したが、終値ベースで20を上回ったのは5~13日の7営業日に過ぎなかった。今回のボラティリティ急騰局面が長引いていることが分かる。 米政府の一部閉鎖が越年しそうなことから、年末年始を挟んで相場の不安材料は残りそう。トランプ大統領と米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が年明けにサシで会談すると報じられているものの、予測不能なトランプ氏だけに市場にポジティブなメッセージが出るとは限らない。 ■細るETFマネー、自社株買いで「損失」も 足元で米株を支えてきた需給要因に変化の兆しが出ていると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙電子版が伝えているのも気になる。1つはETFを通じたパッシブ投資が今年は前年比で減少に転じたということ。11月までのETFの資金流入額が前年同期比で62%減少したという。2008年のリーマン・ショック以降は順調にパッシブ投資の受け皿としてETFを通じた投資マネーが米株に流れ、低ボラティリティ下の相場環境を支えていた訳だが、その好需給に今年は変調がみられたことになる。根雪のような買いが入ってこなくなれば、高ボラティリティの相場環境が長引く恐れがありそう。 もう1つはアップルが自社株買いで90億㌦超を失ったとの報道。今年の米株の買い手の最有力主体だった自社株買いだが、その象徴的な存在のアップルが自社株買いを行ったにも関わらず、株安を受けて損失を被った格好になっているという。FRBの利上げを受けて社債発行による自社株買いの資金調達が厳しくなるとみられるほか、法人減税による自社株買いの原資も来年は一服する見込み。ETFと自社株買いという米株の2つの需給が来年は減少すると見込まれることは、先々の相場展開に不透明感を残しそうだ。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

スキュー指数9カ月ぶり高水準の不気味 ハイテク株高値警戒でヘッジの動きも

16日の米市場で「ブラックスワン指数(スキュー指数)」が3営業日連続で上昇した。148.16で取引を終え、終値ベースでは2017年10月20日以来、約9カ月ぶりの高水準となった。今年2月にボラティリティが急騰した局面よりも高い水準に不気味さもある。 ■ブラックスワン指数(スキュー指数) この日はダウ工業株30種平均が上昇したものの、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は下落。恐怖指数と呼ばれるVIX指数も上昇した。高値圏にあるハイテク株に対する警戒感からヘッジニーズが表面化している可能性もあるという。(岩切清司) ■恐怖指数(VIX指数) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ブラックスワン指数が1ヵ月ぶり低水準 不安一服、VIXも続落

4日の米国市場で投資家の不安心理を示す恐怖指数のVIX指数が続落し、前週末比5.34%安の12.74で終えた。一時は12.69まで下げ5月25日以来、約2週ぶりの低水準をつけた。この日の米国市場でS&P500種株価指数が0.44%高で続伸し、ナスダック総合株価指数が史上最高値を更新するなどハイテク株主導で堅調な展開となる中で、相場全体のボラティリティーが低下した。 一方、スキュー指数も前週末比1.36%安の132.70で続落し、5月10日以来、約1カ月ぶりの低水準を付けた。スキュー指数はS&P500指数を対象とするオプション取引でコールに対するプットの需要の強さを表し、めったに起こらない大惨事を意味する「ブラックスワン(黒い白鳥)」を代名詞に持つ。 スキュー指数は5月30日に143.89まで上昇して4月18日以来、1カ月半ぶりの高水準に達していた。しかし、S&P500が直近安値を付けたのは5月29日で、スキュー指数は相場に1日遅行してピークアウトしていた。VIXが直近高値を付けたのはS&P500が底入れした5月29日で、短期的に相場の天井・大底を探る上でVIXの優位性が示される5月末の調整局面だった。(片平正ニ)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

人気記事ランキング

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

PAGE TOP