ドラギもヒヨった 年内利上げ断念で金利急低下、独は2年半ぶり低水準

欧州中央銀行(ECB)が利上げの先送りと銀行への新たな資金供給策(TLTRO3)を発表したことで欧州圏の国債利回りが急低下した。独10年債利回りは0.07%と2016年10月以来の低水準、仏10年債も同16年末以来の低水準となった。 ECBはこれまでの「少なくとも2019年夏まで」としていたフォワードガイダンスを「少なくとも今年の末まで」と19年中の利上げを断念、先送りするとした。また、20年6月に償還を迎えるTLTROⅡ(期間4年)を意識して、今年9月から期間2年のTLTROⅢの導入を発表した。これを好感して南欧国債の利回りも大きく低下した。 ■長期金利は急低下した(ドイツ=グラフ赤、フランス=黒) (薄いグリーンはECBのバランスシート) ECB理事会の結果を受け、金利低下により利ざやが縮小するとの見方からドイツ銀行が5%超の下落となった。スペイン銀行大手のサンタンデール銀行が3.51%安となったほか、BNPパリバやクレディ・アグリコルの下落率は3%を超えた。(丹下智博、中山桂一) ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

アルゴ勢とっくに「Brexit」 2年前からポンドの優先度引き下げ、備えはむしろ日銀緩和への思惑

英議会は15日(日本時間16日朝)、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)協定案を否決したものの金融・資本市場での反応は今のところ目立たない。2016年の国民投票でブレグジットが決まって以降、長期投資家は英ポンド建ての資産整理を進め、そう簡単には浮足立たなくなっている。コンピューター・プログラム経由の「アルゴリズム」も英国の優先度を下げ、トランプ米大統領の存在感が増した17年初めごろから米国の政治・金融政策などに軸足を移している。 英議会での採決結果が伝わると外国為替市場で英ポンドは急落したが、あまり間を置かずに戻した。対円は1ポンド=138円前後を底に140円近辺まで反発。15日の東京市場17時時点で付けていた139円90銭台とほぼ同じ水準になり、円の対ドル相場は1ドル=108円台でのもみ合いを続けた。「安全資産」のドイツや米国の債券への買いは限られ、米国では主要な株価指数が上昇しハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は1カ月ぶりの高値を付けた。 ポンドは、主要通貨にもかかわらず取引に厚みがなく、何も材料がない平時でも変動率は高い。採決前後に注文が細り、値が振れやすくなっていたことや、15日の英議会採決に否決予想がもともと多かった点を踏まえれば市場参加者は総じて冷静だったと解釈できるだろう。 「日欧の(金融緩和策の)『出口』は完全に遠のいた。そちらのほうが重要だ」。アルゴ周辺からはそんな声も聞こえてくる。15日の日米株高の背景には中国の金融緩和を含めた経済対策への期待があった。世界景気の先行き不透明感は簡単には消えそうになく、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続観測はだいぶ後退し、欧州中央銀行(ECB)の19年中の利上げには黄信号がともった。日銀もひょっとすると何らかの追加緩和を検討するのではないか――。プログラムの一部は日銀に関するニュースに円売りで応じる備えをしているという。 日銀が進める国債の大量買い入れやマイナス金利の弊害などから、日本国内では「追加緩和といっても何をするのか」との疑念が強い。ただ海外では日銀の政策に明るくない投資家がかなりいる。 ある欧州系ヘッジファンドの日本人マネジャーは「日銀が早ければ1月にも追加緩和の検討を始める、との思惑が出ているようだ」と話す。円が対ポンドや対ドルを含めてここにきて上値が重くなっているのには日銀の政策を巡る思惑が一枚かんでいるのかもしれない。 【日経QUICKニュース(NQN ) 編集委員 今 晶】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

甘くなかったパウエル議長 「帽子からハト」期待の株式市場は失望

いつになく注目が集まる中、4度目の利上げを決めた米連邦公開市場委員会(FOMC)。米株式市場は乱高下しながらもダウ工業株30種平均は一時、下げ幅を500㌦超にまで広げた場面があった。売り圧力が強まったのは米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の記者会見中だった。 パウエル議長が悪材料となる決定体的な発言をしたわけではない。しかし、市場が勝手に期待を先行させていた、あるテーマについて言及しなかった点が失望に変わったと考えられる。それは「FRBのバランスシート縮小停止」だ。モルガン・スタンレーは来年のFRBの金融政策見通しについて、現在、粛々と継続しているバランスシートの縮小を9月に停止すると予想している。 今回の記者会見では特段、縮小停止については触れなかった。「引き続き縮小を停止するとの予想は維持するが、その時期は政策金利の引き上げが打ち止められた後になるのではないか」(ノルデア)との指摘が出ていた。 米国株が長期にわたって上昇相場を演じてきたのはFRBの量的緩和策の影響が大きい。足元で米株式相場がふらついているだけに、引き締め停止による株高を夢見ていたのかもしれない。最近になってハト派に転向したと見られるパウエル議長だが、それほど甘くはなかったと言える。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米利上げ局面いよいよ最終コーナー 注目の2021年ドットチャート

9月26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの政策見通し(ドット・チャート)では、年内あと1回、2019年に3回、2020年1回の利上げが示唆された。新たに公表された2021年の中央値は2020年と同じで、「2020年中の利上げ停止、メンバーの一人は利下げを予想」(ストラテジスト)と指摘された。 長期見通し(Longer Run)の分布では、6月が14人回答の7番目と8番目の間の2.875%となっていたのが、9月は15人回答の8番目である3.000%が中心値となった。(丹下智博)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

世界の利上げブームと一線 日本株、海外マネーが導く年初来高値

日経平均株価が年初来高値を試す局面にある。世界の中銀では利上げがブームだが、日銀はあくまで緩和姿勢を継続させる構え。この金融政策の相対的な違いが、日本株に資金が集まりやすい理由の1つだろう。 ノルウェー銀行(中央銀行)は20日に7年ぶりの利上げに踏み切った。アジアでは「フィリピンと台湾の中銀が来週に政策会合を開くが、焦点は利上げするかどうかではない。利上げ幅がどの程度になるかだ」(ING)との指摘もある。 また「海外投資家による日本株買い余地は数兆円規模で残されていると考えられる」(JPモルガンの阪上氏)ことも見逃せない。海外勢は年前半に大量売却したまま大きく売越しており、必要に駆られて買いに動き相場を押し上げるとの期待は根強い。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米2年債利回り、10年ぶり高水準 9月FOMCで利上げ確実視

10日の米債券市場で2年債利回りが上昇した。米マーケット・ウォッチによれば2.715%を付けて2008年7月以来、10年2カ月ぶりの高水準に達した。米中の貿易紛争懸念が残る中で10年債が買われ、長期金利は低下(債券価格は上昇)。10年-2年スプレッドは0.223%に縮小した。 9月25~26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で25bpの追加利上げがほぼ確実視される中、政策金利との連動性が高い2年債利回りが上昇基調にある。一方、米中の貿易紛争懸念に伴う「質への逃避」から長期債は買われる傾向にあり、米債市場で長短金利差の縮小傾向が再び強まっている。(片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米9月の利上げ確率「99.8%」 強い雇用統計、サプライズ指数も改善

シティグループが算出するエコノミック・サプライズ指数は7日、マイナス3.60と8月上旬以来、1カ月ぶりの水準に改善した。 この日発表された8月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数は前月比20万1000人増え、前月の14万7000人から加速。市場予想の19万人も上回った。平均時給は前年同月比2.9%増え、2009年6月以来、9年2カ月ぶりの高い伸び率となった。これを受け、米10年金利は一時は2.95%と約1カ月ぶりの高水準を付けた。 強い雇用統計を受けて、CMEグループのFedウォッチツールで9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bpの利上げ織り込み度は99.8%となり、前日(99.6%)からやや上昇した。さらに、実現すれば今年4回目となる12月の利上げの確率も79%まで上昇した。 13日には8月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。7月のCPIはエネルギーと食品を除いたコア指数が2.4%上昇し、08年9月以来9年10カ月ぶりの伸びとなっていた。8月も物価上昇が加速すれば、金利上昇圧力は一段と強まりそうだ。(池谷信久) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

T砲と米株高の威勢と虚勢 「WTOから離脱」「利上げ嬉しくない」……

良くも悪くも、トランプ大統領のツイートや発言を読み返せば、世界の金融市場で起きた事がほぼ思い出せる。 トランプ大統領は米連邦準備理事会(FRB)の議長にジェローム・パウエル氏を指名したことについて「私が好きで、尊敬する人を置いた」としてFRBが利上げを続ける中で議長の指名に後悔していない考えを示した。ブルームバーグが30日に報じたインタビューで述べた。インタビューでは「カナダとの新たな貿易協定は近い」と述べて北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉に期待感を示す一方、欧州連合(EU)による自動車関税の撤廃提案に拒否する姿勢を示したほか、世界貿易機関(WTO)の対応にも不満を示し、「彼らが襟を正さなければWTOから離脱する」と強硬な姿勢を示した。 インタビューでトランプ氏は「FRBは貿易紛争に対応していない」と発言。さらに「通貨が政治家によって制御されるべきかどうか分からない」とも述べ、FRBの独立性の重要性に否定的な見解を示した。 トランプ氏は今月20日にロイターとのインタビューで「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」と述べたばかり。パウエル議長を個人的に評価しつつ、貿易紛争懸念で人民元などの新興国通貨に対してドルが強い現状に根強い不満を持っているもようだ。(片平正二) 改めて8月の「トランプ砲」を振り返ってみる。 ■「ADPの7月の民間部門の就業者数が予想の18万5000人増に対して21万9000人増となった」(1日、ツイッター) ■「関税が機能している、絶好調だ。同時にオバマ政権で蓄積された21兆ドルの債務の返済も開始することができる」(5日、ツイッター) ■「関税は我々の国をより豊かにする。愚か者だけが反対する」(4日、ツイッター) ■「トルコは長年、米国を利用してきた。彼らはいま、我々の素晴らしいキリスト教の牧師を捕まえている。無実の人の解放のために何も支払わうつもりはないが、我々はトルコに背を向ける!」(16日、ツイッター) ■「パウエル議長が利上げを行うことを嬉しく思っていない」(20日、ロイターのインタビュー)  「中国は為替を操作していると思っている。ユーロもまた、操作されていると思う」(同) ■「欧州連合(EU)から来る全ての車に25%の関税を掛けるつもりだ」(21日、遊説先のウエストバージニアで) ■「株式市場の歴史において最長のブル相場となった。アメリカおめでとう!」(22日、ツイッター) ■「もし私が弾劾されたらマーケットはクラッシュするだろう。みんながとても貧乏になると思う」(23日放送のFOX&フレンズのインタビュー、いわゆる一連のロシアゲート絡みで司法の動き) ■「私は規制を緩和した。減税策は素晴らしいものだった」(23日放送のFOX&フレンズのインタビュー) ■「メキシコとの新しい貿易交渉は農家、我が国の成長に焦点をあて、貿易障壁を引き裂いた。雇用と企業は我が国に戻り続ける。大ヒットになるだろう!」(28日、ツイッター) 米経済と大統領のテンションの高さはいつまで続くのか。世界を震わせたリーマン・ショックから10年の節目が近づいている。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

強い物価基調は変わらず 米CPI、6年4カ月ぶり上昇率【US Dashboard】

12日に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で2.9%上昇し、2012年2月以来6年4カ月ぶりの大きな伸びとなった。食品とエネルギーを除いたコア指数は2.3%で、17年1月以来の高さだった。 11日発表の6月の米卸売物価指数(PPI)も前年同月比で2011年11月以来の伸びを記録するなど、物価の上昇基調は続いており、連邦準備理事会(FRB)は緩やかな利上げを継続するとみられている。 CMEのFedWatchツールによると、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は87%、12月までに2回以上利上げする確率は56%程度になっている。(池谷信久 ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

強弱まちまち米雇用統計、金融政策に大きな影響なしとの見方

市場の関心事だった4日発表の4月米雇用統計は、ややマチマチ感があるものだった。非農業部門の新規雇用者数(NFP)は前月比16万4000人増となり、市場予想(19万2000人増、QUICK FactSet Workstation)を下回った。平均時給も前月比+0.1%にとどまって市場予想(+0.2%)を下回ったが、失業率は3.9%で17年4カ月ぶりの低水準に改善した。 4日にCMEグループのFedウォッチツールで6月米連邦公開市場委員会(FOMC)での25bp利上げの織り込み度は100%となり、前日と同じだった。9月FOMCまでに50bpの利上げが行われる確率は69.4%と前日(67.2%)からやや上昇した。 今回の雇用統計に対する各社の4日付リポートでの見解は下記の通り。平均時給の弱さが警戒される半面、FRBの金融政策に影響を与えるものではないとの指摘が出ていた。4日の為替市場でドル円は一時108円台半ばまでドル安・円高に振れたが、初動はドル売りとなったものの、FRBの利上げシナリオの見方が大きく変わらなければドル高基調が再開しそう。米商品先物取引委員会(CFTC)の投機筋の円ポジションは1日時点で5週ぶりに円ショートに転じ、ドル買い・円売りの流れが再開していることを示していた。 ●ゴールドマン・サックス 「今回の雇用統計からは、労働市場が改善を続けているトレンドについて変化が起きたとは示されていない。6月FOMCでの利上げ確率を従来の90%から95%に引き上げる」 「前回の雇用統計からは他のビジネス調査と同様、労働市場の成長が減速していることが示されているが、失業率の緩やかな低下を促す労働の増加は続いている」 ●JPモルガン 「賃金上昇率と労働市場のゆるみ(スラック)が市場では議論の鍵となっているが、前回の雇用統計からは変化がうかがえなかった」 「臨時雇用者がさらに増加すれば、賃金上昇率に上昇余地が増えるだろう」 ●ノムラ・セキュリティーズ 「4月雇用統計では雇用者数の安定した増加と失業率の低下が示された一方、平均時給が弱かったのがサプライズだった」 「3月分の平均時給は+0.2%から+0.1%に下方修正され、この結果、前年同月比では+2.7%から+2.6%に伸び率が鈍化した。平均時給に基づけば、2016年以降の賃金成長は平均で前年同月比で+2.6%成長で止まっている」 (片平正ニ) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

新FRB副議長は中立的? 米大統領がコロンビア大教授を指名

トランプ米大統領は16日、米連邦準備理事会(FRB)で金融政策を担当する副議長にコロンビア大学のリチャード・クラリダ教授を指名したと発表した。同氏の名前は昨年後半から浮上しては消えていた。BMOキャピタル・マーケッツのイアン・リンジェン氏は16日付の顧客向けレポートで「過去の著書を紐解けば、単なる経済モデルを追及するタイプではなく政策面の実用性に重きを置いているのが理解できる。これを前提に考えれば、同氏の副議長就任はFRBの金融性に中立性をもたらす可能性がある」との見方を示した。 ひとまず市場の思惑を過度に煽る人事ではなさそうだ。クラリダ氏は議会上院の承認を得たうえで就任する。 (岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

どう読むFOMC、「四半期ごとのペースで利上げか」 各社の見解 

米連邦公開市場委員会(FOMC)が20~21日に開催された。注目された委員によるドット・プロット(政策金利見通し)は、18年の利上げ回数が従来の3回の予想で据え置かれた一方、2019年は前回(2017年12月)の2回から3回に引き上げられた。適切な金融政策の下で経済にさらなるショックがない場合に収束する政策金利である「ロンガーラン(Longer-Run)」の水準も2.750%から2.875%となった。今回の結果を受け、米金融政策はどう推移していくのか。金融機関各社の見解をまとめた。 ■JPモルガン、FOMC「パウエル議長らがドットを引き上げか」 JPモルガンは「0.25%の利上げは想定通りだった。ドット・プロットはタカ派的だった」と指摘した。関心が高かった18年のドットの中央値は年3回で据え置きとなったが、「2017年12月のFOMC開催時に年3回利上げとした5名の参加者のうち3名が上方修正し、平均値は0.17%上昇した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、ニューヨーク連銀のダドリー総裁、クオールズ副議長がドットを引き上げたと当社はみる」と指摘する。「もう1名がドットを上方修正すれば中央値は年4回となる」という。18年以降の利上げについて「19年は年1回、20年は年1.5回の利上げが追加された」とした。 ■ゴールドマン、FOMC「今年・来年も四半期毎のペースで利上げか」 ゴールドマン・サックスは「2018年が3回、2019年が3回、2020年に2回の利上げが示唆された。しかしFOMCの声明文の内容はまちまちだった。現在の経済活動は堅実から穏やかに下方修正されたが、経済見通しは我々の予想よりもタカ派だった」と指摘。その上で「パウエル議長は金融政策がデータに依存しているというスタンスを強調しており、我々は今年、そして来年も四半期毎のペースで利上げされるという予想を続ける」という見解を示した。 ■バンカメ、FOMC「19・20年のドットの引き上げは経済見通しに対する自信を反映」 バンクオブアメリカ・メリルリンチは「2019年と20年のドット・プロットや経済見通しが上方修正されたことは、FRBが経済成長やインフレ率に自信を持っていることを示唆する」と指摘した。「見通しが改善したことで、20年までのドットが上方修正されて、ロンガーランの水準も引き上げられた。政策金利の着地点であるターミナルレートが引き上げられる公算が大きい」という。「18年のドットの中央値は年3回で据え置かれた。政策金利は20年に3.375%まで上昇して引き締めが厳しくなるが、利上げペースは段階的だ」とした。「FRBは景気回復を抑制せず、物価上昇が政策目標よりも上振れることを許容すると当社はみる」との見方を示した。 【関連記事】注目のFOMC、ドットチャート様変わり ドル安・米株安は一時的か   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。 ※QUICKデリバティブズコメントでは2月19日から、QUICK端末上のナレッジ特設サイトで「US Dashboard」のサービスを始めました。米国の長・短期金利スプレッド、期待インフレ率、VIXなど投資家・市場参加者が日々チェックするデータをチャート形式で一覧できます。米経済・市場の変化を見極めるツールとしてご利用いただけます。

注目のFOMC、ドットチャート様変わり ドル安・米株安は一時的か

米連邦準備理事会(FRB)は21日、同日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.50~1.75%と0.25%引き上げることを決めた。パウエルFRB議長下の新体制で初のFOMCとあって注目されたが、結果はタカ派・ハト派どちらにも判断が難しいものだった。 2018年のドットプロットでFF金利見通しの中央値は2.125%で前回から横ばいだったが、2.00~2.50%のゾーンに12名のメンバーが集中してドットチャートの形状は昨年12月から様変わりした。ナットウエストは21日付のリポートで「2018年の利上げ見通しは6名の参加者が3回が好ましいとした一方、6名の参加者は4回が好ましいとしており、中央値は昨年12月(3回)から予想通り横ばいとなったが接戦だった」と指摘している。前回のドットで2.00%以下を見込んでいたのが6名に対し、今回は2名のみだった。ハト派のブラード氏、カシュカリ氏らが1.50~1.75%で年1回の利上げしか見込んでいない一方、他の4名は2.00~2.25%のゾーンに見方を変え、2.25~2.50%の6名のうち2名が2.25~2.50%のゾーンに移ったとみるのが妥当だろう。  今年のFOMCで投票権を持つメンバーには、クリーブランド連銀のメスター総裁、リッチモンド連銀のバーキン総裁、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁と3名のタカ派の連銀総裁が加わっている。彼らは2.25~2.50%のゾーンで4回の利上げを主張しているとみられ、パウエル議長としてはFOMC内のタカ派に配慮しなければならないとみられる。 FOMC後の米市場は株安・ドル安・債券高となったが、意外に利上げペースが早いことが再認識されれば米株高・ドル高の展開となる可能性も否定出来ない。   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。 ※QUICKデリバティブズコメントでは2月19日から、QUICK端末上のナレッジ特設サイトで「US Dashboard」のサービスを始めました。米国の長・短期金利スプレッド、期待インフレ率、VIXなど投資家・市場参加者が日々チェックするデータをチャート形式で一覧できます。米経済・市場の変化を見極めるツールとしてご利用いただけます。

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