読み筋いろいろ思惑いろいろ 中国の米国債保有が2年ぶり低水準

QUICKコメントチーム=片平正二 米財務省が16日に発表した5月の対米証券投資(TIC)統計によると中国の米国債保有額が1兆1102億ドルとなって前月(1兆1130億ドル)から28億ドル減ったことが分かった。減少は3カ月連続で、2017年5月(1兆1022億ドル)以来、2年ぶりの低水準に減ったことになる。 トランプ大統領が5月5日に中国に対する追加関税措置をツイッターで発表し、この月は米中の貿易戦争懸念が高まる時期だった。ただJPモルガンの16日付のリポートによれば、この月は英国が63億ドル買い越す一方でユーロ圏、産油国、日本、中国を除く新興国らがそろって売り越しとなっていた。英国経由の買いが中国によるものである可能性が残る一方、JPモルガンは「米国債に対する需要の大部分は民間部門からのものと予想され、公的部門による需要は依然として低調なものとなりそうだ」と指摘。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が高まる中で公的部門の売りが続く可能性を警戒していた。 ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米国債の保有を減らした中国、英国経由で米国債を買い込んだのは……

米財務省が17日に発表した4月の対米証券投資(TIC)統計によると中国の米国債保有額が1兆1130億ドルとなって前月(1兆1205億ドル)から75億ドル減ったことが分かった。減少は2カ月連続で、2017年5月(1兆1022億ドル)以来、約2年ぶりの低水準に減ったことになる。 米中の貿易戦争懸念が高まる中、市場では中国が米国債を売却することで非関税分野での報復措置を取るのでは無いかとの懸念が根強い。米国債を一気に売却すれば中国が保有する膨大な米国債が損失を被るため、実現は難しいとみられるものの、トランプ大統領が5月5日に中国に対して追加関税措置をツイッターで発表して貿易戦争懸念がエスカレートする前に先立って中国が保有額を減らしていた現状は警戒されそうだ。 ただ、JPモルガンの17日付のリポートによれば、この月は英国が176億ドルと大きく買い越したのが目を引いたという。この月の米国債買越額(169億ドル)のほとんどを英国が占めたといい、ロンドン経由で他の国の米国債購入が持ち込まれた可能性があるとのこと。中国の保有額が表面上減っているものの、実際はそれほど中国が米国債を売却していない可能性がある。(片平正二)   ※QUICKデリバティブズコメントはトレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。またQUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

視界に入った米利下げ、どうなる国内勢の米債投資 焦点はヘッジコスト

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が4日の講演で「景気拡大を持続させるために適切な措置をとる」と述べたのをきっかけに早期の米利下げ観測が一段と高まっている。国内で米国債運用を手掛ける機関投資家のスタンスにも影響を及ぼす公算が大きい。焦点は為替差損回避(ヘッジ)のコスト。米利下げによりヘッジコストが大きく下がればヘッジ付き米国債の比率が上がり、外国為替市場では円売り・ドル買いが出にくくなる。 日米の短期金利差を反映するヘッジコストは現在、1カ月物で3.1%程度、3カ月物で2.8%程度と米10年物国債の4日終値である2.13%よりもはるかに高い。もし利下げ実施となればその幅に応じて米短期金利に低下圧力がかかり、ヘッジコストは改善するはず。日本の超低金利環境は当分続くと予想されているため、国内勢によるヘッジ付き米債の復活が現実味を帯びる。 問題は米利下げによる景気の刺激効果を見込む動きがどの程度持続するかだ。株高や将来の物価上昇を織り込んで米長期債相場が下落(利回りは上昇)し、利回り曲線(イールドカーブ)の傾きが強まれば「逆ざや」解消がさらに進み、円安を阻む。 一方で米中などの貿易摩擦の影響は予測が難しい。FRBが利下げをしても米経済が長期の停滞局面入りするといった懸念が再び生じれば安全資産としての米長期国債の需要は戻り、イールドカーブはまた平たん化に向かうかもしれない。そうなると生命保険会社などは今までと同様に為替リスクをとった「オープン外債」を続けざるを得なくなるだろう。 外為市場の関係者の話を総合すると、国内生保などヘッジを駆使する投資家には現時点では「戻りを待って円の売り持ちを増やしたい」との声が多いという。ヘッジコスト改善への期待はあるものの、日本でも金利低下が進んでいる。5日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは一時マイナス0.120%と2016年8月初め以来の低水準を付けた。 運用難で待ったなし、FRBの政策対応を待ってはいられない――。米利下げ効果への懐疑論も加わり、とりあえずはオープン外債を併用したいとのムードが濃いようだ。 〔日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 今 晶〕 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

ダウ800㌦安の引き金引いた1枚のチャート 逆イールドは後退の前兆

4日の米市場でダウ工業株30種平均は大幅反落した。下げ幅は799㌦に達し終値は2万5027㌦07セントとなった。この日の米株売りの引き金を引いた1つのチャートがある。米3年物および2年物と、5年物国債利回りとの逆転現象だ。 ■期間が長めの国債利回りが短めの国債の利回りを下回る「逆イールド」現象(QUICK FactSet Workstationより) 今年は2月と10月に米金利上昇によりボラティリティが急騰した場面があった。当時も株安となったが、今回は様相が違う。金利は低下しながらも「逆イールド」の発生が引き金になった。米金利がグローバルマーケットの大きな変動要因であることを改めて示した1日となった。 そもそも金利低下局面における逆イールドは「景気後退の前兆」と言われている。ただ、因果関係としては、「長短金利差が逆転するから景気が後退する」訳ではなく、「景気に悪影響を及ぼすほど、中央銀行が金融引き締めを行う」から金利差が逆転する点には注意が必要だ。 新債券王の異名をとるダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は4日に米メディアに対して、米債券市場で逆イールドが進んでいることについて「経済が弱体化することを示すシグナルだと思う」と述べた。イールドカーブが全体的にフラット化していることについては「米連邦準備理事会(FRB)の利上げを自制させることを示している」とも指摘した。 CMEグループの「Fedウォッチツール」によれば、この日の2019年の利上げ織り込み度は大きく変化しなかったが、米債市場で逆イールドが進んだことを警戒する声が強まっている。ただ、直近ではパウエルFRB議長が11月28日の講演で、政策金利は「中立水準をわずかに下回る」との認識を示した。政策金利が景気をふかしも冷やしもしない中立金利を超える利上げを行わない限り、景気への影響は限定的だろう。 18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)における金利見通し(ドットチャート)が、従来の「中立超え」から切り下がるか注目される。(池谷信久、片平正二、岩切清司)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ドル・米金利どう動く もうじき審判、米中間選挙

米国中間選挙は日本時間きょう午後にも大勢が判明。上院は共和党が過半数を維持し、下院は民主党が過半数を奪回するとの見方がコンセンサスだ。金融市場はどう動くのか。リスクシナリオも含め、市場関係者が見立てを披露している。 BKアセットマネジメントの為替戦略担当マネジングディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏は、今後24時間以内のドル円相場に関して以下のようなシナリオを挙げた。 また、ゴールドマンサックスは5日付のレポートで、共和党が上下両院で過半数を維持するシナリオについて「ここ数週間に可能性が高まっているが、当社基本ケースには依然として程遠い」と前置きしつつ、「成長期待の高まり、規制をめぐる不確実性の低下、財政刺激の拡大(例えば財政の調整措置であるリコンシリエーション・プロセスを利用した小幅減税など)のために米国債利回りの上昇と医薬品銘柄などの株価の値上がりが予想される。税制政策が重要な要素になるのであれば、米政権は中西部での共和党上院議員に対する支持をつなぎ止めるために関税導入をさらに遅らせる可能性があり、この場合は米ドルへの影響がさらに不明瞭になると考えられる」とした。 反対に民主党が上下両院を制した場合には、「財政刺激の縮小見通しと、これに伴う成長期待の後退が見込まれるため、米国債利回りの低下が予想される。また、規制・税制政策の影響を受けやすいセクターの株価下落も見込まれる。特に、新たな薬価規制の可能性が高まるため、医薬品銘柄はアンダーパフォームするとみられる」とした。(岩切清司) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

国債「低ボラ」日本だけじゃない 金融政策、米でも手詰まり感

日本国債のボラティリティ(価格変動率)は限界的な水準まで低下したままだ。方向感に乏しい国債買い入れの減額・指し値オペ等の刺激によって跳ねあがる瞬間があっても持続性はない。 実は「低ボラ」は日本に限った話ではない。米国債の先行きボラティリティを示すメリルリンチMOVEインデックス(MOVE指数)も低い水準を保っている。ボラティリティが高まるきっかけとしては、突然の利上げ・利下げや予想外の利上げ見送りなど金融政策の不確実性が重要だ。米国債市場でも政策予見性が高まっていく局面ではボラティリティの低下基調が現れている。 日米における国債のボラティリティの低位安定は金融政策の手詰まり感を反映したものと考えられ、市場参加者にとっては収益チャンスの喪失を印象づけることになろう。(丹下智博) ■米国債と日本国債のボラティリティ ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米長期金利、引け前の急上昇 仕掛人はリスク・パリティ・ファンド

17日の米債券市場では長期債が売られ、10年物国債利回りは9日以来となる3.2%台に乗せた。16日に続き、17日も取引終了にかけて米長期金利は急上昇し、「リスクパリティ・ファンドによるボラティリティ調整のための売りが指摘されている」(ストラテジスト)という。 10日に米長期金利が上昇した際は株式市場が嫌気し、ダウ工業株30種平均が800ドル超の大幅下落となり、11日にも500ドル超の大幅な下げを記録した。今回も米株式市場の動向が気になるところだ。(丹下智博 、池谷信久)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

投機筋は引き続きドル高・米金利上昇シナリオ

12日の米国市場でドル指数(DXY)が4日ぶりに反発し、0.21%高の95.23で終えた。一時は94.95まで下げ、9月27日以来、半月ぶりの安値圏に下げたが米株が大幅反発する中でリスク・オフの展開が一服し、ドル安基調が一服した。 米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジションによれば、ドル指数のロングポジションは9日時点で3万7709枚のネットロングとなり、2017年5月2日以来、1年5カ月ぶりの高水準に達していた。米10年債のショートポジションは2週連続で縮小し、62万2422枚のネットショートとなっていたが、依然として過去最高水準で高止まりしていた。 米長期金利の上昇をきっかけに株安・ドル安が進んだが、今のところドル高・金利上昇を見込んだ投機筋のポジションは維持されているようだ。(片平正ニ) (QUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ロシアの米国債保有額が半減 トランプ流外交、金融にしっぺ返し

ロシアによる米国債の保有額が4月に急減した。米国との外交関係の悪化に伴う通貨ルーブルの急落により、ロシア政府が為替介入で自国通貨の防衛を迫られたためと市場参加者の多くはみている。トランプ米大統領の強圧外交が金融市場の不安定化を招き、米国の財政基盤や実体経済に跳ね返る自縄自縛の構図が浮き彫りになってきた。 米財務省の統計によればロシアの米国債保有額(長期債と短期債の合計)は4月が487億ドル(約5兆3000億円)と前月に比べ49%減少した。米国がロシアのアルミ大手ルサールへの経済制裁を打ち出すなど、2016年の米大統領選への介入疑惑やシリア問題を巡り米ロ関係が急速に悪化した時期と重なる。 米国の経済制裁への反発から米債売りに傾いたようにもみえるが、ロシア政府がルーブル買い・ドル売りの原資確保を目的に、主に米債で運用する外貨準備の一部を取り崩したのが現実のようだ。ルーブルは3月末に1ドル=57ルーブル近辺だったが、4月には一時65ルーブル前後に1割以上も下げた。 ※チャートは終値 3月末に2.7%台だった米10年物国債の利回り(長期金利)は4月下旬に3%の大台を突破(価格は下落)した。こうしたマネーの動きはトランプ氏の米国第一主義が巡り巡って米経済にダメージを与える経路を浮かび上がらせる。 財政拡大と保護主義を柱とするトランプ政策はもともと金利上昇を招きやすい。米金利の上昇は資金逃避懸念を抱える中国を中心に新興国通貨への売り圧力となる。それが新興国のドル売り・自国通貨買い介入に絡む米国債売りを呼び、米金利がさらに上昇する悪循環に陥りかねなくなっている。 米国債への売りがロシア以外の国に波及する兆しは今のところみられない。それでも、みずほ証券の岩城裕子チーフ外債ストラテジストは「新興国のドルの調達環境が緩和するとは考えにくく、注意が必要」と話していた。 【日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 永井洋一】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

米国債に回帰する生保 ヘッジコスト改善、6月FOMC後に潮目の変化

国内生命保険に米国債回帰の機運が高まっている。生保各社が為替変動リスクの回避(ヘッジ)目的で手掛ける円買い・ドル売りの先物予約や通貨オプションのコストはここにきて安定し、米長期金利は2.9%前後の高い水準にある。米10年~30年物国債の運用利回りはヘッジを付けても同じ期間の日本国債をだいぶ上回るようになってきた。国内の低金利環境は当分変わらないとみて、米債投資を再び積極化しようとする動きが出始めている。 米国で利上げが続いた2017年度、これまで外債の「主流」だった米国債投資には逆風が吹いていた。日米欧ともにドルの需給が引き締まり、国内の金融機関がドルを調達しようとすると、例年以上に高い上乗せ金利を求められた。ヘッジコストも上がり、日本より高い利回りが期待できるはずだった外債投資の魅力は半減。追い打ちをかけるように肝心の米長期金利も、米経済が金利上昇に耐えられないとの見方が広がったことでなかなか上がらなかった。 とれるリスクが限られる生保は、ヘッジなしでの運用を簡単には増やせない事情がある。一方、ヘッジをかければ目標とする利回りには到達できない。そんなジレンマの中、生保各社はヘッジ付きの欧州債や、リスクをとったオーストラリア(豪)ドル建て債券に傾いてきた。ただ、米長期金利の上昇によって生保各社を取り巻く環境が変わりつつある。 米長期金利の指標となる10年物国債利回りは17日、米国の利上げペースが速まるとの観測から、一時6年ぶりの高水準(価格は安い水準)となる3.12%を付けた。長期金利は将来の経済状況への思惑の影響を受けやすく、金利の引き上げ幅がインフレ抑制に不十分とみなされたり、財政懸念を増幅させたりすればより上昇する。短期金利は政策金利を織り込む形で緩やかに動くので、銀行や生保は現時点で長短金利差が広がった分を「利ざや」として稼げる。 メリルリンチ日本証券の大崎秀一金利ストラテジストは、「ヘッジを付けても米10年債投資の利回りは0.60%近い」と指摘する。日本の新発10年債が足元で0.040%、20年債は0.515%で推移しているので、ヘッジ付きの米10年債は日本の20年債よりも収益を上げられる。 明治安田生命の佐藤元彦運用企画部長は、今後の米債投資について「17年度に抑えた分を取り返す絶好のチャンス」と意気込む。そのうえで「4月以降、米金利の上昇に歩調を合わせて、米債を買い増している」と現状の買い入れ姿勢を説明する。生保のヘッジ外債は満期保有の比率が高く、購入後に相場が下落しても基本的には含み損を計上せずともよい。 明治安田が2月に発表した有価証券報告書によると、17年3月末に5兆9000億円程度あった外債への投資額は同年12月末までに5兆8000億円程度にまで減っていた。単純に考えれば1000億円程度、外債への投資余力がある計算になる。 ヘッジ比率の調整や償還前の売買を意識しているところにも積み増しのムードが出ている。富国生命の運用責任者は25日の決算報告で、「足元のドル高傾向が続くのか否か注視したい」と述べる一方、「米長期、超長期金利がこれ以上大きく上昇するとは想定していない」と語り、為替や債券価格の変動リスクをとった投資を活発化させる考えを示した。富国に限らず、18年度は米ドル建て債券の拡大に食指を動かす生保は多いようだ。 大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストは「6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは様子見の生保や銀行も米国の長短金利差が一定水準で落ち着くことを確かめられれば、本格的に米債投資に戻っておかしくない」と話していた。 【日経QUICKニュース(NQN)荒木望】 ※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

貿易摩擦と橋龍発言 米国債について回る「売りたい衝動」 

ある国と米国が通商問題で激しくやり合う局面になると、米国債を巡るこんな発言が登場する。 1997年6月23日、当時の橋本龍太郎首相が米コロンビア大学での講演のあとの質疑応答で、「米国債を売りたい衝動に駆られることがある」とジョーク交じりにコメントした。NYダウは192ドル下落、1987年のブラックマンデー以来の大幅な下げとなった。1985年のプラザ合意以降の急激な円高ドル安(260円から85円へ)が進むなかでの発言だったが、「もし売るようなことがあれば(米国への)宣戦布告とみなすと脅された」とささやかれた。米国が拡大する日本の対米貿易黒字に苛立ちを強め、円高誘導カードをちらつかせていたことなどが背景だった。 そして21年後。3月24日付の日本経済新聞は、中国の崔天凱・駐米大使が23日に米経済テレビのインタビューで米国による中国への関税制裁措置に対抗して「あらゆる選択肢を検討している」と米国債購入の減額に含みを持たせたと報じている。あの時の「橋龍発言」と重なる中国政府の「売りたい衝動」ともとれる。海外部門における米国債保有残高トップである中国の動向は米金利の不安定要因になる、とマーケットは身構えた。 中国の米国債保有残高は2016年、急激に減少した(グラフ赤)。その背景に、ドル高・人民元安の進行を和らげるための「為替介入」が挙げられる。米国債を売却して得たドルを原資として為替介入(ドル売り・人民元買い)を行ったと推察される。ただ、中国の外貨準備と米国債保有残高との間には正の相関があり、米国債残高を減らしすぎると自国通貨(人民元)に対する売り圧力が生じるというジレンマを抱えている。2017年における中国の米国債残高復元(購入)はペースは急角度だ。中国が米国債を売却するとき、次に備えるべきは、早期の米国債買いと米金利低下であろう。 他方、海外部門における公的機関の米国債保有残高は、2015年9月より減少に転じている。当時、12月FOMCでの利上げが確実視され、12月16日のFOMCでは9年半ぶりの利上げが実施された。FRBのゼロ金利政策解除により、緩やかなドル高基調(自国通貨安)を想定した各国中央銀行が多かったと推測される。海外公的機関の米国債保有残高が上昇に転じたのは2016年11月、 米大統領選でトランプ氏が勝利したときだ。トランプ大統領のドル安指向、通貨安競争への警戒感によるものであったのだろうか。 ただ、公的機関の米国債買い(グラフ青)は緩やかな減少基調を継続したままで、代わって米国債の保有残高が伸びているのは民間部門(グラフ緑)だ。金利上昇を待ちわびた生保等の最終投資家が、じわりと保有残高を積み上げ始めていると考えられよう。(丹下智博) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

中国、過去数週間で米国債の買い入れを停止か

先週、トランプ大統領が中国に対して1000億㌦規模の製品に関して追加関税を検討するよう米通商代表部(USTR)に指示したことを受け、米中の貿易紛争が警戒されている。スティーブン・ムニューシン財務長官は6日、米経済専門チャンネルのCNBCのインタビューで「貿易紛争になる可能性はある」との見解を示した。 SGHマクロ・アドバイザーズは6日付のリポートで「一見したところ過去数週間、中国は米国債の買い入れを停止したようだ」と指摘した。リポートでは「中国の当局者らはいまだに人民元が相対的に高いと判断しており、幅広くリーズナブルな水準になるべきだと思っている」としながら、「米国との二国間貿易交渉が決着した場合、今年は緩やかに上昇し続けかねない」と人民元相場に上昇圧力が掛かりかねないと警戒してみているとのこと。QUICK FactSet Workstationによれば1月末時点の中国の米国債保有額は1兆1628億㌦で昨年10月末から減少傾向にあり、米中の貿易協議が早期妥結しなければ中国による米国債売りが警戒されそうだ。 中国の米国債保有額と米10年債利回りの推移(QUICK FactSet Workstationより) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米長期金利、なぜ上がる④ 緩む需給 海外勢も米国債離れか

2015年12月16日、米連邦準備理事会(FRB)は政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を年0~0.25%から0.25~0.50%に引き上げ、リーマン・ショックを受け導入した実質的なゼロ金利政策を7年ぶりに解除した。 中国の景気減速懸念や原油安、英国のEU離脱問題(Brexit)により、その後の追加利上げは2016年12月のFOMCまで先送りされたが、その際、同時に発表した政策見通しは2017年中に3回の利上げを示唆する内容だった。 FRBの想定通り、2017年は3回の利上げを実施。その間、政策金利の影響を受けやすい短期金利は上昇したものの、長期金利は上がらずに、ほぼ横ばいで推移した。これは「☆米金利はなぜ上がるのか②」で述べた「期待インフレ率の低さ」が根底にあるが、米国債市場の需給に支えられていた面も大きい。 ※米国の長短金利(10年、2年)と政策金利(QUICK FactSet Workstationより) FRBは2008年の金融危機に対応して、政策金利の引き下げとともに、米国債などを大量に買い上げる量的緩和を開始した。量的緩和策は第3弾まで行われ、2014年10月末の終了までに、FRBの保有資産(バランスシート)は4兆5千億ドルまで膨らんだ。 量的緩和は債券の需給を引き締め金利低下圧力になるとともに、市場に大量の流動性を供給する効果がある。量的緩和を終了した後も、この効果が減らない様、満期を迎えた債券を同額再投資することで、資産規模を維持してきた。 ※FRBのバランスシート(QUICK FactSet Workstationより)   ECBは2014年6月にマイナス金利政策、2015年1月には量的緩和の導入を決定した。ドイツの短中期の金利はマイナス圏に沈み、2016年には10年金利もマイナスに転じる場面があった。低金利で行き場を失った資金は、相対的に金利が高い米国へ向かった。  日本でも日銀の大規模な金融緩和策を受け、投資家は米債投資を拡大させた。日米欧の大規模金融緩和がグローバルな低金利と過剰流動性を生み、米長期金利の上昇を抑える一因になった。 ※米金利(10年)と独金利(10年、5年、2年、QUICK FactSet Workstationより) 2016年12月、ECBは量的金融緩和の規模縮小を決定(2017年4月開始)。2017年10月にもさらなる縮小を決めた(2018年1月開始)。FRBも2017年9月のFOMCでバランスシートの縮小を決定した(10月開始)。 欧米中銀が流動性の回収に動き出したことで、グローバルな債券市場の需給は緩みやすくなる。また、日欧の金利が上昇すれば、米債にシフトしていた資金は逆流し始める。2018年に入り、米金利の上昇は加速した。 通常、米金利上昇はドル高要因となるが、2018年以降の両者の関係は逆転した。ドル安の背景には、トランプ政権の「ドル安政策」や「米国のインフレ加速」に対する警戒感があるとみられるが、海外の投資家が米債を売却していることも影響していると言われている。米債を売った資金が自国通貨に向かったとすれば、両者の動きにつじつまが合う。 米国債の多くは日本や中国をはじめとした、海外勢が保有している。ドル安が続けば保有する債券の価値は下がる。米債投資が減り、米金利は一段と上昇する可能性もある。 ※米10年金利とドル円相場 (QUICK FactSet Workstationより)   トランプ政権は、ほぼ完全雇用のなかで大型減税やインフラ投資を進めている。これは財政赤字拡大とともに、景気過熱によるインフレ圧力をもたらす。需給悪化とインフレ懸念が強まれば、長期金利は急騰しかねない。 好景気のなかでのインフレに対し、中央銀行が適切な金融引き締めを行えば、イールドカーブはベアフラット化(金利が上昇しながら利回り曲線は平たん化)し、長期金利の上昇幅は小さくなる。過度な長期金利の上昇観測が収まれば、投資家も安心して債券を買うことができ、米金利の上昇には一服感が出よう。 今後の長期金利動向は、やはりパウエル新議長率いるFRBの舵取り次第とも言える。 (終わり) ▼関連記事 米長期金利、なぜ上がる① 30年の低下局面に幕引き、大転換期に突入も 米長期金利、なぜ上がる② 原油と賃金にインフレの芽 米長期金利、なぜ上がる③ パウエル新FRB議長の手腕読めず ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。 ※QUICKデリバティブズコメントでは2月19日から、QUICK端末上のナレッジ特設サイトで「US Dashboard」のサービスを始めました。米国の長・短期金利スプレッド、期待インフレ率、VIXなど投資家・市場参加者が日々チェックするデータをチャート形式で一覧できます。米経済・市場の変化を見極めるツールとしてご利用いただけます。

米2年債利回り、10年ぶり高水準 長短金利差縮小

20日の米債券市場で2年物米国債利回りが上昇して2.20%を突破、2008年9月以来およそ10年ぶりの高水準に達した。この日は同年限で入札が実施された。中期ゾーンの入札も控え、需給への警戒がくすぶっている。 10年債利回りより2年債利回りの上昇幅が大きかったため、長短金利スプレッドは縮小。最近までの拡大基調に一服感が漂い始めた。短期金利が長期金利を上回る逆イールドへと向かうか関心を集めている。長短金利が逆転すると過去の経験則から景気後退が意識されやすい。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。 ※QUICKデリバティブズコメントでは2月19日から、QUICK端末上のナレッジ特設サイトで「US Dashboard」のサービスを始めました。米国の長・短期金利スプレッド、期待インフレ率、VIXなど投資家・市場参加者が日々チェックするデータをチャート形式で一覧できます。米経済・市場の変化を見極めるツールとしてご利用いただけます。

リスクオンで進む円高の謎 日本勢の米債売りも要因か

米株が堅調な一方でドル安・円高基調が続き、ドルインデックスも弱含んでいる。シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは19日付のリポートで「為替市場では従来とは異なり、先週末は対ユーロなどで米ドル買いが優勢となった。つまり、リスクオンの米ドル安にならなかったということだ」と指摘した。 高島氏は「加ドルや豪ドルなど資源国通貨も対米ドルで売られた」としながら、「興味深いのはこの間、ブラジルレアルやトルコリラ、南アランドなど新興国通貨は堅調を維持したことだ」と強調。ドルに対して豪ドルや加ドルが売られた一方、ブラジルレアルや南アランドなどが買われた点を踏まえ、「同じ方向に動くことが多い資源国通貨と新興国通貨との間にダイバージェンスが生じた」として、「リスク選好の改善が新興国通貨を下支えした」と分析した。 「こうしたリスク選好回復時には主要国通貨の中ではアンダーパフォームするはずの円が足もとで買われている」ことが論点になっているが、この点については「欧州通貨間ではスイスフランが対ユーロや対英ポンドで底堅さを増してきた。これは経常黒字国通貨高と言うよりは、買いにくくなってきたユーロなどから出遅れ気味だった円やスイスに買い持ち高をシフトする動きだろう」と見る。 「ドル売り相場が変調をきたし始めた兆しにも見える」として、リスクオンの相場環境で円高が進む「謎」は解消される可能性を示唆していた。   ▼日本の米国債売りもドル安に寄与? 一方、円高の背景に日本の機関投資家の存在をかぎ取る向きもいる。JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏は19日付のリポートで「財務省対内対外証券投資の週次データによると、本邦投資家は先々週まで2週連続で外債を売り越した。先々週の売り越し額は9732億円となり、昨年10月末以来の高水準となった。また先々週までの2週間の売り越し額は1.8兆円と多額になった」と指摘。「本邦投資家の為替ヘッジなしの米国債の売りが最近の米国債金利の上昇とドル安に一部寄与している可能性もある」という。 半面、「このまま年末に向けて円高基調が続くとも考えられず、一旦落ち着いたところで、再び本邦企業・投資家による対外投資活発化などで、USD/JPY(ドル円)は反発すると予想する」と指摘。今後の展開として、米債が買われればドル円が上昇する可能性があると見込んでいた。 ※QUICK FactSet Workstationより   ▼6%の減益要因の可能性も エコノミストの間では、実体経済に与える円高の影響を懸念する見方も浮上している。SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは19日付で「円高が経済、賃金、収益へ及ぼす影響は無視できない」とのレポートを公表した。 丸山氏は「内閣府の2015年計量モデルによると、為替レートを継続的に5%増価させた場合、1年目の影響は僅かだが、実質GDPは2年目に約0.2%、3年目も約 0.2%押し下げられる。同様に、個人消費支出デフレーターは 1年目に0.1%、2年目も0.1%、3年目に0.2%押し下げられる。東証株価指数は 1 年目に影響がなく、2年目に0.2%、3年目に 0.1%押し下げられる。個人消費支出デフレーターは、概ねCPIとして読み替えられるため、2%インフレ目標を目指す2期目の黒田日銀にとって、一定の逆風が吹く格好」との見方を示した。 さらに「期待インフレ率が冷やされる点も問題だろう。一人当たり俸給・賃金への影響が大きいかも知れない。内閣府モデルでは 1 年目に 0.2%、2 年目に 0.4%、3 年目に 0.5%の下押しである。為替相場の減価の場合の押し上げと異なり、増価の場合には、賃金自体の特性から下押しの影響が多少マイルドになる可能性はある。ただ、賞与で報いる最近の傾向を踏まえると、逆も指摘できるだろう。14年度の賞与は大幅に増額されたが、その後、円高が響き製造業を中心に企業収益が下押しされたため、15年度の賞与は減額され、16年度も低い伸びにとどまったことは記憶に新しいだろう。加えて、多少なりとも所定内給与の引上げに対して前向きとなっている企業認識に、足元の円高が水を注してしまうリスクも指摘できる」という。 「現時点で2018 年度の収益への影響を推し量る上では、過去の3月短観における翌年度の為替相場想定と利益率の関係が参考になるだろう。05年3月調査から 17年3月調査までを用いて分析すると、想定ドル円相場が5円円高へ振れると、大企業製造業の利益率は0.3%ポイント下押しされる。最新の売上高データに基づくと、これは7084億円の経常利益の減額要因だ。なお、倍の10円の円高では利益率が0.8%ポイント 下押しされ、1兆9252億円の経常減益要因となる。1円の円高では減益にならず 2650 億円の増益、企業想定通りの為替相場では5083億円の増益である。これは前年度末時点で、企業が保守的な相場想定や収益想定を翌年度に関して示すためだ。利益の上振れ下振れに関しては、発射台をどこに設定するかが難しい。企業の保守的な利益計画スタンスまで勘案すれば▲1.2 兆円(5083 億円の増益から7084 億円の減益への変化)、前年度比▲6.2%の減益ファクターに相当する。円高による悪影響は致命的ではないが、やはり無視できない」としていた。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

中国の米国債売却懸念、ひとまず杞憂に? 11月の保有額は前月比ほぼ横ばい

米財務省が17日、11月の対米証券投資動向を発表した。11月時点の中国が保有する米国債は1兆1766億ドルとなり、前月から126億ドル(約1兆4023億円)減った。規模的には7月(1兆1660億ドル)以来、4カ月ぶりの低水準となるが、全体の規模感で言えばほぼ横ばいだった。 中国の米国債保有額(青)と人民元相場(緑)の推移 (QUICK FactSet Workstationより作成) 今月10日、米ブルームバーグが「中国の外貨準備に携わる政府高官が米国債の購入の減額や停止を提案している」と伝えた一方、ロイターが11日、「中国が米国債の購入減額を検討しているとの報道は間違った情報に基づくもの」と同報道を否定する中国当局の見解を報道。直近の中国の米国債保有状況が注目されていた。 統計発表に先立ち、シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは17日付のリポートで「昨日、トランプ米大統領と習主席が貿易問題で電話会談。機を見計らったかのように、中国の格付会社(大公国際資信評估)が米国債をA-からBBB+へ格下げし、見通しをネガティブと発表した。米国の貿易制裁が発表されるとの見方が強まる中、中国が米債投資を削減するという先週の報道を裏づけるような動きだった」と指摘。米中の間で、通商紛争の前哨戦が始まっているのでは無いかとの見解を示していた。 足もとで人民元はドルに対して強含む傾向にある。為替市場でドルが全面安となる状況下、人民元に対してもドルは弱含む傾向にあり、中国当局としては過度に元高・ドル安が進まないようドル買い・元売りの介入を行う必要がある。中国が米国債を売却かとの報道が出たとはいえ、ドル買い介入をやめることにも繋がりかねない米債売りは簡単にできるものではない。ひとまず、統計の数字からは中国が米国債を売っているのではないかとの疑念はひとまず杞憂に終わった格好だが、12月以降の数字も念のため注意した方が良さそうだ。 (QUICKデリバティブズコメント) ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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