学生投資連合×金融庁 「つみップ」参戦、質問攻めに

サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本が初戦を迎えた19日夜、多くの人が応援のために街に繰り出し始めた時間帯に、金融庁の会議室にカジュアルな服装の若者が集まった。金融庁が積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)普及の一環で開いている個人投資家向け意見交換会「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)に参加するためだ。 参加者は主に首都圏の大学の投資サークルで活動している約50人。理念に「学生と金融をつなげ、学生の金融リテラシーを高める」を掲げて、全国の投資サークルの取りまとめ役である「学生投資連合USIC(Union Students Investment Clubs)」が所属メンバーに声をかける形で実現した。 参加申込者の内訳は大学1~2年生が約7割で、3年生が約2割、残りが4年生と大学院生だった。ゲストとして、投信ブロガー「虫とり小僧」さんらも加わった。 ■「さあ、皆さんはどう思いますか?」に率直な質問が次々と 冒頭で金融庁の「つみップ」担当者が「つみたてNISA」を制度化した背景や個人にとってのメリットなどを解説。参加者が大学生ということで、金融庁の生い立ちや役割などの概略も説明した。 担当者からの「さあ、皆さんはどう思いますか?」という問いかけをきっかけに、大学生が次々と手を挙げ、率直な疑問や質問をぶつけた。 【大学生の疑問・質問】 ・成人年齢の引き下げが決まったので、親の同意無しに投資できる年齢も下がると想定される中で、学校での早い段階の投資教育が重要になると思うがどう考えるか。 ・投資信託の販売手数料が(欧米などと比べて)高止まりしているのはそもそもなぜか。 ・楽天ポイントで投資できるようだが、現状を知りたい。ポイント投資によって個人の金融資産を構成する現預金と株式・投信の割合はどう変わるのか。 ・手数料が高いというラップ口座についてどう考えているか。 ・つみたてNISAで長期に儲かる確率が高いのは分かったが、損するリスクはないのか。     ■多くは仮想通貨に関心、女性は「長期志向」との声も 投資サークルに入っていることもあり、多くは短期の個別株投資や仮想通貨への関心が高いものの、つみたてNISAへの関心はまだ低いようだった。つみたてNISAは成人にならないと始められないのを知らない学生も多かった。大学生が毎月一定額を投資するのは難しい事情もある。虫とり小僧さんは「話しかけてくる学生のほとんどが仮想通貨のことを聞いてきた」と話していた。  参加者はつみたてNISAに関心があったからというよりは、「一度、金融庁に来てみたかった。懇親会でゲストの方々と話をしてみたかった」という動機も多かったようだ。「金融庁のビルは格式が高く立派。入るのに少しドキドキ緊張したが、みんなと一緒なので大丈夫だった」という声が聞かれた。  投資サークルとは別に参加した女子大学生は「リスクをとっても起業(スタートアップ)にはとても関心があるが、投資で短期に儲けようとは思わない。つみたてNISAにも興味がある。女性の方が長期志向だからかもしれない」と話していた。  今回集まったのは既に株式や仮想通貨投資の経験があるか、または関心がある大学生だ。今後は「投資は怖い」と思うような若年層に資産形成をどう根付かせていくのかも課題になる。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

「野村インド債券ファンド(毎月)」が分配金を50円に減額 過去最低に並ぶ

野村アセットマネジメントが運用する「野村インド債券ファンド(毎月分配型)」(0131611B)は13日の決算で、1万口あたりの分配金を前月の半分の50円に引き下げた。減額は2016年12月以来1年6カ月ぶり。12年3月(50円)以来の低水準で、11年11月末に設定してからの最低と並んだ。 同ファンドは主にインドルピー建ての公社債などに投資する。5月末時点の組み入れ債券の平均格付けはトリプルBで、1年リターン(分配金再投資ベース)はマイナス3.85%だった。 野村アセットマネジメントは分配金を引き下げた理由について、今年に入って基準価額が下落基調となっていることを挙げた。対円でのインドルピーの下落に加え、インドの債券相場が軟調に推移したことが背景にある。 ◇野村アセットマネジメントの発表資料 「野村インド債券ファンド(毎月分配型)2018年6月13日決算の分配金について」 (QUICK資産運用研究所)

「ブラジル・ボンド・オープン (毎月)」と組み合わせに適した投信は?  「相関係数」活用術

いま保有している投資信託と組み合わせて別の投信を購入したいが、何を選べばいいか分からない――。そんなときに参考になるのが「相関係数」だ。 米国の長期金利の上昇などを背景に不安定な値動きが続く「新興国債券型」との組み合わせに適した投信を探してみる。通貨レアルの下落で運用悪化が目立つブラジル関連で残高が最大の「ブラジル・ボンド・オープン(毎月決算型)」(0431508B)は過去1年間のリターン(分配金再投資ベース)がマイナス5.69%と、既に保有している投資家にとっては心配な運用成績だ。 そこで、分散投資効果のより高いファンドと組み合わせてみる。まずは値動きの相関が薄い「MHAM J-REIT インデックスファンド(毎月決算型)」(4731403A)との相性を検証する。国内の不動産投資信託(REIT)に投資する「国内REIT型」は、「新興国債券型」との1年間の相関係数(日次データで算出)が0.12と低い。 両ファンドに50%ずつの割合で投資した「合成」の1年間のリターン(分配金再投資ベース)はマイナス1.87%。「ブラジル・ボンド・OP (毎月)」だけに投資した場合と、「MHAM J-REIT インデックスF (毎月)」だけに投資した場合のプラス1.96%の中間だった。 価格変動を示す1年間のリスク(標準偏差)は「ブラジル・ボンド・OP (毎月)」だけに投資した場合が13.32%で、「MHAM J-REIT インデックスF (毎月)」は10.24%。2つの投信の平均を単純に計算すると11.78%になるが、実際にこの組み合わせで同額ずつ投資した「合成」のリスクは8.74%と、3.04ポイント低くなる(図1参照)。この差が相関係数の活用によって得られるリスク低減の効果だ。 <QUICKの情報端末「Qr1」を使って簡単に比較> 次に比較的近い値動きをする「グローバル債券(先進・新興複合)型」の「世界のサイフ」(0231106C)との組み合わせを確認してみる。「新興国債券型」と「グローバル債券(先進・新興複合)型」の相関係数は0.93と高い。 「合成」のリターンはマイナス3.39%で、「ブラジル・ボンド・OP (毎月)」と「世界のサイフ」の中間の値になった。「合成」のリスクは8.70%で、2つの投信の平均(9.79%)を1.09ポイント下回る(図2参照)が、低減効果は「新興国債券型」と「国内REIT型」の組み合わせより小さい。 このようにリターンはどちらの組み合わせでも2つの投信の平均になる一方、リスクの低減効果は相関が低い組み合わせのほうが大きくなる。複数の投信に投資して分散効果を上げるには、値動きの相関が低い投信の組み合わせが有効と言える。   (QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

大和投信「ワールド・フィンテック革命ファンド」、当初設定額が総額200億円超す

大和証券投資信託委託が11日に設定した「ワールド・フィンテック革命ファンド」は、為替ヘッジありとなしの2本で当初設定額が200億円を超えた。ヘッジなし(04315186)に約166億円、ヘッジあり(04314186)に約38億円の資金が集まった。 投資対象は日本を含む世界の株式のうち、金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」に関連する銘柄。大和証券1社で販売する。 為替ヘッジなしコースの当初設定額は、今年に入って新規設定された国内公募の投資信託(追加型と単位型)で6番目に多い。ヘッジありも上位20本に入った。 (QUICK資産運用研究所)

米ブラックロック、日本企業とも精力的に対話 「ESGへの取り組み」重視 

米資産運用大手のブラックロック。「iシェアーズ」シリーズという上場投資信託(ETF)を手掛ける運用会社として日本の個人投資家にも知られているが、同時に名だたる日本企業の大株主でもある。長期保有の機関投資家として、上場企業との目的を持った建設的な対話(エンゲージメント)活動を精力的にこなしている。2017年度(17年4月~18年3月)に経営幹部との話し合いの場を持った日本企業229社の株式時価総額を合計すると、東証1部の約半分に達したという。 ■ESG情報と財務情報、補完し合って効果発揮 同社の対話は「企業のESG(環境・社会・企業統治)への取り組み状況を確認するのが重要」(日本法人であるブラックロック・ジャパンの江良明嗣インベストメント・スチュワードシップ部長)というスタンスだ。気候変動が経済活動に及ぼす影響が大きくなると同時に、企業が短期経営主義(ショート・ターミズム)に陥らず持続的に成長するには、企業のESGへの積極的な対応が欠かせないという認識が世界的に高まっているためだ。 一方で「ESGという言葉は曖昧で色々な解釈ができる」(江良氏)ため、独自の視点で企業のESG要因を見極め、企業価値評価に活用している。例えば、企業の長期的な価値を評価するうえで競合他社との差別化要因やその持続性を調査するが、ESG要因となる非財務情報だけでは不十分で、従来の基本的な財務分析を補完する形で初めてESG情報が有効になると考えている。 ■ESG評価と財務評価の溝は「対話」で見極め 江良氏は「企業のESG要因はESG評価機関が付与している格付けなどのデータを使って分析することが多いが、同じ企業に対する評価が複数の評価機関で違っていたり、評価時点が1年前など最新の企業活動を反映していなかったりする場合も少なくない」と指摘する。評価機関によるESG評価は、財務分析も踏まえた同社の評価とかい離が大きい場合もある。 企業との対話ではESG情報の特性を有効活用し、ESGと財務評価のギャップ(溝)を経営状況を見極めるヒントにしている。同社は指数に連動する成績を目指すパッシブ運用を得意とするが、「指数(市場平均)との連動性を低運用コストで維持するのが運用目標のため、運用戦略の一環として指数を構成する企業とのエンゲージメントが必要になると必ずしも言えない部分もある」(江良氏)。パッシブ運用では株式の売却に制約がかかることによって保有期間が長期化するため、長期投資家の観点から株式市場全体の底上げを図る重要性を認識し、対話しているようだ。 ■個人にもESG重視の視点 米国ではミレニアル世代(1980年代から2000年頃までに生まれた主に35歳以下)の若い世代や女性のESGへの関心は他の世代や男性よりも高いという調査データがあり、江良氏は「日本でも企業経営者から『国連が定めたSDGs(持続可能な開発目標)』に熱心なことで人材をひきつけやすくなってきた」という話を耳にするという。 長期投資に対する考え方や投信への意見、パフォーマンスなどを積極的にネット発信している投信ブロガーと呼ばれる人々の間でも、全国各地で様々な事業活動を応援するクラウドファンディング(一般から小口資金を募集)型のマイクロ投資ファンドや、インターネット経由で個人が企業に融資するソーシャルレンディングといった社会貢献型の金融商品を購入する動きもみられる。個人の間でも「ESG」への意識が高まっているだけに、運用会社にはESG視点での商品開発や運用が一段と求められそうだ。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

ラップ口座残高、8兆円に迫る 過去最高を更新・3月末

日本投資顧問業協会が6日に発表した「契約資産状況」によると、投資家が金融機関に運用を一任する「ラップ口座」の残高が2018年3月末時点で過去最高の7兆9843億円になった。17年12月末と比べ984億円増え、8兆円に接近した。ただ、株安などで運用成績が振るわず、伸びは1.2%にとどまった。四半期ベースでは16年6月末(0.3%減)以来の低水準。 契約件数も71万6614件と、過去最高を更新した。17年12月末から5万件以上増え、増加ペースが加速した。 (QUICK資産運用研究所)

「為替ヘッジあり」投信、コスト上昇に要注意   

米国の10年物国債利回りが3%前後まで上昇するなどドル金利の魅力が高まる一方、為替差損を回避(ヘッジ)するためのコストが跳ね上がっている。日米の金利差が拡大しているからだ。海外の資産で運用する投資信託を保有している人、これから購入を検討している人は注意が必要だ。 QUICK資産運用研究所の試算によると、米ドルの為替ヘッジコストは足元で2.5%程度(図表1)まで急上昇している。米連邦準備理事会(FRB)が事実上のゼロ金利政策を続けていた2015年12月頃まで1%以下で推移していたが、利上げに転じた後はじわじわコスト高が進んでいる。 為替ヘッジは、先物予約などを活用して為替変動による運用成績の悪化を防ぐのが目的だ。為替変動リスクを抑える代わりに、その分のコストがかかる。為替ヘッジコストは理論上、通貨間の短期金利差で決まり、通貨それぞれの需給要因も影響する。日銀のマイナス金利政策が続く一方で、FRBの段階的な利上げによって日米金利差が拡大し、米ドルの為替ヘッジコストが上昇傾向にある。 為替ヘッジコストが安かった時期には、為替変動リスクを抑えながら相対的に利回りの高い海外債券で運用する投信が安定運用志向の強い投資家の人気を集めた。そのころにヘッジ付きの外債投信を購入した人は、改めて投信の為替ヘッジコストや通貨構成比率などを確認したい。 こうした情報は、運用会社が毎月発行する運用レポート(月報)などに掲載されていることが多い。主に債券で運用するファンドの場合は、最終利回りも併せて確かめたい。最終利回りが為替ヘッジコストと信託報酬の合計よりも低いと、運用損が生じる可能性が高いので気を付けたい。 例えば、為替ヘッジをしながら主に米国の国債で運用するファンドがあるとする。現在の米10年債利回りは3%程度。ここから為替ヘッジのコスト(2.5%)と信託報酬(1%程度と仮定)を単純に差し引くと、運用益は0.5%のマイナスになる。 海外資産で運用する投信は、「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」のコースを選べるケースが多い。どちらを選択すべきか悩むひとのために、為替ヘッジのメリットとデメリットを簡単にまとめた(図表2)。 「ヘッジあり」は値動き(変動率)が相対的に小さくなるが、為替ヘッジのためのコストがかかり、リターンのマイナス要因になる。特に円より金利が高く、金利差が大きい通貨ほどコストが高くなる傾向があるので注意が必要だ。需給要因などでヘッジコストがマイナスになり、「為替ヘッジプレミアム」を獲得できる場合もある。また、ヘッジ付きの運用は円高局面で為替差損を抑えられる半面、円安局面では為替差益を享受できない。 一方、「ヘッジなし」は値動きが相対的に高くなる。為替変動がそのままファンドの値動きに反映されるためだ。ヘッジなしで海外資産に投資する場合、為替要因も含めてリスクが自分の許容範囲に収まっているか確認しておく必要がある。また、ヘッジしないと円安局面で為替差益を得られるが、円高が進むと損失が広がるリスクがある。 北米の投資適格債券で運用する外債投信について、為替ヘッジありとなしの平均的な値動きをみると(図3)、「ヘッジあり」は変動が小さくなだらかだ。一方、「ヘッジなし」は米ドルに対する円相場に連動する形で値動きの振れが大きいことが分かる。 ヘッジありとなしのどちらを選ぶかは、自分が円高局面の損失リスクに耐えられるかどうかに加え、今後の相場見通しもポイントになる。今後の円安基調を見込むなら「ヘッジなし」、反対に円高基調を予想する場合はヘッジコストの水準に注意しながら「ヘッジあり」が候補になる(図表4)。 ただし、為替相場の先行きを予測するのは専門家でも難しい。どうなるか分からない場合は「ヘッジあり」と「ヘッジなし」の両方を組み合わせて保有したり、一括購入せず積み立てで買ったりするといったやり方もある。ファンドによっては部分的にヘッジしたり、為替水準に応じてヘッジするかどうかを判断したりするタイプもある。 為替相場だけでなく、為替ヘッジコストも常に変動する。購入後は運用会社の運用レポート(月報)やマーケットレポートなどを定期的に確認することも重要だ。 (QUICK資産運用研究所 石井輝尚)

アセマネOne「投資のソムリエ」、残高が初めて1000億円台に

アセットマネジメントOneが運用する「投資のソムリエ」(4731312A)の純資産総額(残高)が初めて1000億円に到達した。4日の残高は1001億円。 複数の資産に分散投資するバランス型で、投資環境の変化に応じて資産配分比率を変える。価格変動リスクを年率4%に抑えつつ、安定的な成長を目指す。4月末時点で国内債券と為替ヘッジ先進国債券の「安定資産」が51.6%、新興国債券や内外株式、不動産投資信託(REIT)の「リスク性資産」が39.2%、残り9.2%が現金などとなっている。 価格変動リスクを示す設定来の標準偏差は5月末時点で年率3.17%、騰落率は15.0%(いずれも分配金再投資ベース)だった。全国の地方銀行やネット証券など幅広い販売網があり、2016年後半から資金流入が続いている。 ※「投資のソムリエ」のファンド通信はこちら (QUICK資産運用研究所)

家族そろって「つみップ」 金融庁が都内で「ママ部」開催

金融庁が2日午後に都内で開いた「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)の「mama(ママ)部」は、家族連れを含む約30人の女性が参加した。今回は「経済に強いママを増やす会」と組み、新人ママ向けのイベントとして参加者を募った。 つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)に関する個人との意見交換会。昨年4月から開始し、これまで女性を対象とした「女子部」は3回、「mama部」は名古屋で1回開催していた。 ■家族連れで参加、立ったまま赤ちゃんをあやすママも 東京証券取引所の協力のもと、会場は東京証券会館(東京・中央)内のカフェと、東京開催では定番である金融庁の会議室を飛び出した。集まったママは、30代が4割弱、40代が4割強。ママに連れられた夫、赤ちゃんを含む子供十数人も参加した。家族で参加した投資経験8年の女性会社員は「夫につみたてNISAの良さを知ってほしい」と話していた。 泣きやまぬ赤ちゃんの声が場に溶け込んで自然と気にならないアットホームな雰囲気に包まれて進行。立ったまま赤ちゃんを抱っこし、あやしながら耳を傾けるママの姿も見られた。 川元氏(経済に強いママを増やす会) ■先輩ママから説得力あるアドバイス イベントの冒頭では、金融庁のつみップ担当職員が「今なぜ、つみたてNISAなのか」をテーマに制度の背景と狙いを説明。続いて、経済に強いママを増やす会を主宰する川元由喜子氏が「貯蓄と投資はどう違うの?」と題して講演した。 日本株ファンドの運用経験を持つ川元氏は「日本経済がデフレ期にあった過去の長い期間に、個人が現預金を保有したままだったのは間違った選択ではなかった。ただ、これから日本経済が長い目で見て成長するとみるならば、日本株市場全体に投資したほうが良い」と説いた。 また「株式投資は上がったり下がったりする紙切れを売買するイメージを持たれやすいが、ちゃんと実態が伴っている。会社の設備投資など経営活動に回り、会社の利益の増減が株式の価値に反映される」という点を企業のバランスシートの図と照らし合わせて解説した。 最後に、独立系ファイナンシャルプランナー(FP)の岩城みずほ氏は「誰でも始められる資産運用の方法」として「お金の人生設計」を「6つのステップ」に分けて考える方法を紹介した。投資商品や金融機関の決定は最後の最後で、まずは「人生設計の基本公式」を参考にするなどして、老後に必要となる毎月の積み立て額やリスク資産をいくら保有するかを決めるのが先と説明した。 岩城氏は老後の生活に備える以前の問題として、住宅ローンの支払いや教育費の工面の苦労があり、自身の体験からも「教育費は本当に大変。子供が進路を変更し当初の想定通りにはいかないことも」と早めの計画的な準備の大切さを強調した。 ■積極的な質疑応答が展開 少し遠慮ぎみに始まった質疑応答も、1人目が口火を切ると、積極的な質疑応答が展開された。概要は下記の通り。 岩城氏(ファイナンシャルプランナー) Q:「出口や20年後から先はどうしたらいいのか」 A:「いつ止めるかの出口をあまり考える必要はなく、淡々と積み立てていき、必要な時に必要な額を解約するのでいい。値下がりしていて解約したくなければ、現金から必要資金を充てるのでもいい。20年後も課税口座で積み立てを続けるのは可能」(岩城氏) 「『国民の資産形成になくてはならない制度』という声が高まれば、非課税期間の制約が撤廃され恒久化する可能性もある。英国がそうだった」(金融庁職員) Q:「ジュニアNISAの活用方法は」 A:「夫婦そろって『つみたてNISA』を満額活用することをまずは優先し、それでも余裕資金があれば『ジュニアNISA』を活用するという考え方でいいのでは。子供への投資教育を念頭に少額で『ジュニアNISA』を活用する使い道もある」(金融庁職員の個人的意見) 子供が成長した時に「長期・分散・積み立て投資」の成果を体感してもらうために、生きた投資教育の教材として「ジュニアNISA」を少額で使うというのは、子供思いのママの知恵かもしれない。子供2人と一緒に参加していた投資ブロガーの「アキウマレ」さんもそうした少額投資実践者の一人で、「3人の子それぞれの名義の『ジュニアNISA』で、毎月5千円ずつ積み立てしている」という。 ■夫からも質問の挙手 Q:「どのようなタイミングで投資内容を見直したらよいか」 A:「内外の株式・債券の4資産に分散投資するのが基本とされるが、国内債券型ファンドに関しては、今の金融緩和による低金利状態では運用コストを払ってまで投資する価値が乏しいのが一例」(岩城氏) A:「運用成績が良くないから見直すというのは間違いで、自分がとれるリスクを超えた時に資産配分を調整しリスクを抑えるのが正しい。最悪の場合、3割くらいは損することを覚悟し、2割くらいまで下がっても驚かず、慌てないのが大事。そこで売ってしまったら損が確定するが、長期には上昇し回復する可能性が高い」(金融庁職員の個人的見解) 「株価や投資信託の価格を毎日見る必要はない。値段を毎日チェックすると誤った判断につながりやすい」(川元氏) 質問の挙手は同行した夫からも上がった。 Q:「岩城氏のいう『お金の運用方法は誰でも同じ』には大いに共感する。低コスト化のおかげで運用コストの差が小さくなっている『つみたてNISA対象ファンド』の中で、最も効率的な運用をするにはどのような点に注目したらいいか」 A:「目論見書の運用方針や運用残高の伸びなどを自分でチェックして、自己責任で運用するのが大事」(岩城氏) ■つみたてNISA、7割が投信を初めて購入 金融庁職員によると、一般NISAの口座数は退職金などまとまった資金を持つ60歳以上の高齢層が半数以上。これに対して、つみたてNISAの口座開設者の85%が50歳代以下の現役世代でしかも、全体の約7割が初めて投信を購入したという。 投資初心者がつみたてNISAに向ける関心度合いは高い。つみップ参加者の投資経験もそれを裏付ける。今回の「mama部」は「投資経験なし」が全体の4割を占めた。5月に広島、福岡、姫路、大阪(女子部)で開催したつみップでは、「投資経験なし」が申し込み者のそれぞれ24%、12%、61%、34%だった。 「mama部」の参加者には「将来の教育費を工面」するうえでの「つみたてNISA」の活用が響いたようだ。2歳の子供を持つ女性は「教育費を準備するために学資保険に入っているので参考になった」という。別の女性は「一般NISAで投資しているが今年5年の非課税満期を迎える。高校生の子の学費はその収益を充てることになりそうだが、その後はどうするか思案中」と話していた。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

投資「少額でも可能」の認識広がる お金の情報は「SNS」増加 フィデリティが会社員1万人に調査

働く世代で「投資」に対する考え方が変わりつつある。フィデリティ退職・投資教育研究所が4月に実施した「サラリーマン1万人アンケート」では、投資に対するイメージや情報の入手先などが変化していることが明らかになった。 調査は4月2~9日に実施し、1万2010人の会社員・公務員から回答を得た。2010年に始めた同調査は今年で6回目となる。 ■「少額でも投資可能」の認識広がる 投資をしない理由に「投資するだけのまとまった資金がないから」と答えた人の割合が大幅に減少した。投資をしていないと答えた人がその理由として「投資するだけのまとまった資金がないから」と回答した割合は27.8%。2010年の48.4%から大きく低下した。 同研究所の野尻哲史所長は「まとまった資金がなくても、少額から積み立てで投資できると理解している人が増えている」と分析。背景の一つとして「2014年の少額投資非課税制度(NISA)の導入で『投資が少額でも可能』との認識が広がった」と指摘する。 2010年調査では「投資するだけのまとまった資金がないから」が投資をしていない理由のトップだったが、14年以降は2位に後退。代わりに「資金が減るのが嫌だから」が浮上し、今回調査では32.6%だった。 ■「投資」へのポジティブイメージが拡大 投資に対するポジティブなイメージが徐々に拡大してきている。「投資」という言葉に対するイメージを聞いたところ、「前向き」「楽しい」「儲け」「明るい」といったポジティブな回答が合わせて32.2%を占めた。初回の2010年調査(22.8%)から上昇傾向にある。   一方、「リスク」「ギャンブル」「損失」「怖い」のネガティブなイメージが依然として7割近くを占める。同研究所では「(株価が)下落一辺倒だった1990年代を知らない若い層は投資に対する極端にネガティブなイメージが少ない。こうした層が相対的に増えてくればポジティブなイメージの比率も増えてくるはず」(野尻所長)とみている。 ■お金の情報、「SNS」の利用が増加 お金の情報の入手先も変わってきた。若い層を中心にツイッターやフェイスブックなどのSNS(交流サイト)の利用が増えている。3年前と比べ情報の入手先として伸びが最も高かったのがSNSだった。 今回調査でお金の情報の入手先はSNSが4.4%と、2015年調査と比べ2.4ポイント上昇した。年代別にみると、20代が10.2%、30代が5.5%と高かった。 低下が目立ったのは、これまで回答比率が全体で最も高かった「テレビの情報番組」で、15年調査より1.3ポイント低い13.8%に下がった。2位の「金融機関のウエブサイト」は0.2ポイント高い13.7%に伸び、1位と2位がほぼ並んだ。年代別では、20代でSNS(10.2%)がテレビの情報番組(13.3%)に次ぐ2位だった。   ■「余裕資金を投資に」が増える 働く世代で余裕資金を「貯蓄」に回す人が減り、「投資」に振り向ける人が増えている。フィデリティ退職・投資教育研究所が4月に実施した「サラリーマン1万人アンケート」によると、余裕資金がある場合に優先的に使う先は「投資」が2015年調査から1.2ポイント高い14.9%に上昇した。20~50代の幅広い世代で増加した。 一方、「貯蓄」は42.7%で、0.9ポイント低下。性別・年代別にみると、男性の20代(34.6%→28.7%)と30代(39.4%→36.3%)、女性のすべての年代が減少した。   (QUICK資産運用研究所)

三井住友トラストAM、残高増加と資金流入が首位 5月の運用会社別投信

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)について、運用会社別の5月の月末純資産総額(残高)と純資産増加額、資金流入額をそれぞれ集計した。残高上位20社は前月末時点から順位の変動はなかった。 残高増加額と、設定額から解約額を差し引いた資金流入額は三井住友トラスト・アセットマネジメントが首位。同社が運用する「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド<愛称:THE 5G>」(6431117C)や「日本厳選割安株ファンド2018ー04(繰上償還条件付)」(64312184)に資金が集まった。 集計対象は追加型株式投信(ETFを除く)で、 データは2018年5月末時点。 (注)QUICK資産運用研究所調べ。対象はETFを除く国内設定の公募追加型株式投信(単位型は含まない)。資金流入額はファンドの設定額から解約額を差し引いた値で概算推計値、償還ファンドは集計対象外。▲はマイナスで減少または流出。運用増加額は純資産増加額から資金流入額を引いた値で、運用のみによる増加額を意味する(概算値)。純資産増加額=資金流入額+運用増加額。分配金支払総額(概算値)は資金流出額には含まれず、分配しなかった場合に比べ、運用増加額が分配金支払総額分だけ減る。億円未満は切り捨て。 (QUICK資産運用研究所)

楽天証券、IFA経由の預かり資産拡大  「3つのA」と「全天候型」を重視

インターネット証券大手の楽天証券が「対面型」の独立系金融アドバイザー(IFA)を介した預かり資産を伸ばしている。IFAは特定の金融機関に所属せず、顧客に資産運用のアドバイスをすると同時に、金融商品の売買に関する仲介業務を担う。楽天証券は2008年にIFA事業を始め、今年3月末時点で70社(所属IFAは計857人)と契約、預かり資産残高は3226億円、顧客口座数は約2万4000に達した。預かり資産と口座数は1年間でそれぞれ41%、29%増えた。 ■「3つのA」と「全天候型」を重視 「預かり資産(asset under management)残高」「アドバイザー(advisor)数」「口座(account)数」――。同社の常務執行役員でIFA事業部長の大嶋広康氏がIFAビジネスを進めるうえで何より重視しているのは3つのAだ。「収益は後からついてくる。預かり資産の拡大を優先するのは、IFAサービスが顧客から受け入れられていることの何よりの証左となる」と力説する。 同社はIFA事業者と契約する際、将来にわたる事業の継続性を最重視する一方、事業者が持つバックグラウンドの多様性を許容する。結果として「様々な専門性を持つIFAが集まり、全体として市場環境の変動に左右されにくい『全天候型』の分散された顧客資産基盤が構築されている」(大嶋氏)からだ。 ■カンファレンスで契約IFAを表彰 今月25日には都内で18回目となる「楽天証券IFAカンファレンス」を開催した。同社と契約しているIFA事業者と所属IFAを対象に、半期の事業基盤の伸びなどをランキングし、上位の会社と個人を表彰する催し。東京・大阪2拠点で開催し、東京会場には全国から200名あまりのIFAが集まった。 ランキングは上位3社に「アイ・パートナーズフィナンシャル」「CSアセット」「ファイナンシャルスタンダード」が入った。 楽天証券は毎月のようにIFAを志願する個人への説明会も開催している。2017年は約250人が参加した。大手金融機関で営業活動に従事している30代半ばの若手も多いが、「金融商品の販売には長けているのに、個人の資産運用に関して総合的にアドバイスやコンサルティングする実力は十分ではないケースがある」(大嶋氏)のが実情のようだ。 ■IFA養成のビジネススクールを7月に開始 楽天証券はきんざい(東京・新宿)と連携して7月からプロのIFAを養成する「楽天ファイナンシャルアドバイザー・ビジネススクール」を開講する。CFP(認定ファイナンシャル・プランナー)や証券アナリストなどの知識を学ぶ基礎コースと、金融商品に関する専門知識に加え、顧客に対して包括的なアドバイスを提供するための実務力を養成する実践コースに分かれ、どちらも有料だ。 「金融商品を販売するのではなく、顧客に寄り添った生涯のコーチとして、付加価値の高い提案ができる実務家を養成するのが主な目標。IFAとしてのその後の独立や、既存の契約IFA事業者への紹介も積極的に取り組む予定」(同社IFA事業部の渡邊めぐ美氏)という。 楽天証券全体の預かり資産残高は3月末時点で5兆円を突破しており、IFA経由はまだ全体の1割に満たない。楽天証券の契約IFAの平均像をみると、IFA1社当たりの預かり資産残高は平均で46億円、1人当たりは4億円弱。IFA事業の収益性は「2017年の平均で預かり資産残高に対して年率1.5%程度」(大嶋氏)のようだ。 預かり資産を拡大しながらIFA事業の収益性を上げていくうえで、顧客の収益や満足度を高める顧客本位のアドバイザーをどのように育成していくのかが重要になってきそうだ。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

「人生100年見据えた資産形成を」 QUICKが資産運用討論会

QUICKは23日午後、「資産運用新時代 覚醒する1800兆円」と題した討論会を開いた。野村アセットマネジメントの栗崎修常務執行役員は講演で、投資信託について「資産寿命を延ばすことが重要だ」と指摘。投信市場の拡大に向けて「『人生100年時代』を見据えた、安心で計画的な商品提案が求められる」と強調した。 ゆうちょ銀行の小藤田実・営業部門執行役は、投信の販売状況について「新規の口座開設件数は順調に拡大しており、意識が浸透し始めている」と語った。また「(比較的若い世代の)20~40代の潜在的なニーズにも働きかけていきたい」と課題も挙げた。 ロボット投資を手掛けるお金のデザイン(東京・港)の中村仁社長は、若年層の投資への理解を深めるためには「まず経験することが重要」と指摘した。NTTドコモの「dポイント」を投資に活用するサービスは、想定をはるかに上回るユーザー数を獲得できたという。「資産運用が毎日の当たり前のサービスとして溶け込んでいくようになる」との展望を示した。 お金のデザインの中村仁社長 討論会では講演のほか、金融庁の油布志行参事官と北沢千秋・QUICK資産運用研究所長が、家計の資産形成について対談した。油布氏は少額投資非課税制度(NISA)について「恒久化が非常に大きな課題だ」と指摘。今年から始まった「つみたてNISA」なども含め、より利便性を高めていく意向を示した。 対談する金融庁の油布志行参事官(右)と北沢千秋・QUICK資産運用研究所長 資産運用討論会は今年で5回目。証券会社や運用会社の担当者など約250人が参加した。 【日経QUICKニュース(NQN)】

「東京海上・ニッポン世界債券F(H有)」が分配金を減額 設定以降の最低に並ぶ

東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・ニッポン世界債券ファンド(為替ヘッジあり)」(4931109C)は、21日の決算で1万口あたりの分配金を前月より10円安い20円に減額した。2011年11月以来6年半ぶりの低さで、2009年12月末の設定以降で最低水準と並んだ。 同ファンドは日本の企業や政府機関が世界で発行する外貨建て債券に投資し、対円で為替ヘッジをする。4月末での1年リターン(分配金再投資ベース)はマイナス2.33%、基準価額(分配金支払い後)は1年前と比べ7.04%下がった。 東京海上アセットマネジメントは、分配金減額の理由として「米国の中長期金利の上昇により基準価額が下落したことや、米ドル・円のヘッジコストが上昇したこと」などを挙げた。 ◇東京海上アセットマネジメントの発表資料はこちら 第100期決算・分配金のお知らせ (QUICK資産運用研究所)

アセマネOne「未来の世界」 残高が3000億円突破、設定から1年8カ月で

アセットマネジメントOneが運用する「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界>」(47316169)の純資産総額(残高)が初めて3000億円を突破した。18日の残高は3018億円。 主な投資対象は日本を含む世界の株式。成長力の評価に基づき質の高い企業(ハイクオリティ企業)に厳選して投資する。4月末時点での国・地域別組入比率をみると、米国が48.3%とおよそ半数を占め、中国が18.9%、英国が5.7%と続く。 4月末時点の1年リターンは28.4%。2016年9月30日の設定から月次ベースでは1年8カ月連続して資金流入が続き、18年4月は資金流入超過額が6カ月ぶりに100億円を超えた。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

投信の分配金 元本取り崩し「容認」は3割弱、「否定」が5割近く 退職者層に調査・三菱UFJ国際投信

投資信託の分配金は運用実績に応じた変動が好ましく、元本の取り崩しは容認できない--。三菱UFJ国際投信が55歳以上の退職者層を対象に実施したアンケートでは、元本を取り崩しても定額で分配金を受け取れる投信の否定派が肯定派を上回った。 ■退職者層3723人を対象にアンケート、分配金よりパフォーマンス重視 三菱UFJ国際投信は長寿高齢化社会の到来を示す「人生100年時代」をテーマとして、定年退職後の資産運用に関する調査を今年3月下旬に実施した。対象者は「55歳以上で、定年退職者もしくは現役層で、保険・不動産を除く金融資産(現役層は見込み退職金を含む)が1000万円以上」で、3723人から回答を得た。 隔月で一定額を分配するバランス型投信を提示したうえで、分配金について【A】運用実績に応じ、分配金が変わるほうがよい【B】運用実績にかかわらず、分配金は一定がよい--のどちらが好ましいか聞いたところ、変動支持派(「Aに近い」「Aにやや近い」の合計)が50.9%と、定額支持派(「Bに近い」「Bにやや近い」の合計)の28.1%を大幅に上回った。 【A】元本を取り崩しても、分配金としてもらえたほうが預金を取り崩すよりお金を使うことに抵抗感がない【B】元本を取り崩すなら、預金から必要に応じて引き出し、お金を使うため、分配金は不要--の選択では、取り崩し否定派(「Bに近い」「Bにやや近い」の合計)が44.5%と、肯定派(「Aに近い」「Aにやや近い」の合計)の28.9%より多かった。 退職後の資産運用に使う投信選びでは「定額の分配金よりも運用パフォーマンスを重視」とする人が多いようだ。調査対象者の大半が既に投資経験があるため、運用成績が冴えない中での分配金は元本を取り崩して支払われるという仕組みを理解していることが結果に反映したと言えそうだ。 ■資産運用を始めるべき年齢は「10代~34歳」が6割超す 何らかの投資を始めた年齢はまちまちだったが、全体の8割強で投資経験があった。また資産運用を始めるべき年齢は「30~34歳」が全体の21.6%で首位。「10代」~「30~34歳」の合計で全体の6割を超えた。一方で、「資産運用は必要なし」との回答も8.2%あった。 定年退職前の人は退職後には「生活水準が下がる」(「どちらかと言えば」を含む)が7割強を占めたの対し、実際に退職した人では「生活水準は変わらない、上がった」が過半数を占めた。 メイン口座としている金融機関は、地方銀行が28.7%で首位。三菱UFJ銀行(15.9%)、ゆうちょ銀行(14.5%)、三井住友銀行(10.5%)、みずほ銀行(8.4%)と続いた。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

「フィデリティUSリートB」と組み合わせに適した投信は? 「相関係数」活用術

いま保有している投資信託と組み合わせて別の投信を購入したいが、どんなファンドを選べばいいか分からない――。そんなときに参考になるのが「相関係数」だ。実際に購入可能なファンドを組み合わせ、QUICKの情報端末「Qr1」の銘柄比較機能を使ってリスクの分散効果を見ていく。      主に海外の不動産投資信託(REIT)に投資するタイプの投信で純資産総額(残高)が最大の「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」(3231203C)について、組み合わせに適したファンドを探す。 まず検証するのは、値動きの異なる「ひふみプラス」(9C311125)との相性。国内の株式に投資する「国内株式型」で、フィデリティUSリートBが属する「海外REIT型」との相関係数(日次1年)は0.49と低めだ。 両ファンドに50%ずつ1対1の割合で投資した「合成」のリターン(分配金再投資ベース、週次1年・年率)は12.27%。「フィデリティ・USリート・ファンドB」だけに投資した場合の▲3.30%と「ひふみプラス」だけに投資した27.85%の中間だった。 価格変動を示すリスク(標準偏差、週次1年・年率)は「フィデリティ・USリート・ファンドB」だけに投資した場合が13.23%で、「ひふみプラス」は15.55%。2ファンドの平均を単純に計算すると14.39%になる。ところが実際にこの組み合わせで同額ずつ投資した「合成」のリスクは12.62%で、平均値より1.77ポイント低くなる(図1参照)。この差がリスク低減の効果だ。 <QUICKの情報端末「Qr1」を使って簡単に比較> 次に比較的近い値動きをする「先進国株式型」の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」(42311052)との組み合わせを見てみる。「海外REIT型」と「先進国株式型」の相関係数は0.75と高い。 「合成」のリターンは▲1.11%で、「フィデリティ・USリート・ファンドB」と「ピクテグローバルインカム株式F(毎月)」の中間の値になった。「合成」のリスクは10.68%で、2ファンドの平均(11.93%)を1.25ポイント下回る(図2参照)。 リスク低減効果は値動きの異なる「海外REIT型」と「国内株式型」の組み合わせの方が大きくなった。 このようにリターンはどちらの組み合わせでも2つのファンドを足して半分にした数値を維持する一方、リスクの低減幅は相関が低い組み合わせの方が大きくなった。複数のファンドに投資して分散効果を上げるには、相関が低く値動きの傾向が異なるファンドの組み合わせが有効と言える。 (QUICK資産運用研究所 望月瑞希)

レオス「ひふみプラス」、残高6000億円突破 海外株の組み入れ比率が増加

レオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」(9C311125)の純資産総額(残高)が初めて6000億円を突破した。11日の残高は6056億円。今年1月中旬に5000億円に到達した後、相場の影響を受けて伸び悩む時期があったが、運用益の増加や資金の流入で再び残高は拡大傾向にある。 残高の増加に伴い、組み入れ銘柄の構成が変わりつつある。昨年12月末時点では、組み入れ比率の上位10銘柄はすべて国内株式で、資産全体に占める海外株式の割合は2.5%にとどまっていた。それが4月末には海外株式比率は9.0%に上昇し、組み入れ銘柄の1位が米クレジットカード大手のビザ、2位が米アマゾン・ドット・コムと米国の株式が上位に並ぶ。 4月末の1年リターンは31.43%、5年リターンは153.96%と好調を維持している。販売会社は現在63社。今年からメガバンクや大手証券が積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」専用で取扱いを始めた。さらに4月には八十二銀行が地方銀行で初めて手数料無料(ノーロード)で取り扱いを開始するなど、販路が多様化している。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

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