大和「ダイワ・USリートB」、分配金を40円に減額

大和証券投資信託委託の「ダイワ・USーREIT・オープン(毎月決算型)Bコース(為替ヘッジなし)」(04312047)が17日の決算で、1万口あたりの分配金を前月の60円から40円に引き下げた。分配金の引き下げは2017年11月以来9カ月ぶり。分配金の水準は2010年6月(40円)以来およそ8年ぶりの低水準になった。 このファンドの純資産総額(残高)は17日時点で5961億円。国内公募の追加型株式投信(ETFを除く)の中で5番目に大きい。米国の不動産投資信託(REIT)で運用する。 7月末時点の1年リターン(分配金再投資ベース)は0.85%とプラスを維持している。ただ、分配金支払後の基準価額は8月17日時点で3086円と、1年前と比べて16.3%下落している。 大和投信は分配金の引き下げについて「現在の基準価額の水準および配当等収益の状況などを勘案した」としている。 ◇大和投信の発表資料はこちら 大和投信の「ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなし」(04312045)も、15日の決算で1万口あたりの分配金を70円から50円に引き下げていた。 (QUICK資産運用研究所)

大和「ダイワ米国リート(毎月)」、分配金を50円に減額

大和証券投資信託委託の「ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなし」(04312045)が15日の決算で、1万口あたりの分配金を前月の70円から50円に引き下げた。減額は2017年7月以来1年1カ月ぶり。水準は2010年7月(40円)以来およそ8年ぶりの低さになった。 米国の不動産投資信託(REIT)で運用するファンドで、15日時点の純資産総額は3615億円と国内公募の追加型株式投信(ETFを除く)の中で17番目に大きい。7月末時点の1年リターン(分配金再投資ベース)は0.93%とプラスだったが、分配金支払後の基準価格は8月15日時点で3255円と1年前より17.9%下がった。 大和投信は分配金を引き下げた理由について「現在の基準価額の水準および配当等収益の状況などを考慮した」としている。 ◇大和投信の発表資料はこちら (QUICK資産運用研究所)

GS「ネットウィンA」の残高が1000億円突破 設定19年目で

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが運用する「netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンドAコース(為替ヘッジあり) 」(3531199B)の純資産総額(残高)が1000億円を突破した。15日時点で1007億円。1999年11月の設定から19年目で初めて大台に乗せた。 投資対象は米国のIT(情報技術)関連株で、7月末時点の1年リターン(分配金再投資ベース)は21.22%と堅調だ。好成績を受けて資金流入も増え、残高が積み上がっている。年初の残高は500億円弱だったが、今年に入って倍増した。 為替ヘッジしない「ネットウィンB」(3531299B)も資金流入が続き、残高は15日時点で1827億円と設定後で最高水準にある。 (QUICK資産運用研究所)

IFAの認知度いまイチだが成長度イチ押し 業者側は前向き、想研調査

独立系金融アドバイザー(IFA)に対する社会的な認知度は不十分だが、ビジネスの成長余地は大きい--。金融専門誌を発行する想研(東京・中央)が実施したアンケートから、IFA業者の多くが自身の業界の現状と先行きをこう捉えていることが分かった。 調査は法人として金融商品仲介業者に登録している全国のIFAを対象に6~7月中旬に実施し、55社から回答を得た。  ■IFAの今後は「成長が期待できる」が約9割 IFA業界に対する世間一般での認知度の高まりについて、「強く思う」「まあ思う」の合計が47%強と、「変わっていない」(約44%)と拮抗。「メディアに取り上げられていることが増えている」という指摘がある一方、「消費者からIFAという言葉を聞いたことがない」との声があがった。 金融商品仲介業者の今後については、9割近くが「成長が期待できる」と回答。「より顧客本位の仕事ができる可能性がある仕組み」「個人投資家の運用に対する知識の向上とニーズに一番適している」といった分析が聞かれた。 ■17年度の営業収益が「伸びた」は85% アンケートの主な質問と結果は下記の通り。  (Q)2017年度(17年4月~18年3月)の営業収益  (A)伸びたが約85%、うち50%以上伸びたのは約30% (Q)2017年度の営業収益に占める金融商品仲介業務の割合  (A)100%が2割、50%未満が約44% (Q)金融商品仲介業務以外の収入源<複数回答あり>  (A)生命保険代理店業務が約66%、損害保険代理店業務が約38% (Q)顧客獲得方法<複数回答あり>  (A)既存客からの紹介が最多の8割超、自社セミナー・講演活動は5割弱 (Q)営業員の人数  (A)5人以下が約56%、増員を予定・検討は約75% (Q)タブレット端末の利用状況と利用目的  (A)半数が導入済み、投資信託の資料類の説明に使うのが8割近く (Q)顧客への投資信託提案にあたって参考にする情報<複数回答あり>  (A)所属する金融商品取引業者からの情報が最多の約5割 ■個人の投資拡大、金融庁はIFAの役割に期待 想研がアンケートと並行する形で7月下旬に都内で開催したIFAを対象としたフォーラムには、金融商品取引業者や運用会社などを含む約250人が集まった。 金融庁総合政策局リスク分析総括課の水野清司・主任統括検査官は「顧客本位の業務運営の定着と見える化に向けた取り組み」と題した基調講演で、同庁金融研究センターがまとめたディスカッションペーパー「顧客本位の業務運営にふさわしい金融商品販売のあり方」の調査分析内容の一部を紹介し、個人が投資に踏み出すうえでのIFAの役割の大きさに言及した。 同報告書では、投資の必要性を認識しているが投資を開始できていない「資産保持層」の間には「安心して相談できる専門家が見つかったら」投資を開始するという人が多い一方、資産を保持しているかどうかの顧客層によらず「対面での投資相談」に対する希望が少なくない点が示された。 金融庁は投信販売会社における比較可能な共通KPI(評価指標)を6月29日に公表しており、水野氏はフォーラム後の懇親会の乾杯の音頭をとる際に「IFAも積極的に共通KPIを開示し、顧客本位の業務運営の取り組み状況を『見える化』してほしい」と期待を寄せた。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

野村AM、「ブランド」「分かりやすさ」で低コストと一線(インデックスファンドNAVI)

資産形成を目指す個人投資家の間で、指数連動型のインデックス投資が広まりつつある。運用各社も様々なインデックスファンドを展開し、信託報酬の引き下げや品ぞろえの拡充など独自の取り組みでしのぎを削っている。 「インデックスファンドNAVI」では、運用各社のインデックスファンドシリーズについて、それぞれの特徴や強みを解説する。今回取り上げるのは野村アセットマネジメント。新発想のブランド戦略で投資家層の拡大を狙う「Funds-i」シリーズや、積み立て向けに特化した低コストの「野村つみたて」シリーズを展開する。 ■25本の「Funds-i」シリーズ、為替ヘッジ型が豊富 「Funds-i」は2010年11月に投資初心者向けのファンドとしてスタートした。当初の品ぞろえは10本。いまでは熟練者向けの「Funds-i フォーカス」シリーズと、リスク水準の異なるバランス型ファンドを集めた「My Funds-i」シリーズを合わせて25本のラインアップがある。 このうち基本的な指数に連動する「Funds-i」は、現在16本。国内外の株式や債券、不動産投信(REIT)の主要な指数に連動するファンドが並ぶ。 2016年に新設した「Funds-i フォーカス」シリーズは現在4本あり、増配を続ける企業で構成する米国の「配当貴族指数」や米国のハイ・イールド(低格付け)債券の指数に連動する。2017年には5つのタイプからバランス型ファンドを選べる「My Funds-i」を拡充した。 これら「Funds-i」シリーズは、為替ヘッジをしながら海外資産に投資できる「為替ヘッジ型」の取り扱いが多いことが特徴の1つだ。為替リスクを取りたくない投資家のニーズに合わせた。シリーズ全体の純資産総額(残高)は7月末時点で993億円まで膨らんでいる(表1)。 「どのファンドを選べばいいかわからない」といった悩みを抱える投資家は、資産運用を助言するロボットアドバイザー(ロボアド)の「Funds Robo(ファンズ・ロボ)」が無料で利用できる。7つの質問に答えれば、「Funds-i」シリーズの中からそれぞれに適したファンドの組み合わせやバランス型ファンドが表示される仕組みだ。 ■新発想のPRを展開、20~30代女性をメインターゲットに シリーズ名の「i」は、「I(私)」や「index」、「愛・愛着」、「internet(インターネット)」といった意味。投資を「自分事」にしてほしい、日常生活に根付かせたい――。そんな思いが込められている。 「Funds-i」の設定から7年目の2017年1月、野村アセットマネジメントはブランド戦略の強化に乗り出した。大々的なプロモーションで手を組んだのは、これまで金融分野を手掛けたことのないブランディング会社だ。 プロモーションは投資初心者、とりわけ20~30代の女性をメインターゲットに絞った。パンフレットやWEBサイトだけでなく、ロゴも一新。駅構内や電車の中に広告を設置したり、複数の女性誌で特集を組んだりと、同社がこれまで試したことのない新しい発想のPRを次々と展開した。 さらに最近は投資をもっと身近に感じてもらうために、自社のスマートフォン(スマホ)向けアプリを通じたキャンペーンを実施。クイズとアンケートに答えるとアイスクリームがもらえるこのキャンペーンは、SNS(交流サイト)で話題となった。参加者による「#(ハッシュタグ)」付きの投稿の効果もあって、若い女性を中心に反響が広がった。 投資信託営業企画部の安藤祐介シニア・マネージャーは、「若い人の感性に響くもの、見て共感できるものを具体的な形にしていった」と話す。その波及効果は女性にとどまらず、配偶者や友人など男性にも広まっていくことを想定している。 ■積み立てに特化した「野村つみたて」 積み立て方式の少額投資非課税制度(つみたてNISA)導入を2018年1月に控えるタイミングで、17年9~10月には積み立てに特化した「野村つみたて」シリーズを立ち上げた。コストの安い3ファンドを投入。投資初心者向けをより意識して、商品の名前からパンフレットの内容まで一貫してわかりやすさを追求した。 このうち「野村つみたて外国株投信」(0131317A)は、17年11月に投票された「投信ブロガーが選ぶ Fund of the Year 2017」で4位入賞を果たした。設定から間もないにも関わらず、1本で先進国(日本除く)と新興国の株式に投資できる利便性や低コストが支持を集めた。滑り出しは上々で、設定後から資金流入が続いている(表2)。 ■巨大なマザーファンド、高い運用効率 同社のインデックスファンドは、それぞれが投資するマザーファンドが大きいことも特色の1つだ。マザーファンドの資産規模が大きいと、運用管理を効率化して諸費用を安く抑える効果が期待できる。 例えば「野村つみたて外国株投信」の残高は7月末時点で30億円弱。一方、マザーファンドの「外国株式MSCI-KOKUSAIマザーファンド」と「新興国株式マザーファンド」の合計残高は、7月末時点で約5500億円と大きい。投資家が実際に購入するファンド(ベビーファンド)1つ1つの残高が小さくても、そのファンドが巨大なマザーファンドに投資していれば効率的に運用できる。 さらに同社のインデックス運用は1980年代から実績がある。長い歴史とその間に培ってきたノウハウの蓄積が信頼の高さにつながっているようだ。 ■低コスト競争に参加せず、投資家層の拡大に注力 インデックスファンドは運用各社による信託報酬の引き下げが続いているが、野村アセットマネジメントはこの「低コスト競争」に参加する以外の方法を選んだ。主力の「Funds-i」は設定当初から信託報酬を据え置き、今後も引き下げる予定はないという。 激しい低コスト競争にどう対抗するか。同社が出した答えが「ブランド戦略」の強化だ。安藤氏は「コストの削り合いで業界が疲弊するのは意味がない。若い人が気負わず投資に踏み出せるような雰囲気をつくり、投資家層の拡大につなげたい」と語る。 「Funds-i」のキャッチフレーズは「もっと、お金の話をしよう」。投資の潜在的なイメージが「怖い」「難しい」から「おしゃれでかっこいい」などポジティブな方向へと変わり、若い人が気軽にお金の話に花を咲かせる日がくるのかどうか。野村アセットマネジメントの戦略が実を結ぶかが注目される。 <関連サイト> ◇「Funds-i」 ◇「Funds Robo」 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

投信、相性の良い組み合わせは? 7月末時点の「相関係数」一覧

複数の投資信託に分散投資する際、有効な組み合わせを探すのに便利なのが「相関係数」と呼ばれる統計指標だ。投資対象で区分した「新QUICK投信分類(大分類)」について、7月末までの1年間(日次データ)と10年間(月次データ)の相関係数をまとめた。 複数のファンドに投資する場合、値動きの傾向が違うタイプを組み合わせると分散投資の効果が出やすい。例えば、投資家のリスク選好局面で買われやすい株式に投資するファンドと、逆に売られやすい債券に投資するファンド。この両方を持っていれば反対方向の値動きが打ち消しあって、全体のリスク(価格の振れ幅)を抑えることができる。 有効なファンドの組み合わせは「相関係数」を使うと探しやすい。相関係数は投資対象が異なる2つのファンドが似た値動きをするほどプラス1に近づき、逆の値動きをするほどマイナス1に近づく。ゼロなら値動きの関係がなかったことを示す。相関係数が低いファンド同士を組み合わせると、全体の価格変動リスクを低減しながらリターン向上を狙う分散投資効果が期待できる。 表の「先進国債券(投資適格)型」を見ると「国内REIT型」との相関が0.12と低いが、「バランス型」との相関係数は0.71と高い。「先進国債券(投資適格)型」の投信を保有していて、もう1ファンド購入を検討している場合、「バランス型」を購入するよりも「国内REIT型」を組み合わせた方が、よりリスクを小さくすることができると言える。 【分類別相関係数(日次1年)】7月末時点 【分類別相関係数(月次10年)】 7月末時点 出所:QUICK資産運用研究所 ※▲はマイナス。分類は「新QUICK投信分類(大分類)」を使用、対象は追加型株式投信(ETF、通貨選択型除く) (QUICK資産運用研究所)  

アムンディ「日興レジェンドイーグル」が分配金を減額 5年半ぶり低水準

アムンディ・ジャパンが運用する「日興レジェンド・イーグル・ファンド(毎月決算コース)」(58312113)が6日の決算で、1万口あたりの分配金を前月(100円)の半分の50円に引き下げた。2013年2月以来5年半ぶりの低水準。分配金の引き下げは、150円から100円に減額した2014年3月以来となる。 同ファンドは、米国で1979年から運用実績のある「ファースト・イーグル・グローバル・ファンド」と同じ運用手法のファンドに投資する。主な投資対象は割安と判断した世界の株式で、投資機会に備えて常に一定の現金を保有。株式と値動きが異なる金も組み入れている。 7月末時点の1年リターン(分配金再投資ベース)は3.26%。基準価額(分配金支払い後)は1年前と比べて7.40%下がった。8月6日時点の純資産総額(残高)は1881億円で、主に先進国の株式で運用する国内公募の追加型株式投信(ETF、ラップ専用を除く)の中で9番目に多い。 アムンディ・ジャパンは、分配金を引き下げた理由について「分配金の支払いがファンドの基準価額を低下させてきた状況」などを踏まえたとしている。 ◇アムンディ・ジャパンの発表資料はこちら ~2018年8月の決算における分配金と今後の見通しについて~ (QUICK資産運用研究所)

三井住友アセット、資金流入2カ月連続の首位 7月の運用会社別投信

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)について、運用会社別の7月の月末純資産総額(残高)と資金流入額、純資産増加額をそれぞれ集計したところ、設定額から解約額を差し引いた資金流入額は三井住友アセットマネジメントが2カ月連続で首位だった。6月25日に設定した「フューチャー・バイオテック」(79312186)が555億円の資金流入超だったことが寄与した。月末純資産総額と純資産増加額は野村アセットマネジメントがトップとなった。 集計対象は追加型株式投信(ETFを除く)で、 データは2018年7月末時点。 (注)QUICK資産運用研究所調べ。対象はETFを除く国内設定の公募追加型株式投信(単位型は含まない)。資金流入額はファンドの設定額から解約額を差し引いた値で概算推計値、償還ファンドは集計対象外。▲はマイナスで減少または流出。運用増加額は純資産増加額から資金流入額を引いた値で、運用のみによる増加額を意味する(概算値)。純資産増加額=資金流入額+運用増加額。分配金支払総額(概算値)は資金流出額には含まれず、分配しなかった場合に比べ、運用増加額が分配金支払総額分だけ減る。億円未満は切り捨て。 (QUICK資産運用研究所)

「未来の世界(年2回)」の当初設定641億円 今年2番目の大きさ、アセマネOne

アセットマネジメントOneが1日に設定した「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(年2回決算型)(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(年2回決算型)>」(47312188)の当初設定額は641億円だった。今年設定された国内公募の株式投資信託(単位型を含む)の中では2番目の大きさとなった。同日に設定された年2回決算で限定為替ヘッジのコース(47311188)にも58億円の資金が集まった。 当ファンドは2016年9月末から運用している年1回決算で為替ヘッジなしの「未来の世界」(47316169)と同じマザーファンドに投資する。世界の上場株式のうち、成長力のある質の高い(ハイクオリティ企業)の中から割安と判断される銘柄が投資対象だ。販売会社は現時点でみずほ証券のみ。 みずほ証券も含め16社で販売している年1回決算で為替ヘッジなしのコースは、7月末時点の純資産総額(残高)が3639億円で、設定来リターンは68.02%と堅調だった。昨年9月に迎えた最初の決算では、分配金を出さなかった。年1回決算の限定為替ヘッジ(47315169)は今年7月末時点の残高が762億円。 昨年12月には、新興国の企業や事業活動の主要部分を新興国で展開する企業に投資対象を絞った「新興国ハイクオリティ成長株式ファンド<愛称:未来の世界(新興国)>」(4731117C)を設定。当初設定額で977億円を集め、2017年の最大規模でスタートを切った。今年7月末時点の残高は2628億円で、設定来リターンは0.90%。 (QUICK資産運用研究所)

円建てで初の「元本確保型」投信が登場 アセマネOne、9月に第2弾も

アセットマネジメントOneが7月31日に設定した円建てで国内初となる「元本確保型」の投資信託には、300億円超の資金が集まった。当初設定額は今年設定された国内公募の株式投資信託で4番目の大きさ。投資で損をしたくない保守的なマネーを取り込み、「貯蓄から投資へ」の流れに新たな風穴を開けた。アセマネOneは9月に向けて販売会社を増やした「第2弾」も準備中だ。 アセマネOneが運用を始めた「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018―07」(47212187)は、約10年後の満期償還まで保有し続ければ元本確保が狙える投信だ。中途解約した場合は損失が生じる可能性があるが、同社によると満期時に円建てで元本確保を目指すのは国内でこのファンドだけだ。 申し込み期間が限られる「単位型」で、7月11~30日に大和証券1社で販売した。投資家は300万円から買うことができ、購入時手数料は1億円未満の場合が税込みで1.08%、1億円以上なら無料になる。 このファンドが投資するのは、米金融大手ゴールドマン・サックス(GS)が発行する円建ての仕組債。「国際金融システム上重要な金融機関(G―SIFIs)」にも認定されているGSが経営破たんしない限り、10年後の満期日に額面で償還されるため、この仕組債に投資しているファンドも元本確保が狙える。 GSの仕組債からは年1回、2種類のクーポン(利息)が支払われる。その1つが年0.32%程度の「固定クーポン」。この部分で年0.3132%(税込み)の信託報酬がまかなえるので、投資家は元本を確保したまま運用を続けられる。 もう1つは、国内外の株式や債券での運用成績に連動する「実績連動クーポン」。アセマネOneが独自に開発した計量モデル「国際分散投資戦略」による運用が好調ならクーポンが高くなり、リターンがマイナスの場合はゼロになる。 投資家が年1回の決算時に受け取る分配金は、この実績連動クーポンが原資になる。実績連動クーポンの中から約1割の成功報酬などが差し引かれ、残りの部分が分配金の支払いにあてられる。実質連動クーポンがゼロの場合は分配金が支払われない。 「国際分散投資戦略」が目標とするリスク水準は3%程度。価格変動リスクを抑えて保守的に運用するため、大幅な値上がり益は狙えない。アセマネOneのシミュレーションによると、この戦略による過去10年のリターンは年2.3%程度(2018年3月末時点)だった。 それでも、ここから成功報酬として約1割(0.2%程度)を差し引いた後のリターンは年2.1%程度。投資家は元本を確保しつつ、足元で年0.01%の10年の定期預金や年0.05%の個人向け国債の金利を上回るリターンを得られたことになる。 単位型なので分配金はすべて課税対象の「普通分配金」になる。追加型のように元本を取り崩す「特別分配金」が支払われることはない。 「第2弾」は9月末の設定を目指す。販売会社は今回の大和証券だけでなく、ほかの証券会社や大手銀行、地方銀行に拡大する見込みだ。 (QUICK資産運用研究所 西田玲子)

アセマネOne「GS社債/国際分散投資戦略」、当初設定額が300億円超す

アセットマネジメントOneが31日に設定した「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018-07」(47212187)の当初設定額は307億円だった。今年設定された国内公募の株式投資信託(単位型を含む)の中では4番目の大きさ。 投資したお金が目減りしない「元本確保」を目指すファンドで、投資家が満期まで約10年間このファンドを保有し続けると原則、投資金額が戻る。購入期間が限られる「単位型」で、7月11~30日に大和証券が販売した。購入時手数料は1万口あたり1.08%(1億口未満の場合)で、最低購入金額は300万円だった。 (QUICK資産運用研究所)

金融庁、新体制初の「つみップ」 運用5社の生の声に質問続々

金融庁が27日夜、同庁発足以来の大規模な組織改正後としては初めてとなる「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)を開いた。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に2017年4月から始めた個人との意見交換会。終了後の懇親会ではつみたてNISAの推進を統括する新旧幹部が引き継ぎを兼ねて挨拶に立ち、貯蓄から資産形成への流れを促す政策の推進に向けた変わらぬ姿勢を強調した。 ■参加者は男女が半々、20~30歳代で半分 今回の参加者は約40人で、男女の比率はほぼ半々。年代別は20~30歳代で全体のほぼ半分を占め、投資経験は3年未満と経験なしが半数に達した。懇親会では20~40歳代の働く女性が目立った。 つみップは運用会社5社(大和証券投資信託委託、ニッセイアセットマネジメント、三菱UFJ国際投信、楽天投信投資顧問、バンガード・インベストメンツ・ジャパン)の幹部がつみたてNISAへの取り組みを説明し、参加者から質問を受ける形で進行。登壇する運用会社の調整に当たってはブロガーの要望も参考にしたようだ。ゲストには著名投信ブロガーの虫とり小僧さん、水瀬ケンイチさん、NightWalkerさんの3氏に加え、経済評論家の山崎元氏らを迎えた。 金融庁職員が冒頭で「なぜ、つみたてNISAなのか」「制度の意義と個人にとってのメリット」などを資料に沿って説明。つみたてNISA対象の投資信託が7月20日時点で155本と、当初から50本ほど増えたことも紹介した。 ■つみたてNISAも投信も知らない層が6割 運用会社各社の説明を以下にまとめた。 (大和証券投資信託委託) ・同社のファンドマネジャー25名に「つみたてNISA」で投資するとしたら、というアンケート結果を紹介。アクティブ型よりもインデックス型を選ぶ人が多く、国内株式型よりも海外株式型を多く選好しているなどの特徴があった。 (ニッセイアセットマネジメント) ・6月29日に<購入・換金手数料なし>の「なしなし」シリーズで4回目となる信託報酬の引き下げを実施。5月末時点のシリーズの純資産総額は合計1404億円と増大している。 (三菱UFJ国際投信) ・毎月実施している「つみたてNISA」1万人認知度調査の7月版を紹介。6月時点の認知度は上がっておらず、前月より低い26.6%。特に地方での認知度がやや低い傾向。つみたてNISAはもちろんのこと、投資信託も知らない層がまだ約6割もいる。 ・男女比率では女性の認知度が男性よりも低く、男性は年代間の認知度格差が小さいのに対し、女性は20代が低く、年齢が上がるとともに認知度アップの傾向。ただし、女性の認知度は07年9月時点の調査開始時より上昇中。 ・各社の代表的なノーロード・インデックスファンドの純資産総額の合計は6月末時点で1兆円突破が間近。資金流入額はNISAが始まった14年に年間で1400億円まで急拡大。18年は半年で既に1800億円集め、これまでの年間で最大を記録した15年の約1700億円を上回っている。 (楽天投信投資顧問とバンガード・インベストメンツ・ジャパン) ・米国株指数連動のインデックスファンドとしてS&P500連動型の組成も検討したが、低コストを追求するうえで、指数使用料のハードルが高く断念し、バンガード社の米国株ETFに投資する仕組みを採用した。 ■参加者から質問続々も時間切れで打ち切り 参加者およびブロガーからの質問を以下にまとめた。 ・低コスト化による薄利の極みの状況下で、販売会社からは何か言われないのか。 ・投資家が損しても売り急がないよう、運用会社としてはどのようにアドバイスするか。 ・注目している他社のファンド名を具体的に教えてください。 ・低コストで費用があまりかけられない中、どのようにマーケティングしているのか。 ・金融資産「ゼロ」世帯の金融資産には普通預金の他、年金も含まないという理解で正しいか。 ・2014年以降ノーロード・インデックスファンドへの資金流入額が急増したという説明を受けたが、その一方で、日銀が資金循環統計を見直した結果、家計の投信保有残高が増えていないことが判明した。金融庁はこの状況をどう捉えているか。 ・低コスト化が進む中、直販への進出を検討している会社は手を挙げて教えてください。 ・繰り上げ償還される可能性はあるか。 ・資産配分(アセット・アロケーション)に関するアドバイスやツールを金融庁が個人に提供する可能性について。 ■参加者からは「運用会社の生の声はやはり違う」の声 質問は時間切れで打ち切りとなるまで続いた。参加者から時間があれば「例えば、ドイツ、インド、スウェーデンの各1カ国の株式集中型など、インデックスファンドの投資対象地域が今後増える可能性はあるのか」「日本株インデックスファンドの信託報酬の方が先進国株型よりも高止まりしているのはなぜか」といった質問をしたかったといった声が出ていた。参加者からの感想を以下にまとめた。 ・制度説明の時間を削ってでも、質疑応答の時間をもっと長く取った方がよかった。 ・運用会社の生の声を聞けるのは貴重な体験。ネットで調べるとのはやはり違う。 ・運用会社が低コスト化に色々苦心しているのがよく分かった。 ・他社の注目ファンドは『株式型』など抽象的ではない具体的なファンド名を聞きたかった。 ・損をした時の対処など自分のやり方が間違っていないのを再確認できてよかった。 ・自分のように50歳代の主婦でも投資を始められる。成人した息子のつみたてNISAの商品選びについて家族で話し合うのにも、いいきっかけになった。 ・楽しかったが、正直なところ理解できなかった説明内容も多い。全面的に初心者向けのつみップを期待したい。 ・インド株指数が認定されれば、低コストのインド株連動型ファンドの設定を前向きに検討するという運用会社の話をじかに聞けた。 ・女性と若い人の参加が多いのは「つみたてNISA」の趣旨に合ったとてもよい状況。  (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

野村アセット「米国ハイ・イールド債券投信(レアル)毎月」が分配金を減額 過去最低の30円に

野村アセットマネジメントが運用する「野村米国ハイ・イールド債券投信(ブラジルレアルコース)毎月分配型」(01315091)が25日の決算で、1万口あたりの分配金を前月より20円安い30円に引き下げた。2016年9月以来1年10カ月ぶりの減額で、09年1月末の設定以来の過去最低水準。 同ファンドは米ドル建ての高利回り事業債(ハイ・イールド・ボンド)に主に投資する。為替取引手法の異なる9コースから選ぶ通貨選択型で、今回の決算でブラジルレアルコース以外に6つのコース(円、ユーロ、豪ドル、南アフリカランド、トルコリラ、通貨セレクト)もそれぞれ過去最低水準まで分配金が引き下げられた。 ブラジルレアルコースの純資産総額(残高)は25日時点で1224億円と、9コースの中で規模が最も大きい。1万口あたりの分配金が250円だった11年には残高が6500億円を超えるなど人気を集めた。直近1年は資金が流出し、残高が減少傾向にある。6月末時点の1年リターン(分配金再投資ベース)はマイナス10.37%だった。 野村アセットマネジメントは分配金を引き下げた理由を「基準価額水準や市場動向等を総合的に勘案」したとしている。 ◇野村アセットマネジメントの発表資料はこちら 2018年7月25日決算の分配金について (QUICK資産運用研究所)

野村アセット「自己ベスト」、当初設定額が200億円上回る

野村アセットマネジメントが24日に設定した「野村日本最高益更新企業ファンド(愛称:自己ベスト)」(01313187)は、当初設定額で214億円の資金が集まった。今年設定された国内公募の株式投資信託(単位型を含む)の中で6番目の多さとなった。 国内の株式のうち、最高益を更新してきた銘柄や今後の最高益更新が期待される銘柄で運用する。社会的責任や環境配慮など「ESG」への取り組みなども考慮して銘柄を選ぶ。販売会社は野村証券1社で、購入時手数料(税込み)の上限が3.24%、信託報酬(同)が1.566%。 (QUICK資産運用研究所)

「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株」の毎月分配型、全コースで分配金を減額 過去最低に

野村アセットマネジメントが運用する毎月分配型の「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)」は、20日の決算で5コースすべての分配金を引き下げた。分配金の水準はいずれも各コースの過去最低となった。 このうち、20日時点の純資産総額(残高)が1643億円と最大の「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)毎月分配型」(0131410A)は、1万口あたりの分配金を前月より10円安い20円とした。米ドルコースの1年リターン(分配金再投資ベース)は6月末時点でマイナス5.62%、基準価額は1年前と比べて5.72%下がった。 同ファンドのシリーズは、世界各国のインフラ関連の株式や米国上場のMLP(共同投資事業)などに投資する。為替取引の対象通貨を5つの異なるコース(円、米ドル、豪ドル、ブラジルレアル、通貨セレクト)から選べる通貨選択型の投信。 野村アセットマネジメントは、分配金を引き下げた理由を「基準価額およびインカム収入の水準などを総合的に勘案」したとしている。 (QUICK資産運用研究所)

アセマネOne「しあわせの一歩」、残高1000億円を突破 設定から1年9ヵ月

アセットマネジメントOneが運用する「リスク抑制世界8資産バランスファンド<愛称:しあわせの一歩>」(4731416A)の純資産総額(残高)が初めて1000億円を突破した。20日の残高は1001億円。2016年10月の設定から1年9カ月で大台に乗せた。月次ベースでは17年2月から資金流入が続き、右肩上がりで残高を伸ばしている。 主な投資対象の8資産は、国内と先進国、新興国それぞれの債券と株式に加え、国内と先進国の不動産投資信託(REIT)。価格変動のリスク要因が偏らないように投資対象資産の基本配分比率を月次で決定し、下振れリスクが高まる局面では日次で機動的に資産配分を見直す。 6月末時点の1年リターン(分配金再投資ベース)は0.27%。1年の標準偏差は年率2.18%で、「基準価額の変動リスクを年率2%程度に抑える」という目標どおりに運用している。 奇数月に決算を設定した隔月決算型で、直近1年の分配金累計は60円。決算回数が年6回の国内公募追加型投信(ETF除く)としては残高が3番目の大きさとなる。 (QUICK資産運用研究所)

三井住友トラストAM、インデックスシリーズのパイオニア (インデックスファンドNAVI)

資産形成をしている個人投資家の間で、指数連動型のインデックス投資が広まりつつある。運用各社は様々なインデックスファンドを展開し、信託報酬の引き下げや品ぞろえの拡充など独自の取り組みでしのぎを削っている。 「インデックスファンドNAVI」では、運用各社のインデックスファンドシリーズについて、それぞれの特徴や強みを解説する。第2回は国内で初めてインデックスファンドをシリーズ化したパイオニア、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「SMTインデックスシリーズ」を取り上げる。 ※「インデックスファンドNAVI」シリーズの第1回は6月27日配信の三菱UFJ国際投信 ■国内初のインデックスファンドシリーズ 同社が国内初のインデックスファンドシリーズとして2008年に立ち上げたのが「SMTインデックスシリーズ」だ。信託銀行系列の資産運用会社で培った運用ノウハウを生かし、「分かりやすい、始めやすい、続けやすい」をコンセプトにしたこのシリーズを設定した。 目指したのは、投資初心者でも長期で安定した資産形成に取り組めるようなファンドシリーズ。それまで長く年金基金や機関投資家に投資商品を提供してきた実績とノウハウを個人向けの商品開発にも応用した。 シリーズの名前は、会社の略称(三井住友トラスト・アセットマネジメント=SMTAM)から付けられた。2008年1月の設定当初は6本だけだったが、現在は28本に増加。純資産総額(残高)の合計は、今年1月に2000億円を超えた(図1)。 昨年11月には新しいシリーズを投入。手数料ゼロのノーロードで、ネット専用の「i―SMTインデックスシリーズ」を新設した。 ■「高品質」「幅広い品ぞろえ」が強み これらのシリーズの強みは「品質の高さ」(商品戦略企画部の宇野直樹部長)。インデックス運用では指数の値動きとの乖離(かいり)をいかに最小限にとどめるかが評価尺度の1つだが、同社のインデックスファンドはこの「トラッキングエラー」が小さいことでも定評があるという。 幅広い品ぞろえも特徴だ。シリーズを構成するのは、市場全体の動きに連動する伝統的なインデックスファンドだけではない。インデックスに関する深い知識を生かして商品開発に取り組み、より効率的な運用を目指す「スマートベータ(賢い指数)型」のファンドも展開している。 例えば「配当貴族指数」に連動するファンドは、一定期間以上連続して増配している優良株に投資する「スマートベータ型」だ。日本と米国、欧州を対象にした3種類をそろえた。 ■人気の「世界経済インデックス」、GDPに応じて分散投資 「SMTインデックスシリーズ」には、5本のバランス型ファンドがある。このうち2017年8月に設定した「SMT 世界経済インデックス・オープン」(64311178)は、先進国と新興国、日本それぞれの株式と債券の6資産が投資対象だ。株式と債券に半分ずつ投資し、地域別の組み入れ比率は国内総生産(GDP)総額の比率に基づき決定する。 シリーズとは別で、2009年1月から運用している「世界経済インデックスファンド」(64315091)は、設定来のリターン(分配金再投資ベース)が18年6月末時点で119.09%と高く、個人投資家の支持を集めている。このファンドは地域別のGDPの比率を参考にしつつ、専門家の知見なども取り入れながら運用する。年1回ごと地域別構成比を見直す点や投資対象は「SMT 世界経済インデックス・オープン」と同じだ(図2)。 ■統合で運用力を強化 同社は今年10月に三井住友信託銀行の運用部門と統合する予定で、国内で最大規模の運用会社となる。年金運用に強みを持つ同部門との統合により運用力を強化していく。 今後は顧客ニーズの多様化にどう対応するかが課題の1つ。インターネットで取引する個人投資家には「i―SMTシリーズ」を活用してもらい、「SMTシリーズ」では伝統的な指数にこだわらず、さらに進化した指数連動型の商品を投入していく方針だ。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

投信「半数の個人が損失」の驚き 金融庁の共通指標どう読み解く

「投信で損失、個人の半数」「銀行投信の個人客、半数が損失」--。金融庁が金融機関の投資信託販売における「顧客本位の業務運営」を客観的に評価できる共通の成果指標(KPI)を6月29日に発表したのにあわせて、発表資料の別紙に掲載されていた金融庁の集計・分析結果をメディアなどがこぞって取り上げた。SNS(交流サイト)などではヘッドラインがひとり歩きし、「投信=損失」「投信=危険」といった論調の書き込みも目立っている。もっとも共通KPIの定義をよく読むと、必ずしも実態を映しているとは言えない面がありそうだ。 ■運用損益別顧客比率、全部売却済みの銘柄は集計対象外 共通KPIの「投資信託・ファンドラップの運用損益別顧客比率」は一定の条件で各行が算出。金融庁は資料の別紙に主要銀行や地方銀行の計29行をとりまとめた結果を掲載した。その対象は、基準日(今回は2018年3月末)時点で①投資信託およびファンドラップを保有している顧客②対象顧客が保有している投信--などだ。 すなわち基準日時点で全部を売却してしまった銘柄が含まれないのがポイントだ。集計では46%の個人が損失を抱えているという結果になったが、「利益確定を目的に全部が売却された投信を加えれば、損失を出した投資家は共通KPIよりも少ない」(地方銀行)との指摘が出ている。 2012年末以降のアベノミクス相場で日本株高・円安が進んだのに加え、この間は海外株も堅調に推移しており、長期で投信を保有すれば利益が出やすい環境にあった。金融庁の集計・分析でも「顧客の投資信託の平均保有期間と各販売会社の運用損益率0以上の顧客割合」は、長期保有していると利益を得られやすい傾向を示した。 だから3月末で半数近くの個人が損失を抱えているとしたら、含み益のある投信を解約して別の投信に乗り換えさせることで購入時手数料を稼ぐ「回転売買」の影響を懸念すべきかもしれない。今年は3月にかけて世界的に株価が調整局面にあったから、短期保有の投信は損失が出やすい環境だった。 もちろんその逆もしかりだ。含み損が膨らむのに耐え切れずに売却した投信は集計に含まれていないから、実態以上に良く見えている可能性も否定できない。実際に「利益確定と損失限定の解約は同じぐらいだから、共通KPIは実態に近い」(別の地銀)との声も聞かれた。 ■共通KPIは販売会社を評価する「ものさし」 SNSでは「投信はギャンブル」「タンス預金が正しい」といった投信の商品性そのものを問う声があがっているが、今回の共通KPIはあくまでも販売状況の「見える化」で、販売会社の姿勢を評価する「ものさし」のひとつだ。積み立て型の少額投資非課税制度「つみたてNISA」が象徴するように、金融庁は投信を個人の資産形成の中核商品と位置付けている。 QUICK資産運用研究所が17年12月に約5000人の20~60代の個人を対象に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」では、「現在投資をしていない理由(複数回答あり)」の首位は「損をしそうだ(過去に損をした)から」が最多の36.7%だった。販売会社に「顧客本位の業務運営」を促すために設けた共通KPIだが、投信の悪いイメージにつながるようだと、貯蓄から資産形成への流れに水をさしかねない。 ◇金融庁の発表資料はこちら 【比較可能な共通KPI】 ①運用損益別顧客比率 投信(ファンドラップを含む)を保有している顧客について、基準日時点の保有投信の購入時以降の累積運用損益(手数料控除後)を算出し、運用損益別に顧客比率を示す。個々の顧客が保有している投信について、購入時以降どれくらいのリターンを得ているかがわかる。 ②投信預かり残高上位20銘柄のコスト・リターン ③投信預かり残高上位20銘柄のリスク・リターン 設定後5年以上の投信の預かり残高上位20銘柄について、銘柄毎および預かり残高加重平均のコストとリターンの関係、リスクとリターンの関係を示す。中長期的に販売会社がどのようなリターン実績を持つ商品を顧客に多く提供してきたかを確認できる。 (QUICK資産運用研究所 伊藤和之)

人気記事ランキング

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

PAGE TOP