IFAの3割、営業収益が減少・18年度 想研調査

金融専門誌を発行する想研が独立系金融アドバイザー(IFA)を対象に実施したアンケートによると、2018年度(18年4月~19年3月)の金融商品仲介業務の営業収益が減少した企業数の比率が前回調査(17年度)から大幅に上昇した。足元の収益環境の厳しさを反映し、今後のIFAビジネスの成長性について「大きく成長が期待できる」と回答した比率が低下した。 調査対象は19年4月末時点で金融商品仲介業者に登録している全国の法人。調査期間は6月1日~7月16日で、54社から有効回答を得た。調査は前年の同時期に続く2回目。 ■18年度の営業収益、3割が減少  18年度の営業収益が前年度比で減少した社数の比率は全体の31.9%と、前回調査(4.3%)を大幅に上回った。19年3月時点の顧客数、預かり資産合計額、「投資信託」の預かり資産額も18年3月と比べて減ったと回答した比率が上昇した。 ◯2018年度の金融商品仲介業務の営業収益(前年度比、カッコ内は前回調査) 100%以上増加   4.3% ( 8.5%) 50%以上増加 14.9% (21.3%) 30%以上増加 8.5% (27.7%) 10%以上増加  25.5% (17.0%) 10%未満増加 2.1% (10.6%) 変わらない 12.8% (10.6%) 減少 31.9% ( 4.3%)  ◯2019年3月の金融商品仲介業の顧客数(前年同月比、カッコ内は前回調査) 100%以上増加 6.4% ( 8.3%) 50%以上増加  12.8% (12.5%) 30%以上増加 14.9% (18.8%) 10%以上増加 14.9% (29.2%) 10%未満増加 29.8% (25.0%) 変わらない 12.8% ( 4.2%) 減少 8.5% ( 2.1%) ◯2019年3月の預かり資産合計額(前年同月比、カッコ内は前回調査) 100%以上増加 6.4% (10.4%) 50%以上増加  8.5% (16.7%) 30%以上増加 19.1% (18.8%) 10%以上増加 19.1% (22.9%) 10%未満増加 25.5% (22.9%) 変わらない 8.5% ( 6.3%) 減少 12.8%  ( 2.1%) ◯2019年3月の「投資信託」預かり資産額(前年同月比、カッコ内は前回調査) 100%以上増加 6.4% ( 8.5%) 50%以上増加  2.1% (12.8%) 30%以上増加 12.8% (23.4%) 10%以上増加 23.4% (21.3%) 10%未満増加 31.9% (23.4%) 変わらない  6.4% ( 6.4%) 減少 17.0% ( 4.3%) ■成長期待は「大きく」から「ある程度」にシフト IFAビジネスの成長性については「成長が期待できる」の比率が8割超と高い水準を維持したものの、その程度は前年から変化した。「大きく成長が期待できる」の比率が低下し、「ある程度成長が期待できる」の比率が上昇した。IFAビジネスの成長スピードについて足元の業績を直視した現実的な見方が強まっている。 ◯金融商品仲介業務の今後(カッコ内は前回調査) 大きく成長が期待できる 38.2% (54.5%) ある程度成長が期待できる 45.5% (34.5%) わからない   9.1% ( 9.1%) あまり成長は期待できない  3.6% ( 1.8%) 顧客で最も多い年代層は40代が最多だった。一方、今後強化したい年代層は、30代が全体の4割を占め、若年層の資産形成への関心の高まり機運を反映する形となった。 ◯最も多い顧客の年代層 ~20代 1.8% 30代 3.6% 40代 34.5% 50代 25.5% 60代~ 32.7% ◯今後強化したい顧客の年代層 ~20代 1.7% 30代 40.7% 40代 30.5% 50代 22.0% 60代~ 5.1% また、IFAのビジネスモデルとして、金融商品の取引に連動して報酬(売買手数料)を受け取る「コミッション」ベースは「回転売買」的な販売手法につながるため、顧客本位のIFAが根付くうえで、預かり資産残高に応じた「フィー」ベースの重要性が指摘されている。IFA各社に報酬体系についての考え方を聞いたところ、約7割が「フィー」ベースの採用に積極的だった一方で、顧客ごとに「ケース・バイ・ケース」で考えるとの回答も多かった。 ■IFAフォーラム、参加者が倍増 想研は7月26日、今年で3回目となる「日本IFAフォーラム」を都内で開催した。参加者数は関係者を含め400人近くと、前年の200人から倍増した。 金融庁の石村幸三総合政策局リスク分析総括課長が「顧客本位のアドバイザーの育成に向けて~金融機関の顧客本位の業務運営の取組みと顧客意識~」をテーマに基調講演し、同庁が個人を対象に調査した「金融機関の販売実態に関する顧客の評価」などを説明した。 石村氏は「金融商品購入後のフォロー・アドバイスを受けている」「投資信託を積み立て購入している」とした個人ほど「金融機関の担当者を友人や知人に勧める程度の大きさを表す顧客推奨度」が高い傾向にあるといった集計結果を示した。 確定拠出年金(DC)制度に詳しい確定拠出年金教育協会(NPO法人)の大江加代理事は「中小企業におけるDC活用の実態と実務上の注意点」について解説。企業型DCの形態としては、事業主が単独でDCを運営する形態の他に、ファイナンシャルプランナー(FP)など事業とは直接関係ない会社がDC規約上の代表を務め、それに事業会社が参加する「総合型」を採用する中小企業が増えているといった現状を語った。 運用会社の幹部、IFA企業の代表なども登壇。最後のパネルディスカッションで、大手IFA企業の代表が「顧客からの対価が預かり資産残高に応じて支払われるフィーベースモデルは日本に根付くのか」というテーマで体験談を話した。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

円建て初の「元本確保型」投信、初決算の分配金240円 アセマネOne

QUICK資産運用研究所 アセットマネジメントOneが昨年7月末に設定した「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド2018―07」(47212187)が13日に初めての決算を迎え、1万口あたり240円の分配金を出した。同ファンドは円建てで国内初となる「元本確保型」の投資信託。約10年後の満期時に円建てでの元本確保を目指す。決算回数は年1回で、分配金は運用成績に連動する「実績連動クーポン」から成功報酬などを差し引いて支払われる。 同ファンドは購入期間が限られる単位型のため、分配金はすべて普通分配金で課税対象となる。大和証券が1社で販売し、約300億円の資金を集めた。昨年9月に設定した第2弾以降は「プライムOne」シリーズとして月1回ペースで設定し、取り扱う販売会社も増えた。今年7月までに全部で12本設定しており、それぞれの申込期間中に集まった資金は合計で2882億円にのぼる。9月27日には第13弾が設定される予定だ。

ラップ口座特集⑤りそな「身近な銀行で使いやすいサービスを提供」

QUICK資産運用研究所=小松めぐみ 個人投資家が証券会社や銀行などの金融機関に資産運用をお任せする「ラップ口座」――。「ラップ口座特集」では、各金融機関のラップ口座について、企画・運営の責任者に特徴を聞く。今回はりそなグループが提供する「りそなファンドラップ」。投資初心者でも始めやすいファンドラップとして広がり、今年4月には契約件数が5万件を突破した。りそな銀行の野田一雄信託ビジネス部長に話を聞いた。 ■6~7割が最もリスクの低い運用スタイル 当社のファンドラップは、最低契約金額が300万円でインデックスファンドに投資する「スタンダード」と最低契約金額が500万円でアクティブファンドに投資する「プレミアム」の2つのコースがある。不動産投資信託(REIT)などのオルタナティブや新興国を投資対象としたファンドへの投資可否は契約者自身が選択できる。プレミアムコースに限り、絶対的な収益を狙うヘッジファンドを組み入れることもできる。 お客さまの運用スタイルは5種類。年齢や資産状況、リスクに対する考え方を伺うアンケートにより決まる。契約者のおよそ6~7割は最もリスクを抑えた「慎重型」を選んでいる。この慎重型で標準偏差(値動きの大きさを示すリスク度合い)は最大で5%程度。昨年末に世界の株式市場が下落した際も、慎重型は小幅な下落にとどまった。証券会社の顧客層と比べ、銀行のお客さまはリスクに対して敏感だ。かなり手堅い運用を意識している。 ■企業年金の運用ノウハウを活用 運用はりそな銀行の資産運用部門とりそなアセットマネジメントが連携して担う。りそな銀行は各運用スタイルの資産配分比率の決定や、投資対象となるファンドラップ専用投信の選別を行う。りそなアセットマネジメントは、スタンダードコースの投資対象のインデックスファンドを運用し、プレミアムコースの実質的な投資対象であるアクティブファンドを選別する。 運用中は、資産配分比率の調整(リバランス)と定期見直し(リアロケーション)をする。リバランスでは、当初の目標資産配分比率と時価ベースでずれが生じた際に、元の資産配分比率に戻す作業を適宜行う。リアロケーションは、目標資産配分比率そのものを見直すこと。原則3カ月ごとに見直し、相場急変時には臨時で見直すこともある。企業年金運用で長く実績を積んできたりそな銀行は資産運用やアロケーションのノウハウがあり、それをファンドラップにうまく活用している。 ■新サービスも次々と導入 当社のファンドラップは他社のラップ口座と比べてコストが低いのも特徴の1つ。2千万円以下の契約でも慎重型であれば年間1%を切る水準まで下げており、成功報酬併用型も採用している。長期保有割引制度も導入し、長期運用をコスト面からサポートする。 時価評価額があらかじめ設定した金額に到達したら投信を解約して、利益を確定する「プロフィットロック」は4割の契約者が設定している。一方で、損失を抑制する「ロスカット」を設定している人は1割に満たない。 昨年6月には、ファンドラップをお試しできる「ウェルカムプラン」を導入した。最低30万円から始められるプランで、ファンドラップに対する敷居を低くして投資初心者にもすそ野を広げるのが狙いだ。まずは、成功体験を積んでほしいので、運用資産が契約時から5%増えると自動的に利益を確定し、契約が終わるしくみにした。 今年5月に始めた「定期受取サービス」は好評だ。年に4回、運用資産を一定額換金して受け取るサービスで、新規契約時に合わせて申込みいただいたり、将来の受取資金を増額して申し込まれるお客さまが多い。毎月受け取りでなくても、運用しながら受け取るニーズは高く、とくに高齢者ではその傾向が顕著だ。 ■身近で使いやすいサービスとして浸透 ファンドラップの純資産総額(残高)と契約件数ともに右肩上がりだ。当社のファンドラップは1人あたりの契約金額は600万円台で証券会社と比べると少ない。当社では、富裕層向けのサービスという考えはなく、幅広いお客さまに提供している。 これまで当社で投信の取引がないお客さまがファンドラップを始めるケースが全体の半数を占め、他の金融機関からわざわざ資金を移してくださるお客さまもいる。投資経験の有無に関係なく、幅広い投資家層にファンドラップが資産運用の1つの手段として着実に浸透している。 当社や当グループの銀行は、身近な商業銀行。お客さまは、証券会社や信託銀行と違って敷居が低いと思う。現在、りそな銀行と埼玉りそな銀行、関西みらい銀行(旧近畿大阪銀行の各支店)の全国のおよそ600カ店でファンドラップを提供している。当グループの幅広いネットワークを活かしお客さまの身近な銀行として使いやすいサービスを意識しながら、ファンドラップを推進していく。

アセマネOne「日経225ノーロード」、3日間で110億円の資金流入

QUICK資産運用研究所 アセットマネジメントOneが運用する「日経225ノーロードオープン」(47311988)に8月6日までの3営業日で110億円の資金が流入した。同期間に日経平均株価は955円下落しており、投資家が押し目買いに動いた影響とみられる。同ファンドはこれまでも株価が下がると資金が流入し、上がると資金が流出する傾向が強かった。 同期間で資金流入額が多かったファンドをランキングしたところ、上位10本のうち半分は日経平均株価に連動するファンドが占めた。

「円奏会」 年1回型も好調、残高2000億円を突破 東京海上AM

QUICK資産運用研究所 東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・円資産バランスファンド(年1回決算型) <愛称:円奏会(年1回決算型)>」(4931114B)の純資産総額(残高)は初めて2000億円を突破した。6日の残高は2002億円だった。2014年11月に設定され、昨年10月に1000億円に到達。資金流入の継続と基準価額の上昇でわずか10カ月あまりで1000億円を積み増した。ちなみに毎月決算型(4931112B)のほうの残高は6196億円。 「円奏会」は日本の債券と株式、REIT(不動産投資信託)にそれぞれ70%、15%、15%を基本配分として投資する。これまで分配実績はなく、基準価額は設定以降一度も1万円を割らずに推移している。6日時点の基準価額は1万1308円で、1年で2.82%上昇した。 同ファンドは国内の追加型公募投信のうち、複数の資産で運用するバランス型の中で残高が5番目に大きい。毎月決算型を除くと最大規模となる。  

三井住友DS「日本株アルファ・カルテット」分配金を減額 過去最低の40円

QUICK資産運用研究所 三井住友DSアセットマネジメントが運用する「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」(79314144)は、5日の決算で1万口あたりの分配金を前月より20円安い40円に引き下げた。2014年4月の設定以降で、過去最低水準を更新した。 同ファンドの実質的な投資対象は日本株式。加えて、円売り・高金利通貨買いの為替取引、株式と通貨のカバードコール戦略を組み合わせている。カバードコール戦略では、国内の株価指数のコールオプションの売りと円に対する取引対象通貨のコールオプションの売りを行う。 現在の取引対象通貨はブラジルレアル。5日時点の基準価額(分配金支払い後)は1885円で、1年前と比べて38.6%下落した。三井住友DSアセットマネジメントは分配金を減額した理由について、「基準価額が下落傾向で推移したことや市況動向等を勘案した結果」とした。 ◇三井住友DSアセットマネジメントの発表資料 第64期決算および分配金のお支払いについて

東京海上AMの「円奏会」、残高2位に浮上 「グロイン」に次ぐ

QUICK資産運用研究所 国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)で、東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)<愛称:円奏会>」(4931112B)が5日時点で純資産総額(残高)ランキングの2位と、同ファンドとして最高位に浮上した。7月末時点は4位だったが、資金流入が続き、4日に初のトップ3入り。わずか1日で2位まで順位を上げた。 一方、順位を下げたのは「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし) 」(3231203C)と「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」(32315984)。外国為替市場で円高が進んだことが響き、どちらも基準価額が下落し、残高を減らした。

余裕資金は投資に フィデリティが会社員1万人に調査

QUICK資産運用研究所 会社員などの投資に対する考え方が変わってきたようだ。フィデリティ退職・投資教育研究所が5月に実施した「サラリーマン1万人アンケート」では、投資家比率の増加や投資スタイルの変化などが見られた。同研究所の野尻哲史所長は「変化の背景には積み立て投資の拡大が底流にあるのではないか」との考えを示した。 今回で7回目となる同調査は、5月14~21日にインターネット経由で実施。全国の20~50代の会社員・公務員1万1812人が回答した。 ■年収500万円未満層にも広がる 年収別の投資家比率は、これまで低迷していた年収500万円未満で投資家比率が上昇した。過去の調査では年収500万円以上になると投資家比率が大きく伸び、同研究所では「年収500万円の壁」があるとみていたが、今回はこの傾向が弱まった。 年代別で見ると、2016年調査と比べて投資家比率の伸びが最も大きかったのが20代で、23.5%から31.5%に上昇した。「まとまった資金がなくても投資ができる」という認識が広がり、若い世代の投資拡大につながった可能性がある。 ■株価に左右されない投資家が増加 投資家の投資スタイルにも変化の兆しが出てきた。今回の調査期間中の日経平均株価は前回を下回る水準だったが、全体の投資家比率は過去最高の36.8%になった。直近4回の調査で右肩上がりに増えている。 2015年までの調査では、日経平均が上がると投資家比率が下がり、株価が下がると比率が上がる関係があったが、16年の調査以降はこの関係が崩れている。野尻氏は「積み立て投資が広がり、相場に左右されずに投資し続ける人が増えたのではないか」と推測する。 ■「貯蓄」派もじわり増加 余裕資金を「投資」に使う人が増えている。「投資」に振り向ける人の割合は全体で16.8%と、15年調査の13.7%から上昇した。「旅行」や「趣味」などを上回り、「貯蓄」に次いで2番目に多い回答となった。「投資」と答えた人を年代別に見ると、男女ともに30代が最も多かった。「貯蓄」と答えた人の割合も全体で43.6%から45.3%に増加し、特に40~50代で伸びが目立った。 ■日本株から投資信託へ緩やかにシフト 投資対象商品にも変化が見られた。日本株がトップを維持しているが、その比率は減少傾向にある。一方、日本株や外国株に投資する投資信託を選ぶ人の割合が増えている。 毎月分配型の投信は前回(12.1%)とほぼ横ばいの12.2%で、ピーク時(2013年)の18.4%からは6.2ポイント減った。「仮想通貨」は6.7%と前回より1.1ポイント上昇し、外国債券(6.1%)を上回った。 ◇詳しい調査概要はこちら  フィデリティ退職・投資教育研究所:資産運用ナビ

日興アセット、残高増と資金流入額で2ヵ月連続の首位 7月

QUICK資産運用研究所 国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)について、運用会社別の7月の月末純資産総額(残高)と残高増加額、資金流入額をそれぞれ集計した。残高増加額と資金流入額は2カ月連続で日興アセットマネジメントが首位となった。6月28日に設定された「グローバル・プロスペクティブ・ファンド(愛称:イノベーティブ・フューチャー)」(02312196)に引き続き資金が流入し、「グローバル3倍3分法ファンド」にも資金が集まった。 (注)QUICK資産運用研究所調べ。対象はETFを除く国内設定の公募追加型株式投信(単位型は含まない)。資金流入額はファンドの設定額から解約額を差し引いた値で概算推計値、償還ファンドは集計対象外。▲はマイナスで減少または流出。運用増加額は純資産増加額から資金流入額を引いた値で、運用のみによる増加額を意味する(概算値)。残高増加額=資金流入額+運用増加額。分配金支払総額(概算値)は資金流出額には含まれず、分配しなかった場合に比べ、運用増加額が分配金支払総額分だけ減る。億円未満は切り捨て。

投信の共通KPI、顧客の6割が含み益 「見える化」課題も多く

QUICK資産運用研究所=西田玲子、石井輝尚 投資信託の販売会社が金融庁の求めに応じて公表した共通の成果指標(KPI)について、QUICK資産運用研究所が172社を対象に調べたところ、2019年3月末時点で含み益の顧客割合を各社で単純平均すると約6割だった。5割強だった18年3月末時点(136社平均)と比べてやや増加した。   ■品ぞろえや期間まちまち、難しい単純比較   昨年は金融庁が18年3月末のデータで銀行29行の数字をまとめて算出したところ、46%の顧客は保有投信の評価損益がマイナスとなり、「投信で個人の半数が損」をしたと話題になった。2回目の公表となった今回は含み益の顧客割合が増える一方で、共通KPIの課題も改めて浮き彫りになった。   この指標の公表は、投信の販売会社における顧客本位の取り組み状況を横並び比較可能な形で「見える化」するのが狙い。しかし、各社で品ぞろえなどに大きな差があり、さかのぼる期間がバラバラなこともあって、この指標だけで顧客思いの会社かどうかを単純に評価するのは難しい。   ■探しにくいデータ、前回数値なしの会社も   課題の1つは見つけにくさ。共通KPIが各社ホームページのどの部分に掲載されているか探しづらく、いつ公表したのかもわからないケースが少なくない。2回目の公表にもかかわらず、前回のデータを併記していない販売会社もある。ファンドラップでは最大手の一部などが今回もデータを公開していない。   前回も問題になったが、全売却された投信が集計対象に含まれないのは引き続き留意点だ。今回目立ったのは、含み益の顧客割合が前回比で大きく伸びたある販売会社のケース。同社によると、主因は販売した投信の運用成績が向上したからではなく、損失を抱えていた顧客が「損切り」に動いたからのようだ。   ■レオスは「ひふみ」人気が裏目に   個別に見ると、ゆうちょ銀行は76.0%の顧客が含み益だった。6月に高齢者への不適切な投信販売が発覚したが、運用損益がプラスの顧客割合では172社のうち17番目に高いという結果だった。   「ひふみ投信」(9C31108A)を直接販売する独立系のレオス・キャピタルワークスは、含み益の顧客が45.0%にとどまった。前回の91.0%を大幅に下回る。前回の結果を踏まえた金融庁のヒアリングでは、含み益の顧客割合が上位の独立系で「積み立て投資」の有効性が強調された。しかし、今回のレオスの場合は「ひふみ」の人気に火がついた17~18年に口座開設した顧客の割合が多いことが裏目に出て、長期積み立ての効果が表れる前に直近の運用成績の影響をより大きく受けた。   ■公表の積極性も販売会社選びの参考に   こうした事例を見ても、販売会社の「顧客本位」の本気度を共通KPIの運用損益別顧客比率だけではかるのは適切とは言えそうにない。各社が共通KPIと同時に独自で公表している指標なども含め、蓄積したデータを時系列で見ていくことが重要になりそうだ。   データのまとめ方や公表方法が的確で誠実かどうかや、金融庁に言われたから開示したという「やらされ感」が醸し出ていないかなどデータ公表の積極性も、個人投資家にとって販売会社選びの参考になりそうだ。   投信販売会社の共通KPI一覧はこちら

夏休み! 親子でお金のお勉強! 投資の疑似体験も! 日興AMがイベント

QUICK資産運用研究所=望月瑞希 「景気っていう言葉、知っていますか?」。小学生にこう問いかけるのは、日興アセットマネジメントが24日に東京・六本木の本社オフィスで開催した「夏休み親子お金研究室」で講師を務める小島厚子氏(日興AMファンドアカデミー学長)。わかりやすい言葉を使って「景気」や「株式」、為替の「円安・円高」などを説明する。 小学校5、6年生とその保護者を対象にした毎年恒例の親子教室は、2011年からスタートして今年で9年目。「経済やお金、資産運用についての正しい知識を若い頃から身につけることが大事」という考えのもと、お金と社会のつながりを楽しみながら学んでもらうことを目的に開催している。募集定員の30組はほぼ満員御礼で、今年は定員の7倍近くの応募があった。 イベントでは、はじめに「経済を学ぼう『景気がいいってどういうこと?』」のテーマで講師の小島氏がイラストを使いながらわかりやすく説明。参加した小学生は、配布された資料にメモをとりながら真剣に耳を傾ける。講師から質問を投げかけられると、積極的に手を挙げて答える姿が見られた。 続いて始まったのは「投資にチャレンジしてみよう!」と題した、株式投資を疑似体験するゲーム。参加者の手元にはゲーム用の紙幣とお財布が配られ、業種が異なるA社、B社、C社の中からどの企業の株式をどれくらい購入するかを決めて売買する。自分が買った株式が最終的にいくらになったかを競い合うゲームだ。株価が下がるくじを引くと子どもたちからは悲鳴があがり、株価が上がるくじが当たると歓声が巻き起こった。 参加者はゲーム感覚で投資を疑似体験する中で、「分散投資」と「長期投資」がお金を育てる大切なポイントであることなどを学んでいく。他にも「投資のリスクとは?」など投資家が知っておくべき内容が随所にちりばめられていた。 イベントの最後は、本社内にある運用部門のフロアを見学するオフィスツアー。一般人がここに入れるのは、この親子教室のときだけ。参加者はパソコンの画面が何枚も連なっている運用担当者の机に釘付けだった。 ファンドマネジャーに直接質問できるコーナーもあり、小学生らは「株価が上がるときはどういうとき?」「株価が下がったら何をするの?」など素朴な疑問を投げかけていた。 子どもたちに参加の動機を聞くと、「お父さんが株をやっていて自分も興味があったから」「池上彰さんの本を読んで経済のことが好きになって、もっと勉強したいと思ったから」と話していた。イベントへの参加はお金や投資を身近に感じるきっかけになったようだ。

アセマネOne「未来の世界(先進国)」の残高が1000億円突破 設定から半年

QUICK資産運用研究所 アセットマネジメントOneが運用する「先進国ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(先進国)>」(47315191)の純資産総額(残高)が初めて1000億円を突破した。23日の残高は1007億円。今年1月末の設定からおよそ半年で残高を積み上げた。みずほ証券1社で販売している。   同ファンドの投資対象は、日本を含む先進国の株式。競争力や成長力の評価に基づいて質が高いと考えられる企業(ハイクオリティ成長企業)の中から、割安と判断される銘柄を厳選して投資する。   1月31日に当初設定額が262億円で運用を始め、2~5月は4カ月連続で資金流入超過額が150億円を上回った。6月は37億円で資金流入のスピードは落ちたが、成績が堅調なこともあって残高の増加傾向が続いている。   これまでに基準価額が1万円を下回ったのは設定日翌日(2月1日)の1回のみで、7月23日の基準価額は1万863円だった。    

「楽天・バンガード」、米国ETFに投資(インデックスファンドNAVI)

QUICK資産運用研究所=小松めぐみ 資産形成を目指す個人投資家の間で、指数連動型のインデックス投資が広まりつつある。運用各社も様々なインデックスファンドを展開し、低コスト化や品ぞろえの拡充など独自の取り組みでしのぎを削っている。 「インデックスファンドNAVI」では、運用各社のインデックスファンドシリーズについて、それぞれの特徴や強みを解説する。今回は楽天投信投資顧問の「楽天・バンガード・ファンド」。運用会社の名前を冠する珍しいインデックスファンドシリーズだ。 ■世界最大手の運用会社と組む 「楽天・バンガード・ファンド」シリーズは、楽天グループの資産運用会社である楽天投信とバンガード・インベストメンツ・ジャパンがタッグを組んで開発したインデックスファンドシリーズ。バンガード・グループ(以下バンガード)は、世界の資産運用会社の中でもインデックスファンド運用の最大手で、同社が運用する米国ETF(上場投資信託)は、国内でもネット証券の海外ETF販売ランキングなどで上位の常連だ。 日本で積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の対象となるファンドを提供したいと考えたバンガードがパートナーに選んだのは、ネット取引との親和性が高く、若年層との接点が比較的強い楽天投信。楽天投信としても、米国で既にネット取引を中心に低コストのインデックスファンドを幅広く提供しているバンガードと一緒に資産形成層のニーズを満たしていきたいと考えた。こうした流れで両社の名前を入れたシリーズが誕生した。 ■まるごと投資の「全米株式」と「全世界株式」 「楽天・バンガード・ファンド」シリーズのポイントは、バンガードが運用する米国のETFを投資対象とするファンドであること。米国ETFへの直接投資は時差や税金などの問題でハードルが高い印象があるが、国内の公募投信に仕立てることで日本の個人投資家でも買いやすく、長期の積み立て投資に適したファンドの提供が実現した。 シリーズは合計8ファンド。特に人気なのは「全米株式」と「全世界株式」の2本だ。純資産総額(残高)が最も大きい「楽天・全米株式インデックス・ファンド<愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)>」(9I312179)の実質的な投資対象は米国の株式。投資可能銘柄のほぼ100%となる約4000銘柄をカバーし、現在日本で商品化されている米国株式ファンドの中で最大級の銘柄数を誇る(楽天投信調べ、2019年6月時点)。大型株だけではなく、中小型株も投資対象としているため、「長期的に見てパフォーマンスの向上と高い分散効果が期待できる」(楽天投信の石舘真企画部長)という。 「楽天・全世界株式インデックス・ファンド<愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)>」(9I311179)は、日本を含む世界の約8000銘柄の株式に「まるごと」投資できるのが最大の特徴。このファンドも日本にある世界株式ファンドの中では最大級(楽天投信調べ、2019年6月時点)だ。 ■「バランス型」は株と債券で対象2万銘柄 つみたてNISAに合わせてシリーズを立ち上げたため、長期の資産形成向けに相対的に低コストのファンドをそろえているのも特色の1つ。現在は米国ETFに投資するタイプだけでなく、複数の資産に分散投資するバランス型などを追加してラインアップを拡充している。このバランス型はバンガードのETFとファンドを利用することで幅広い資産クラスに投資できるのが特徴で、株式と債券あわせて約2万銘柄が対象になる 課題は運用精度のさらなる改善や信託報酬以外のコストの低減。なお、信託報酬に関しては投信業界の低価格化が進む中で、「状況を総合的に考慮しながら、取りうる対応を検討していきたい」(石舘氏)としている。 楽天投信の石館真企画部長 ■特設サイトで投資家とコミュニケーション 今年5月には同シリーズの特設サイト「楽天バンガードHEADS」を立ち上げた。参考にしたのは、バンガード創業者のジョン・ボーグルにちなんだ「ボーグルHEADS」という米国の投資家コミュニケーションサイトだ。日本でも投資家と直接コミュニケーションをとれるサービスの提供を目指し、ブログのようなシンプルなサイトにした。 サイト開設後は投資家から多くの質問が届いているという。内容は商品に対する素朴な疑問から、コストに関するマニアックなものまで幅広い。今後これらの疑問に答えていくことに加え、投資家との様々なやりとりを通じてサービスレベルを一層向上させていく。 <関連サイト> ◇楽天・バンガード・ファンド ◇楽天バンガードHEADS

東京海上AM「円奏会」、毎月と年1回決算型の合計残高が8000億円超

QUICK資産運用研究所 東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・円資産バランスファンド(愛称:円奏会)」は、毎月決算型(4931112B)と年1回決算型(4931114B)の純資産総額(残高)の合計が8000億円を超えた。17日の残高は毎月決算型が6104億円、年1回決算型が1909億円で、合わせて8013億円となった。 「円奏会」は日本の債券と株式、REIT(不動産投資信託)に分散投資し、基本の配分比率はそれぞれ70%、15%、15%。毎月決算型は2012年11月、年1回決算型は14年11月に運用を始めた。 毎月決算型は今年上期(1~6月)の資金流入超過額が1096億円と、国内公募の追加型株式投資信託(ETF除く)で3番目に多かった。年1回決算型も8番目に多い630億円の資金が流入し、それぞれ残高を積み増した。

日興AM「グローバル3倍3分法(1年決算)」残高が1000億円超す

QUICK資産運用研究所 日興アセットマネジメントが運用する「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」(0231118A)の純資産総額(残高)が初めて1000億円を突破した。16日の残高は1007億円。2018年10月の設定から約9カ月で大台に乗せた。 同ファンドの投資対象は国内外の株式と不動産投資信託(REIT)、債券。それぞれ20%、13.3%、66.7%を基本的な資産配分とするが、日本の株式と国内外の債券部分に先物取引を使い、実際の投資額(純資産総額)の3倍相当を運用するのと同じ成果が得られる仕組みだ。 16日時点の基準価額は1万1701円。昨年末の株価下落時は9300円台で持ちこたえ、その後は堅調に推移している。設定当初はネット証券のみで販売していたが、運用実績などを背景に販売会社が増加。現在は大手証券や地方銀行でも取り扱う。今年上期(1~6月)の資金流入超過額は782億円にのぼり、残高が急拡大した。 同日に設定された隔月分配型(0231218A)は7月16日の残高が487億円。基準価額は1万1560円だった。今年3月の決算で初めて1万口あたり110円の分配金を出し、5月の決算でも同水準を維持した。 ◇ファンドの詳細は日経電子版<「3倍3分法」で増やす分散投資(話題の投信)>

楽天証券IFA養成校、2期目は受講者が倍増 オンライン講座を導入

QUICK資産運用研究所=高瀬浩 インターネット証券大手の楽天証券が昨年開講した独立系金融アドバイザー(IFA)を養成するビジネススクールが6月から2期目に入った。新たにオンライン講座を導入した効果で、受講者は昨年度から倍増した。楽天証券はIFAを自ら育成し、同社が注力するIFAを介した預かり資産の拡大につなげるのが狙いだ。 ■受講者は30~40代が中心 講座は税制やポートフォリオ理論など金融の基礎知識を習得する「基礎コース」と、最適な資産形成プランを提案できるようになる実務力を身につける「実践コース」の2つ。基礎コースを修了した受講者のうち、希望者が実践コースに進む。 受講者数は基礎コースが109人、実践コースが64人と、それぞれ昨年度(52人、33人)の2倍に増加。このうちオンライン受講者は基礎コースが72人、実践コースが37人に達した。 年代別では30~40代が中心で、男女比率は両コースとも7対3。実践コース受講者の職業は、証券業界の2割弱に対して、保険業界が3割強と上回った。 【年代別比率】       20代 30代 40代 50代 60代 基礎コース 14% 37% 32% 14% 3% 実践コース 19% 28% 30% 20% 3% 【男女比率】       男性 女性 基礎コース 71% 29% 実践コース 73% 27% ■実践的な演習、IFA創業者が対談 楽天証券は7月6日に開いた実践コース4日目をメディアに公開した。前半の講義は、運用会社アライアンス・バーンスタインの後藤順一郎AB未来総研所長が講師を務め、「世代別で考えるポートフォリオ構築とその実践」について解説した。 グループに分かれての演習は、具体的な事例に基づき、顧客に最適なポートフォリオを策定するなど実践的だ。後藤氏は「資産配分を決める際に必要となる各資産の『期待リターン』はあくまで仮定を置いた数値であり、期待リターンの数値に頼りすぎるのは禁物」と助言し、「人生100年時代の資産寿命に関係する『平均寿命』は年々少しずつ長期化しており、将来の平均寿命は現在よりも相当長くなっている」と指摘した。 後半の講義は、IFA会社の創業者であるガイア(東京・新宿)の中桐啓貴社長とフィナンシャルクリエイト(東京・板橋)の髙塚大広社長の対談。「なぜIFAとして独立したのか」「独立して一番うれしかったこと、大変だったことは」「最も必要なスキル・知識は何か」といった質問に答えた。 講義後の懇親会にはオンライン受講者も参加し、講師を交えて交流を深めた。受講者から「IFAと成年後見制度に関わる行政書士の仕事は親和性がとても高い」(行政書士)、「保険会社が今後の役割として顧客への資産運用をアドバイスするのは有望」(保険会社社員)などの声が聞かれた。 金融機関によるノルマ営業の問題が顕在化する中で、金融機関に属さない「独立系」のIFAの役割が注目されている。一方で、IFAとして収益基盤を確立するのは必ずしも容易ではないようだ。金融庁が掲げる「貯蓄から資産形成へ」を推進するうえでも、信頼のおけるIFAの養成はカギになってくる。

含み益の顧客、ゆうちょ銀76% 投信の共通KPI(159社・業態別一覧)

QUICK資産運用研究所 投資信託を販売する金融機関が昨年から自主的に公表を始めた共通の成果指標(KPI)。金融庁が定めた基準で2回目となる2019年3月末時点のデータがほぼ出そろった。QUICK資産運用研究所が調べた159社について、業態別で一覧にまとめた。データを公開した投信の販売会社は前回の117社(18年3月末時点、金融庁に19年3月末までに報告した金融事業者)を上回った。 19年3月末時点で運用損益がプラス(含み益)の顧客割合が前年と比較できるのは115社。このうち前年比で割合が増えたのは86社(横ばいを含む)、減ったのは29社だった。 含み益の顧客割合は19年3月末時点の平均(159社)が61.2%と、前年の55.0%(115社平均)を約6ポイント上回った。 159社のうち、含み益の顧客割合が最も高かったのはセゾン投信の97.8%。前年より12.9ポイント上昇した。同社の顧客は投信の平均保有期間が12.04年と比較的長い。 一方、含み益の顧客割合が前年比で最も大きく下がったのは、レオス・キャピタルワークスの45.0%。前年の91.0%から46.0ポイント低下した。レオスは17~18年に口座開設した顧客が全体の7割を占めており、最近の運用成績の影響を大きく受けた。 6月に高齢者への不適切な投信販売が発覚したゆうちょ銀行は、76.0%の顧客が含み益だった。 ファンドラップの共通KPIを公表したのは15社。前年と比較できる13社のうち、ほぼ半分の6社は含み益の顧客割合が減少した。最大手の野村證券はファンドラップの共通KPIを公表していない。   ※QUICK資産運用研究所調べ(2019年7月上旬までに各社ホームページで確認できた主な販売会社が対象)、▲は減少。業態・種類ごとに含み益の顧客割合が高い順にランキング。含み益の顧客割合は各社が公表資料に掲載した数値または運用損益別の区分がプラスの割合の単純合算、小数点第2位を含めてランキング。18年3月末時点は原則として前回公表データ(前回分が大きく修正された場合や、今回初めて公表した販売会社のうち2年分を同時公表した場合は今回発表分を採用)。  

「インデックス投資の父」を追悼 個人投資家が集うインデックス投資ナイト

株価などの指数に連動したインデックス投資を志向する個人投資家が集まる「インデックス投資ナイト」が7月6日の夜に東京・渋谷のイベントハウス型飲食店「東京カルチャーカルチャー(運営はイッツ・コミュニケーションズ)」で開かれた。個人投資家による個人投資家のための年に一度の手作りイベントは今回で12回目。主催の関係者を含む約170人が参加し、会場は熱気に包まれた。 インデックス投資家にとって夏の恒例となったイベントは、チケットが発売から数分で売り切れるほど人気化。チケット争奪戦に敗れた10人あまりが会場の近くに集まり「裏インデックス投資ナイト」を同時開催した。イベント開始前には有志が集まる「0次会」が開かれたほか、終了後の懇親会は100人を超えるなど、個人投資家の貴重な交流の機会になっている。  ■バンガード創業者の先見性や功績を称賛 3部構成の第1部は「インデックス投資の生みの親 John C. Bogle氏追悼」と題し、今年1月に89歳の生涯を閉じた米バンガード・グループの創業者の一人であるジョン・C・ボーグル氏を偲んだ。塚本俊太郎氏(バンガード・インベストメンツ・ジャパン投資戦略部長)、今井利友氏(金融庁総合政策局総合政策課金融税制調整官)、田村正之氏(日本経済新聞社編集委員兼紙面解説委員)、水瀬ケンイチ氏(投資ブロガー)が登壇し、実行委員のイーノ・ジュンイチ氏(投資ブロガー)が司会を務めた。 「複利の魔法は驚異的」--。ボーグル氏の名言の数々を水瀬氏が紹介。インデックス投資の父と呼ばれたボーグル氏が歩んだ軌跡を振り返り、その先見性や功績を称えた。 ■若手ブロガーが語る投資生活、インデックス投資の現状も議論 第2部の座談会「若手投資ブロガーさん、集まれ!!」では、投資ブロガーの40代のシオイ氏と30代の青井ノボル氏、柴崎シュンスケ氏、ザリガニ氏が登壇。カン・チュンド氏(しんようFPオフィス)を進行役として、投資生活のありのままを語り、同世代にエールを送った。 4人のブロガーは「身近で投資の話をする雰囲気が全くなく孤独を感じていた中で、ブログを通じてつながり、仲間ができた」「投資方針や運用内容をブログで公表することで、ぶれなく長期・積み立て・分散投資を続けられている」などとブログで情報発信するメリットを語った。 第3部は「なぜインデックス投資は広まらないのか?日本のインデックス投資の未来」と題した座談会。実行委員のASK氏(投資ブロガー)が司会を務め、山崎元氏(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)、柴山和久氏(ウェルスナビ代表取締役)、虫とり小僧氏(投資ブロガー)がそれぞれの立場から、インデックス投資の現状について意見を交わした。 バランス型投信の意義に関して、柴山氏は「できあいのバランス型(で運用する)か、自分で分散投資するかのどちらが正解かという議論はあまり意味がない。インデックス投資を通じて貯蓄から資産形成への流れを太くすることのほうが重要だ」と力説した。 ■苦しい時はボーグル氏の名言を心の支えに イベントの熱気は参加者の声に凝縮されている。参加者から寄せられたコメントをまとめた。 「初めての実行委員長ということもあり、抜けがないか終了まで内心どきどきだったが、参加者、登壇者、会場スタッフ、そして信頼のおける実行委員の仲間、皆様のおかげでイベントを無事終了できて感謝したい。ボーグル氏追悼は一番思い入れの強い企画。馴染みのある人もない人も人物像を深く知り、ささやかながら偲ぶ良い機会になったと思う」(実行委員長のyb氏) 「本年も楽しく盛り上がった。『なぜインデックス投資は広まらないのか?』というセッションを設けたが、着実にインデックス投資の輪が広がっていることを実感。投資家による手弁当イベントならではの醍醐味のあるイベントとして引き続き尽力していきたい」(実行委員のASK氏) 「各テーブルでお互い初見の参加者同士のつながりができていたように見えた。投資は孤独な作業になりがち。登壇者らの話を聞くだけでなく、参加者同士で投資家仲間を作ってもらえるキッカケになったら素晴らしい。ボーグル氏のたくさんの名言を紹介したが、どれかひとつでも心に留めてもらい、苦しい時の『心の支え』になってくれたらいいなと思う」(実行委員の水瀬ケンイチ氏) 「インデックス投資ナイトではいつもマニアックな内容のものを遠慮なく届けているつもり。第1部のボーグル氏の追悼企画は内容も登壇者の顔ぶれもそれにふさわしいマニアックなもので、自分でも満足度が高い内容になった。今年もたくさん来場してくれてとてもありがたい」(実行委員のイーノ・ジュンイチ氏) 「これまでで一番女性参加者が多く、個人投資家のすそ野の広さを感じ取れた。お祭りとして楽しんでもらえたようで実行委員としてうれしい」(実行委員のkenz氏) 「柴崎氏から『自分の気持ちがぶれないように投資方針書を書き、公開している』との発言があった。私も感情のままに投資するのは失敗の元で、簡単でもいいから投資方針書を作成するのがいいと思う。老後2000万円問題がイベントにどう影響するか不安もあったが、『問題を前向きに捉え、今後の人生にどう活かすか真剣に考えている』と参加者が話していたのが印象的だった」(実行委員のセロン氏) 「多くの個人投資家が一堂に会し、たとえ初対面であっても、インデックス投資という共通項を通じて熱く語り合っていたのが印象的だ。自分で投資するだけでなく、他の多くの人にもその素晴らしさを伝えていきたいという優しい思いも感じた。ボーグル氏も天国で喜んでいるはず。彼の信念『航路を守れ』(信念をぶれずに守り続けろ)に従い、インデックス投資を長期に続けて欲しい」(塚本俊太郎氏) 「このイベントはこの会場で開催しているイベントの中で最古だそうだ。イベントを続けている実行委員は凄いと改めて感じた。大勢の人の前で話をするのはとても緊張したが、40代既婚者として投資のこだわっている点や夫婦でのお金の管理について自分のやっていることをできる限り話した。参加者の方にとって何かしら参考になる・役立つ点があればいいなと思う」(シオイ氏) 「第2部で登壇したときは緊張したが、皆さん楽しそうに聞いてくれていて、リラックスして話すことができた。集まった個人投資家の輪を大切にしたい。相場変動に惑わされないためには、自分の考えをしっかり持つと同時に仲間の存在が重要だと思う。集まった皆さんと長期・分散・積み立て投資を一緒に継続してきたい。多くの個人投資家と交流できる貴重な機会。実行委員の皆さんに感謝」(青井ノボル氏) 「若手投資ブロガーということでお声がけいただき、自身の経験を話した。会場の参加者やSNS(交流サイト)の反応を見ていると、さらに若い20代のインデックス投資家も増えていると感じた。少しずつだが、インデックス投資の裾野が広がっているのではないか。インターネットで簡単に交流ができる時代だが、実際に顔を合わせて交流することで、分かり合えることもある」(柴崎シュンスケ氏) 「昨年と同様に感じたのは、意見交換できる人の存在。お互いの意見に共感したり、投資の継続を励ましあったりする仲間の重要性だった。このイベントにはそんな機会を求める個人投資家が集まってくる。行政やファイナンシャルプランナー(FP)ら各界で著名な方、ブログやSNSで情報発信をする方、そして多数の個人投資家、これらが一堂に集まる場であり、垣根なく交流できるのはとても意義がある」(ザリガニ氏) 「今年は初参加が多く、女性の比率も今までで一番多かった気がする。結果として登壇者全員が男性というのは、資産運用の需要者という意味では歪みがきついとも言える。来年以降は女性投資家の井戸端会議(座談会)企画などで、女性の投資家にも登壇してもらうと、イベントの裾野がより広がっていく気がする」(カン・チュンド氏) 「老後2000万円問題の意味のなさを参加者の多くが分かっているようで安心した」(山崎元氏) 「運営スタッフから、全国から集まった参加者まで、個人投資家の個人投資家による個人投資家のためのイベントの熱気を肌で感じた。参加者の方々と話していて、ウェルスナビのチームに雰囲気や考え方が似ていると感じ、親近感を覚えた。バランスファンドやETF(上場投信)、ロボアドバイザーなど投資手法や考え方の違いを超えて、インデックス投資の普及に向けた前向きな議論ができた」(柴山和久氏) 「投資経験が豊富で毎度おなじみの常連さんと、初参加のようなビギナー寄りの方たちの両方を満足させるのは難しいのに、手弁当で実行委員の皆さんは本当によく考えて工夫している。頭が下がる。個人的には登壇者として、自分がしゃべりすぎてはいけないと思って、どちらかというと盛り上げることと議論のバランスをとることを心がけたつもりだが、反省ばかりが残る」(虫とり小僧氏) ■インデックス投資への思いを共有 「今は大学生。SNSでやり取りをしている投資家の方々と実際に交流ができる素晴らしいイベントだった。登壇者、参加者、運営者のみんなで日本のインデックス投資を盛り上げていこうという雰囲気が感じられた。今後もこのようなイベントが増えて欲しい。来年もまた是非参加させてもらいたい」(レン@学生投資家氏) 「20代の社会人。初参加で緊張していたが、いざ始まってみれば、いい意味で『飲み会』の延長だった。オープンな雰囲気で食事を楽しみながら、先輩ブロガーの方々が積み上げてきた歴史とインデックス投資への思いを仲間と共有できる素敵なイベント。まだ参加したことがないインデックス投資家の方は是非参加してほしい!そんなお祭りだった」(ありひと氏) 「ツイッターで知り合ったインデックス投資家や有名投資ブロガーと直接会いたいという目的で、初めて一人で参加した。ベテラン参加者が声をかけてくれ、紹介して回ってくれたので、多くの有名ブロガーと名刺交換できて非常に満足。投資セミナーではなく参加者同士の交流がメインのイベントのため、ツイッターなどで雰囲気をあらかじめ理解しておくのが良いと感じた」(ゆき氏) 「数年前はもう少しトークが白熱していた気がする。発言がすっかりおとなしくなり、少し緩い感じもした。でもそれは、信託報酬がクローズアップされ、上質なバランスファンドができ、国の制度も整いつつあることのうれしい代償なのかもしれない。孤独なインデックス投資だが、こうして横のつながりでいろんな人と交流できる場がある。インデックス投資を始めてよかった」(Hiro_san氏) 「最も印象的だったのは、山崎氏の提案に対して、柴山氏が『良心的なFPサービスを実現します』と即答したこと。とにかく日本の資産形成環境を良くしたいという熱意が感じられ、新しいアイデアが生まれ出る瞬間に居合わせたことがうれしかった。今回、女性参加者の割合が過去最高だったと聞いたが、登壇者が全て男性だったのは少々残念」(Masami氏) 「ボーグル氏の生い立ちや人生は全然知らなかったし、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)にまで影響を与えたというのは稀有な存在。第2部は夫婦間でお金の情報をどのようにやりとりしているかをナマの情報として聞けたのはとても参考になった。第3部では柴山氏の奥様のご両親がファイナンシャルアドバイザーのサービスを受けて長期分散投資をしているという話がよかった」(にこいち氏) 「第2部の若手ブロガー座談会では、個人投資家のリアルな日常がうかがえて面白かった。全体的には、遠くから来られている人、女性参加者もたくさんいて活気を感じた。熱心にメモを取っている姿も印象的。皆さん、年に一度のこの集まりを本当に楽しみにしているのだなと感動。12回目ということで、運営側の皆さんの尽力に敬服。来年も楽しみ」(ファイナンシャルプランナーの岩城みずほ氏) ■山崎氏vs柴山氏の議論に関心 「過去にも路線の違いを対比した企画があった。今回はウェルスナビの登場がこれに当たる。ロボアド否定派の山崎氏との討論によって、ロボアドの理念・限界・課題がより明確になった。山崎氏の意見にほぼ全面的に同意するが、論点ごとの違いが可視化されたことや、口座だけではなく保有資産全体を見据えたサービス実現の提言など、異なる立場からの討論の成果は大きい」(安房氏) 「ボーグル氏の名言は初心者から上級者まで是非覚えておいて欲しいフレーズにあふれていた。同氏の本を読んでみたくなった。インデックス投資家の多くがウェルスナビの手数料を高いと感じている中で、柴山氏は敵地に来ることがよくできると思っていた。しかしインデックス投資を日本に広めていきたいという思いが伝わってきて、向いている方向は同じと感じた」(パーサモウニアス氏) 「第3部での山崎氏と柴山氏の討論が面白かった。ストーリーは異なっても見ている先の目標は同じで、投資を広げたいという思いが伝わってきた。インデックス投資ナイトに参加した人達が今後10年後、20年後に成功体験を話していくことになるのがとても楽しみだ。第2部の若手投資家座談会では参加者からの質問コーナーがあったら、もっと良かった気がする」(ずずず氏) 「若手ブロガー座談会は全員既婚者で、お金に関する夫婦間の生々しい話が聞けて大変参考になった。家計簿アプリで情報共有するのは現実的で効果的なので真似してみようと思う。柴山氏の『手数料を払っても一切をプロに任せたい層もいる』に対して、山崎氏は『いたってシンプルなのでロボアド相当なことはわずかな知識でできる』と、議論が白熱し、とても興味深かった」(やすぎ氏) 「今回は山崎氏と柴山氏のバトル?などバリエーションに富んでいてとても楽しめた。若手ブロガーがしっかり資産運用している姿は頼もしく感じた。とにかくたくさんの投資家とコミュニケーションがとれるのは魅力。一つだけ残念だったのは、どうすればインデックス投資が広がるかの議論が少なかったこと。インデックス投資が広がるのは難しいのかなと再認識した」(もことん氏) 「塚本氏や柴山氏ら現場のプロの話を聞けたのは貴重。アクティブファンドやロボアドをどのように捉え、理解し、受け入れていくのかという議論が大事だと感じた。インデックス投資だけを盲信したり、それ以外をおとしめたりせずに、インデックス投資をきっかけにファイナンシャルプランニングそのものと向き合っていくことが大切だと思った」(YUMA氏) ■インデックス投資の裾野の拡大を実感 「特徴的だったのは、20代30代と思われる若い人の参加が多くなり、女性も増えたこと。今回のプログラムにもあった『なぜインデックス投資=資産形成は広まらないのか?』。その答えというか、ターニングポイント、変化の兆しを感じる今回のインデックス投資ナイトだった」(NightWalker氏) 「5年目の参加となるが、若年層と女性の比率が増えてきたように感じる。とくに学生の姿もチラホラ見られ、投資の関心が確実に世代・性別を超えて広がりつつあるエネルギーを感じた」(WATANKO氏) 「女性の参加比率が高かったのが意外だった。インデックス投資への興味の裾野が広がっている印象。主催した非公式『0次会』には36人が集まった。全国各地の投資家が交流したいという欲求があることが証明された。0次会ではアプリを使ってオンラインミーティングを開いたが、こちらも盛り上がった。場所の概念を取り払って草の根交流ができたのは大きい」(亜門氏) 「第1回目のインデックス投資ナイトはリーマンショック後の大変な時期に開催され、恐慌にも負けないインデックス投資家の繋がりの場を提供するというキーコンセプトがあったように思う。10年経ってSNSを通じたインデックス投資家同士の交流が想像以上に広がってきた。投資仲間がいる人達は、きっと次の暴落が来ても積み立てを止めずに続けることができるのではないか」(じゅん@氏) 「個人投資家による個人投資家のための集まりで、普段は孤独な投資家を支え合う仲間を作る場として有意義だった。懇親会では様々な方と会い、投資初心者だろうがベテランだろうが関係なく、みんな仲間という暖かさを感じた。日本にインデックス投資を広め、日本の投資環境を改善していく上でも影響力がある会だなと感じ、参加させてもらえたことに感謝」(マイルドインベスター氏) 「今回も運良く参加できた。一番楽しみにしていた第2部の若手ブロガー座談会で最も印象に残ったのは,家計管理についてだった。一般的に家計管理は夫婦の一方が担い他方は無関心なことが多い。しかし今回登壇した方々は関心の程度の差はあれども、夫婦お互いに共有していた。自身も家庭を持てた際の参考にしたい」(くは72氏) 「第1部でボーグル氏の生い立ちや名言の紹介を聞き、インデックスファンドをメインとした投資を10年以上続けているのに、つい他の投資方法も試してしまう自身の感情の弱さと、低コストでシンプルな資産形成の重要性を再認識。また、若手ブロガーの資産(家計)管理アプリや第3部のロボアド活用の話を聞いて、アプリなどに疎い私にも新たな発見を得る機会となった」(フェニックス氏) 「印象に残ったのは第1部のボーグル氏にまつわる話で、このイベントならではのコアな話が聞けた。ボーグル氏に関係する指数を金融庁担当者が、つみたてNISAの対象指数としてそっと忍ばせておいたという裏話も面白かった。インデックス投資が広まってきているが、さかのぼるとボーグル氏の功績はすばらしい」(リバモ氏) 「水瀬氏がボーグル氏の名言を読み上げていた時は感動的でしびれた。若手ブロガーが家計簿アプリを活用して夫婦で資産状況を共有しているのはとても参考になった。ロボアドのコストが高すぎると批判していた山崎氏と柴山氏とのやりとりが気になっていたが、山崎氏が前向きな提案をするなど、思った以上に盛り上がった。ウェルスナビの進化に期待したい」(つばさ氏) 「参加して感じたのは、複数回参加している方が多くなってきたということ。そういう意味ではイベントがだいぶ浸透してきていると思う。イベントも投資と同じように『継続する』ことに最大の意味があると思う。今後も続けて欲しい」(nantes氏) 「四国から参加。よくあるトークセッションでは登壇者が『しらふ』で話すのが当たり前。ところがこの会は飲みながら話し、注文までするという通常では考えられない『ぶっ飛んだ』ものだった。お酒の効果か、登壇者の方が率直な意見をぶつけ合うことができていた。参加者もお酒を飲みながら楽しく話したり、トークを聞いて笑ったり、共感したりなど素晴らしい会だった」(ひめだか氏) 「愛知県から初参加。インデックス投資家の知的好奇心を満たしてくれる企画を多く盛り込み、大変面白いイベントだった。投資歴は12年だが、これまで遠い壁の向こうにいるように感じられた人たちとも実際に会うことができ、同志と積極的に触れる機会が得られ、有意義な時間を過ごすことができた。『0次会』も楽しかった」(はるか投信投資顧問氏) ◇インデックス投資ナイト2019のプログラムはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

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