投資商品、重視するポイントは? 【個人の資産形成に関する意識調査⑩】

QUICK資産運用研究所が昨年11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。10回目は金融商品の保有状況について聞いた結果を掲載。商品を選ぶ際に重視するポイントについても尋ねた。(調査概要と過去の配信はこちら) ■リスク性資産の保有、国内株式がトップ 現在保有している金融商品は、「定期性預貯金」が抜きんでて高かった。次いで「いずれも保有していない」の割合が大きかった。 リスク性資産の中では「国内株式」が23.4%でトップ。「個人年金保険」と「投資信託」、「終身保険」は15%前後で横並びだった。 今後については「保有したい・取引額を増やしたい商品はない」の48.6%が最も高かった。 ■利回りの高さや値上がりを重視 資産形成・資産運用をしている人(下記に区分方法を掲載)に対し、運用する商品を選ぶ際に重視することを聞いた結果、「利回りの高さ」や「値上がり期待」といった回答が多かった。 年代別でみると、若年層ほど「商品内容のわかりやすさ」や「手数料や信託報酬の水準」を気にする傾向が強い。60代以上では「元本保証」や「換金のしやすさ」の比率が高かった。 投資経験別では、投資経験の長い方が「利回りの高さ」と「値上がり期待」をより重視する傾向にある。投資経験が10年以上のベテランは「株主優待」や「投資先が好きな企業であること」の回答が目立った。 ◇資産形成・資産運用をしている人:下記の金融商品を保有していると答えた人 <金融商品:外貨預金/国内株式/外国株式/個人向け国債/その他債券 /投資信託(ETF、ETN、REIT含む)/個人年金保険(円建て)※公的年金、企業年金は除く/個人年金保険(外貨建て)/定期保険・養老保険(満期金あり、円建て)/定期保険・養老保険(満期金あり、外貨建て)/終身保険(満期なし、円建て)/終身保険(満期なし、外貨建て)/MMF・中期国債ファンド 外貨建てMMF/ラップ口座(ファンドラップ、SMAなど)/外国為替証拠金(FX)取引、差金決済(CFD)取引/先物・オプション商品、カバードワラント/仮想通貨(ビットコインなど)/金などの貴金属投資> ◇投資経験の目安※自己申告によるもの 初級  :投資経験1年未満 中級  :投資経験1年以上5年未満 上級  :投資経験5年以上10年未満 ベテラン:投資経験10年以上 (QUICK資産運用研究所)

資産運用、まずは「勉強が必要」のイメージ 【個人の資産形成に関する意識調査⑨】

QUICK資産運用研究所が昨年11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。9回目は資産形成・資産運用のイメージや連想する商品について掲載する。(調査概要と過去の配信はこちら) ■投資経験ない人はネガティブ印象 「資産形成・資産運用」に関するイメージでは、「勉強が必要」との回答が最も多かった。「リスクが高い」や「損をする・怖い」といったマイナスイメージが僅差で続いた。 投資経験別で見ると、投資経験がない人は「損をする・怖い」などの回答が先行。投資経験が長くなるにつれて「面倒」や「騙されそう」などの回答が減り、「生きていくうえで必要」や「副収入が得られる」といったプラスイメージが増える傾向があった。 ■イメージする商品は「国内株式」がトップ 「資産形成・資産運用」と聞いてイメージする商品を選んでもらったところ、トップは「国内株式」だった。2位が「定期性預貯金」、3位は「投資信託」。その次は「特にイメージするものはない」の28.8%だった。 投資経験の有無に分けてみると、投資経験がない人は「特にイメージするものはない」の39.0%が最多で、「定期性預貯金」が続いた。一方、投資経験のある人は「国内株式」や「投資信託」が相対的に多く、経験年数によって大きな差が見られなかった。 (QUICK資産運用研究所)

資産形成の必要性「感じる」増え49% 【個人の資産形成に関する意識調査⑧】

QUICK資産運用研究所が昨年11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。8回目は資産形成の必要性について聞いた結果を掲載する。(調査概要と過去の配信はこちら) 資産形成・資産運用の必要性を感じるか聞いたところ、「非常に必要性を感じる」と「やや必要性を感じる」の合計が49.3%を占めた。前回調査(2017年12月)の37.6%から11.7ポイント上昇した。年代別で見ると、30~50代で50%を超えた。 一方、「どちらとも言えない」と「あまり必要性を感じない」、「全く必要性を感じない」と答えた人にその理由を聞くと、「リスクを取りたくないから」の回答が31.0%で最も多かった。「そもそも資産形成について考えたことがない」が29.1%で2位だった。 年代別では、20代で「そもそも資産形成について考えたことがない」が41.7%と飛び抜けて高かった。70ー74歳のシニア世代は「預貯金と公的年金で暮らしていけるから」の回答が30.1%にのぼった。 (QUICK資産運用研究所)

お金の悩み、不安のトップは「老後資金」 【個人の資産形成に関する意識調査⑦】

QUICK資産運用研究所が昨年11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。7回目は、お金の悩みについて聞いた結果を年代別で比較した。(調査概要と過去の配信はこちら) お金に関連して困っていること、不安に感じていることの質問では「老後資金」がトップだった。特に老後が近づく40~50代で比率が高く、半数以上の人が老後資金に対して不安を感じていることがわかった。「老齢に伴う介護・医療費」の回答が2番目に多かった。 一方で、およそ4人に1人はお金に関連して「特に困っていることはない」と答えた。中でも20代はこの回答が35.1%と、すべての選択肢で最も比率が高かった。もっとも「現在困っていることはないが、漠然とした不安がある」との回答も20代では20.5%あり、70-74歳の25.5%に次いで高かった。 (QUICK資産運用研究所)

個人投資家の一大オフ会に 「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」懇親会

毎年恒例の「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」(FOY2018)が開かれた13日の夜、表彰式から場所を移した懇親会は、100人あまりのブロガーや個人投資家に加え、上位に入賞した運用会社の関係者も参加した。今回で12回目を迎えたイベントも懇親会を開くようになってからは3回目。入場チケットの購入者は昨年の約70人を上回るが、早々と完売したようだ。 ◇表彰式の記事はこちら↓ 投信ブロガーが選ぶこの1本 2018年の1位は「eMAXIS Slim先進国株式」 進行役を務めた投信ブロガーの虫とり小僧さんが「皆さんに楽しんでいただけたようでよかった」と話したように約2時間にわたる懇親会は終始大賑わい。日頃はネット上で情報交換するだけの関係だった人とリアルに交流する「一大オフ会」と化した。懇親会参加者の声をまとめた。 ■順位の大きな変動に「シビアさを垣間見」の声 「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(9I311179)が9位に後退し、たわらノーロード 先進国株式(4731B15C)が上位20位の圏外となるなど、前回と大きく順位が変動する結果となり驚いた。コストを引き下げるなど、継続的に手を打っていかないと直ちに人気を失ってしまうシビアさを垣間見た」(けいのすけさん) 「このイベントには毎年参加している。インデックス(指数連動型)ファンドの動向をアップデートできるとともに他の個人投資家と交流する機会があり、運用会社も巻き込んで個人投資家の生の声が伝わるイベントとして有意義だ。多忙のため投票は見送ったが、インデックスファンドの上位入賞が予想されたため、投票するならあえてアクティブ(積極運用型)ファンドを選んだと思う」(ASKさん) 「三菱UFJ国際投信やニッセイアセットマネジメント、セゾン投信のファンドなど、安定して上位に入っているファンドへの熱いコメントが印象的。月報や運用報告、ブロガーミーティングなどを通じて顧客へのメッセージをしっかりと発信している運用会社にはファンが付き、お互いにファンドを育てていく良い環境があるように思う」(じゅん@さん) 「コスト意識が高い中、来年も三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimシリーズとニッセイアセットマネジメントの<購入・換金手数料なし>シリーズのバトルか、はたまた新たな登場があるのかどうか。懇親会では楽天投信投資顧問の東眞之社長と『こんなことも対応いただけますか』といった話ができた。こういった場で運用会社のトップに直接伝えることができるのもありがたい」(リバモ(livamoz)さん) 「懇親会は同じ志をもったブロガーの方々と普通に投資の話をできるまたとない機会。投資の話をしてみたいができないという人は一度参加してみるといい経験になると思う。日頃は話をする機会のない運用会社の方とも話すことができるうえ、要望があれば直接伝えられるし、気になっている質問を聞いてみる絶好の場」(シオイさん) 「今回は2位受賞ファンドの発表と副賞授与のお手伝いができた。投信ブロガーが求めるファンドだけではなく、投資にあまり関心がない人にも利用しやすいファンドが上位にランクインした。『自分たちだけではなく一般生活者にも投資が普及して欲しい。そのためにどのようなファンドがいいのか』というブロガーの新たな視点も組み込まれてきていると感じた」(くは72さん) ■定年退職世代の投資環境は「発展途上」 「とても多くの学びがあった素晴らしいイベントだった一方で、定年退職者の立場ではいろいろな課題を再認識した。私のような定年退職世代、積み立て投資に頼らず退職金などを一括投資して徐々に取り崩すステージに入る投資家にとって今の投資環境はまだまだ発展途上。高齢者が資産を有効に使い、幸せな老後を送れるような環境整備が必要と感じた」(安井宏@定年退職FPさん) 「運用会社の関係者やネット上で著名な人に会えて直接お話しできる貴重な機会。投信ブロガーなどは普段住んでいる地域もバラバラで情報交換する場も限られているので、懇親会に参加できたのは本当にうれしかった。自分の投資手法自体が地味なので、投信仲間がいることを感じられたのが一番の収穫」(Sayasayanさん) 「今回のランキングは直近の株価下落と円高によるパフォーマンス悪化の影響を受けたように思う。ひふみ投信(9C31108A)や新興国株式型ファンドも2018年のパフォーマンス悪化が順位を落とした原因ではないか。アクティブファンドであれ、新興国株式型であれ、投資家の資産形成を目的とするファンドに投票する趣旨からは、今回の結果は個人的には残念」(タカちゃんさん) 「初回を除きこれまで毎年投票している。今回は農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド (25311177)に5点すべてを投票した。ネット上では10年くらいやりとりがあったものの、これまで会えていなかったブロガーと対面できたり、かなり久しぶりの再会もあるなど、懇親会は極めて貴重な機会となった。ファンドの投票に関係して、これだけ大勢の人が集まるのは正直ビックリした」(エルさん) 「表彰式は今回が初参加。ランキング発表は興奮するものがあり、ドキドキの連続だった。ツイッターでの実況にも参加して2倍楽しめた。自分の投票コメントが読み上げられたので更に興奮。運用会社にもコメントが届き、ユーザー参加型で本当に楽しめる仕組みになっていると感じた。懇親会で運用会社の関係者から話を直接聞けるのがこれほどためになるというのにも驚いた」(やすぎさん) 「ツイッター内でのフォロワーとのやりとりも増え、今年は万全を期して、昨年参加できなかった懇親会にも参加した。『久しぶりー!』や『〇〇さんなんですね。イメージ通り』といった感じで同窓会、オフ会のように楽しく過ごせた。著名なブロガーの方ともフランクに話せたり、憧れのカン・チュンドさんとも握手してもらったり、幸せな1日だった」(こんこんさん) 「波乱の相場となり結果がどうなる事かとドキドキしていたが、今回も<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(2931113C)が堂々のベスト3入り、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(0331418A)が初入賞という快挙。とても見応えのある表彰式だった」(アキウマレさん) ■20代も積極的に参加 「懇親会は個性豊かな先輩投資家と直接顔を合わせることのできる貴重な機会。まだ国内では投資家の存在がメジャーでない以上、つながる場はとても大切。全般的に30~50代の方の来場者が多かった印象だが、若手にこそ投資の面白さと可能性を知ってほしいので、20代の私は同年代の方に投資への関心を持ってもらえるよう発信していきたい」(なまずんさん) 「今回は波乱と呼ぶにふさわしい結果だった。投票者コメントにもあったように、これからは受益者の真価が問われそうだ。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドに対する自分の投票コメントが会場で読み上げられたのは驚いたが、その後、会う人、会う人に熱いコメントと言われ、話のタネになった」(安房さん) 「表彰式では、上位入賞の運用会社から熱いコメントのシャワーを浴びた。普段は聞くことができない『運用会社側の想い』に触れる事ができ、投資家の資産形成を全力で担うという並々ならぬ熱意に心打たれた。特に、三菱UFJ国際投信は若手社員を登壇者に抜擢し、資産形成が必要な若年層へメッセージを届けるにはこれ以上ない適任と感じた」(パーサモウニアスさん) 「投票で順位に差はつくものの、いまや入賞しているファンドはどれも優れていると言っていいほど精査され、このイベントの理念通りになっているように思う。長い間、投資について話す相手がいなく、とても楽しみにしていた懇親会では大勢の方に会えたのに、挨拶と雑談で終わってしまった自分にガッカリ。投資に関する質問を事前に考えてこなかった」(ソロトナさん) 「懇親会では投信で資産運用している多くの人、普段はネット越しにしか交流がない方に出会うことができた。私は社会人2年目で、周囲で『投資』というと仮想通貨や外為証拠金取引(FX)、個別株の話題ばかりが出てきて投信派は少ないので、『自分の他にも投信を購入している人がこんなにいるんだ』と再認識するいい機会になった」(ミドノンさん) ■eMAXIS Slimは継続保有の安心感 「つみたてNISAと一般NISAでは、一度購入すると非課税枠が消費され、売却しても戻らない仕組みのため、より低コストな新規ファンドが出てきても『乗り換え』が困難。その点、eMAXIS Slimシリーズは保有し続けても継続的にコスト引き下げをしてくれるという安心感があり、多くの投信ブロガーから評価されたのだと思う」(水瀬ケンイチさん) 「思ったよりもeMAXIS Slimシリーズが躍進していたのは、ブロガーミーティングを含む三菱UFJ国際投信の宣伝活動の勝利だったのかな、という印象。懇親会は、四国の松山や九州、北海道、奈良からの参加者や、全国津々浦々から集まったブロガーの方々、特に伝説のように語られていたm@(エムアット)さんとも直接お話しすることができ、非常に楽しい時を過ごした」(にこいちさん) 「投信ブロガーは低コストのインデックスファンド好みということがランキングに明確にでたのではないか。ベスト10にeMAXIS Slimシリーズが5本もランクインしたのは運用会社と個人投資家とのコミュニケーションが実を結んだものと思う。三菱UFJ国際投信は今後もブロガーミーティングを続けていくとのことなので、eMAXIS Slimシリーズに期待している」(もことんさん) 「運用会社はいかに個人投資家との信頼関係を築いていけるのか。個人投資家は長期間投資でき、信頼に足るファンドをいかに選ぶことができるのか。そんなことを感じた。『低コストへの取り組み、情報開示、顧客サポート、直接対話の機会などを通じて、顧客に信頼されるファンドづくりを目指していく』と語った上位2社の受賞スピーチが印象的だった」(ザリガニさん) 「個人投資家である投信ブロガーがファンドを選ぶことに大きな意味があると感じた。熱いコメントが多く、見応えがあった。懇親会は多くの人と交流できる貴重な場となり、ありがたかった」(青井ノボルさん) 「このイベントの存在意義が年々大きくなってきているように感じ、1回目から投票に参加してきたので感無量。今年のランキングが物語るのは、受益者に対する『信頼』こそが大切で、投信ブロガーはそこのところに敏感ということだ。アクティブファンドが振るわなかったのはちょっぴり残念だった」(NightWalkerさん) ■リアルな交流会は時代を超えて継続 懇親会を主催した実行委員と委員長の2人は、今後も懇親会を継続していく意気込みを語った。 「今年は若い人の出席が多く、長期の資産形成という考え方が若年層に浸透しつつあると実感した。ただ、投資家と投資家、投資家と運用会社が交流する機会は少ないのが現状だ。今後も相場動向に関係なく、この懇親会の開催を通じてそうした場を提供していきたいと強く思った」(実行委員のすぱいくさん) 「表彰式と懇親会の参加者は20~30代とみられる人が目立ち、投資による資産形成の裾野が着実に広がっていることを強く感じ取れた。今後もコミュニケーションのきっかけとなるこのような場の提供を継続していきたい」(実行委員長の個人凍死家テリーさん) ネットでのつながりからリアルな交流へ--。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」の懇親会の役割は平成の時代を超えて続いていく。 <FOY2018 公式サイト> 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2018 <参考>当日の様子は投信ブロガーや関係者がツイッター(ハッシュタグ:#foy2018)で発信 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

投信積み立て、ネット証券での取引多く 【個人の資産形成に関する意識調査⑥】

QUICK資産運用研究所が昨年11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。6回目は、投資信託の積み立て投資と一括投資をする場合に、商品選びや取引金融機関に違いがあるのかを聞いた結果を掲載する。(調査概要と過去の配信はこちら) ■投信選び、重視するのは? 投資信託を保有している人に商品選びで重視することを聞いたところ、積み立て投資をしている人と一括投資をしている人で違いが出た。積み立て投資の場合は最も多かった回答が「長期投資に向くかどうか」で、2番目は「手数料や信託報酬の水準」のコスト面だった。 一方、一括投資では「値上がり期待」や「過去の運用実績」をより重視する傾向にあった。 ■一括投資なら銀行・信託の窓口で どの金融機関で投資信託の取引をしているかを積み立て投資をしている人と一括投資をしている人に分けて集計したところ、積み立て投資は「ネット専業証券」が頭ひとつ抜けて多かった。次いで「銀行・信託銀行(店舗窓口)」が多く、「証券会社(店舗窓口)」を大きく上回った。 一括投資では「銀行・信託銀行(店舗窓口)」が断トツの首位。2位以下は「ネット専業証券」、「証券会社(WEB)」と「証券会社(店舗窓口)」が続いた。 (QUICK資産運用研究所)

投信ブロガーが選ぶこの1本 2018年の1位は「eMAXIS Slim先進国株式」

投資信託に関する自身の運用や考え方などをブログで発信する個人投資家が投票した「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」(FOY2018)が13日に発表された。20位以内に入った21本(20位が2本)のうち17本を積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の対象ファンドが占めた。 個人投資家が自分たちにとって本当によいと思える投信を投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」という趣旨で始まったイベントは今回で12回目。都内で開かれた結果発表会と表彰式は、3連休にもかかわらず150人あまりの個人投資家が詰めかけた。 ■1位は三菱UFJ国際「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」 投票権を持つのは、2018年9月末までにブログを開設した投信ブロガーで、投票は同年11月に実施された。今回は過去最多の241人(有効投票)が参加した。投信ブロガーは付与された5ポイントを1~5本のファンドに自由に投票できる。 1位は「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」(03319172)。「eMAXIS Slim」シリーズは信託報酬について「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というコンセプトで、三菱UFJ国際投信が17年2月に立ち上げた。3位に「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(0331418A)、5位に「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」(03312175)が入るなど、上位20位のうちこのシリーズが7本を占め、ネットを使いこなす投信ブロガーからの支持の厚さが鮮明となった。 「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」(2931113C)は2年連続の2位。ニッセイアセットマネジメントが運用し、純資産総額(残高)は1000億円を超える規模まで成長。5年連続でトップ3入りした。 ■つみたてNISA対象、20位までに17本 楽天投信投資顧問の「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」(9I311179)は前回の首位から9位に順位を落とした。前々回はトップ10に「ひふみ投信」(9C31108A)と「ひふみプラス」(9C311125)の2本が入り、特別賞も受賞したレオス・キャピタルワークスのひふみシリーズは上位10本から姿を消した。日本株式型、アクティブ(積極)運用型は影が薄い結果となった。 20位以内の21本のうち3本は米バンガードが運用する海外ETF(上場投信)で、ETFを除く18本の中で17本がつみたてNISAの対象だった。つみたてNISAの対象外で、アクティブ型は19位の「農林中金<パートナーズ>米国株式長期厳選ファンド」(25311177)のみ。1年リターンのマイナス幅が上位21本の中で最も小さかった。   ■三菱UFJ国際、ブロガーとの対話奏効 三菱UFJ国際の躍進は、定期的にブロガーとのミーティングを開催し、ブロガーの意見や注文を積極的に取り入れて商品開発に活かすという社をあげての「対話」作戦が奏功した面があるようだ。表彰式で三菱UFJ国際の幹部は「残高が500億円を超えると信託報酬を引き下げるなど受益者還元ができそうなところまできた」と述べた。 ニッセイアセットの幹部は「昨年は監査報酬を引き下げた。今後は売買委託手数料や指数ライセンスの見直しなど業界に率先して『必ず』運用コストが下がるよう工夫する」と明言。楽天投信投資顧問の東眞之社長は「近々、専用のWebサイトを立ち上げて関連する情報開示を行う」と話していた。 ■会場には熱くて重い応援メッセージが充満 イベントは、個人投資家が集まる毎月開催の交流会「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」の中心メンバーがボランティアで運営。投信ブロガーのrennyさんが運営委員長を務め、地方在住ブロガーのm@さん、かえるさん、ぺて(PET)さんも運営に加わった。 3部構成のイベントの第1部は「リーマン・ショックから10年・つみたてNISAアンケート結果発表」で、rennyさんと一緒に登壇したブロガーのセロンさんが「リーマン・ショックの頃は大学生で厳しい就活に直面していた。ただ、それがきっかけで資産運用をスタートできた」と振り返った。アンケートでは「リーマン・ショック時にも投資を止めずに継続。リーマン・ショック級の暴落が今後いつ来てもおかしくない」といった回答が大半だったようだ。 第2部の「みんなの【声】を聞いてみよう! 個人投資家が注目ファンドに寄せる『熱いコメント』を一挙紹介!!!」は、昨年も好評だった企画だ。ブロガーが投票ファンドに寄せた応援メッセージのうち、約70人分を投資資産の対象別に選んでスクリーンに映し出しながら、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)とファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子氏の2人がユーモアを交えた軽妙なトークで紹介した。 ひふみ投信について「すべての受益者に対して『あなたはなぜこのファンドを購入しているのですか』ということを改めて問う意味も込めて票を投じることにする」というブロガーの菟道(うどう)りんたろうさんの重い応援コメントが読み上げられると、会場には拍手が沸き起こった。 メインイベントの第3部は結果発表と表彰式。今回は上位5本のファンドについて、応募抽選で選ばれたブロガーが結果を知らずにその場で封を開け発表するという演出で、会場との一体感をかもしだした。プレゼンターを務めたブロガーは5位から順に、てっぺさん、とみますさん、エツさん、くは72さん、くれめんさん。 ■ファンドを育てるイベントへ 運営委員長のrennyさんは「昨年トップを獲得したファンドが9位になるなど順位が大きく変動したのが印象的。米国株式型のファンドとバランス型ファンドがトップ10に2本ずつ入ったのも今年の特徴だ」と総括。「過去に何度も上位入選するも頂点に届かなったeMAXISシリーズが遂にトップを獲得したのは執念を感じる」「低廉な信託報酬を前面に押し出すマーケティングは、まだしばらく続くのかもしれないが曲がり角に来ているのではないか。商品供給側である投信会社にとっても、受益者となる投資家にとっても、ファンドをどのように育てていくのか、という点に今後、注目していく必要があると個人的には感じている」と加えた。 竹川氏は懇親会の挨拶で「新規ファンドの設定や販売、購入に力を入れるのではなく、このイベントを活かす形でファンドを長く支持し、育てて行くように変わって欲しい」と販売会社や運用会社そして投資家にも強く要望していた。 「ファンドを育てる」という理想に向かって、このイベントの影響度がますます資産運用業界に広がろうとしている。 <FOY2018公式サイト> 投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year2018 <参考> 当日の様子は投信ブロガーや関係者がツイッター(ハッシュタグ:#foy2018)で発信 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、小松めぐみ)

投信、「先進国株」×「国内REIT」でリスク抑制 18年12月末の相関係数

複数の投資信託に分散投資する際、有効な組み合わせを探すのに便利なのが「相関係数」と呼ばれる統計指標だ。投資対象で区分した「新QUICK投信分類(大分類)」について、2018年12月末までの1年間の相関係数(日次データで算出)と10年間(月次データ)の相関係数をまとめた。 複数の投信に投資する場合、値動きの傾向が違うタイプを組み合わせると分散投資の効果が出やすい。例えば、投資家のリスク選好局面で買われやすい株式に投資するファンドと、逆に売られやすい債券に投資するファンド。この両方を持っていれば反対方向の値動きが打ち消しあって、全体のリスク(価格の振れ幅)を抑えることができる。 有効なファンドの組み合わせは「相関係数」を使うと探しやすい。相関係数は投資対象が異なる2つのファンドが似た値動きをするほどプラス1に近づき、逆の値動きをするほどマイナス1に近づく。ゼロなら値動きの関係がなかったことを示す。相関係数が低いファンド同士を組み合わせると、全体の価格変動リスクを低減しながらリターン向上を狙う分散投資効果が期待できる。 【分類別相関係数(日次1年)】の表で「先進国株式型」を見ると、「グローバル株式(先進・新興複合)型」との相関係数は0.97と高いが、「国内REIT型」とは0.30と低い。「先進国株式型」の投信を保有していて、もう1ファンドを選ぶ場合、「グローバル株式(先進・新興複合)型」を購入するよりも「国内REIT型」を組み合わせた方が、よりリスクを小さくすることができると言える。 【分類別相関係数(日次1年)】12月末時点 【分類別相関係数(月次10年)】12月末時点 出所:QUICK資産運用研究所 ※▲はマイナス。分類は「QUICK投信分類(大分類)」を使用、対象は追加型株式投信(ETF、通貨選択型除く) (QUICK資産運用研究所)

「ダイワ高格付カナダドル債」が分配金減額 過去最低の15円に

大和証券投資信託委託が運用する「ダイワ高格付カナダドル債オープン(毎月分配型)」(04311035)は、10日の決算で1万口あたりの分配金を前月より10円安い15円に減額した。分配金の引き下げは昨年4月以来で、2003年5月の設定以降で過去最低を更新した。 同ファンドは、格付けが高いカナダドル建ての公社債に投資する。10日時点の純資産総額(残高)は1535億円。18年12月末時点の1年リターン(分配金再投資ベース)はマイナス8.96%だった。 大和証券投資信託委託は分配金を引き下げた理由を「現在の基準価額の水準および分配対象額の状況などを考慮した結果」とした。基準価額の下落については、カナダドルが対円で下落したことを主なマイナス要因として挙げた。 ◇大和証券投資信託委託の発表資料はこちら 第187期分配金は15円(1万口当たり、税引前) (QUICK資産運用研究所)

つみたてNISAの口座開設3.7%どまり 【個人の資産形成に関する意識調査⑤】

QUICK資産運用研究所が11月に全国5000人以上を対象に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。5回目はNISA(少額投資非課税制度)の開設状況に関する結果を掲載する。(調査概要と過去の配信はこちら) 一般NISAか、つみたてNISAの口座を開設しているか聞いたところ、「一般NISA」は20.9%、「つみたてNISA」は3.7%が開設していると答えた。投資信託の積み立て投資をしている人は6割強がNISAを活用しているが、全体でみると口座開設は4分の1にとどまる。 年代別に見ると、「一般NISA」は60代以上のシニア世代で開設している割合が高い。一方、「つみたてNISA」は20~40代の資産形成層が相対的に高かった。 つみたてNISAの口座を開設している人のうち、実際に「利用したことがある」人は73.9%だった。残りの26.1%は口座開設しても「利用したことはない」と答えた。 また、つみたてNISAの口座を開設している人の45.2%は、過去に一般NISA口座を開設したことがあると回答した。 (QUICK資産運用研究所)

投信保有者、4割強が積み立て投資 【個人の資産形成に関する意識調査④】

QUICK資産運用研究所が11月に全国5000人以上を対象に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。4回目は投資信託の積み立て投資について深堀りした。(調査概要と過去の配信はこちら) 投信を保有している人に買付方法を聞いたところ、「一括投資のみ」が57.4%と6割近くを占めた。「積み立てのみ」と「積み立ても一括投資もしている」の合計は42.5%だった。 年代別では若年層ほど積み立て投資をしている人の割合が多く、20代では8割にのぼった。 積み立て投資をしている人のうち、61.8%が「一般NISA(少額投資非課税制度)・つみたてNISA」を利用。特定口座・一般口座が51.3%で続いた。 また、ファンドタイプ別の保有状況は国内株式がトップで、積み立て投資をしている人の半数(50.1%)が組み入れていた。バランス(42.4%)や海外株式(34.6%)の人気も高かった。 (QUICK資産運用研究所)

大型投信、残高の落ち込み目立つ  2018年末、1兆円ファンド消える

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)で、2018年末の純資産総額(残高)ランキングは首位が「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」(32315984)で残高は6276億円だった。年末時点で1兆円を超す巨大ファンドがなくなるのは2001年以来17年ぶりとなる。上位15本の中には前年末比で残高を大きく減らしたファンドが目立った。 17年末に首位だった「新光 US-REIT オープン<愛称:ゼウス>」(47311049)は3位に後退。残高は前年末から4000億円以上減り、上位15本で最も落ち込みが大きかった。ゼウスを筆頭に海外のREIT(不動産投信)型や海外債券型の残高が大幅に減少した。 上位15本のうち、4本は圏外から新たにランクインした。9位の「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)<愛称:円奏会>」(4931112B)は残高が前年末比で1194億円増え、上位15本で最も残高を伸ばした。2番目に多く残高を積み増したのは「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界>」(47316169)で15位に入った。 17年末に13位だった「ひふみプラス」(9C311125)は5位に浮上。6位の「ダイワファンドラップ 日本債券セレクト」(0431307B)も12位から躍進し、ラップ口座専用ファンドとしては年末時点で初めて上位10本に入った。 (QUICK資産運用研究所)

年齢・年収あがるほど金融知識レベル高く 【個人の資産形成に関する意識調査③】

QUICK資産運用研究所が11月に全国5000人以上を対象に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。3回目は金融リテラシー(調査概要と過去の配信はこちら)を取り上げる。 金融に関する問題(下記に問題を掲載)を6個解いてもらい、正解数に基づいて回答者の金融知識レベルをA~Dの4段階に分けて集計した。ボリュームゾーンは正解数が1~2個のCレベルで、正解数がゼロのDレベルが2番目に多かった。 金融知識問題はインフレや為替、投資信託の分配金についてなど幅広く出題。選択肢には「わからない」と「回答したくない」を含む。昨年の前回調査でも類似した問題を6つ出題したが、レベル別の割合はほぼ同じで金融リテラシーの向上はみられなかった。 年代別でみると、年齢層があがるほど知識レベルが高い人の割合が多くなった。年収別では、年収が高いほど知識レベルが上向き傾向にあった。また、株式や投信、貯蓄性保険など何かしらの資産形成をしている人はAレベルとBレベルを合わせて43.2%と、資産形成をしていない人の同13.0%を大きく上回った。 ☆あなたもチャレンジ!金融知識☆ (正解と正解率はページ最下部に) ①「分散投資」では、なるべく値動きの近い金融資産を組み合わせるようにすると良い。  1.正しい  2.正しくない  3.どちらともいえない  4.わからない  5.回答したくない ②投信の分配金は運用成績が悪くても支払われることがある。  1.正しい  2.正しくない  3.どちらともいえない  4.わからない  5.回答したくない ③金利が上昇すると、債券価格も上昇する。  1.正しい  2.正しくない  3.どちらともいえない  4.わからない  5.回答したくない ④3年(年0.1%)の定期預金に100万円預けて、その間に毎年1%でインフレが進むと満期がきた預金の価値は下がる。  1.正しい  2.正しくない  3.どちらともいえない  4.わからない  5.回答したくない ⑤円高が進むと、日本でどんなことが起きるでしょうか。  1.輸入ブランド品が高くなる  2.輸出企業の業績が良くなる  3.海外旅行に行きやすくなる  4.わからない  5.回答したくない ⑥1,000円の株式が50%値下がりして500円になりました。ここから50%上昇するといくらになるでしょうか。  1.550円  2.750円  3.1,000円  4.わからない  5.回答したくない 6つの金融知識問題(下記に詳細を記載)のうち、正解率が15.6%で最も低かったのは「金利」が上昇した時に債券価格がどう変化するかを問う問題だった。投資信託の「分配金」に関する問題の正解率は17.0%と2番目に低かった。 一方、正解率が61.5%でトップだったのは、「1,000円の株式が50%値下がりして500円になりました。ここから50%上昇するといくらになるでしょうか」というリターンを計算する問題。円高が進むとどうなるか聞いた「為替」の問題も正解率が50.6%で半数を超えた。 ①正しくない(20.6%) ②正しい(17.0%) ③正しくない(15.6%) ④正しい(21.1%) ⑤海外旅行に行きやすくなる(50.6%) ⑥750円(61.5%) (QUICK資産運用研究所)

三井住友トラストAMが資金流入額首位 12月の運用会社別投信

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)について、運用会社別の2018年12月の月末純資産総額(残高)や残高増加額、資金流入額をそれぞれ集計した。 残高増加額は下位20社(=残高減少額上位20社)を算出。最も残高を減らしたのは大和証券投資信託委託だった。運用による減額に加え、先進国債券型や米国の不動産投資信託(REIT)で運用するファンドで資金流出が目立った。 資金流入額では三井住友トラスト・アセットマネジメントが首位。バランス型ファンドに資金流入が続く東京海上アセットマネジメントが2位に入った。 集計対象は追加型株式投信(ETFを除く)で、 データは2018年12月末時点。 (注)QUICK資産運用研究所調べ。対象はETFを除く国内設定の公募追加型株式投信(単位型は含まない)。資金流入額はファンドの設定額から解約額を差し引いた値で概算推計値、償還ファンドは集計対象外。▲はマイナスで減少または流出。運用増加額は純資産増加額から資金流入額を引いた値で、運用のみによる増加額を意味する(概算値)。残高増加額=資金流入額+運用増加額。分配金支払総額(概算値)は資金流出額には含まれず、分配しなかった場合に比べ、運用増加額が分配金支払総額分だけ減る。億円未満は切り捨て。 (QUICK資産運用研究所)

マイナンバー、投信保有者の8割超が提出済み 【個人の資産形成に関する意識調査②】

QUICK資産運用研究所が11月、全国5000人以上を対象に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。2回目はマイナンバーの対応状況についてだ。(調査概要と①はこちら) 金融機関の有価証券口座を保有する個人は、2018年末までにマイナンバー(税と社会保障の共通番号)を届け出ることが法律で義務付けられている。投信を保有していると答えた人に対し、投信を取引している金融機関にマイナンバー提出したか聞いたところ、82.9%が「提出した」と答えた。 残りの17.1%はマイナンバーを提出していない。内訳は、提出しなければならないことは知っていた人が11.1%、知らない人が6.0%だった。 マイナンバーを提出していない理由としては「手続きが面倒だから」がトップ。「手続きする時間がないから」と「自身の税務内容を明かしたくないから」が続いた。 (QUICK資産運用研究所)

NISA5年、満期後の予定は? 【個人の資産形成に関する意識調査①】

QUICK資産運用研究所は2018年11月、全国の20~74歳の個人を対象に「個人の資産形成に関する意識調査」を実施した。個人に資産形成の取り組み状況などを聞く調査は、16年12月と17年12月に続き3回目。日経リサーチを通じてインターネット経由でアンケート調査を実施し、5075人から回答を得た。集計結果を順次、紹介していく。 ■非課税期間満了の「第1号」は利用者の5割 2014年に始まった少額投資非課税制度(NISA)。株式や投資信託の運用益が5年間非課税になる制度で、14年にNISAを利用し始めた人は今年の年末に最初の満期を迎える。 NISA口座を開設し実際に利用している人に現状を聞いたところ、14年からNISAを利用し、今年で非課税期間満了にあたる人が5割を超えた。このうち一部は「14年に活用した枠は既に全部売却済み」と答えた。 ■ロールオーバーが半数以上 5年前から投資商品を保有し続けている人に満了後の予定を聞くと、「全額をロールオーバー(2019年の非課税枠に移管)する」との答えが半数以上で断トツだった。 (QUICK資産運用研究所)

投信ブロガーが選んだ10大ニュースは? 金融庁が年内最後の「つみップ」

金融庁が21日夜に開いた「つみたてNISA Meetup」(通称:つみップ)は、クリスマスと3連休の前にもかかわらず、約50人の個人投資家が集まった。つみップは積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)の普及を目的に開いている個人との意見交換会で、今回が今年最後の開催。参加者は識者や著名投信ブロガーの話に熱心に耳を傾け、日頃から抱いている疑問や悩みをぶつけた。 ■「コツコツ投資」継続は力なり 最初の講義では、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)が「下がっても儲かる!?つみたて投資の摩訶不思議」と題して、積み立て投資の効用を説いた。毎月1万円ずつ10年間にわたって投資(投資元本120万円)した場合について、4つの価格(投資信託の基準価額)変動パターンを例をあげ、開始から10年後に価格が下がっていても利益を得られることがある理由を示した。 積み立て投資は継続的に一定額を購入するため、価格下落局面では平均購入単価が下がり、購入口数が増える。カン氏は「量(購入口数)×現在の価格」がものをいうのがコツコツ投資の特徴と強調した。 ■投信ブロガーが気になる10大ニュース 続いて、金融庁サイトで「教えて虫とり先生」の連載が始まった投信ブロガーの虫とり小僧さんが、自身が選んだ10大ニュース(順不同)について、ユーモアを交えながら語った。10番目に少額投資非課税制度(NISA)の恒久化が見送られたことを取り上げ、金融庁職員に改めて要望を訴えた。 【2018年投信ブロガー的気になる10大ニュース】 1.つみたてNISA始まる 2.個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)100万人 3.仮想通貨暴落 4.米リーマン・ショック10周年 5.カードで投信、ポイント還元 6.キャッシュレス化進む 7.教えて虫とり先生連載 8.投信の隠れコストに注目 9.投信販売会社共通KPI(成果指標)設定 10.NISA恒久化ならず ■下げ相場に関する質問なし 質疑応答では、経済評論家の山崎元氏、投信ブロガーの吊られた男さん、NightWalkerさんらが加わり、一つ一つ丁寧に答えた。この日は東京株式市場で日経平均株価が2万円割れ寸前まで下げる場面があるなど足元で世界的に株価が下落基調を強めているが、相場に関する質問が出なかったのは、つみたてNISAのイベントならではを映した。 【参加者からの主な質問】 ・コツコツ投資のリターンを上げる効果には開始月も関係しているのではないか ・投資していた投信が繰り上げ償還された場合はどう対処したらいいのか ・どういうタイミングで換金するのがいいか ・お勧めの資産配分比率があったら教えてほしい ・つみたてNISAの年非課税枠が12(カ月)で割り切れない額(40万円)に決まったのはなぜか ・ジュニアNISAの非課税期間(5年)が延長となる可能性はあるのか ・隠れコストはインデックス投信の運用成績にどう影響するのか ■「来年からつみたてNISAを始める」の声 懇親会には初心者も積極的に参加した。「一般NISAとつみたてNISAの違いを知りたくて参加。質疑内容はレベルが高かった」(40代女性会社員)、「今回は2回目の参加。来年からつみたてNISAを始めるつもり」(30代女性会社員)との声が聞かれた。 一方、50代後半のベテラン投資家で福岡から参加した男性自営業者は「初参加してみて、金融庁の本気度が分かった。女性参加者の『何かを吸収しよう、すぐに行動しよう』という意識の高さにも驚いた。東京との情報格差は大きな課題で、地方でも『つみップ』が浸透する工夫が必要だ」と指摘していた。 ■投信ブロガー「PV公開が待ち遠しい」 個人投資家として参加していた投信ブロガーに感想を聞いた。 毛流麦花(モールバッカ)さん「金融庁から紹介のあった『つみたてNISAプロモーションビデオ(PV)』の公開が待ち遠しい。現役女子高生が出演することで、若者の間で投資文化が芽生えていくきっかけになるのを期待したい」 安房さん「金融庁の中島淳一・総括審議官からの冒頭説明にあったように税制改正で、海外赴任者の取り扱いといった個人投資家の直面する課題が『つみたてNISAフェスティバル』での要望をきっかけに解決に至ったのは興味深い」 もことんさん「いつもと違う趣向で、参加リピーターの自分にも十分楽しめた」 やすぎさん「質疑応答では思い切って質問したが、丁寧な回答は大いに参考になった」 ■共通KPIが裏付けるコツコツ投資の効用 つみたてNISAの開設口座数は9月末時点の90万口座近くに達し、制度開始1年で100万口座の大台超えが確実視されている。買い付け額は累計で約576億円に過ぎないが、「続ける」のが特徴のコツコツ投資は解約されにくい傾向があるため、じわじわと積み上がっていく公算が大きい。 投信の販売会社による顧客本位の業務運営を客観評価する共通の成果指標(共通KPI)を見ると、長期・積み立てを推奨している独立系運用会社(投信の直接販売会社)の顧客で含み益の比率が高かった。コツコツ投資の効用が裏付けられた形とあって、つみたてNISAの存在感が投信市場で増しそうだ。 金融庁「つみップ」サイトはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

上場延期のレオス、「ひふみ」の成長は踊り場

独立系運用会社のレオス・キャピタルワークスが運用する投資信託の「ひふみプラス」(9C311125)は、この1年で国内屈指の規模まで急成長を遂げた。ただ、今年は運用成績が振るわず、運用資産の伸びは踊り場にさしかかっている。 ■ひふみプラスの残高、一時トップ3に レオスが運用する公募投信は全部で3本。金融機関を通して取引する「ひふみプラス」と、同社が直接販売する「ひふみ投信」(9C31108A)、確定拠出年金制度用の「ひふみ年金」(9C31116A)を同じマザーファンドで運用している。3ファンドの純資産総額(残高)合計は11月末時点で7668億円にのぼる。 このうち最大規模の「ひふみプラス」は、11月末時点の残高が6117億円。9月末時点では6500億円超まで膨らみ、国内公募株式投信(ETFを除く)の残高ランキングで初のトップ3入りを果たした。11月末時点では4位に退いたが、昨年末時点の13位から大きく躍進した。 ■月間の資金流入額が過去最大に 「ひふみ」は日本の株式を中心に世界の株式に投資するファンドだ。決算情報などの開示資料だけでなく、ファンドマネジャーやアナリストが自ら会社を訪問し、社内見学や経営層との対話を含めて投資対象を決めていく。 昨年2月にレオスの藤野英人社長がテレビ番組で取り上げられ、同社の投資理念に共感する人や運用成績の良さに注目する人が一気に増えた。「ひふみプラス」を取り扱う金融機関が全国に広がり、昨年1年間で2800億円もの資金が流入。今年は大手証券やメガバンクでつみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)の対象ファンドに選ばれるなどさらに販路を拡大し、年初からすでに2000億円を超える資金が流入している。 月ごとに区切ってみると、今年1月の資金流入超過額は「ひふみ投信」が104億円で、「ひふみプラス」は728億円。どちらも月間ベースで設定以降の過去最大を更新した。しかし、ここをピークに9月は「ひふみ投信」がおよそ4年ぶりに資金流出に転じ、「ひふみプラス」は33億円の小幅な流入超にとどまった。 ■10月は過去最大の下げ 今年は運用面では苦戦が続く。5年などの中長期でみるとTOPIX(配当込み)を大きく上回る成績を上げてきたが、11月末時点で「ひふみプラス」の年初来騰落率はマイナス9.01%。TOPIX(配当込み)のマイナス6.42%より落ち込みが激しい。 国内の株式が全般に値下がりした10月には、「ひふみプラス」の月間騰落率がマイナス12.16%と設定後で最大の下げ幅を記録。TOPIX(配当込み)のマイナス9.41%よりもきつい下げとなった。 歴史的な成績悪化の背景について、藤野社長は10月の運用レポートで①グロース銘柄からバリュー銘柄へのまき戻し②小型株から大型株へのまき戻し――が起きたと分析。「ひふみ」はグロース・中小型株中心が特徴の1つだが、今後の運用については「バリューや大型株の比率を上昇させることも必要」との考えを示した。 11月末時点の組み入れは231銘柄で、1年前から30銘柄増やした。組み入れ上位10銘柄のうち、4銘柄は中小型だった。海外株式比率は1年前の2.9%から10.7%に跳ね上がった。 決算日(18年10月1日)までの1年間に新たに組み入れた銘柄(マザーファンドの運用報告書で前期末の株数がゼロだった銘柄のうち当期末の評価額が多い銘柄)を抽出したところ、評価額上位20銘柄のうち6銘柄は海外株式だった。次世代通信規格「5G」関連のほか、カナモト(9678)やクスリのアオキ(3549)など地方に拠点を置く国内株式も目立った。 ■レオス上場は延期 今月9日に行われた運用報告会には、午前と午後の2部制で合計2000人を超す受益者が参加した。運用に関わる全アナリストが登壇するなど「顔の見える運用」は健在。「資本市場を通じて社会に貢献する」という経営理念は変わっていないことを強調した。 受益者が投げかけた「残高が増えると運用が難しくなるのでは」との質問に対しては、①残高拡大に伴う収入増を調査などの費用に回せる②運用資産が多いと経営トップに会いやすくなる――などのメリットを挙げた。 今月25日にはレオスが上場する予定だったが、直前に突如延期。上場手続きの再開時期は慎重に判断すると言う。上場に向けては「お客様からお預かりした資金を主として日本の成長企業、頑張っている企業に投資をすることにより『日本を根っこから元気にする』ことに全力を尽くしていく」とのコメントを同社サイトなどを通じて発表していた。 きめ細かい情報発信や受益者との近さで長期投資を根付かせ、今後も「地味で地道な」階段をのぼり続けることができるかどうか。レオス上場の行方も含め、来年も「ひふみ」から目が離せない1年になりそうだ。 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

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