「ダイワ米国リート(毎月)」分配金を30円に減額 過去最低に

大和証券投資信託委託の「ダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)為替ヘッジなし」(04312045)が17日の決算で、1万口あたりの分配金を前月の50円から30円に引き下げた。減額は昨年8月以来で、2004年5月の設定以降、最も低い水準となった。 17日の純資産総額(残高)は3128億円。米国の不動産投資信託(REIT)で運用する国内公募投信では4番目の大きさ。大和証券のみで販売している。 5月末時点の1年リターン(分配金再投資ベース)はプラス15.2%だったが、分配金支払い後の基準価額は17日時点で3115円と1年前より3.6%下がった。 大和投信は分配金を引き下げた理由を「現在の基準価額の水準および配当等収益の状況などを考慮した」と発表。基準価額の下落については、「米ドル建てリート要因(含む配当要因)がプラス要因だったが、分配金の支払いがマイナス要因」とした。 ◇大和投信の発表資料 第179期分配金は30円(1万口当たり、税引前) (QUICK資産運用研究所)

投信「不適切販売」ゆうちょ銀、上位に毎月分配型めだつ

ゆうちょ銀行が不適切な手続きで高齢者に投資信託を販売していたことが判明した。ゆうちょ銀行で過去6カ月に販売金額が多かったファンドを見てみると、ランキング上位には毎月分配型が目立った。どれも規模が比較的大きく、市場全体でも資金流入が続いているファンドだ。 販売金額トップ5のうち、3本は毎月分配金を支払うタイプだった(図表1)。首位は「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)<愛称:円奏会>」(4931112B)。このファンドは1カ月と3カ月の販売金額ランキングでもトップだった。バランス型では国内最大規模で、大手証券を含む80社以上で販売している。 3位の「スマート・ファイブ(毎月決算型)」(02312137)は、ゆうちょ銀行のみで販売しているが、過去3年で3000億円近い資金が流入した。4位は国内公募追加型株式投信(ETFを除く)の中で残高が最も大きい「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」(42311052)だった。 この3本に共通するのは、市場全体で毎月分配型の人気が落ち込んだ時期に資金流入傾向が続いた点だ。例えば「スマート・ファイブ」は、過去3年にわたり月次ベースで資金流入超が続いた(図表2-a)。ほかの2本も過去3年の合計は資金流入超だった。 直近の2年あまりは毎月分配型に逆風が吹いた時期で、17年5月以降はずっと資金流出傾向が続いていた(図表2-b)。それまで人気だったのは、主に海外の不動産投資信託(REIT)で運用し、高い分配金を支払うファンド。定期的に現金収入を得たい高齢者を中心にニーズを集めたが、主要ファンドの分配金減額をきっかけに投資マネーが逃げ出した。金融庁が「顧客本位ではない」と問題視したことで、多くの金融機関が販売を手控えた面もある。 そんな逆境下で資金流入傾向を維持した毎月分配型ファンドを支えた要因のひとつがゆうちょ銀行による販売。同行が投信販売の戦略見直しに動けば、これらのファンドを巡る資金の流れにも影響が及びそうだ。  (QUICK資産運用研究所)

日興アセット「財産3分法」、分配金を40円に減額 15年ぶりの低水準

日興アセットマネジメントが運用する「財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型<愛称:財産3分法ファンド>」(02312038)が10日の決算で1万口あたりの分配金を前月より10円安い40円に減額した。2004年2月の決算以来、15年4カ月ぶりの低水準。分配金引き下げは12年4月の決算以来、7年2カ月ぶりとなる。 同ファンドは株式と不動産、債券の3つの資産に分散投資するバランス型。国内の株式と不動産投資信託(REIT)をそれぞれ25%、高金利の海外債券を35%、先進国の海外債券を15%組み入れることを基本としている。5月末時点での1年リターン(分配金再投資ベース)は2.85%だった。 6月10日時点の純資産総額(残高)は3730億円で、国内公募の追加型株式投信(ETFを除く)のうち14番目に大きい。バランス型では「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)<愛称:円奏会>」(5812億円、4931112B)に次ぐ2番目の大きさ。 2003年8月に設定され、2007年には残高が1兆4000億円を超えた。当時の分配金は1万口あたり80円。その後は残高が減りつつあるが、現在も大手証券やネット証券、全国の地方銀行などで幅広く販売している。 日興アセットマネジメントは分配金を引き下げた理由を「分配金の支払いによる基準価額の水準の低下を抑え、また、今後も安定的な収益分配を継続するため」とした。 ◇日興アセットマネジメントの発表資料 ~2019年6月の決算とパフォーマンスの状況について~ (QUICK資産運用研究所)

ありがとう投信「資産運用を一生涯サポート」(投信の直販NAVI)

証券会社や銀行を通さず、運用会社が個人に直接販売する「直販投信」の存在感が高まっている。「投信の直販NAVI」では、運用各社の直販に対する思いや特長をまとめる。 今回取り上げる「ありがとう投信」は、税理士や公認会計士が中心となって2004年3月に設立。直販の「ありがとうファンド」は今年9月で運用開始から15周年を迎える。もともと受益者の1人だったという長谷俊介社長に話を聞いた。 長谷俊介社長 ■投資未経験者が多く、40~60代が7割 ――ありがとう投信について教えてください。 「税理士や公認会計士自ら日々の業務で将来の資産に関する相談を受けることが多かったのをきっかけに、顧客の不安を解消し資産運用を長期でお手伝いすることを目指して設立しました。お客様と私たちがお互いに『ありがとう』と言い合える信頼関係を築いていくことが理想の姿です」 「現在の口座数は4800程度。お客様は投資未経験者が多く、40~60代が7割を占めます。新規申し込みは大半が口コミや紹介によるもので、積み立て投資で始めて長期保有する人が多いです」 ■外国籍ファンド中心に国際分散 ――「ありがとうファンド」の特徴は。 「世界経済の成長を享受すべく、株式を中心に1本で国際分散投資ができます。選び抜いた複数の機関投資家向け外国籍投信に投資するファンド・オブ・ファンズ形式で、資産配分は適宜変更します。投資先や資産配分などは、運用会議で検討し、代表取締役社長、ファンドマネジャー等で構成される投資政策委員会で決めます」 「投資先には、財務状況が健全で景気に左右されずに成長が見込める銘柄で運用するファンドを厳選しています。具体的には組み入れ銘柄を50~60程度に絞っているアクティブシェア(株式指数と異なる銘柄をどれだけ保有しているかを示す)が高いファンドです。株式と相関が低いとされる金で運用するファンドにも投資して値下がりリスクを抑制し、個人では投資しにくい世界の中小型株を投資対象とするファンドも組み入れて長期的なリターンの向上と安定した運用パフォーマンスの提供を目指します」 ――ファンドの運営で心がけていることは。 「ファンドに関わる情報をできるだけ開示しています。月次運用レポートではグラフや表、イラストをふんだんに盛り込み、マーケットの話題を会話形式でわかりやすく解説しています。毎月発行する『39レター』では私のメッセージをはじめ、積み立て投資の状況やセミナーの日程などを掲載しています。また、ホームページの『ありがとうブログ』では投資・運用に関するコラムや金融に関する基礎知識を解説するコラムなども掲載しています」 ■「定期換金」など3つの独自サービス ――独立系直販の強みは。 「お客様それぞれのライフステージに合った資産運用をワンストップでサポートできることだと思います。現役世代の資産形成からシニア世代の資金活用まで、お客様の資産運用を一生涯サポートするために3つの独自サービスを提供しています」 「1つは2006年4月から始めた『定期換金サービス』です。お客様ご自身で受け取り頻度やタイミングを決め、あらかじめ指定した金額を自動で換金できます。資産の取り崩しニーズに対応するためのサービスで、現在は60歳以上の方が利用できます」 「『39コンシェルジュサービス』も弊社ならではの取り組みの1つです。税理士や弁護士といった専門家を無料で紹介するサービスで、資産運用だけでなく、お客様が抱える様々な問題を誰に相談していいかわからないといった悩みを解消します」 「さらに、今春からFP(ファイナンシャルプランナー)に無料でライフプランや資産運用について相談できる『FPサービス』を導入しました。39コンシェルジュサービスと合わせて利用していただき、漠然とした将来への不安の相談窓口としてお客様をサポートしていきます」 <関連サイト> ありがとう投信 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

つみップ「金融庁×学生投資連合」第2弾 遠藤長官もサプライズ参加

3日夕の霞が関。金融庁が入る中央合同庁舎第7号館の受付に普段着姿の大学生が列をなした。金融庁が開いている個人投資家向け意見交換会「つみたてNISA Meetup」(愛称つみップ)に参加するためだ。今回は金融庁の遠藤俊英長官がつみップに初参加し、投資を学ぶことの重要性を説いた。 つみップは金融庁が積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)普及の一環で個人投資家向けに開いている意見交換会。「学生の金融リテラシーを高める」を理念に掲げて、全国の投資サークルで活動をしている「学生投資連合USIC」(Union of Student Investment Clubs)が所属する大学に呼び掛け、参加者を募った。つみップでの「金融庁×学生投資連合」は昨年6月に続く2回目。大学1、2年生を中心に、主に首都圏の大学の投資サークルで活動している約60人が参加した。 ■37年間の日本経済と官僚人生 遠藤長官の参加は事前に予告されていないサプライズ。金融庁が4月に開催した「つみたてNISAフェスティバル」で、ファイナンシャル・プランナーのカン・チュンド氏(しんようFPオフィス代表)との対談でつみップへの参加を要望されたことに応えた格好だ。金融庁が重視する金融経済教育を自ら率先して推進していく強い意図を示したと言える。 冒頭でスピーチした遠藤長官は、1982年から37年間にわたる自身の官僚生活とともに日本経済を振り返った。82年に7000円台だった日経平均株価が89年末に3万8915円の最高値を付け、その後にバブル経済が崩壊したことや、82年に8%近くあった長期金利が現在はマイナスに陥っていることを例に挙げ、経済は予想もつかない変化をしてきたと説明。また文書作成にワードプロセッサーと呼ぶ機器を重宝して活用した時代があったことをいまの若者は知るよしもないなど、社会も大きく変貌してきたことを付け加えた。 将来も予想のつかない変化が待ち受けているとすれば、学生時代から投資を学び経済や社会についての理解を深めておくことで「社会人になってからの10年後、20年後、その時々にベストな判断をくだすのに役立つのではないか」との見解を述べた。 遠藤長官は意見交換会後の懇親会にも参加。乾杯のあいさつで「きょうの参加を投資の学びのきっかけにして欲しい」と呼びかけた。学生とゲストとの会話の輪に加わり、熱心に耳を傾けている姿も印象的だった。 ■ブロガー水瀬氏がインデックス投資家になった理由 意見交換会ではUSIC代表の早稲田大学2年生の井上晃希氏が「学生の投資のメリットとは」と題してプレゼンテーション。「投資は自分を成長させる」「就活にも生かせる」などのメリットを説明すると同時に「生活資金を使わない」「学業をおろそかにしない」などの注意点をあげた。 ゲストとして投信ブロガーの水瀬ケンイチ氏が登壇し、「なぜ、私はインデックス投資家になったのか?」について講演した。水瀬氏は「(会社のトイレに隠れて株式を取引する)トイレ・トレーダーだった時期もあるが、投資以外のQOL(Quality of Life)を大切にしたかった」とその背景を話した。 また水瀬氏は「世界中の株式・債券に分散投資したインデックスファンドをバイ&ホールドするだけの『ほったらかし投資』で儲けられると分かった」「その背景として資本主義経済が人々の欲望のエンジンに支えられ、拡大再生産する仕組みを持ち、株式市場は短期的な変動が大きくても長期には安定度が高まる平均回帰的な性格を持つ」などと説明。自らの資産配分、投資額や損益の実額推移もグラフで示した。 ■「トイレに籠って株式投資、バレたら……」 質疑応答では、経済評論家の山崎元氏、日本株アクティブ型投資信託「結い2101」を運用する鎌倉投信の鎌田恭幸社長、通信大手傘下の運用会社KDDIアセットマネジメントの藤田隆社長、つみたてNISA対象ファンドを販売しているtsumiki証券の寒竹明日美社長がゲストとして学生からの質問に応じた。 鎌田氏はアクティブ運用にはインデックス投資では決して味わえない、社会に役立ち、人の人生をも変えてしまうような企業と出会える醍醐味がある点を強調。藤田氏は「投資を実践する入り口」として、auのウォレットポイントを使った運用を4月から始めたことを説明し、寒竹氏は人気マンガ「東京タラレバ娘」とコラボレーションして「しあわせになるためのおカネ」の知恵を解説していく「東京ツミタテ娘」というコンテンツサイトを立ち上げたことを紹介した。 学生からの質問で口火を切ったのは「水瀬氏が日本国債への投資に対してインデックスファンドでなく個人向け国債を使っているのはなぜか」という金利と債券価格の関係に迫るテーマ。続いて「資本主義経済の拡大を阻害する要因は何か」「鎌倉投信はなぜインデックス運用しないのか・銘柄発掘の考え方は」「ESG(環境・社会・企業統治)投資や行動経済学の将来性を知りたい」「トイレに籠っての株式投資を気づかれた時の人事評価は」「ポイント運用では投資対象を選べるのか」といった具体的な疑問がぶつけられた。遠藤長官は「素直で自分も勉強になった質疑」と感想を述べた。 株式投資には興味があるが、インデックス投資やつみたてNISAの実践はまだ先と考えている学生の参加が大半とみられるが、社会人になったらインデックス投資をしてみたいとの声もあった。投資の学びを重ねながら近い将来に長期・積み立て・分散投資を始めるためのきっかけづくりの場になったようだ。 学生投資連合USICのホームページはこちら 金融庁「つみップ」のホームページはこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩、望月瑞希)

積み立て投資の魅力、動画で伝える 三菱UFJ国際が学生向けコンテスト 

三菱UFJ国際投信は5月31日、高校生と大学生から募集した「eMAXISでつみたて動画コンテスト」の結果を発表し、あわせて表彰式を開いた。応募作品の中からノミネートした11作品のうち、同社の役職員四十数名による投票で、最終的に8作品を選んだ。 同コンテストは学生に投資や投資信託を身近に感じてもらうことが狙い。同社が運用するインデックス型投信シリーズ「eMAXIS(イーマクシス)」による積み立て投資がイメージできれば内容は自由。学生であれば、個人・グループのいずれでも応募できた。 ■最優秀賞は関西の大学生、高校生も4組入賞 最優秀賞には関西の大学生「Luma」さんの作品が選ばれた。おじさんと美少女の会話を通して、積み立て投資のポイントをわかりやすく伝えた。優秀賞は関東の大学生が受賞。高校時代から仲間で動画づくりをしてきた4人が集まって参加したという。関西の高校生4組が入賞したのも目を引いた。 ノミネート11作品は同社サイトでも一般公開。約3万5000の「いいね」のうち、2万近くを獲得した「studio holiday」 さんが「はなまる賞」を受賞した。 ■「積み立て投資」「eMAXIS」を知らずに応募が大半 表彰式は東京と大阪の2会場を中継でつないで同時に開かれた。東京会場の受賞者に聞いたところ、応募のきっかけは各種コンテストの開催情報をまとめたサイト。それまでは「積み立て投資」も「eMAXIS」も知らなかった人が大半だった。 eMAXISの「MAXIS」はMAX(MAXIMUM:最大の、最高の)とAXIS(中心軸)を掛け合わせた造語。eコマース(電子商取引)の「e」を付けて「eMAXIS」と名付けたことを受賞者は知らなかったとみられる。 ただ、手作り感あふれる受賞作品を見ると、三菱UFJ国際投信が名前に込めた思いを抜きにして、参加型イベントは若者たちの心をつかみ、「積み立て投資」や「eMAXIS」が普及していく可能性を感じさせた。 ◇学生コラボ企画!「eMAXISでつみたて」動画コンテストの受賞作品はこちら (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

ラップ口座特集④ いちよし証券「低コストの好成績ファンドに分散投資」

個人投資家が証券会社や銀行などの金融機関に資産運用をお任せする「ラップ口座」――。「ラップ口座特集」では、各金融機関のラップ口座について、企画・運営の責任者に特徴を聞く。今回取り上げるのは、いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション」。いちよし証券の北砂博章ラップ・投資分析部長に話を聞いた。 ■「標準コース(リスク水準が異なる5つの運用モデル)」と「金利・配当重視コース(為替変動リスクの異なる3つの型)」 当社のファンドラップは2つの運用コースがある。「標準コース」と「金利・配当重視コース」だ(図)。「標準コース」ではリスク水準が異なる5つの運用モデルがあり、それぞれ投資対象となる資産クラスの配分比率が異なる。 「標準コース」において、最も保守的な運用を目指す「運用モデル1」から最も積極的な運用を目指す「運用モデル5」までのリスク水準は、原則として、先進国債券のリスクと新興国債券のリスクの範囲内に概ね収まることをひとつのガイドラインとしている。 「金利・配当重視コース」の投資対象は、インカムゲイン(利息収入)を生み出すような資産に投資しているファンド。米ドル建ての世界債券に投資するファンドをコア(中核)とし、資産配分比率は「標準コース」で最も保守的な運用を目指す「運用モデル1」をベースに決めている。お客様は、為替変動リスクの異なる3つの型(即ち、米ドル建ての世界債券部分について、為替ヘッジを行わない「為替ヘッジなし型」、対円で為替ヘッジする「限定為替ヘッジ型」、世界12通貨に分散してヘッジする「世界通貨分散型」)の中から選択できる仕組みになっている。 ■良好な運用実績と高い信頼性を兼ね備えたファンドに投資 「標準コース」は、3本のファンドラップ専用投資信託(内外債券・内外株式・オルタナティブ)がそれぞれの資産クラスで複数ファンドに投資する「ファンド・オブ・ファンズ方式」を採用している。このことで、①投資対象となるファンドの選択肢が広がり、市場環境の変化に対し柔軟な対応ができる、②得意分野の異なるマネジャーの運用力を活用することができる、③運用資産全体で分散効果が図れ、運用の安定性を高めることができる、など多くのメリットがある。 現在、3本のファンドラップ専用投信が投資しているファンド数は合計35本、うち私募投信が30本を占める。投資先ファンドを私募投信としたことで、運用コストを抑えることができ、運用パフォーマンスにもプラスに働いている。 ファンドの選定にあたっては、中長期で投資するに値するファンドであるかを重要視している。実際には、一定期間以上のトラックレコードをもつファンドを対象に、リスク・リターンをはじめとした定量分析を行い、評価機関の定性的な情報を参考にしながら投資先ファンドを決定する。「ドリーム・コレクション」の名称のとおり、良好な運用実績を誇るファンドのみを投資対象とし、同一資産クラス内では原則、同じ運用スタイルのファンドは置かない。同じ運用スタイルのファンドであれば、より高い信頼に値するファンドに入れ替える。言い換えれば、「ドリーム・コレクション」の投資先ファンドは唯一無二、それぞれに存在意義があるということだ。 ■サービス開始以降、運用資産残高は右肩上がり 2015年7月にファンドラップ「ドリーム・コレクション」の運用を開始してから、運用資産残高、契約数とも右肩上がりで増加している。追加購入の件数が多く、解約する人が少ないのが特徴だ。残高は約1,200億円、契約件数はまもなく1万5千件に達する。 また、契約者の約3分の2が「保守的」あるいは「やや保守的」な運用を目指すモデル(または型)を選択しているという。これは、積極的に高いリターンを目指すというより、現在保有する資産を如何に保全し守っていくか、といったお客様ニーズを汲み取った結果であろう。「ドリーム・コレクション」では、こうした比較的リスクが小さい運用モデル(または型)は一般にローリスク・ローリターンであることから、契約者が負担するトータルコストを相対的に低く設定し、中長期で保有していただきたいと考えている。 「相場に一喜一憂することなく、リスクを抑え中長期で資産を保全し増やすためにはどうしたら良いか?」を考えるとき、その答えはおのずと「中長期国際分散投資しかない!」というのが歴史的な経験に基づく結論である。「ドリーム・コレクション」を通じて、より多くのお客様に「中長期国際分散投資」を広めていきたいと考えている。 (聞き手:QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

5月の投信、新規参入のTロウプライスが資金流入額2位

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)について、運用会社別の5月の月末純資産総額(残高)と残高増加額、資金流入額をそれぞれ集計した。資金流入額では、新規参入のティー・ロウ・プライス・ジャパンが約728億円で2位に入った。同社は5月28日、国内初となる公募投信「ティー・ロウ・プライス 世界厳選成長株式ファンド」の運用を開始した。 純資産残高上位20社、残高増加額下位20社、資金流入額上位20社は以下の通り。 (注)QUICK資産運用研究所調べ。対象はETFを除く国内設定の公募追加型株式投信(単位型は含まない)。資金流入額はファンドの設定額から解約額を差し引いた値で概算推計値、償還ファンドは集計対象外。▲はマイナスで減少または流出。運用増加額は純資産増加額から資金流入額を引いた値で、運用のみによる増加額を意味する(概算値)。残高増加額=資金流入額+運用増加額。分配金支払総額(概算値)は資金流出額には含まれず、分配しなかった場合に比べ、運用増加額が分配金支払総額分だけ減る。億円未満は切り捨て。 (QUICK資産運用研究所)

三井住友DS「資産形成にアクティブ運用を」(投信の直販NAVI)

証券会社や銀行を通さず、運用会社が個人に直接販売する「直販投信」の存在感が高まっている。「投信の直販NAVI」では、運用各社の直販に対する思いや特長をまとめる。 今回は2015年4月に大手運用会社として初めてインターネット経由の直販に乗り出した三井住友DSアセットマネジメント。今年2月に目玉となるアクティブ(積極運用)型投信を投入するなど動きを活発化させている。直販を統括する伊木恒人常務執行役員に話を聞いた。 三井住友DSアセットマネジメント・伊木恒人常務執行役員 ■4年目で方針転換、「究極の1本」を追加 ――直販参入から4年経ちました。 「今年4月の(旧三井住友アセットマネジメントと旧大和住銀投信投資顧問の)合併に向けて直販の方針を見直し、得意とするアクティブ運用の日本株ファンドを新たな品ぞろえに加えた。当社は健全なリスクマネーの供給で社会に貢献したいという思いがあるからこそ、徹底したリサーチでしっかりした企業を選んで投資している。運用会社としての取り組みや役割を直販というチャネルを通じて伝えていきたい。直販ネットはアンテナショップのような位置づけだ」 「当社の経営理念には顧客のクオリティー・オブ・ライフ(QOL、生活の質)の向上が掲げられている。資産運用の目的は色々あると思うが、老後資金や生活防衛のためだけではなく、人生をより楽しむためのワクワクが広がるような資産形成を一緒に目指す運用会社でありたいと思っている」 ――新しく導入したファンドの特徴は。 「今年2月に直販専用で販売を始めた『アクティブ元年・日本株ファンド』(79311192)は、機関投資家向けの私募ファンドで実績のあるチームが運用する。彼らが手掛ける代表ファンドは2003年6月末から今年1月末までで基準価額がおよそ10倍になった、いわゆる『テンバガー』のファンド(図1)。これは同時期の配当込み東証株価指数(TOPIX)の4.4倍にあたる。『アクティブ元年・日本株ファンド』の運用は、チームのメンバーも投資哲学もこのファンドと同じ。中小型株に加えて大型株にも投資できるようにした」 「アクティブファンドは玉石混交と言われ、(指数の構成銘柄を機械的に売買する)パッシブ運用より成績が見劣りするものもあるが、このファンドは究極の1本。メンバー4人で年間2000件を超える企業面談を行い、国内の価値ある企業を探し出している。信託報酬も税込みで年1.0584%に抑え、『長期・分散・積み立て』を推奨する三井住友DS直販ネットにふさわしいアクティブファンドが提供できた。今のところ他のチャネルで販売する予定はない」 ■顧客は30~40代が6割、8割強が積み立て ――アクティブ以外の取り扱いファンドは。 「インデックス型(指数連動型)が3本、バランス型が4本。これらは他のチャネルでも販売している。この中には確定拠出年金(DC)専用だったファンドもある。直販を始めた当初は、コストの安いDC専用ファンドを公開販売するのは異例の取り組みだった」 ――直販を利用する顧客の属性は。 「現在の顧客は30~40代が6割を占め、男女比は7対3だ。投資未経験者は2割程度。全体の8割強が積み立てで買い付けしている。大々的に広告など出していないが、最近は地方在住の顧客も増えてきた」 ――今後、目指していく姿は。 「これまではファンドを買っていただくまでのプロモーションに偏りがちだったが、今後はアフターフォローに力を入れる。売って終わりじゃない、買っていただいてから始まる。直販は顧客と双方向のコミュニケーションがとれるし、情報発信もしやすい。デジタルならではの機動性を生かしながら、トライアンドエラーで色々なことを試しつつ顧客と長期的な信頼関係を築いていきたい」 「当社の願いは、顧客の資産形成の伴走者であること。そのためにも、ファンドマネージャーがどういった事業や分野に価値を感じ、どんな企業をリサーチして、どのように投資しているのか、いつでも顧客から見えるようにしている。『アクティブ元年・日本株ファンド』のファンドマネージャーは、いわばオープンキッチンのシェフだ。アクティブ運用だからこそ価値ある企業に投資し、一緒に成長していく実感を味わえる。豊かな生活につながる資産形成を広げていきたい」 <関連サイト> ◇三井住友DSアセットマネジメント (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

ラップ口座特集③ SMBC日興「外国籍投信を中心に運用」

個人投資家が証券会社や銀行などの金融機関に資産運用をお任せする「ラップ口座」――。「ラップ口座特集」では、各金融機関のラップ口座について、企画・運営の責任者に特徴を聞く。シリーズ3回目は「日興ファンドラップ一任型」を運営し販売するSMBC日興証券。投資顧問事業部長の佐々木知信氏に聞いた。 ■外国籍投信で細かく分散投資 当社のファンドラップの最大の特徴は外国籍投信を中心に運用することだ。海外のファンドを用いるメリットは、投資戦略の多様化とファンド入れ替えの機動性。また海外の何万本というファンドすべてが投資対象となるため、どのファンドを採用するかといった戦略の幅がひろがる。 投資対象は10資産と細かく分散投資している点も強みの1つ(図1)。日本債券は外国籍のファンドが少ないため国内籍のファンドを採用しているが、他の9資産は外国籍投信が占める。各資産の投資先は、ユニークな運用会社やファンドがそろう。例えば、5月に日本初の公募投信を募集した米運用大手ティー・ロウ・プライスが運用するファンドは前から組み入れている。 お客様がとれるリスクによって資産配分を9段階の基本モデルに分類している。昨年9月にリスクが低いモデルを1つ増やした。リスクは低く抑えつつも、「株式相場が上昇したときは少しでもいいから恩恵を受けたい」というお客様の声を反映した。 各基本モデルの資産配分の見直し(リバランス)は原則年1回程度行っている。加えて、お客様のポートフォリオのモニタリングは随時しており、必要に応じて適宜リバランスをしている。 ■生涯持ち切るという意思表示 昨年10月末に「相続時受取指定サービス」を導入した。日興ファンドラップ一任型においては、契約者に万一のことがあった場合、現金化したうえで相続いただくこととなるが、当サービスはファンドラップの解約金相当額を予め指定したご家族にお渡しできるサービスで、複数の相続人を指定することができる。 このサービスの契約は、生涯にわたりファンドラップを持ち切るという意思表示と考えられるため、投資目的や運用期間が長期にわたることが具体的かつ明確になり、目先の相場変動に左右されることなく資産運用を継続するきっかけになる。 実際にサービスを提供するまで2年ほどかかったが、お客様の感度は高く好評だ。「夫婦でファンドラップを契約してお互いに受取指定をした」、「子供から同サービスを利用したいと要望があった」などの声が届く。ファンドラップの契約者は70歳以上のお客様が多い。平均寿命と、自立した生活ができる「健康寿命」の差は開いており、ファンドラップをきっかけとして、お客様の生涯に渡る金融資産全体の相談につながっている。 ■人生に寄り添うサービスとして ファンドラップはお客様の人生に寄り添うサービスとして長きにわたって保有していただきたい。そのためにはパフォーマンスを上げることは言うまでもなく、お客様のご意向の変化にもお応えしながら、さらなるサービスの拡充にも力を入れていきたい。 (聞き手:QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

金との組み合わせ投資は有効か? 相関係数で検証

投資資産としての「金」は、地政学リスクや金融不安が高まった時などに「安全資産」として買われやすい。独特の値動きが特徴で、複数の資産に分散投資するバランス型の投資信託に組み入れられるケースも多い。実際に組み合わせ投資が有効か検証してみた。 まず調べたのは、各資産で運用する国内公募追加型株式投信と金(円ベース)の相関関係(図表1)。相関係数はプラス1からマイナス1までの値をとり、プラス1に近づくほど似た値動き、マイナス1に近づくほど逆の値動き、ゼロに近づくほど値動きの関係がなかったことを示す。 過去15年間の平均的な値動きを使って比べたところ、どの資産も金との相関係数は低めだった。例えば、国内株式で運用する投信と金の相関係数は0.16。ゼロに近く、値動きの関係性がほとんどなかった。 次に国内株式と金を単独で運用した場合と、それぞれ1対1の割合で組み合わせて運用した場合をチャートにしたのが図表2。過去15年で国内株式は80%、金は236%値上がりし、組み合わせ投資のリターンはそれらを足して2で割った158%だった。 一方、チャートの形状を見ると、組み合わせ投資の値動きが国内株式や金よりもややなだらかなことが分かる。価格変動リスク(標準偏差・年率)を見ると、組み合わせ投資は13.08%。国内株式(17.85%)と金(16.50%)の平均(約17.18%)よりも4.1ポイント低くなった。つまり国内株式や金に単独で投資するよりも、組み合わせて投資したほうがリターンをある程度維持しつつ、リスクを抑えることができたと言える。 (QUICK資産運用研究所 笹倉友香子)

相関係数を使って分散投資 4月末の投信分類別一覧

複数の投資信託に分散投資する際、有効な組み合わせを探すのに便利なのが「相関係数」と呼ばれる統計指標だ。投資対象で区分した「新QUICK投信分類(大分類)」について、2019年4月末までの1年間の相関係数(日次データで算出)と10年間(月次データ)の相関係数をまとめた。 複数の投信に投資する場合、値動きの傾向が違うタイプを組み合わせると分散投資の効果が出やすい。例えば、投資家のリスク選好局面で買われやすい株式に投資するファンドと、逆に売られやすい債券に投資するファンド。この両方を持っていれば反対方向の値動きが打ち消しあって、全体のリスク(価格の振れ幅)を抑えることができる。 有効なファンドの組み合わせは「相関係数」を使うと探しやすい。相関係数は投資対象が異なる2つのファンドが似た値動きをするほどプラス1に近づき、逆の値動きをするほどマイナス1に近づく。ゼロなら値動きの関係がなかったことを示す。相関係数が低いファンド同士を組み合わせると、全体の価格変動リスクを低減しながらリターン向上を狙う分散投資効果が期待できる。 (QUICK資産運用研究所)

楽天証券、IFA経由で半年間に935億円流入 提携先は92社1000人超

楽天証券が手掛ける独立系金融アドバイザー(IFA)事業が順調に拡大している。提携するIFA法人は3月末時点で92社と半年間で10社増え、IFA法人に所属する外務員は約120人増の1092人にのぼる。同時点のIFA経由の預かり資産残高は3821億円となり、半年間の純資金流入額は935億円に達した。 ■カンファレンスで表彰 楽天証券が17日に都内で開いた「楽天証券IFAカンファレンス」は、同社と提携する200人近くのIFAが参加した。年2回開催しており、今回が20回目。同カンファレンスでは実績に基づきIFA法人と個人を表彰するのが恒例だ。 半年間の売り上げ(受取報酬)総額と預かり資産残高増加額の上位を対象とした「ベスト・パフォーマンス賞」「ベスト・アセットグロース賞」は、ともにアイ・パートナーズフィナンシャル、ファイナンシャルスタンダード、CSアセットの3社が法人部門の上位3位を占めた。内部管理体制に優れたIFA法人を表彰する「ベスト・コンプライアンス賞」は、GAIAが最優秀賞に輝いた。 各賞の法人部門の順位は下記の通り。 <ベスト・パフォーマンス賞> 第1位  アイ・パートナーズフィナンシャル 第2位  ファイナンシャルスタンダード 第3位  CSアセット <ベスト・アセットグロース賞> 第1位  ファイナンシャルスタンダード 第2位  アイ・パートナーズフィナンシャル 第3位  CSアセット <ベスト・コンプライアンス賞> 最優秀賞 GAIA 優秀賞  SHIPS 優秀賞  FPアソシエイツ&ファイナンシャルサービシズ ■人生100年時代、IFAの役割高まる 各賞で第1位(最優秀賞)の法人に受賞に至った背景を聞いたところ、アイ・パートナーズフィナンシャルが「所属IFA数が146人(19年3月末時点)と業界トップクラス」、ファイナンシャルスタンダードは「月5回程度の顧客セミナーや相場を語らないアドバイスの徹底」、GAIAは「兼務ではない専任のコンプライアンス担当者の配置」などを挙げていた。 金融庁は「高齢社会における金融サービスのあり方」について、具体的な原則策定や制度設計のとりまとめを進めており、証券会社や銀行など特定の金融機関に所属しないIFAが果たす役割についても議論にのぼっているようだ。「人生100年時代」を迎え、IFAの個人資産運用における役割が高まっている。楽天証券は昨年7月にIFAを養成するビジネススクールを開講するなど注力しており、個人の資産運用にも変化をもたらしそうだ。 (QUICK資産運用研究所 高瀬浩)

ラップ口座特集② 大和「お金に色をつけていく」

個人投資家が証券会社や銀行などの金融機関に資産運用をお任せする「ラップ口座」――。「ラップ口座特集」では、各金融機関のラップ口座について、企画・運営の責任者に特徴を聞く。今回はファンドラップの新しいサービスを次々と生み出し、内容の充実を進める大和証券のラップ・ファンドビジネス部長、参与の間宮賢氏に話を聞いた。 ■お金が成長していくプロセスを提供 当社は3種類のファンドラップがある(図1)。契約金額に差はあるが、松竹梅のような金額によるすみ分けではない。お客様のニーズに合わせたものだ。ファンドラップは、お金が成長していくプロセスを提供するサービス。どういうお客様が何のために運用するのか。お金に、お客様のニーズに応じた「色」をつけていく。その色に合った商品を提供するために3種類のファンドラップを揃えている。 例えば、「ファンドラップオンライン」はお客様が自ら考えて決断した方針に基づき運用するための道具。インデックス(指数連動)型ファンドのみで運用し、費用 は一律で1%(年率・税抜き)だ。月々1万円から積み立て投資もできる。 「ファンドラッププレミアム」は、一人ひとり異なるニーズに応えられるよう、高いカスタマイズ機能を持たせた。例えば、投資対象を選べるようにしたり、リスク水準によって費用に差をつけたりしている。「ファンドラップ」もさらに利便性の高いものに刷新する予定だ。 ■運用の結果にこだわる 運用においても、利益という「色」をつけることにこだわっている。少しでも利益が出るようにファンド1つ1つを精査し、半年に1回は入れ替えをする。 2017年度はすべての対象資産(分類)でベンチマーク(運用指標)を上回ったが、昨年度はベンチマークに勝てない資産もあった。ファンドラップは費用がかかるので、各ファンドは最低でもベンチマークには勝たなければならない。運用の結果にこだわる姿勢は当社の特徴の1つだ。 ファンドの選定は、グループ会社である大和ファンド・コンサルティング がファンドの運用の安定性、継続性など個別ファンドを深堀りした調査する。大和証券側では、ファンド間の相性や関連性などから総合的に投資の判断をする。どのファンドを組み入れるか、両社の意見が対立することもあるが、最適な選択のために議論を重ねる。 ファンドを採用した後もかなり細かくモニタリングしている。運用がマイナスの時はなぜマイナスなのかを常に検証する。オルタナティブ運用(ヘッジファンドなど、株式や債券といった伝統的な資産とは異なる資産での運用)では、一定のリスク内でパフォーマンスは常に預金金利のプラス2~3%を目指している。 ■買ってもらっておわりでない。買ってもらってからがスタート ファンドラップを長く保有していただくためには、運用はもちろんのこと、資産を当社に預けてもらうための裏側(体制)をしっかりするべきだと考える。当社はファンドラップを保有するお客様へのフォローアップを徹底している。四半期ごとの現状報告に加え、年に1回は面談する。当たり前のことだが、買ってもらっておわりでない。買ってもらってからがスタートだ。 費用については、いくらが妥当な水準かは難しい。ただ、ファンドラップの投資ファンドは、国内外の選りすぐりの運用会社が運用しており、運用以外の管理やサポートにも手間をかけている。お客様が「なぜ損しているのに費用をとられるのか」という疑問を抱いた時にしっかりとした答えができる透明性のあるサービスであることが重要だ。 ■お金に対するニーズを満たす ファンドラップのオプションを強化している。サービスをデコレーションのように増やしていくだけでなく、最適なサービスを選べる機能を付加することが大事。一人ひとりのお金に対するニーズを満たし、お客様と深く関わることが理想だ。 ファンドラップの資産から一定金額を定期的に換金する「定期受取サービス」は多く利用されている。お客様があらかじめ指定した寄附先に寄附する「寄附サービス」もある。 「ファンドラッププレミアム」において相続対策をサポートする「相続時受取人指定サービス」 では、運用する人(被相続人)と資金を受け継ぐ人(相続人)、双方の意思を尊重する。被相続人に万が一のことがあった時は、ファンドラップの資金を現金化して相続人に渡す。相続人によってお金に対する考え方は違う。一度現金化することで、相続人に資金の状況を整理してもらう。 これらのオプション・サービスはすべて無料。お客様が使いたいと思ったサービスを自由に使っていただく。投資目的に応じて最大5つの運用口を持てるが、運用口は当社が初めて取り入れたサービス。これからもお客様のニーズに応じた新しいサービスを提供したい。 (聞き手:QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

ラップ口座特集① 野村「ファンドラップは『商品』ではなく『サービス』」

個人投資家が証券会社や銀行などの金融機関に資産運用をお任せする「ラップ口座」――。大事な資産の運用を託された金融機関は顧客に運用の目的や運用期間などを聞き、目標とするリターンやどの程度リスクがとれるかを診断。それらに基づき、顧客に代わって投資信託で資産運用をする。 ラップ口座は金融機関や契約するコースによって運用の仕方や費用などに差がある。契約には最低でも数百万円が必要な商品が多く、敷居が高いと感じる人も少なくない。「ラップ口座特集」では、各金融機関のラップ口座について、企画・運営の責任者に特徴を聞く。 第1回は国内でラップ口座での預かり資産額が最大規模の野村証券。同社でラップビジネスを主幹する投資顧問事業部の能見哲理部長に話を聞いた。 ■「商品」ではなく「サービス」 当社が提供するラップ口座は大きく分けて2つ。「野村ファンドラップ」(以下、ファンドラップ)と「野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)」(以下、SMA)だ。(図1 ) 最も重要なのは、ラップ口座が「商品」ではなく「サービス」である点。スポーツに例えると、株式や投信などの金融商品は「ゴルフのドライバーショット」で、ラップ口座は「カーリング」に似ている。前者は飛距離というパフォーマンスを追求するが、後者は円にどれだけ正確にストーン(石)を置けるかで勝敗が決まる。 ラップ口座はお客様が許容できるリスクの範囲内で、期待するリターンにより近づけることが求められる。期待リターンから大きく上回るでもなく、ましてや大きく下げてはならない。このプロセスが円に向かってストーンを正確に投げていくカーリングに例えると分かりやすい。 カーリングではストーンを円の中心に置くためにチームで何度も話し合う姿が見られるが、ラップ口座でも同じ。お客様の資金がどういう性格なのか、どう使いたいのかを常に話し合い共有する。運用期間や許容できるリスクに変化はないかなど様々な要素を考慮した上で期待リターンの実現に向かって、長い時間をかけてサポートしていく。そういう意味で、「商品」ではなく「サービス」といえる。 ファンドラップのコストが高いとの指摘も一部あるが、コストに見合ったきめ細かい「サービス」を提供していると思う。 ■目標の資産配分比率を管理 ラップ口座の特徴として、2つのリバランス機能がある。3ヵ月毎に行う「定期リバランス」とマーケットの変動に応じて適宜行う「上下限リバランス」だ。ファンドラップは2つのリバランス機能があり、SMAは「上下限リバランス」のみ。リバランスとは、お客様の目標の資産配分が価格変動によりずれてしまった場合に、元の配分比率に戻すことを指す。 リバランス機能の効果について、リターンは投資を開始したタイミングによって結果がまちまちである。しかし、リスクは「定期リバランス」する方が確実にコントロールできることが実証されている。 「上下限リバランス」は、お客様の目標の資産配分比率においてあらかじめ上限と下限の値を決めて、その範囲を超えた時に目標の資産配分比率に戻す売買を行うしくみ。 図2のように国内株式の比率が上限に触れた際は、売買で国内株式の配分比率を下げる。一方で、配分比率が下限まで行った時は売買で国内株式の配分比率を高める。例えば、リーマンショックのような暴落の際は株式の配分比率が急激に下がるので、それを目標の配分比率に戻す。これは、ナンピン買いのような効果があり、ファンドラップのパフォーマンスには大きな影響を与える。個人投資家の多くは株価が急落した場合、積極的に株式を下値で購入する事は難しいが、上下限リバランスはこれをカバーできる機能と言える。 ■運用資産、そのまま相続人に ラップ口座を保有するお客様はまとまった資金のある退職世代や高齢者が多い。当社では、人生100年時代に向けたサービスの充実を図っている。その対応策として、ラップ口座では「定時定額払戻し」のオプションがある。毎月か隔月(奇数月)の払い戻し頻度を選択し1回あたりの払い戻し金額を設定して、運用資金を取り崩していくサービスで2018年3月から導入した。 「目的別口座」も人気があるオプションの1つだ。お客様自身の生活費、孫の教育費、趣味のための資金といった使い道に応じて最大8口座まで契約が可能。各口座に「目的」を上限20文字まで登録でき、定期運用報告書の表紙に記載するサービスもある。 さらに、「遺言代用信託」を設定したうえでラップ口座(SMAのみ)での資産運用ができる。当初の契約者(第一受益者)が死亡した際、ラップ口座の運用資産は遺産分割協議の対象外となり、あらかじめ定めた相続人(第二受益者)に引き継ぐことができるサービス。3カ月ごとの定期運用報告書は第一受益者と第二受益者の双方が確認でき、追加の手数料はかからない。 また、野村の投資一任情報誌「ラップ-アイ」を2017年10月より年1回程度発行している。お客様アンケートに寄せられた声をもとにサービス内容の改良に努めている。お客様のリスク水準を5段階から7段階に細分化したり、少額の契約者でも為替ヘッジの有無を選べるようにしたりした。今後もお客様の意向に沿った提案と運用を徹底していく。 (聞き手:QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

ひふみプラス、4月に100億円超の資金流出 設定後で最大に

独立系運用会社レオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」(9C311125)は、4月の資金流出超過額(推計値)が約118億円になった。3月の約7億円から流出額が大幅に拡大し、2012年5月の設定来で最大規模に膨らんだ。 年初から基準価額が回復傾向にあり、10連休を控えたタイミングで解約の動きが優勢になったことが背景にある。同ファンドは主に国内の株式で運用する国内公募追加型株式投信(ETFを除く)のうち、3月までの1年間の資金流入額ランキングでトップだった。 また、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの「netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンドBコース(為替ヘッジなし) 」(ネットウィンB、3531299B)も4月は約87億円の資金流出超(推計値)。流出超に転じたのは2016年11月(約0.4億円の流出超)以来2年5カ月ぶりとなる。 ネットウィンBは1999年に設定され、運用実績が20年におよぶ長寿ファンド。流出超過額は設定後で最大だった2000年6月(約116億円)に次ぐ大きさとなった。好成績を背景に昨年の半ばごろから人気が再燃し、今年3月まで1年間の資金流入額が国内公募追加型株式投信(ETFを除く)の中で4番目に多かった。10連休前に利益確定目的の解約が出たとみられる。 (QUICK資産運用研究所)          

4月の投信、ピクテが資金流入額首位 残高増加額トップは日興AM

国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)について、運用会社別の4月の月末純資産総額(残高)と残高増加額、資金流入額をそれぞれ集計したところ、ピクテ投信投資顧問が資金流入額の首位だった。「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」(42311052)に資金が集まった。月末残高は野村アセットマネジメント、残高増加額は日興アセットマネジメントがトップとなった。 (注)QUICK資産運用研究所調べ。対象はETFを除く国内設定の公募追加型株式投信(単位型は含まない)。資金流入額はファンドの設定額から解約額を差し引いた値で概算推計値、償還ファンドは集計対象外。▲はマイナスで減少または流出。運用増加額は純資産増加額から資金流入額を引いた値で、運用のみによる増加額を意味する(概算値)。残高増加額=資金流入額+運用増加額。分配金支払総額(概算値)は資金流出額には含まれず、分配しなかった場合に比べ、運用増加額が分配金支払総額分だけ減る。億円未満は切り捨て。 (QUICK資産運用研究所)

コモンズ投信、伊井社長「投資もモノからコトへ」(投信の直販NAVI)

投資信託の選び方や買い付け方法が多様化している。金融機関の窓口でじっくり相談しながら選ぶ人もいれば、インターネットでサクッと買う人もいる。運用会社から直接購入するのも手段の1つ。投信を直販している運用会社は投資理念や顧客との接点づくりなどに特色があり、それに共感したいわばファンのような顧客を引き付けている。 「投信の直販NAVI」では、ファンドを顧客に直接販売する運用各社の思いや特長を掘り下げていく。初回を飾るのは、2007年に設立された「コモンズ投信」。09年1月に公募投信「コモンズ30ファンド」(9N311091)の直販を始め、2年後に銀行や証券会社といった金融機関を通じた取り扱いも開始した。 現在直販しているのは、「コモンズ30ファンド」と「ザ・2020ビジョン」(9N31113C)の2本。静岡銀行などを通じて販売している「コモンズ30+しずぎんファンド」(9N31114C)を含めると、同社が運用する公募投信は3本で、純資産総額(残高)は合計198億円(3月末時点)。私募投信を含めた運用資産残高合計は303億円(同時点)。 昨年に発表した運用損益別の顧客比率(18年3月末時点)では、顧客の約98%が含み益だった。金融庁のまとめによると、コモンズ投信は昨年末までに同比率を公表した96金融機関の中で含み益の顧客割合がダントツに高かった。創業メンバーの1人で代表取締役社長を務める伊井哲朗氏に話を聞いた。 コモンズ投信・伊井哲朗社長 ■日本に長期投資の文化を ――コモンズ投信の根っこにある思いは。 「『自分たちが買いたくなるような商品を作りたい』と集まったのが創設時のメンバーです。目指したのは、本格的な長期投資のファンドでした」 「企業の経営者は何十年も先のことを考えて経営をしています。四半期などの足元だけ見ているわけではありません。一方で、日本には長期投資の文化がない。経営者と同じ時間軸で将来のビジネスを考え、後押ししていく投資家がいなかったわけです。それなら長期投資のファンドを作ろうということで、生まれたのがこのファンドです。著名な尊敬する経営者の方々もそろって賛同してくれました」 ――個人向けにした狙いは。 「国内の機関投資家は、それほど長期の投資ができません。運用成績を四半期ごとに開示するため短期的な成績を重視する傾向があり、投信自体もテーマ型のファンドが主流でやはり短期的な成果の追求になっています。経営者と同じ長期の時間軸で資金を出せる投資家として、行き着いたのが個人の資産形成のための資金です。欧米では確定拠出年金(DC)の仕組みが定着し、個人による長期投資の文化が根付いています」 「創業当時は個人が投信で長期投資する風潮や現役世代が活用しやすい税制優遇などがなく、気軽に資産形成できる環境がなかった。お客さまの長期的な資産形成を目指して投信を取り扱ってくれる販売会社もなかったので、それなら自分たちで資金を集めよう、日本に長期投資・積み立て投資の文化を作っていこうと思い立ちました」 ■「生産者の顔が見える」直販 ――直販の魅力は何ですか。 「生産者(=運用者)の顔が見えて、思いが伝わりやすい点です。農家で野菜を育てた人から直接買うのと同じです。スーパーに並んだものを買うよりも、生産者から少し土がついたくらいの野菜を手渡しされるほうが、安心しておいしく食べられるでしょう」 「ただ、いい投信を買うだけではお金は増えません。いかに長く保有し続けるかが大事です。生産者の顔が見えず、中身がよくわからないファンドは、価格が下がった時に持ちこたえられない。直販なら中身が見えやすく、生産者の思いが直接伝わりやすいので、長く続けられると思います」 ――長期保有のために工夫していることは。 「ひとつはディスクローズ(情報公開)です。セミナーなどで顔を合わせて話をしたり、月次レポートをメッセージ性のある内容にしたりといった工夫をしています。投資先の企業経営者が参加するセミナーもあるので、投資家と経営者がお互いの声を聴ける貴重な機会にもなっています」 ■寄付を通じた社会貢献活動も ――そのほかに顧客満足度を高める取り組みは。 「どの業界でも、消費者の心をつかむために『モノ』から『コト』へサービスを変化させています。ところが、金融業界では、いまだに『モノ』に関する議論ばかり。本来、投資を通じていろんな気づきや学びがあるはずです。単に『もうかればいい』というわけではなくなってきている。投資という行為そのものが『コト』消費と認識されれば、長く投資を続けるきっかけになると考え、様々な活動をしています」 「2010年から始めた『こどもトラスト』は、お子様の名義でファンドに投資できるサービスです。夏休みや春休みなどには、親子で参加できるお金の教室や寄付の教室などを開催し、社会にお金がどう回っているのかを学びます。親子でお金や投資に向き合うことで、投資を続けようという気持ちも強くなります」 「また、直販を始めた当初から続けている活動のひとつが寄付です。直販の売り上げの1%程度を非営利団体などの社会起業家や障がい者スポーツの団体に寄付するプログラムで、実際にその活動の場にファンドの保有者の方々と足を運ぶことがあります。最初のころは寄付することに対してネガティブな声もありましたが、今では女性やシニア世代を中心に関心が高いです。投資を通じて社会貢献しているという気持ちが長期投資につながるのではないでしょうか」 ■約8割が積み立て利用、ほとんどが含み益 ――直販の顧客属性は。 「直販口座を年代別に分けると、6人に1人が未成年。割合として多いのは40、50代の働く世代で、最近は人生100年時代とさかんに言われるようになったせいか、60歳以降のシニア層の新規申し込みも目立ちます。僕は、親族にも積み立ては一生やり続けるものですと言っています」 ――他の直販会社と比べても含み益の顧客割合が高いです(図1)。 「注目してほしいのは、含み益が10%以上の顧客比率が多いことです。この好成績の秘密は、長期保有と積み立て投資にあります。投資期間が長いほど含み益の顧客割合は多くなっています。また、直販の顧客は79%が積み立て投資をしていて、それがこのような成果につながったと考えています」 <関連サイト> ◇コモンズ投信 (QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)

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