米スクエア、7~9月期の増収率鈍化に失望 時間外で株価8%安

NQNニューヨーク=古江敦子

携帯端末を使った決済サービス大手、米スクエアの成長鈍化が懸念されている。1日夕に発表した2019年4~6月期の売上高は市場予想を上回ったが、7~9月期見通しは市場予想に届かない。事業開発費などがかさみ、最終損益は赤字が続いている。売上高の伸びが鈍ればコスト増を吸収しきれないリスクがある。

決算発表後の時間外取引で株価は8%下げる場面があった。成長期待を支えに年初来で40%強上昇していただけに失望売りが出たようだ。

4~6月期は堅調だった。市場が注目する手数料などコスト調整後の売上高は前年同期比46%増の5億6280万ドルとQUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(5億5800万ドル)を上回った。決済取引高は268億ドルと25%増えた。

市場の期待を裏切ったのは7~9月期予想だ。前年同期比の増収率は38%に鈍る。増収率は1~3月期の59%から四半期ごとに低下している。背景にはペイパル・ホールディングスなど同業大手との競争激化があるとみられる。

インスティネットによると、スクエアの決済アプリ「キャッシュ・アップ」の6月末時点の累計ダウンロード数は5610万件とペイパルの「ベンモ」の4970万件を上回る。だが、キャッシュ・アップのダウロード数の伸び率は6月に12%と5月(19%)から伸び悩んだ。これに対しベンモは6月に38%増と5月(35%)から伸びが加速した。

4~6月期は700万ドルの最終赤字だった。赤字幅は1~3月期(3800万ドル)から縮小したとはいえ、最終赤字は3四半期連続だ。会社によると7~9月期も赤字が続く可能性があるという。中小企業向けの小口融資やデータ管理など新サービスを拡充しており、事業開発費や人件費などがかさんでいる。ウェドブッシュ証券は「過去1年半の間にEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)見通しを数回、下方修正するなど収益計画の確度が低い」と指摘する。

スクエアは18年12月期の売上高のうち95%強を米国が占める。成長再加速に向け、戦略の柱に位置付けるのが海外展開だ。

3月下旬、スマートフォンなどに接続してクレジットカードを読み取る機器「スクエアリーダー」を日本に導入した。飲食店や小売店などでの普及を見込む。飲食店などが同リーダーを利用するにはキャッシュ・アップで決済する必要があり、アプリ普及につなげる狙いだ。すでに米国や欧州の一部では導入済み。日本はキャッシュレス決済の比率は20%と低く、成長余地が大きいという。海外事業を強化し、増え続けるコストを補うだけの成長を確保できるかが問われる。

※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

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