爆速5G、バブルも幕開け 米キーサイトなど関連銘柄が爆騰中

米韓の通信大手が「商用化で世界1番乗りはこちら」とつばぜり合いを演じ、関連銘柄の株価チャートは強烈な上昇カーブを描く。これまで何度も見てきたような光景だ。次世代の高速通信規格「5G」時代の幕開けとともに、5Gバブルがやってきた。
キーサイト、利益成長は初期段階
5G関連の米キーサイト・テクノロジーズの株高に弾みがついたのは昨年末から。これまで期待先行で上昇してきたが、米国で5Gの商用サービスが開始されたことで5Gに対する現実味が増した。いよいよ業績に効いてくる。そんな見方が投資家の間で広がった。
 
4月に入ると株価は連日で52週(過去1年)高値を更新し、3日に一時上場以来初の90ドルの大台に乗せた。スタイフェルのアナリストが利益成長の初期段階にあるとして、目標株価を87ドルから100ドルに引き上げたことがトリガーだった。米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが携帯通信向け5Gのサービスを3日から開始したことも背景にある。
 

キーサイト・テクノロジーズの上場来の株価


           
キーサイトは世界最大規模の電子計測機器メーカー。ネットワークの接続状況を調べる計測機器に強みを持ち、半導体や自動車メーカーなどに製品・サービスを提供している。売上高は4000億円超と、競合とされるアンリツ(6754)の860億円の約5倍(売上高は5G以外も含む)。市場が拡大した際の恩恵も大きそうだ。
急ピッチで上昇する株価に慎重な見方も
3日には野村インスティネットが5G関連銘柄の一角である半導体の米ザイリンクスのカバレッジを新規で「ニュートラル」で開始し、株式市場で話題になった。ファブレスの半導体メーカーで必要な設備投資が少ないため、向こう数年間も営業利益率で25%以上を維持できるとの見方を示した。ただ、目標株価は115ドルと、足元の127ドルは買われ過ぎとの見方だ。リポートでは「5G への移行とAI(人工知能)普及の恩恵を受けやすい立ち位置にある。しかしPER(株価収益率)は19年3月期の予想基準で37 倍と高く、これらの好材料は既に織り込み済みといえよう」と指摘したようだ。
 
確かに株価は昨年12月24日の安値から急ピッチで上昇してきた。S&P500種株価指数の2割程度の上昇に対して、ザイリンクスとキーサイト・テクノロジーズは約6割上昇した。無線通信機器の米ユビキティ・ネットワークスは7割の上昇と気を吐いた。キーサイト・テクノロジーズに対してアナリストは総じて強気だったが、足元の株価の過熱感もあってか、4月に入ってから慎重な投資スタンスもでてきている。
 
5G関連株はほぼ同じペースで上昇
 

黒:ユビキティ・ネットワークス赤:ザイリンク緑:キーサイト・テクノロジーズ青:S&P500種株価指数

       
QUICK資産運用研究所によると、ETFを除いた国内公募追加型株式投資信託で2018年度に最も資金が流入したのは世界の5G関連株などに投資する「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド<愛称:THE 5G>」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)だった。18年4月~19年3月の間に2189億円(設定額から解約額を差し引いたもの)が流入した。
 
同ファンドはキーサイトやザイリンクスにも投資しているため、国内個人投資家マネーが株価を押し上げた面もあった。
 
そうはいっても5Gへの移行がスタートしたばかりで市場の拡大は続く見通しだ。富士キメラ総研によると、世界の5G対応基地局の市場規模は2023 年に4兆1880億円、5G対応エッジ機器は26兆1400億円と予想する(18年6月時点)。5Gの背景には米中の覇権争いがある。株価の一段高には、業績の裏打ちに加えてイニシアチブを握れるか否かも重要になる。
 
日本でも改めて5G関連への関心が強まっている。いちよし経済研究所は3日付で「世界的な5G関連投資で盛り上がる日本のハイテク企業」と題するレポートを公表。アンリツ(6754)、santec(6777)、メガチップス(6875)などを挙げた。「関連投資の拡大により好影響を受ける光関連部品部材などの分野は幅広いと考えられる」と期待を寄せる。(根岸てるみ)
 
◆5Gとは◆
大容量のデータの送受信を可能にする通信規格で、現行の4Gに比べて最大で約100倍の通信速度が実現できる。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や、自動運転などの分野での活用が見込まれている。5G関連には、計測機器や通信機器、半導体、基地局、サイバーセキュリティーなどの分野がある。ちなみに、基地局ではスウェーデン・エリクソン、中国・華為技術(ファーウェイ)、フィンランド・ノキアの3大通信機器が優位とされる
 
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