現代ポートフォリオ理論?
現代ポートフォリオ理論では、複数の資産を組み合わせることでポートフォリオ収益率の分散(リスク)と期待収益率(リターン)をコントロールしながら各資産の投資比率を決定することが基礎となっています。
下図は、横軸にリスク、縦軸に期待リターンをとったグラフです。図中の青い実線・点線を合わせた曲線は、あるリターンの下でリスクを最小とするような点を繋いで出来上がった線です。これは最小分散フロンティア(minimum variance frontier)と呼ばれます。最小分散フロンティアよりも右側の領域が、実現可能なポートフォリオを表しています。
リスク同程度の場合、投資家はより期待収益率の高い方を選択することから、最小分散フロンティアの上部半分にあたる実線上にポートフォリオを組むことを目指すこととなります。すなわち、投資家はリスクをとるならば最大限のリターンを得たいと考えるため、最小分散フロンティアの下部半分にあたる点線上にはポートフォリオを組もうとしません。このことから青い実線は、効率的フロンティア(efficient frontier)と呼ばれます。
QUICKマーケットスコアを投資判断の材料に
この「効率的フロンティア上にポートフォリオを組む」という目標達成のためには、次の2点に留意して銘柄を選ぶという方法が考えられます。
(1)なるべくローリスクハイリターンの個別銘柄を選定する。
(2)株価の値動きが似ている銘柄を避ける。(ex. 銘柄Aの株価が下落した時、銘柄Bの株価が上がることで損失を相殺できるようなポートフォリオの組み方をする。)
QUICK Money WorldではQUICK株サーチを用いて、マーケットスコアの数値から各銘柄のリスクやリターンを知ることが出来ます。留意点の1点目として挙げた、ローリスクハイリターン銘柄の選定の際に役立つ指標といえるでしょう。今回は投資判断の一材料として、QUICKマーケットスコアに着目します。
ローリスクハイリターン銘柄を探してみよう
マーケットスコアのリスク(過去3年間の変動率などから算出)とリターン(直近3か月)を見てみましょう。先ほど申し上げた通り、リスクは投資収益率の変動の大小を表し、リターンは過去における投資収益率の高低を表します。リスクのスコア値が低く、リターンのスコア値が高い銘柄を探してみると、例えば以下のような銘柄が見つかりました。(6月23日時点)
ここで一例として挙げた不二家(2211)、リクルートHD(6098)、ツルハHD(3391)はいずれも増収・増益が予想されている大企業ですが、中堅企業でもローリスクハイリターン銘柄は多数存在します。
例えば以下の銘柄は、リスクのスコアが低く、リターンのスコアが高く、かつ割安度が高い(前週末時点)銘柄です。
銘柄名 | 証券コード | 割安スコア | リスクスコア | リターンスコア |
NITTOH | 1738 | 10 | 1 | 10 |
大石産 | 3943 | 10 | 1 | 10 |
ヤ ギ | 7460 | 10 | 1 | 10 |
日デコラ | 7950 | 10 | 1 | 10 |
南総通運 | 9034 | 10 | 1 | 10 |
このようにQUICK株サーチのマーケットスコアを投資銘柄選定の一材料とすることもできます。スコアを見ながら、ローリスクでハイリターンの実績を持つ銘柄を選び、ポートフォリオの参考にしてみてはどうでしょうか。