「ゴーン事件」が社債市場やクレジット市場に及んでいる。20日、日産自動車の5年物CDSは前日比+17bpの53.5bpへと上昇した。QUICKがCDSを算出している日本企業の中では最も上昇幅が大きかった。またS&Pは同日、日産の格付け(シングルA格)を引き下げる方向で見なおすと発表した。
日産よりも格付けが低い仏ルノー(S&PでトリプルB)の5年物CDSは、事件の第一報が伝わった19日時点で146.73bp。前週末16日から23.52bpも跳ね上がった。
「日産の50bp台というのは、シングルA格の平均的な水準であり、ルノーとは雰囲気が違う。100bp前後がトリプルB程度となる。日産の社債を保有する投資家は、業者に対してBidを照会したようだが、マーケットには売り物は出ていないように思われる。いざとなれば、日銀による社債買い入れが支えとなると楽観的な市場参加者が多いように思われる」(クレジット・アナリスト)との見方も出ている。(丹下智博)
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