日経平均1000円安のデジャブ それでも「2月と違う」理由

11日の日経平均株価は急反落した。終値は前日比915円18銭(3.89%)安の2万2590円86銭となった。取引時間中の下げ幅は1000円を超えた場面もあり、市場は2月のボラティリティ急騰時のデジャブ(既視感)に覆われたようだった。しかし、関係者は意外に冷静。QUICKデリバティブズコメント、エクイティコメントの取材からは「2月とは違う」「下値では国内勢の買いが見える」といった指摘があった。市場関係者の声を時系列にまとめた。

 

09:00 日経平均、大幅反落で始まる 下げ幅400円超す

09:10 日経平均、下げ幅800円超す

 

09:57

「これまで米株は懸念材料が多い中で上昇してきたからその反動が出た形だ。行き過ぎた楽観論の後退だろう。当面の下値メドとしては日経平均は2万2000円、TOPIXでは1680と予想する。ただし、現状は悲観にもなりきれずというところだ。業績期待などもまだ根強いため年末に向けてリバウンドする局面もあるだろう。いずれにせよ不安定な相場に気をもむ展開が年末まで続くのではないか」(国内証券)

 

10:01

「いったんは上海総合指数待ちなんでしょうね。きのうは人民元の基準値が1㌦=6.9元台で設定されてましたから、ドル安にも関わらず基準値が1㌦=7元の大台に大台に迫るようだと中国株安に対する警戒感が強まるかも知れません」(国内証券)

 

10:10

「今朝の大手証券の寄り前注文状況は差し引きで270億円の売り越しだったようだ。クオンツ系ファンドからと思われる売りが膨らんだある米系証券の売り越しが目立っているが、ロングオンリー勢は比較的冷静なようだ。最近まで先物売りが膨らんでいた別の米系は他方で現物には買いを入れており、パニック的な様相はまだ見られない」(パルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直氏)

※上海総合指数は4年ぶり安値水準へ

 

10:26  上海総合指数、3%安で始まる 年初来安値を下回る

 

10:31

「日経平均株価はなんとか200日線(2万2509円)を死守できればと期待してます。9日は東証のシステム障害、きょうは米株の急落・・・。大変な相場で喉が枯れ気味です」(国内証券)

※円相場は一時、1㌦=111円台に突入した

 

10:53  日経平均、下げ幅900円超す

10:59  円、一時111円台に上昇 3週間ぶりの高値水準

 

11:17

「きょうは忙しくて皆バタバタです。国内金融機関からETFの買いが多く押し目は入っている状況です。一方、個別株はロスカットの売りも見られますので、個別のフローをみるとまだまちまちという形でしょうか。投資家からは依然として米株先物が下落している状況は買いづらいとの声もありますが、これまで買い遅れた投資家も多いため指数系ETFでの押し目を拾いに来る向きが多くなっています」(国内証券)

 

11:24

「米株の急落を受けて、きょうは久々に問い合わせが多かったですね。きのうはスクエアとかの下げがきつく、グロースを拾う局面ではないとみられる一方、フィラデルフィア半導体指数が4%超下げた割にマイクロン・テクノロジーやアプライド・マテリアルズはそんなに下げませんでした。きのうは金利がキッカケになったとはいえ、大きく下げたのは今年大きく上げた銘柄群でしたから。アドバンスト・マイクロ・デバイスは8%超下げましたけど、まだ年初来で2.4倍も上げた状態ですよ。米長期金利が4%に達するような状況ならイールドスプレッド対比で銘柄を選別しないといけませんが、2月の恐怖指数のVIXショックの経緯を踏まえると20を超えてから1週間程度は不安定な展開が続くとみられますので、押し目買いに備える局面とみています。ビザやマイクロソフトなどこれまで右肩上がりだった銘柄には投資チャンス到来とみてます。米決算シーズン前に厳しい下げとなりましたが、決算を精査して銘柄を選別する機会と前向きにみたいです」(国内証券)

※日経平均の下げ幅は一時、1000円を超えた場面も

 

11:50  日経平均先物、下げ幅1000円超す

12:31  日経平均、下げ幅1000円超す

 

12:37

「日経平均が崩れたのは米金利の上昇に端を発する米株の大量売り。伝統的なリスク回避の円高となっている。日経平均はこのまま3月安値からのトレンドラインを割り込めば一段と下値を試す可能性があるだろう」(スコシアバンクのガオ・チー氏)

 

12:40

「メリルのTOPIX先物の売りは止まったようですね。ブローカー動向では基本は売り越し一色。欧州系投資家から大型株の売りが目立つブローカーもあったようです。国内機関投資家の買いが入り、ブローカー単位では買い越しというところもあるようだが。しかしこうなるとしばらくは先物で上下に振れる落ち着かない展開になりそうです」(投資顧問)

 

12:51

「うちも売り一色に見えますよ、さすがに。損切ってるお客さんもいる印象です。ただ、地銀といった国内勢はそれとなく押し目買い入れてます。全体的にパニックに陥っている感じはありませんよ」(外資系証券トレーダー)

 

13:05

「日経平均が1000円も下げましたが、うちの個人投資家さんへの影響は軽微ですよ。そもそも直近までの上げ相場に乗れていませんでしたから。減少してきた信用買い残も足元でやっと増加に転じた程度ですから、ポジションは膨らんでいませんでした。ここからが問題です。一時的な調整であれば押し目のタイミングととらえたい。安川電(6506)が市場の期待に届かなかった決算を発表して急落しましたが、個人的には決してネガティブには見ていません。利益そのものはしっかり出ている。今日の下落で調整が済んだのかどうか。そろそろ安川電へのエントリーを真剣に考えるタイミングですね」(中小証券幹部)

 

13:10

「今回の株価下落は、予想以上に大きくなった。9月の米国を巡る貿易摩擦で売られると思っていたが、思いのほか売られなかった分、調整が大きくなった印象だ。一部には2月のVIXショック再来という論調もあるが、当時と今は違う。米景気の状況は当時よりもよく、株価に割高感はない。また、株価急落前のボラティリティは当時ほど低くなっていなかったことから、相場下落のマグネチュードとしては遥かに小さいだろう。ここまで下がると、不安定な展開が続く可能性はあるが、ファンダメンタルズに変化がない以上、買いのタイミングを探る方針で良いだろう」(アロケーター)

 

13:32

「株に弱気な投資家でさえ、動きの大きさにショックを受けている。株式市場は壊れ、投資家は全面的に撤退した。米国株のくしゃみは、単に世界に広がるだけでなく、レバレッジの清算による株の売りを加速させるだろう。多くの負のフローがぶつかる中で、楽観的な見方をするのは不可能だ」(オアンダのアジア太平洋地域トレーディング責任者、ステファン・イネス氏=在シンガポール)

 

13:48

「きょうはひとつのショックという形で日経平均も大きく水準を切り下げていますが、落ち着けば買い戻しが入るとは見込んでいます。ただし、ここまでボラが上がってしまうと日経平均の10月2日の高値(2万4270円)超えは難しくなったという印象があります。流石に日経平均で1000円超の下げは多くの投資家にとってもショックが大きいのでは。心なしか社内の雰囲気も暗いです。いずれにせよ米株が主導する形で上昇してきた相場なので、今後の米株の動向次第で日本株も上にも下にも振れやすいとみています」(投資顧問)

 

14:00

「過去の景気の最終局面でも、実体経済の堅調さが持続する中では過度な悲観は必要ないといった声は聞かれていた。ポイントはクレジット・リスクまで波及するかどうかだ

「2006年、2007年のときもそうだったが、リスクが顕在化して深刻な事態へと突入するまでに二度、三度の振幅があるものだ。ただ、あとになって振り返ってみれば、あれがきっかけだたっという現象に思い当たる。今回がそうだとは思っていないものの、今後も同様の動きが繰り返されるなかで、最終局面に陥る可能性を否定することは出来ない。クレジット・バブルがはじけるリスクがないか慎重に見極めていきたい」

「9月に本邦機関投資家が大量に米国債を購入したようだが、その多くは先物でヘッジをしたり、損失確定の売りを余儀なくされたと聞いている。もし、このまま金融市場の混乱が続くことなれば、何もしないで持ち続けた投資家だけが報われるということになるのかもしれない。皮肉なものだ」(大手機関投資家の運用担当者)

 

14:05

金利上昇に油断してましたね。9日の米国市場の時間外取引で米10年債利回りが一時3.26%に達してから遅れて株に調整が入りましたから、米株市場の参加者も楽観的過ぎたと思います。住宅、自動車、自社株買いなどで金利上昇のミクロ面の影響が出てくると思います。実際、ハイテク株もさることながら、足元ではゼネラル・モーターズなど自動車株の下げが長引いています。貿易紛争の影響はマクロ的に小さいと楽観視されていますが、関税によるミクロ面の影響も決算シーズンで出てくるでしょう。きのうは中国リスクでモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンが急落したことが象徴的でした。株価水準が大きく下がってしまった以上、1週間くらいは調整やむなしでしょうか」(エコノミスト)

 

14:55

「先物が完全にディスカウントモードなので、ちょっと相場付きが変わりましたね。裁定買い残は急減しそう」(市場関係者)

 

※QUICKデリバティブズコメント、エクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物・現物株を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。

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