クルマ版貿易戦争、株価は米国勢ひとり勝ち 欧州大手は軒並み苦戦

22日の米国市場では、このところ貿易紛争懸念で上昇していた恐怖指数のVIX(グラフ赤)が反落し、5.94%安の13.77で終えた。ブルームバーグがホワイトハウス関係者の話として、7月6日の関税発効までに中国との貿易戦争を回避するため、米中協議を再開しようとしている、と同日報じたことで懸念が和らぎ、不安心理の後退を示す展開となった。

もっとも、トランプ大統領が朝にツイッターで、「欧州連合(EU)による関税や貿易障壁が壊されなければ、全ての対米輸出車に対して20%の関税をかけるつもりだ、米国で車を生産せよ!」とつぶやき、自動車セクターへの先行き不透明感は残る。トランプ大統領が5月23日、安全保障を理由に自動車の関税を25%に引き上げる輸入制限の検討に入るよう政権メンバーに指示してから1カ月。QUICK FactSet Workstationで指示前の5月22日時点と6月22日までの主要な自動車株の値動きを見たところ、最も上昇率が高かったのはテスラの21.32%高(グラフはピンク線)。これに米ゼネラル・モーターズの7.76%高(オレンジ線)、フォードの1.13%高(グレー線)が続き、米自動車メーカー3社以外は全てマイナス件にある。

最も下落率が大きいのは仏ルノーの16.49%安。これに独ダイムラーが15.68%安と続いている。ダイムラーは今月20日、米中の貿易戦争の影響を踏まえて今期の利益見通しを下方修正した経緯があり、フォルクス・ワーゲンやバイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケも含めて10%超下げた状態にある。トヨタ(7203)は4.36%安で欧州車メーカーに比べれば底堅い。恐怖指数のVIXは4.16%高となっており、極めて単純化した見方だが、VIXと米自動車株が正相関、欧州の自動車株が逆相関の関係にあることが分かる。(片平正ニ)

★VIXと世界の主な自動車メーカーの株価推移
(QUICK FactSet Workstationより、5月22日=100)

※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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