握手と署名、膠着と嘆き 東京市場がみた「6.12」

トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長による史上初の米朝首脳会談が12日午前、シンガポールで開かれた。ツイッターなどでこれまで互いを非難し合っていた両首脳だが、会談の冒頭には握手も交わした。共同文書に署名し、朝鮮半島の「完全な非核化」で合意したことも明らかになった。歴史的な「6.12」に立ち会った東京市場を振り返る。

09:38 「前場は動きづらそう、テレビに釘付けでしょう」

「2万3000円に乗せれば売りたい人もいるでしょうから、米朝首脳会談とは関係無しにいったんは売りでしょう。ただ拡大会合が日本時間11時から12時30分まで、その後にランチミーティングだと前場は動きづらくなりそうですね。皆さんテレビに釘付けになるでしょうし」(国内証券)

11:06  米朝会談、きょうは様子見ムード 当面2万3000円前後の推移

三井住友アセットマネジメント 調査部シニアストラテジスト 市川雅浩氏

「朝方の外国為替市場では期待先行でドル買い円売りの動きとなったものの、時間の経過とともに一服してきた。トランプ米大統領と金正恩委員長が握手し無事に会談が始まると株価指数先物で好感した買いもみられたが、きょうのところは様子見ムードが漂いそうだ。夕方のトランプ米大統領の記者会見まで詳細が把握できず、多くの投資家も身動きは取りにくい。日経平均は当面2万3000円を挟んだボックス圏での推移となりそうだ」 

13:20 「午後も膠着しそう、FOMCのドットとロンガーランに注目です」

「午後に石川製(6208)や豊和工(6203)が一段安となっていますが、局地的な動きだと思います。マーケットはそこまで米朝首脳会談を材料視していると思いませんし、トランプさんの記者会見が17時からなら、値幅はそれなりに出ましたが後場も膠着しそうですね。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表が13日にありますので、今年の利上げ回数を示唆するドット・プロットのほか、長期の政策金利見通し(ロンガーラン)の水準が引き上げられるのか注目しています。現在、ロンガーランの中央値は2.9%ですが、FF金利が今月25bpの利上げとなれば実際のFF金利とロンガーランの差は残り0.9%に過ぎません。インフレを加速させない失業率(NAIRU、Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment)がどのくらいか説明は難しいですが、知らないとも言ってられません。あと何回、Fedは利上げが必要と見ているんでしょうね」(国内証券)。

13:58 「短期的な買戻し、あまり投資家は動けてないですよ」

日経平均先物9月限は再び強含み、2万2900円台に乗せた。「共同声明を発表する。期待よりもはるかに良い会話をした」とのトランプ米大統領の見解が伝わり、じわり買いの勢いが増した。「短期的な買戻しが入った程度です。13日にはFOMCも控えているので、多くの投資家は動けていないように見受けられます。地合いとして日経平均は2万3000円を試す方向ですが、オプションの動向からはプット買いが強い印象です」(邦銀)。

14:15 「トランプさんが署名と伝わりましたが、米債は動いてません」

「トランプさんが署名と伝わりましたが、こういう時は得てしてボンドの反応の方が冷静ですよ。時間外で米債は2.95%近辺と、前日のNY終値からほとんど動いていないことを踏まえれば市場は米朝合意を期待外れと見透かしているのではないでしょうか? 株や為替、韓国株も日中高値を更新していませんし」(国内証券)。

14:22 「機械的な買いなんでしょう、現物のトレーダーからは嘆きの声ありました」

 日経平均先物9月限は2万2930円まで持ち直した後、再び上げ幅を縮小。14時20分時点では前日の清算値に比べ60円高い2万2850円程度での推移となっている。

「米朝首脳会談のニュースフローによって機械的な買いも入っているんでしょう。しかし、売りもそれなりにあって、プットを拾う向きも強いです。現物では特定銘柄に買いが入っているようですが、あまりにもフローが少ないと現物トレーダーから嘆きの声がありました」(投資顧問)

日経平均株価の終値は前日比74円高の2万2878円。東証1部の売買代金も概算で2兆3000億円どまり。終日、様子見ムードだった「6.12」はこうして幕を閉じた。(片平正ニ、中山桂一)

※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。また、QUICKデリバティブズコメントでは特設サイト上で「US Dashboard」のサービスを始めました。米経済・市場の変化を見極めるツールです。

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