米商品先物取引委員会(CFTC)が2日公表した投機筋の円ポジションによると、2月27日時点の円の売り越し幅(円ショート)は9万6651枚となり、2017年10月3日以来およそ5カ月ぶりに10万枚割れとなった。この日は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が下院で初の議会証言に臨んだ日だったが、タカ派的な議会証言だった割に円売り・ドル買いのポジションが減ったことになる。
一方、ユーロの投機ポジションは13万7977枚の買い越しとなり、4週ぶりに増加。ユーロ買い・ドル売り基調が根強い状況を現していた。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は5日付のリポートで「レバレッジドファンドらはこの週にドルをネットで売り越していた。トランプ大統領が鉄鋼やアルミに高関税を課す方針を発表してドル安が進んだが、CFTCのデータではその反応はつかめていない」と指摘。3月1日にトランプ氏が高関税を課す方針を示したことを受け、ドル売りのポジションが積み増されている可能性を示唆していた。
※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。