米連邦準備理事会(FRB)は21日午後2時(日本時間22日午前4時)、1月30~31日に開いた前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表する。FRBは前回のFOMCで追加利上げを見送ったが、声明で「さらなる利上げが正当化される」と指摘。「さらなる=Further」という表現を「利上げ」の前に盛り込んだ。
2月に入ってからの相場急変を受け、金融・資本市場はFRBの今後の利上げスタンスを見極めようと、声明に「さらなる」を追加した意図に関心を寄せている。声明は伸び悩んでいた物価についても「今年は上向く」と従来より強めの見方を示した。その背景でどのような議論が行われたかも市場の注目点だ。
「Minutes=ミニッツ」と呼ばれる議事要旨では、「大方のメンバーの意見では…」といった表現でFRBの正副議長・理事や、地区連銀総裁から選ばれたFOMC参加者の経済・物価見通しや、金融政策スタンスが明らかになる。
市場では、前回のFOMCがイエレン前議長による最後の会合だったことから、パウエル新議長の就任を控えて「大胆な議論はできなかったのではないか」との見方が出ている。一方で、恐怖指数と呼ばれるVIXが足元で再び「不安領域」の20台まで上昇して市場のボラティリティーが高まっていることから、「ミニッツに市場がどう反応するか予測が難しい」(国内証券)と警戒する声も聞かれた。
米CMEグループのFEDウオッチによると、市場が予測する次回3月のFOMCでの利上げ確率は83.1%と、「3月利上げ」はほぼ織り込み済みだ。3月を含めて、2018年の米利上げは「2.8回」というのが政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の先物の動きからみた市場の現時点でのコンセンサスだ。
議事要旨が市場予想を上回る「年4回の利上げ」うかがわせるような内容だった場合、相場が揺れる可能性もある。
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