2017衆院選 与党3分の2超、どこよりも早い市場関係者の見方

22日投開票の衆院選では、与党自民党が単独で過半数(233)を上回り、絶対安定多数(261)を確保。公明党とあわせて300議席を超え、改憲の国会発議に必要な3分の2(310)を上回った。野党第1党は立憲民主党となった。QUICKのデリバティブズコメントチームが市場関係者の声を聞いた。

米調査会社「大規模な財政政策や補正予算は限定的か

●「海外勢の目には『日本の政治が最も安定』と映るのでは」

外為どっとコム総合研究所・神田卓也氏

野党分裂の影響が大きかったとはいえ与党が圧勝したことで、海外勢の目には日本が先進国の中で最も政局が安定していると映るだろう。日本株は、外人買いが期待できそうだ。日経平均は14連騰中とあって一旦利益確定売りが出る可能性もあるが上昇基調は崩れないと見る。長期金利は黒田日銀総裁の再任観測が強まるため上昇する事はないだろう。円は米国を中心として海外情勢に大きな変化がなければ下落する公算が大きい。

●「大規模な財政政策や補正予算の推進ないか」

米調査会社のSGHマクロ・アドバイザーズ・サン・ガラマニ氏

経済政策の面では、安倍首相は衆院選での大勝を言い訳に大規模な財政政策や補正予算を推し進めることはないだろう。あらかじめ目標を設定するなどして規模は限定的だろう。ただ、北朝鮮に対処し、中国に政治的、軍事的、経済的にアジア圏で中国に対抗し続けるという点では政権基盤が強固な安倍政権は日本にとって有益だろう。安倍首相は現実的な政治家で、憲法改正については今後も手を引く公算が大きい。

●「与党勝利もドル円相場のテーマにならず」

三井住友銀行チーフストラテジスト・宇野大介氏

与党勝利は事前の報道通りだ。アベノミクスは金融緩和拡大から人づくりに移行しており、ドル円相場は選挙前から衆院選をテーマとしていない。来年中間選挙に向けた米国のドル安政策と、米税制改革の行方が主要テーマとなろう。当面は110~115円という方向感なき相場展開が続くとみている。

 

独立系運用会社幹部「2万2000円まで短期ラリー、年内は浅い押し目しかないのでは」

●「株高・円安先行も持続性に欠ける」

ソニーフィナンシャルホールディングス・石川久美子氏

衆院選の与党圧勝を受けて、週明けはご祝儀的な株高・円安となる可能性はある。しかし事前の世論調査で与党の優勢はすでに明らかだったこともあり、持続性には欠ける展開になると予想する。
今後は再び米国や欧州の金融政策の動向や、次期米連邦準備理事会(FRB)議長人事などへ市場の関心が移る公算が大きい。ドル円は今週発表される米7~9月期の国内総生産(GDP)速報値など、主要経済指標などを眺めて方向感を模索していくような流れとなりそうだ。

●「2万2000円まで短期ラリー、年内は浅い押し目しかないのでは」

独立系運用会社幹部

短期的なリスクオン。株式は日経平均株価で2万2000円程度までの短期ラリーを想定します。その後は、マクロ系の利益確定売りが出る局面も想定されるが、押し目は日銀や国内機関投資家に吸収され、年内は浅い押し目しかないだろう。決算発表で業績好調組とその他で二極化も話題になるだろう。

●「黒田総裁の再任、金融界にとっては安心感」

別の独立系運用会社幹部

選挙の結果は与党勝利で良い結果と言えるものの、想定内だったことと株式市場も大きく上昇を続けた結果、今回の選挙結果の影響は中立と考えます。自民党に対する期待が高いというよりも、過去に民主党が政権を取って痛い目にあったことが記憶がまだ新しいこともあり、希望の党などのような即席の党には任せられないという思いが働いたのだと思います。自民党にとっては天候が悪く投票率が低かったことも、プラスに寄与したことでしょう。政権維持となったことで、日銀の黒田総裁の再任となることが想定され、金融政策の大きな変更もなく、経済対策も全体的に金融界にとっては安心感のある結果。短期的には出尽くし感から株式市場は調整すると考えていますが、海外情勢に大きな変化がない限り、年末にかけて再び現在の日経平均水準は維持できるのでは。ただし、憲法改正や19年の増税など不安材料もあることから、年明け以降は再び調整する可能性も。

 

億り人「素直に株高・円安も相場が裏切ってくる可能性も」

●「素直に株高・円安も相場が裏切ってくる可能性も」

ある億り人

株式相場は自民勝利で一時的に材料出尽くしの動きが出るかもしれませんが、トレンドと日経平均のバリュエーションを考えると、もう一段高あってもおかしくないのでは。金利は軽く上昇するかもしれませんが、日銀の金融緩和継続で上値は限られるかと思います。為替はアメリカの減税や利上げが効いていき、日米の金利差や政策の違いから円安の方向。これは全て相場が素直な反応を示した場合の予想です。北朝鮮のリスクに加え、トランプ大統領誕生の時も事前の予想と異なる動きをしたため、相場が裏切ってくる可能性もあります。

●「関心は閣僚の変更の有無、憲法改正は優先事項にならず」

米調査会社テネオ・インテリジェンスの日本株担当アナリストのトビアス・ハリス氏

安倍内閣で閣僚の変更があるのか、もしあるとすればどれぐらい変えるのかに関心が短期的に集まるだろう。2018年上半期の議題はすでに周知されている通り、18年度予算の可決、日銀新総裁の任命(黒田総裁の再任)、働き方改革、財政政策の議論などだ。20年までの財政健全化は不可能なことを反映した内容となる公算が大きい。憲法改正が優先事項となる可能性は低いだろう。自民党員や公明党員だけでなく他党の議員を納得させる修正案を出す必要があり、国民投票で大多数の賛成を必要とするなど時間を要するからだ。

●「23日に限っては素直に株高」

eワラント証券の小野田慎氏

政権安定は株式市場にとっては好材料ですので、23日に限っては素直に株高で評価されるかと思います。ただ、直近の株高は日本に限った話ではなく、米国において債券から株式に資金が流れていることが背景と見ているので、選挙は株式相場の一段高の材料にも、反落の材料にもならないものと見ています。

※QUICKのオプションサービスである「QUICKデリバティブズコメント」で配信したニュースを再編集した内容です。

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