インドネシア、地場水産銘柄に脚光 女性水産相が違法取り締まり強化

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。※本記事は2016年1月6日にQUICK端末で配信した記事です。

DPUMのIPO成功でインドネシア水産セクターの上場期待広まる

株式相場が低迷する中、ある水産加工企業のIPO成功によって、インドネシア証券取引所(IDX)で同業の上場が今後相次ぐのではないかという期待が広がっている。
 中ジャワ州パティ県に拠点を置く水産大手ドュア・プトラ・ウタマ・マクムール(@DPUM/JK)は国内投資家を中心に同社株に対する需要が発行済株式の10倍に膨れ上がった昨年12月末、増資によって9190億ルピア(6700万米ドル)を調達した。
 外国船による違法漁業活動が相次ぎ、地場企業は十分な操業や操業の高度化に苦労する中、過去10年で初めての地場漁業会社によるIPOだった。

ドュア・プトラ・ウタマ・マクムール(@DPUM/JK)

インドネシアの対米マグロ輸出、東南アジアで存在感示す

ジョコ・ウィドド大統領がインドネシア海運の栄光を復活させるという目標を掲げて政権の座に就くとともに、政府は実務家のスシ・プジアストゥティ海洋・水産相の指揮の下、違法漁業の取り締まりを強化してきた。
 彼女の政治的演出は、インドネシアの漁業法に完全に保証される範囲だが、これまでに170隻の違法漁船を燃やしたり沈めたりするというもので、違法漁業の拡大を阻止した。スシ・プジアストゥティ氏はまた、違法水産物の輸出隠蔽(いんぺい)によく用いられることを理由に、地場企業による中古外国船の買い上げを一時的に禁止。さらに貨物積み替え禁止令を出し、違法漁業を減らして、国内市場への供給を増やした。
 海洋・水産省のシャリフ・ウィジャヤ次官は「インドネシアの政策はタイとフィリピンの漁業に大きな影響を与える。20151~9月期のインドネシアから米国へのマグロの輸出は前年同期比7.7%増だった。一方、タイの輸出は17%減、フィリピンは33%減だった。両国の輸出は、インドネシアの輸出におされているのは明白だ」と語った。同省は現在、2016年の水産品輸出を50%増と見込んでいる。

外国資本の上限出資比率100%も検討…インドネシア投資調整庁

国内水産業者の捕獲高の増加は、地場加工産業が加工・貯蔵能力を拡大する必要があることを意味する。インドネシアの投資調整庁(BKPM)は、水産・冷蔵保管産業の利益を押し上げ、その発展を加速させるために、水産・冷蔵保管産業への外国資本の出資比率を現在の上限39%から100%に引き上げることを検討している。
 11月のドュア・プトラのIPOを成功に導いたBNI証券のアナンタ・ウィヨゴ社長は、「既存企業も事業拡大に向けて資金調達の必要があり、資金調達の手段として株式市場に関心が向かうだろう」と分析する。「政府がその漁業政策を強化したことに伴い、投資家らはこの分野の銘柄に現在、非常に関心を示している」とアナンタ社長は述べ、「わが社は別の水産会社の上場計画に取り掛かっているが、詳細は言えない」と含みを持たせた。
 ドゥア・プトラ以外では、ダルマ・サムデラ・フィッシング・インダストリーズ(@DSFI/JK)が海洋漁業の加工・貯蔵業界で唯一の上場企業だ。その他の上場水産会社はニッチな分野に乗り出しており、セントラル・プロテイナプリマ(@CPRO/JK)がエビ養殖、インティ・アグリ・リソーシース(@IKP/JK)がアロワナの養殖を手掛けている。【翻訳・編集:NNA】

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