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社外取締役のガバナンスは企業不祥事を抑えられる?抑えられない?(5月調査)

記事公開日 2016/5/16 12:37 最終更新日 2016/5/16 12:37 調査・サーベイ 国内 QUICK月次調査<株式> QUICK月次調査

株式市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<株式>」の5月調査を、5月16日に発表しました(証券会社および機関投資家の株式担当者155人が回答、調査期間は5月10~12日)。

調査期間中の日経平均株価は1万6200~1万6800円台で推移しました。同期間に良くも悪くもホットな話題となったのが三菱自動車の動向です。三菱自動車は4月下旬に軽自動車4車種で燃費を実際より良く見せる不正を意図的に行っていたと発表。燃費不正問題の全面解明が急がれる最中の5月12日には日産自動車が三菱自動車に2000億円強を出資し、傘下に収めることを発表しました。

セブン&アイの役員人事ケース「ガバナンスが有効に機能」過半数

こうした状況もあって、今回のアンケートでは、社外取締役の役割や機能について伺いました。三菱自動車の不正燃費問題のほか、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長の電撃辞任など、日本を代表する企業で起こったこれらの出来事において、社外取締役がその役割と機能をきちっと担ったのかどうかというのが、今回の質問のポイントです。

まずセブン&アイ・ホールディングスの役員人事においては、社外取締役が重要な役割を果たしたと言われていますが、これについてどのように思うかを聞きました。それによると、「ガバナンスが有効に機能した」との回答は53%で最多となりました。次に「混乱を抑えきれず、ガバナンスが機能したとはいえない」が26%で続き、「オーナー家の意向を反映したにすぎない」が18%で続きました。

セブン&アイ

今回の役員人事は、井阪隆一セブン・イレブン・ジャパン社長を退任させる案を鈴木会長が提案したものの、それに対して過半数の賛同が得られなかったため、鈴木会長が「自分は信任されていない」と判断、自らの引退を決意したというのが経緯です。役員会での人事案に対する採決は、15人の取締役のうち反対が6票、賛成が7票、白票が2票でした。

三菱自の不正、社外取締役では発見困難?

また三菱自動車の燃費不正問題では、同社に4名の社外取締役がいたにも関わらず、今回の問題を防げなかったことに対して、どのように考えるかと問いました。

その結果は、「社外取締役では今回のような不正を防ぐのは困難」が55%と最多。「社外取締役を機能させる仕組みが整っていなかった」が34%で続き、「社外取締役とはいえ、独立性に問題があった」が9%となりました。

三菱自の燃費不正

社外取締役の機能にみられる限界点

一方、三菱自動車や東芝、東洋ゴム工業など、企業不祥事が相次いでいる中で社外取締役の機能を強化することによって不祥事が防げるかどうかを聞いたところ、「ある程度は防げる」が58%に達し、「防げる」(1%)を合計すると約6割は防げるとみていることが分かりました。半面で「ほとんど効果はない」との回答も4割弱に上っています。

社外取締役の機能強化

社外取締役はあくまでも「社外」であり、社内の深層に迫って不祥事を未然に防げるかというと、そこには限界があるものの、配置しないよりはましということでしょうか。

東京証券取引所が昨年6月に導入した企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)では、2人以上の独立社外取締役の選任を求めています。その他の統治改革を併せて中長期的な企業価値の向上を図ろうとするのが真の目的ですが、まだまだ課題は多いといえそうで、規制当局にとっても行動を起こす企業にとっても試行錯誤の状況は続きそうです。

伊勢志摩サミットの行方に注目

回答者の1カ月後の日経平均株価予想はやや上方にシフトし、4月調査の1万6077円(確報値)から5月調査では1万6756円になりました。

日経平均

一方、日経ジャスダック平均は、前回調査に比べて5.18%も上方にシフトしました。個人マネーが主力大型株より新興株に向かっており、新興株市場全体の地合いが好調なことが要因とみられます。

日経ジャスダック平均今後、6カ月程度を想定した株価変動要因としては、「政治・外交」に対する注目度が前回調査の8%から15%に大きく上昇しています。景気・企業業績や為替は、注目度こそ高いものの、前回調査に比べると、ほぼ横ばいとなりました。5月26~27日に伊勢志摩サミットが開かれますが、久々に経済サミットとしての色彩が強いと考えられています。政治・外交への関心の高まりはこの点が意識されているとみられ、同サミットで討議・合意される内容への関心が集まりそうです。

また、注目している投資主体としては、前回調査とほぼ同じ結果となりましたが、相変わらず外国人投資家の注目度が他の投資主体に比べて圧倒的に高い水準にあります。ちなみに外国人投資家の動向が株式市場に及ぼすインパクトとしては、前回調査ではネガティブ要因でしたが、徐々に中立へと向かっています。日本の株式市場は外国人投資家の動向に左右される面が強いだけに、今後の動向は要注目です。

今後の投資スタンスはやや強気見通しに変化

資産運用担当者68人に、国内株式への投資スタンスなどを聞きました。

まず、運用しているファンドにおいて、国内株式の現在の組入比率は、通常の比率に比べてどうなのかということですが、「かなりオーバーウエート」は前回調査と変わらず2%とごく少数。一方で「かなりアンダーウエート」が2%から6%に上昇しました。他は大きな変動もなく、「ニュートラル」が過半数を占めていますが、「かなりアンダーウエート」が6%に伸びた点からも、日本株の組入れに対してやや慎重なスタンスが伺われます。

ただ、当面の投資スタンスについては、やや積極的な動きもみられます。「現状を維持する」が78%から63%に大きく低下する一方、「やや引き上げる」が11%から22%に上昇しました。また「かなり引き下げる」が0%から2%に上昇したものの、「かなり引き上げる」も0%から2%に上昇しています。総じて組入比率を引き上げる方向にバイアスがかかっていることが示されました。今後の日本株については、さらなる金融緩和や消費増税の先送り、財政出動など政府・日銀の経済対策への期待もあって、やや強気な姿勢も垣間みえつつあるようです。


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