QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2019/11/27)
・今期利益予想は下方修正した会社計画に合わせる
20/3期上期の連結業績は前年同期比23%減収、営業利益は同48%減の29億円。中国市場を中心とした18年後半からの受注減速が響いた。会社は通期計画を下方修正(営業利益85億円→50億円:前期比51%減)。企業価値研究所も通期予想を減額し、利益は会社修正計画に合わせる(営業利益75億円→50億円)。米中貿易摩擦が激化した5月以降の受注悪化を踏まえ、すでに今期会社計画の達成は厳しくなったとみていたが、その後の受注回復が想定より弱いことを考慮した。ただ、直近10月の受注の前年比の減少率は1桁台に縮小するなど底堅い印象も。会社の修正利益計画は概ね妥当とみる。
・来・再来期予想も減額。緩やかな回復の見方は維持
当研究所の21/3期、22/3期の業績予想も減額。厳しい外部環境を踏まえ受注の回復を前回よりも弱くみた。業績は緩やかに回復に向かうという見方は維持する。強みを持つIT関連機械の更新需要発生、5G関連の加工需要の増加、自動車関連機械の回復等を見込む。20/3期は増配計画を維持。株主還元は高水準続く見通し。
・リスクファクター ~中国経済、貿易摩擦、部品等
・アナリストの投資判断 ~概ね妥当だが若干の上値余地はあるとみる
現状の当研究所の20/3期予想PERは約19倍、21/3期予想PERは約16倍。製造業や機械セクターの現状の平均(約19倍)、同社の過去3年平均(約15倍)を踏まえると、現状の株価は来期業績の回復期待を織り込んだ概ね妥当な水準とみる。相場全体の地合いの改善、5G関連需要への期待などで当面高PERが許容される可能性を踏まえると、若干程度上値を追う余地はあるとみるが、一段の上昇には米中貿易摩擦の解消で業績回復に力強さが出るなど、追加の材料が必要となろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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