QUICK企業価値研究所アナリスト 前田俊明(2019/11/19)
・SI事業の受注高は高成長だが、来期は反動減も
業績拡大を支えてきた組込系/制御系ソフトウェアの受注に陰りが見えだした。組込系/制御系ソフトウェアは、SI事業を構成する事業の柱のひとつ。中でも、機械制御系は工作機械向けを中心に、自動車関連はADAS(先進運転支援システム)など先進分野の需要が旺盛なことから、このところ受注を伸ばしていた。だが両分野ともに顧客の事業環境の悪化を背景に需要減退の兆しが表れている。一方、SI事業の受注高は高成長が続く。20年1月にサポート切れを迎えるWindows7の更新需要が受注拡大を後押ししているためだ。ただし一過性の特需に過ぎず、20/12期はこの反動減が避けられないだろう。企業価値研究所では、20/12期のSI事業の受注高は伸び悩むとみている。
・今期は25%営業増益、来期は5%営業増益を予想
当研究所は通期の連結業績予想を前期比25%営業増益に引き上げる。3Q累計業績、SI事業の受注残高を踏まえた。業績の先行指標である受注高は減速懸念があるが、豊富な受注残高もあり、今期の業績は高成長が期待できよう。翌20/12期は前期比5%営業増益にとどまる見通し。
・リスクファクター ~不採算案件の発生
・アナリストの投資判断 ~成長期待が後退も指標面では割安感
同社は事業拡大を見据えた積極的な新卒採用を展開し体制整備を図ってきた。旺盛な需要に人員増がかみ合い18/12期まで2期連続の2桁営業増益。当研究所は19/12期も2桁営業増益を見込むが、受注減速により20/12期は小幅営業増益にとどまる見込み。当研究所の予想ベースのPERは19/12期15倍、20/12期14倍。成長期待が後退したと考えるが、指標面での割安感から株価は下げ過ぎと判断している。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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