QUICK企業価値研究所アナリスト 唐木健至(2019/11/13)
・東京五輪の観戦客取り込みなどで来期は増益を予想
上期決算発表および足元の状況を踏まえ企業価値研究所では、今20/3期の連結業績予想を下方修正。営業利益を4880億円→4780億円(前期比1%減)とした。10月に起きた台風19号の影響で、大規模な計画運休を余儀なくされたことなどを勘案し予想を引き下げた。前期との比較では、鉄道の利用が在来線を中心にやや増えるとみるが、次世代新幹線「ALFA-X」の走行試験費などの費用計上もあり、小幅営業減益の予想としている。
来21/3期の連結業績は、営業利益4990億円(前期比4%増)を予想。災害の影響などを考慮した基礎トレンドとしては、鉄道の利用が想定に沿って推移しており、従来予想に変更はない。前期との比較では、東京五輪の観戦客の取り込みなどで旅客収入が増えるとみるほか、ビル賃貸など非運輸部門の業績改善もあり増益を見込む。
・上期は新幹線、在来線ともに増収を確保
20/3期上期の運輸収入を前年同期と比べると、新幹線が2%の増収、在来線が1%の増収に。景気の緩やかな回復に伴い、ともに堅調に推移した。
・リスクファクター ~大規模地震の発生など
・アナリストの投資判断 ~足元は若干割安。底堅い利益の推移をにらみながら水準を切り上げる展開を予想
直近株価での21/3期当研究所予想PERは12倍強と、過去3年の平均(13倍台半ば)をやや下回る。当研究所では、景気の先行きがやや不透明で、今後、鉄道の輸送需要が伸び悩むリスクがあるとみるが、駅ビル開発など会社側が取り組む非運輸部門の強化策が順調に進んでいることもあり、株価も過去3 年と概ね同等の評価が可能と考えている。足元の株価には若干の割安感があり、今後は底堅い利益の推移をにらみながら、水準を切り上げる展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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