QUICKコメントチーム=片平正二
米商品先物取引委員会(CFTC)が8日に発表した投機ポジションによれば、5日時点のVIX先物のショートポジションは前週比で1万3598枚ショート規模が拡大し、20万3598枚のネットショートとなった。これで4週連続でショート規模が拡大し、QUICK端末で確認できる数字としては過去最高水準に達したことになる。
S&P500指数が史上最高値を更新する中、8日に恐怖指数のVIXは5.18%安の12.07で終え、投資家心理の不安感を示すとされる20を大きく下回って7月末以来、4カ月ぶりの低水準まで下げた。米株高に歩調を合わせてVIXが低下しているため、VIXショートが拡大しているのはうなづけるが、2018年2月に米長期金利の急上昇に端を発してVIXが急騰した際には投機筋のVIXポジションは短期間で9万枚のネットショートから8万枚を超えるネットロングに転じていた。
足元、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ打ち止め観測が強まり、米長期金利が急上昇している。今後は2018年2月のように、VIXショートの巻き戻しに伴うボラのジャンプ(Volmageddon)も警戒されそうだ。
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