QUICK編集チーム
世界的に低金利が広がるなか、国内の不動産投資信託(REIT)は2020年末までにどこまで買われるか――。QUICKが5日まとめた10月の月次調査<債券>によると、東証REIT指数の分配金利回りの予想は単純平均で2.88%だった。単純に東証REIT指数に引き直すと2644と、足元の2245(分配金利回り3.4%、10月31日時点)から18%ほど高く、2007年5月に付けた最高値(2612.98)を上回る水準となる。
調査は債券市場の関係者を対象に10月29日から10月31日に実施。REIT相場が2020年末までにどこまで上昇するか(分配金利回りはどこまで低下するか)を予想するため、利回りベースで答えてもらった。分配金利回りの予想の最頻値は3.0%で、指数にすると2539。足元の水準から300ポイント近く上値余地がある計算だ。
■月次調査<債券>10月調査 特別質問:J-REITの相場見通し
超低金利のもと、国内の金融機関は内外の有価証券投資でリスクテイクを積極化している。こうした動きがいつまで続くと予想するか聞いたところ、最も多かったのは「半永久的」(33%)との回答だった。
「公社債の利回りが極端に低いため、高配当株式やREITが利回り商品とみなされるようになっている。低金利時代が終わらないということは、こうした流れは半永久的なものだと考えざるを得ない」(証券会社)との声があった。
一方、「JーREITは銘柄ごとに差があり、避けたい銘柄もそれなりにある。優良銘柄を基準に利回り低下の限度やPBRを考えるべきだが、現時点からプラス10%高が限度だろう」(別の証券会社)との見方もあった。