3月のQUICK投資家心理指数は50.34と、前月の71.77から急低下した。判断の分かれ目となる50をかろうじて維持した。米長期金利の上昇や、トランプ米大統領が示している鉄鋼などの輸入制限措置が現実味を帯び世界的な貿易摩擦に発展するとの懸念が投資家心理を冷え込ませたようだ。
【QUICK投資家心理指数と日経平均株価の推移】
(注)日経平均株価は各月末の終値
国内機関投資家の資産運用担当者に現在の日本株の組み入れ状況について聞いたところ、基準とする組み入れ比率に対して「ややアンダーウエート」になっているとの回答が17%(前回10%)と増加した一方、「ややオーバーウエート」が29%(同38%)に低下した。
セクター別の投資スタンスでは、オーバーウエートにする業種として「消費」「通信」「電機・精密」を挙げた運用担当者が増加した。半面、アンダーウエートにする業種には、トランプ政権の輸入制限を警戒してか「鉄鋼・機械」セクターとの回答が増加した。
QUICK投資家心理指数は、QUICKが実施している「QUICK月次調査<株式>」の中から、国内機関投資家が運用するファンドの国内株式組み入れ比率のデータに基づいて算出・指数化したもので、50を上回れば国内機関投資家の投資姿勢が「強気」、下回れば「弱気」になっていることを示す。今回の調査は2月27~3月1日に実施した。