イエレン発言で12月追加利上げのメインシナリオは変更?維持?

 

7月半ばのイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて、米利上げペースは緩やかに進むとの見方がにわかに広がっています。こうしたなか、FRBは規定路線通り12月の追加利上げに動くのかどうか、気になるところではないでしょうか。そこで毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、米国の金融政策の行方やドル・円相場の見通しについて外国為替市場の担当者に聞きました。調査期間は7月10~13日、回答者数は76人です。

※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。

 

年3回利上げのシナリオを維持するか

イエレンFRB議長は12~13日の議会証言で「さらに大幅な利上げが必要なわけではない」「今後数カ月は物価動向を注視する」などと発言。金融市場では追加利上げに消極的な「ハト派」寄りと受け止められ、円相場は一時1ドル=112円台と円高に振れました。
 FRBは17年に3回(6月時点で2回実施)の利上げシナリオを示しているほか、資産縮小についても詳細を公表しています。市場では9月に資産縮小、12月に追加利上げがコンセンサスとなっています。そこでこの想定通りにFRBが動く確率について聞いたところ、「70~90%」と回答した人が最も多くなりました。また、規定路線となった場合、ドル・円相場は「緩やかに円安進行」との予想が多くなりました。市場関係者からは「米国の9月バランスシート縮小着手、12月追加利上げは既定路線で、実際に決定が行われても、影響は小さそうだ」との声が聞かれました。

ただ、フェデラルファンド(FF)先物市場から算出した利上げ確率は、17日時点で42.3%と5割を割り込みました。イエレン議長が注目する物価動向や経済指標の結果次第では追加利上げが難しいとの見方が広がり、円が買われる動きになるかもしれません。

 

 

世界経済をけん引する好調な米国経済ですが、年末に向けてどうなると予想しますか、と聞いたところ、最も多かった回答は「緩やかな拡大が続く」で約6割でした。米国経済については、7月半ばから本格化している4~6月期決算の内容も注目でしょう。

 

 

事業法人の業績予想の前提為替レート110円

毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは7月末の平均値で1ドル=113円70銭と、6月調査(110円37銭)から円安にシフト。3カ月後の9月末には113円71銭、6カ月後の12月末には114円66銭との予想です。今後6カ月程度を想定した注目の為替変動要因は、「金利/金融政策」でした。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が「デフレの力がインフレの力に置き換わった」などと発言したことも影響しているようです。

 ファンドの外貨建て資産の組入状況について運用担当者に聞いたところ、「ニュートラル」が8割超と最も多く、様子見スタンスのようです。また、事業法人の業績予想の前提為替レートは平均値で1ドル=110円72銭、1ユーロ=117円94銭でした。

 

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