QUICK企業価値研究所アナリスト 唐木健至(2018/05/11)
・新幹線の利用が想定を上回り従来予想を小幅増額
前期決算発表を受け企業価値研究所では、今19/3期の連結業績予想を小幅上方修正。営業利益を6720億円→6770億円(前期比2%増)とした。景気回復で新幹線の利用が想定を上回っていることを勘案し予想を引き上げた。前期との比較では、景気回復に伴う輸送需要の活発化で鉄道の利用が増えると想定。安全対策の強化で鉄道設備の修繕費が増加するほか、電気代の上昇に伴い動力費が増えるとみるが、小幅の営業増益の予想としている。
来20/3期の連結業績は、営業利益6950億円(前期比3%増)を予想。訪日客の取り込みなどで新幹線を中心とした鉄道利用の増加が続くと想定。百貨店や駅ビル運営など非運輸部門の業績も堅調に推移するとみて、増益局面が続く予想としている。
・ビジネス、観光ともに輸送需要が好調に推移
18/3期の新幹線収入は17/3期と比べ3%増加。景気回復に伴い、ビジネス、観光ともに輸送需要が好調に推移した。
・リスクファクター ~東海地震など
・アナリストの投資判断 ~足元は妥当。着実な利益成長をにらみながら徐々に水準を切り上げる展開を予想
直近株価での今期当研究所予想PERは10倍程度と、過去3年の平均(11倍弱)を若干下回る。当研究所では安全対策の強化などで鉄道関連の経費が当面高止まりするとみることから、株価も過去3年を下回る評価が妥当だが、足元における鉄道利用の好調もあり株価の評価を大きく引き下げる必要はないと考えている。足元の株価は概ね妥当な水準にあるとみており、今後は中長期的観点から、着実な利益成長をにらみながら徐々に水準を切り上げる展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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