QUICK企業価値研究所アナリスト 真下弘司(2017/12/19)
・研究開発費の増加で20/3期の利益予想減額
企業価値研究所予想の18/3期の連結営業利益は前期比2%増の600億円。上期の業績は概ね想定通り推移しており前回予想を据え置く。開発の進展に伴う研究開発費の増加や前期に計上した一過性の増益要因はなくなるが、グローバルブランド(抗がん剤「ハラヴェン」「レンビマ」など)の伸長等から増益を予想する。
続く19/3期と20/3期の連結営業利益は、19/3期が前期比横ばいの600億円で変更なし、20/3期は640億円→540億円(同10%減)に引き下げた。19/3期は薬価引き下げの影響で横ばい、20/3期はアルツハイマー病(AD)治療剤のオプション権行使に伴う研究開発費の増加を見込み見直した。
・「Aducanumab」のオプション権を行使
17年10月にバイオジェン社が開発中のAD治療剤「Aducanumab」に対する共同開発・共同販促オプション権を行使(売上収益に応じて各社が得る地域別利益配分の調整や研究開発費の分担など)、また日本における多発性硬化症(MS)治療剤の共同販促など新たな契約を締結した。
・リスクファクター ~新薬の開発中止や副作用など
・アナリストの投資判断 ~株価指標は割高、開発の進捗に注目
株価指標は割高な水準にあり、現在の株価は開発中のAD治療剤が承認・発売され業績に貢献することを前提にしなければ説明がつかない。しかし、AD治療剤は開発リスクが高く臨床試験の進捗に注目し慎重な投資スタンスで臨みたい。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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