QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2019/06/19)
・会社計画よりやや強めの19/12期予想を据え置く
19/12期1Q業績は前年同期比1%減収、営業利益は同17%減の45億円。前期4Qに減速した中国事業が復調し、東南アジアや北米の事業も伸長。一方、国内のインバウンド需要は停滞し、役員退職関連やシステム関連のコスト増が減益要因となった。1Qは会社の19/12期計画(売上高1062億円、営業利益200億円)に対しやや鈍めの出足となった模様。ただ、企業価値研究所は会社計画よりやや強めの19/12期予想を据え置く。主力の中国事業や北米ランシノ事業に復調の動きが出た点を評価。インバウンド停滞は気掛かりだが、1Qはシステムトラブルによる出荷減もあり、コストが集中した面もあったとみる。
・アジアの成長等で最高益更新見込む予想も継続
当研究所は20/12期、21/12期と最高益更新を見込んだ予想も据え置く。1Qを踏まえ、インバウンド需要の停滞はやや気掛かりだが、現段階で予想を変更する必要はないとみた。アジアや中国、国内ベビー・ママ、北米等の事業の売上成長を見込む。配当性向は高め。高水準の株主還元が期待されるが、配当利回りは現状低い。
・リスクファクター ~為替、中国事業、新興国経済等
・アナリストの投資判断 ~割高感は薄く、緩やかに上値を試す余地
現状の当研究所の19/12期予想(11カ月間の変則決算)に基づくPERは34倍程度。東証1部平均(約13倍)、「その他製品」の平均(約20倍)と比べ高いが、同社の過去3年平均(約39倍)を下回る。中国経済の減速やインバウンド需要停滞に対する懸念などが、引き続きバリュエーション改善の阻害要因となる可能性はある。ただ、前期4Qに減速した中国事業が復調しており、全体の業績も緩やかながら回復が見込まれる。中期的な利益・配当の成長見通しも踏まえると、現状の株価水準の割高感は薄く、緩やかに上値を試す余地があるとみる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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