QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2019/04/25)
・19/3期は4割超の営業減益で着地する見通し
会社側は4月24日、19/3期通期の連結営業利益計画を、4500億円→3180億円(前期比45%減)へ再度下方修正した。米国で販売する一部車両の保証期間延長に伴うコストの増加、米国における販売奨励金の増加やコスト削減の未達、日本・欧州・新興国での販売台数の減少が主因。なお、1株当たり年間配当金は、前期比4円増配の57円(期末は28.5円)の予定を維持した。企業価値研究所では、19/3期は会社修正計画で着地すると判断、同社修正値まで引き下げることとした。
・20/3期以降の営業利益予想も暫定的に引き下げ
続く20/3期以降の連結営業利益予想に関しても当研究所では、暫定的に20/3期を4800億円→4360億円(前期比37%増)、21/3期を5600億円→5400億円(同24%増)へそれぞれ減額する。同社はシェア重視から収益重視へ戦略変更したが、問題は根深く、収益性の改善は従来想定より時間を要すると考えた。今後は、5月14日予定の本決算発表などを踏まえ、改めて予想を見直すこととしたい。本決算発表では、20/3期以降の配当方針に注目が集まろう。加えて、ルノーとのアライアンスの行方や、ガバナンス体制の再構築の進捗動向も確認していきたい。
・リスクファクター ~アライアンスの行方
・アナリストの投資判断 ~20/3期以降の配当方針に不安が残る
直近の株価および19/3期の配当予定に基づく配当利回りは6%前後と高い。ただし、足元の収益性が低下しており、20/3期以降の配当方針には不安が残る。今後のルノーとのアライアンス関係にも不透明感が強く、当面は上値の重い展開が続くと予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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