QUICK企業価値研究所アナリスト 谷林正行(2019/03/04)
・一過性の利益一巡で来期は2桁営業減益へ
企業価値研究所は19/3期通期の連結予想営業利益を4280億円→3800億円(前期比微減)に下方修正した。家電やFA関連など中国市場悪化の影響を厳しくみた。4Qに年金制度改定による多額の利益を見込んだが、実質ベースの減額が上回ることになる。来期以降も下方修正。来期は一過性の利益が一巡することを前提に2桁営業減益となる見通し。
・来期から始まる新中計に注目
今期の多額の一過性の利益計上には、今期が最終年度の中期経営計画で目標値としている純利益2500億円以上を達成したいという意向も含まれていると考えられる。来期以降は新たな中計が始まる。その内容によっては来期以降の業績を考える前提が変わってくるため、注意深くみていきたい。
・19/3期3Q累計は営業8%減益
19/3期3Q累計の連結営業利益は2928億円(前年同期比8%減)となった。1Qに土地売却益を計上したが、家電など事業における減益幅が上回った。
・リスクファクター ~為替、素材価格、カントリーリスクなど
・アナリストの投資判断 ~中国関連の不透明感、来期の営業減益見通しで当面の株価をやや弱気にみる
当研究所では当面の株価について、やや弱気にみている。中国関連で業績予想が下方修正となった同社の株価は、先行き不透明感から当面軟調な推移が見込まれる。また今期の業績見通しには多額の一過性の利益が含まれており、これがなくなることを前提とすれば来期の営業利益は減益となる公算が大きい。実質ベースで回復に向かうとしても、表面上の減益見通しが嫌気される可能性も考えられる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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