QUICK企業価値研究所アナリスト 山藤秀明(2018/11/08)
・上期営業利益は6割増の1兆4207億円
企業価値研究所は19/3期の営業利益予想を従来の1兆4840億円から前期比46%増の1兆9090億円へと4250億円増額した。投資ファンド事業の大幅増益により、上期の営業利益が1兆4207億円(前年同期比62%増)に達したことを考慮した。投資ファンド事業の通期営業利益は前期比2.4倍の7400億円の予想。
国内通信が主体のソフトバンク事業および、米国で通信事業を手掛けるスプリント事業の業績はほぼ当研究所の予想通りに推移している。
・来期は投資ファンドを慎重にみて2割営業減益予想
来20/3期の営業利益は1520億円増額し、1兆5500億円の予想。順調に投資成果をあげている投資ファンド事業の利益予想を増額した。ただ、同事業の利益予想を今期予想の7割水準と慎重にみたこともあり、全体では前期比19%減益の予想。NTTドコモは来期早々に大幅な通信料金値下げを行う予定。これに対抗した値下げ意向を示したことから、ソフトバンク事業の営業利益は同7%減の6410億円へと630億円減額した。
・リスクファクター ~料金競争、解約率上昇、円高他
・アナリストの投資判断 ~当面は値動きの荒い展開を予想
当研究所は「当面の株価は値動きの荒い展開が続く」と判断する。足元の株価は悪材料が重なり急落したが、業績は好調なため反発余地はあろう。一方では、移動通信分野の料金競争の影響は楽観視出来ない。米国をはじめとする金利上昇も世界の株式相場の撹乱要因となり、同社の株価もその影響を強く受けよう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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