QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2018/09/13)
・今期は純利益予想を減額。経常利益予想は維持
同社はFCTI社ののれん等の減損損失146億円を特別損失として計上し、19/3期通期の連結純利益計画を268億円→128億円(前期比約半減)に減額すると発表。企業価値研究所も今回の減損で最終利益の水準低下が避けられなくなったとみて、連結純利益予想を会社計画と概ね同水準まで減額する。各種償却負担の減少の見込みや、銀行単体の業績は概ね順調なことも踏まえ、経常利益予想は据え置く。FCTI社は各種コストの増加リスクが依然燻るが、銀行単体の利益で概ねカバー可能とみており、会社が修正した連結利益計画は達成を見込む。当研究所の20/3期、21/3期の利益予想はやや増額。FCTI社ののれん等の償却負担の減少を織り込んだ。FCTI社の利益は今後緩やかに回復に向かうとみる。
・会社は配当計画を維持。配当は高水準が続く見通し
今回会社は19/3期の純利益計画を減額したが、配当計画(1株当たり年間10円)は据え置いた。会社中計の配当方針を踏まえると、19/3期の会社配当計画は増額される可能性がある。財務健全性、利益見通しなども踏まえると、配当は当面高水準が続く公算が大きいとみる。
・リスクファクター ~利用件数伸び悩み、自然災害等
・アナリストの投資判断 ~引き続き底堅い株価推移を予想
現状の当研究所の20/3期予想に基づくPERは12倍台。同社の過去3年平均(18倍台)に比べ低い。当研究所では今回の減損対応(最終利益予想の減額)について、株価への影響は概ねニュートラルとみている。来期以降の利益は増える見通しで、高水準の配当の見通しも変わらないからだ。このため、前回の投資判断(当面PERは高まり難いとみるが、配当増額などの期待を背景に底堅い株価推移を予想)を継続する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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