QUICK企業価値研究所アナリスト 唐木健至(2018/08/02)
・訪日客の取り込みもあり緩やかな増益局面が続こう
1Q決算発表を受け企業価値研究所では、今19/3期の連結業績予想を微修正。営業利益を6770億円→6800億円(前期比3%増)とした。景気回復で新幹線の利用が想定を上回っていることを勘案し予想を引き上げた。前期との比較では、景気回復に伴う輸送需要の活発化で鉄道の利用が増えると想定。安全対策の強化で設備や車両の修繕費が増加するほか、電気代の上昇に伴い動力費が増えるとみるが、小幅の営業増益の予想としている。
来20/3期の連結業績も、新幹線の利用想定を引き上げ、従来予想を小幅増額。営業利益を6950億円→6990億円(前期比3%増)とした。前期との比較では、訪日客の取り込みなどで新幹線を中心に鉄道の利用が増えるとみて、緩やかな増益局面が続く予想としている。
・ビジネス、観光ともに輸送需要が好調に推移
19/3期1Qの新幹線収入は前年同期と比べ3%増加。景気回復に伴い、ビジネス、観光ともに輸送需要が好調に推移した。
・リスクファクター ~東海地震など
・アナリストの投資判断 ~足元に特段の割高感はない。中長期的観点から徐々に水準を切り上げる展開を予想
直近株価での今期当研究所予想PERは11倍弱と、過去3年の平均(11倍台半ば)と大差のない水準にある。当研究所では安全対策の強化などで鉄道関連の経費が当面高止まりするとみることから、株価も過去3年を下回る評価が妥当だが、足元における輸送需要の好調もあり、株価の評価を大きく引き下げる必要はないと考えている。足元の株価に特段の割高感はなく、今後は中長期的観点から、着実な利益成長をにらみながら徐々に水準を切り上げる展開を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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