QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2018/05/30)
・今期業績は大幅に改善した前期から続伸を予想
18/3期の連結業績は前期比40%増収、営業利益が同2.3倍の69億円。会社が上期に増額した計画(営業利益60億円。18年4月に修正済み)を超過した。中国を中心に受注が強含みで推移し、増収効果で利益も大幅に改善した。会社は19/3期に7%増収、営業15%増益を計画。会社計画は企業価値研究所の前回予想に近い(営業利益は同じ)。当研究所は今回、19/3期の営業利益予想を84億円に引き上げる。前回予想以降の月次受注の強さ等を勘案した。現状中国の受注は広範な産業分野で強含んでおり、当面は受注の増加が続く可能性が高いとみる。ただ、現在一部部品の不足が生じ、生産面で制約がある。この点も予想に際し考慮した。
・来期以降も底堅いとみる。株主還元は高水準
当研究所は20/3期の業績も堅調推移を予想。工作機械受注の循環性も踏まえ、21/3期業績はやや減速を見込む。ただし、自動車関連やその他分野の成長、中国の自動化ニーズの強さ等を踏まえ、底堅い推移を見込む。株主への総還元性向は18/3期まで3期連続で100%を超過。自己株取得等株主還元は高水準が続こう。
・リスクファクター ~中国経済、部材調達等
・アナリストの投資判断 ~受注・業績の回復見通しや株主還元等踏まえると割安感
株価は今年1月18日に過去最高値1834円まで上昇したが、その後は総じて軟調に。現状の当研究所の19/3期予想に基づくPERは約13倍。現状の機械セクターや製造業の平均、同社のここ数年の平均的な水準(過去3年平均は16倍程度)を下回る。受注・業績は当面回復局面が続くとみられること、高水準の株主還元の余地等も踏まえると割安感があり、現状の水準からは上値を試す余地があるとみる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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