2017/07/22 10:44:02

財政健全化目標の達成に疑問符…長期金利は3年後に1%台へ(6月調査)

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QUICK月次調査<債券>

債券市場の心理調査です。物価見通しの調査は、日銀など各国中央銀行のレポートでも資料として使われています。

財政健全化目標の達成に疑問符…長期金利は3年後に1%台へ(6月調査) (2015/06/29)

  • 財政健全化目標、6割弱が「未達成」を見込む
  • 3年後の長期金利は1%台を予想…5年後は1.5%目前へ
  • 財政健全化に必要なのは「社会保障費の削減」
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債券市場を対象として毎月実施している市場心理調査「QUICK月次調査<債券>」の6月調査が、6月29日に発表されました(証券会社および機関投資家債券担当者150名が回答、調査機関は6月23~25日)。今回の特別調査では、安倍晋三首相が掲げる財政健全化目標の達成可能性について尋ねました。

安倍首相は6月1日、経済財政諮問会議において、2020年度に基礎的財政収支を黒字化する財政健全化目標を達成するため、2018年度の中間目標を定めるように指示しました。

基礎的財政収支とは「プライマリーバランス」とも称されているものです。これは、国債発行による借入額を除いた歳入(税収など)と、過去の借入れの元利払いを除いた歳出を均衡させるというもの。つまり社会保障や公共事業といった政策経費を、借金に頼らず、税収でどれだけ賄えているかを測る指標です。

このバランスが保たれていれば、国は国債発行などによる借金に頼らず行政サービスを提供できていることになりますし、逆に歳出が多い赤字状態の時は、借金をせざるを得ず、結果的に財政赤字が累積していくことを意味します。2020年度までにプライマリーバランスが保たれるようになれば、日本の財政赤字が膨張するのを防ぐことができます。

6割弱が目標「未達成」と回答…3年後の長期金利は1%台を予想

市場関係者の見通しは厳しく、今回のアンケート調査では、2018年度の中間目標、2020年度の最終目標のいずれもが未達で終わるという回答比が全体の59%を占めました。また、中間目標のみ達成という回答比は27%で、最終目標のみ達成という回答比は、わずか4%に止まりました。プライマリーバランスの黒字化は、非常に高いハードルだと市場は見ているようです。

財政健全化目標は達成可能か

この点を踏まえた3年後の長期金利(10年国債利回り)の水準について、市場関係者の予想は、単純平均で1.050%(中央値は1.000%)、5年後は1.461%(中央値は1.500%)と、徐々に上昇していく見通しとなっています。長期金利の上昇は、国の借金の利払いが増えることを意味します。今後、長期金利の上昇スピードが速まれば、プライマリーバランスを黒字化させる目標は、さらに遠のいてしまいます。

目標達成のハードルは高いとはいえ、達成できなければ、日本の財政収支は一段と悪化します。達成に必要な政策としては、「社会保障費の削減」が56%、「成長促進」が24%を占めました。

目標達成のための最も重要な政策は?

運用動向の定例調査…デュレーションに変化は見えず

毎月定例の質問である1カ月後、3カ月後、6カ月後の長期金利の見通しは、前月調査分に比べて、その水準を切り上げました。新発10年国債利回り見通しは、1か月後の7月末見通しが0.459%で、前月調査分の0.402%に比べて上方にシフトしました。3カ月後の9月末は0.495%、6カ月後の12月末が0.520%となっています。

新発10年物国債・チャート

資産運用担当者75名を対象に、現在運用しているファンドで国内債券の組入比率が通常の基準に比べてどうなっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」(中立)および「ややアンダーウエート」(基準より低い)の回答比が上昇する一方、「ややオーバーウエート」(基準より高い)とする回答比は低下しました。

債券相場の下落=長期金利の上昇」を、徐々に織り込み始めていると捉えることもできます。実際、今後のスタンスについて聞いたところ、「かなり引き上げる」「やや引き上げる」の回答比の合計が3%で前月調査分と変わらず、「現状維持」が低下(81%→77%)したのに対し、「やや引き上げる」「かなり引き上げる」の回答比の合計が、前月調査分の16%から20%に上昇しました。

一方、保有している債券ポートフォリオデュレーション(元利金の平均回収期間)について、当面のスタンスを聞いたところ、「現状を維持する」が、前月調査分の76%から、今月調査分は77%に上昇しました。不自然な超低金利政策はいつか終わるものとは分かっていながらも、追加の量的金融緩和に対する期待も払しょくされず、デュレーションは当面、長くも短くもできない状態がつづきそうです。

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