全産業で弱気見通し増えるなか、ニチイ学館 の上方修正期待強まる

  アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示す「QUICKコンセンサスDI」(6月末時点)は、金融を含めた全産業ベースで前月比4ポイント悪化のプラス5でした。特に金融セクターに対する弱気の見通しが増加し、指数全体を押し下げました。     情報・通信は唯一マイナス幅縮小 次に業種別に見てみましょう。算出対象の16業種中でDIがプラス(上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回る)だった業種は7業種。一方、マイナス(下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回る)の業種は6業種、変わらずは3業種でした。 製造業では化学が前月比で19ポイント低下し、非鉄金属、鉄鋼なども軒並み低下しました。非製造業では、不動産が前月比で23ポイント低下しました。また、銀行も前月比で22ポイント悪化のマイナス22になるなど、ほとんどの業種が低下。一方、情報・通信は唯一マイナス幅が縮小しました。   <製造業・業種別QUICKコンセンサスDI>      食料品 化学  医薬品  鉄鋼    非鉄   機械  電機  輸送用                      金属           機器 17年6月  -6   31   12    0    42    25   12   -38 17年5月  -7   50   19   17    60    26   16  -42 17年4月   0   44   12   33   100    63   41     28 <非製造業・金融業種別QUICKコンセンサスDI>      建設  情報・ 卸売 小売 不動産 サービス   銀行 その他                                  通信                   金融 17年6月     39            -9             0    -16          27      -10     -22           0 17年5月     50         -24            15    -12          50       -5       0              0 17年4月     38            0            56    -12          10      -13      14           25   ニチイ学館の上方修正の期待大きい 個別銘柄では「強気」が122銘柄、「変化なし」が153銘柄、「弱気」が102銘柄になりました。3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄の上位5銘柄をそれぞれピックアップすると、下記のようになります。 純利益の上方修正率が最も大きかった銘柄は、ニチイ学館でした。先月5位だったANAが3位に、4位だったネットワンは変わらずで、ランクインしました。一方、最も下方修正率が大きかったのは、4カ月連続でサイバーダインとなりました。  <上方修正率の大きい銘柄トップ5> ▽3カ月前比で純利益の上方修正率の大きい銘柄上位(6月30日時点)    コード 銘柄名         予想純利益         修正率         6月末  3月末  1  9792  ニチイ学館        2,520       944    166.95  2  6967  新電工         3,820     2,735     39.67  3  9202  ANA       127,640    94,242     35.44  4  7518  ネットワン          4,247     3,362     26.32  5  6305  日立建        22,771    18,189     25.19  <下方修正率の大きい銘柄トップ5>  ▽3カ月前比で純利益の下方修正率の大きい銘柄上位(6月30日時点)   コード 銘柄名        予想純利益           修正率         6月末  3月末  1  7779  サイバダイン          22       323    -93.19  2  7752  リコー         8,390    20,187    -58.44  3  4565  そーせい       2,729     5,596    -51.23  4  9101  郵 船         8,878    16,610    -46.55  5  3099  ミツコシイセタン      10,925    18,544    -41.09 ※最終赤字の銘柄は除く。直近3カ月前とも5社以上のアナリストが業績予想を出している銘柄が対象。 単位は純利益が百万円、修正率は%

日銀の出口戦略のきっかけは首相交代!?

  欧米の中央銀行が金融政策の正常化に向けて舵を取り始めた一方、日銀の出口戦略にはメドが立っていません。そこで今回は毎月実施しているアンケート調査「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券市場担当者に日銀の「出口戦略」のきっかけやタイミングなどを予測してもらいました。調査期間は6月27日~29日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者140人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   物価上昇率2%は「達成できないが、目標は維持される」が6割超 日銀は6月15~16日に開いた金融政策決定会合で、金融緩和策の現状維持を決め、黒田総裁は物価上昇率が目標の2%を安定的に超えるまで資金供給量の拡大を続けると、従来の説明を繰り返しました。しかし「物価目標2%」の達成が見通せないにもかかわらず、市場の関心は金融緩和からの「出口」に対して高まっています。 そこで「物価目標2%」の達成について聞いたところ、最も多かったのは「達成はできないが、目標は維持される」で64%、続いて「達成できず、目標が変更される」が30%、「達成できる」との回答はわずか4%に止まりました。 市場関係者からは「国内景気は東京オリンピック関連の需要に支えられ、実感を伴わない景気回復傾向が20年まで続くと見るが、2%の物価安定の目標には達しないと予想。日銀は総括をしながら現在の政策を継続する。仮に2%程度の物価上昇率が安定的に継続すると判断された場合は伝統的な金融政策へ回帰し、マイナス金利解消などが検討されると見るが、2%の物価安定の判断は容易ではない」という意見や、「現実的な話として、現状目標達成を信じている市場関係者は極めて少数派だと思われる。出口=目標達成ではなく出口=目標達成断念という出口論のあり方を見つめなおす議論したほうが現実的だと考えている」といった声も聞かれました。   では、もし日銀が「出口」に向かうとすれば、何がきっかけになると思いますか、という問いに最も多かった回答は「首相の交代」で26%、次いで「変更後の目標を達成」と「金融市場の激変」が23%で並びました。「その他」としては「日銀総裁の交代」という意見が目立ちました。 市場関係者からは「リフレ派のブレーンに囲まれている安倍首相が在任している限り、多少の枠組み修正はあるにせよ、大規模な緩和が続いていく公算が大きい。後任の首相が『アベノミクス』継承を掲げる場合、この金融緩和はますます終わりが見えなくなる」「他国が金融緩和を縮小させる流れの中で、日本だけが目標を達成できず金融緩和を継続して、その結果、通貨安(円安)がさらに進み、海外からの圧力で出口を模索するといった流れになると考えている」といった意見があがりました。 さらに「出口」としての緩和縮小の最初の手段は何だと思われますかと聞いたところ、「長期金利目標の引き上げ・解消」が最も多く53%、次に「国債買い入れ額の明示的な縮小」が51%、「マイナス金利の解除」が34%、「ETF・J-REITの買い入れ額縮小」が31%、「社債・CPなどの買い入れ額縮小」が12%という結果になりました。また、日銀が「出口」を宣言して着手する時期で最も多かった予想は「2018年度中」で32%でした。     注目の変動要因は海外金利 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.054%、3カ月後が0.064%、6カ月後が0.076%と、5月調査の(0.046%、0.057%、0.073%)に比べていずれも上昇しました。  今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因で、最も多かったのは「海外金利」で前回とかわらずの36%、次いで前回から2ポイント低下した「短期金利/金融政策」が35%でした。「債券需給」は前回から2ポイント低下したものの13%をキープしています。  同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については、「政府・日銀のオペレーション」が前回と変わらずの64%で最も多く、次いで「外国人」が11%、「都銀・信託銀行(投資勘定)」が10%、「生損保(年金除く)」が9%、「地方銀行」が5%で続きました。   国債組み入れ比率、「現状維持」が8割強を維持 資産運用担当者66人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が66%を占めるも7ポイント低下し、「ややアンダーウエート」が5ポイント上昇、「ややオーバーウェート」が4ポイント上昇しました。当面の投資スタンスについては相変わらず「現状を維持する」が83%と多数を占めています。

ソニーなど株主総会が本格化、企業が総会で最も配慮していることとは・・・

国内3月期決算企業の株主総会が本格化しています。きょう15日はソニー、来週21日にはソフトバンクグループなどが予定されています。ソニーの第100回定時株主総会では、ソニーブランドの競争力低下を懸念する株主の声が上がったようです。 株主総会のピークは29日ですが、投資家との対話が深まるよう企業側が開催日の分散に動いたため、これまで出席できなかった総会に今年は参加することもできそうです。 <主な企業の株主総会の開催日> 開催日 社名(証券コード)      6月 15日 ソニー(6758)        16日 リコー(7752)        20日 シャープ(6753)       21日 三越伊勢丹(3099)         Jディスプレ(6740)        ソフトバンク(9984)     22日 日本郵政(6178)          三菱重(7011)        23日 JFE(5411)           ヤマトHD(9064)         パナホーム(1924)         東電HD(9501)       24日 ディーエヌエ(2432)     27日 タカタ(7312)        28日 大戸屋HD(2705)         武田(4502)            フジHD(4676)          東芝(6502)            関西電(9503)        29日 森永(2201)            森永乳(2264)           大王紙(3880)           富士フイルム(4901)        出光興産(5019)          黒田電気(7517)         ニコン(7731)           ソレキア(9867)    話題のテーマを聞く その1:株主総会の準備で最も大変なことは? QUICKが実施する「QUICK短期経済観測調査」では、話題のテーマについて上場企業にアンケート調査しています。今回の6月の調査では、株主総会の準備で最も配慮していることについて約340社に聞きました。最も多かった回答は「想定問答の作成や予行演習など議事進行関連」で9割超を占める結果となりました。次いで「おみやげの選定や資料発送など株主対応関連」が7%でした。おみやげに着目する個人投資家も多いと思われますが、問題もあります。当日会場に来られない株主との公平性や、おみやげの取得やイベントへの参加を目的に株主総会の参加に必要な「議決権行使書」がフリーマーケットアプリなどで販売されるケースもあるようです。 みずほ証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは、12日付の「今月の株主総会での注目点 機関投資家の議決権行使は厳格化するか?」と題したレポートで株主総会の動向が最も注目される企業として、23日に予定している川崎汽船(9107)を挙げました。その理由として、「昨年の株主総会で村上英三社長の再任に反対票(賛成比率は56.6%)を投じたシンガポールのエフィッシモキャピタルは、持株比率を1年前の32%から38%へ増やした。5期累積最終赤字は、一部の国内機関投資家の反対基準にも抵触するため、社長再任が否決される恐れがあろう」と指摘しています。      話題のテーマを聞く その2:ランサムウエアの影響はあった? 5月中旬に世界各地で「ランサム(身代金)ウエア」と呼ばれるウイルスを使った大規模サイバー攻撃が発生しました。ランサムウエアに感染すると、パソコンなどのデータが暗号化されて開けず、元の状態に戻す代わりに金銭を要求するポップアップ画面が表示されるというものです。日本の企業にも被害が出ましたが、感染が広がった海外に比べると国内被害は軽微にとどまりました。 この「ランサムウエア」による大規模なサイバー攻撃の影響について質問したところ、最も多かった回答は「被害はなく、セキュリティー対策は従来通り」で7割強を占め、次いで「被害はないが、セキュリティー対策の見直しを始めた」が22%でした。  アンケートのコメントでは「ランサムウエアに関わらず、想定可能なサイバー攻撃対応は、随時バージョンアップしている」、「実害は無かったものの海外子会社に攻撃が確認されたので、今まで以上に本社のIT管理者が介入し、助言や監視を行っている」といった、セキュリティー対策への企業意識の高さがみてとれました。       企業の景況感は改善、DIは3年ぶりの高水準 毎月定点調査している製造業の業況判断指数(DI)は前月比2ポイント上昇のプラス30と、3カ月連続の改善で2014年5月調査(30)以来3年1カ月ぶりの高水準となりました。非製造業DIも前月比4ポイント上昇のプラス41となり、金融を含む全産業DIも前月比3ポイント上昇のプラス36でした。  

米金融政策、年3回利上げのシナリオ通りに進む?

低調な5月の米雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)の利上げペースが緩やかになるとの見方が広がり、9月の米追加利上げは見送られるとの観測も浮上しています。そこで、毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、外国為替市場の担当者に9月の利上げの可能性や、トランプ大統領の退任時期などについて聞きました。調査期間は6月5~8日、71人が回答。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   9月の米追加利上げの可能性は? 2日に発表された5月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を下回りました。6月13~14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げは確実視されていますが、その後の利上げペースは想定より緩やかになるとの見方が浮上し、追加利上げのシナリオが見えにくい状況です。9月に利上げを見送れば、FRBが見込んでいる「2017年に3回の利上げ」が実現しない可能性も浮上してきます。 では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が6月に利上げをした場合、9月にも追加の利上げを実施する可能性はどのぐらいと予想しますか。最も多かった回答は「70~90%」と「50%」がそれぞれ24%となり、次いで「51~69%」が17%でした。9月の利上げを70%以上と予想する人が25%を占める一方、五分五分と予想する人も24%、30%以下と予想する人も2割近くという結果となり、やはり今後の利上げペースを読み切れないのが現状のようです。 市場関係者からは「FRBの緩やかな金融引き締め路線は、当面継続する事は揺るぎない」、「6月FOMC、7月半年次議会証言、8月ジャクソンホール等、イエレンには時間をかけて9月利上げを説明する時間的余裕がある」などの声が聞かれました。       ロシアゲートで揺れるトランプ政権 トランプ米大統領が、ロシアとの不適切な関係を巡る「ロシアゲート」疑惑で批判が強まっています。捜査は継続中であり、弾劾に追い込まれる可能性は低いものの、トランプ大統領への期待感は後退しています。外国為替担当者にトランプ氏が2017年内に米大統領を退任する可能性はどれぐらいと思いますかと、先月調査と同じ質問をしたところ、前回を上回る約6割が退任の可能性は低いと回答しました。 では、辞任や再選も含めて、最終的にトランプ大統領の任期は何年までと予想しますか、と聞いたところ、最も多かった回答は「2021年1月(任期満了)」までが6割以上を占める結果となりました。 とはいえ、市場関係者からは「現在の数々の疑惑を払拭することは難しいと考えられ、政策で支持を取り付けるしか方法は無いだろう」、「先のG7首脳会議では貿易問題や環境問題を巡り、米国と他国が衝突する場面もみられたが、トランプ米大統領が米国第一の政策を推進していく限り、今後もこれらの問題に関する国際協調は難航するであろう。また国内でもオバマケア改革や景気対策、政府多数高官の承認未済など課題は山積で、政策運営は容易ではない」などの厳しい意見が多く聞かれました。     為替リスクに慎重姿勢へと逆戻り 「ニュートラル」75%に上昇 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは6月末の平均値で1ドル=110円37銭と、5月調査(112円38銭)に比べて円高にシフト。3カ月後の8月末には110円86銭、6カ月後の11月末には112円46銭との予想です。今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、政治的リスクがやや後退し、円とドルとユーロのすべてで「金利/金融政策」となりました。 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのか聞いたところ「オーバーウエート」が前回調査の33%から13%に下落する一方、「アンダーウエート」が0%から13%に上昇、「ニュートラル」も67%から75%に上昇し、為替リスクに対して慎重姿勢へと逆戻りしています。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、円相場の平均値は1ドル=112円03銭、1ユーロ=118円70銭でした。  

東芝、機関投資家の7割が「上場廃止すべき」 QUICK調査

 東芝に対する投資家の目が厳しくなっている。QUICKが実施した6月の月次調査(株式)では機関投資家の約7割が東芝は上場廃止すべきと答えた。不正会計の発覚や決算発表の延期を繰り返す東芝の上場に関する問題は、市場がどうあるべきかとの問いにもつながる。  東芝が4月11日に発表した決算について、監査法人は適正ではなく「意見不表明」と判断した。東芝が現在でも上場維持していることを機関投資家はどう思っているのか。6月の月次調査で証券会社や投信投資顧問、銀行など147人に聞いた。  東芝が「上場廃止すべき」と答えたのは全体の67%だった。「上場維持すべき」は24%、「その他」は8%だった。 「厳しく制裁与えるべき」、「国策企業なので慢心があるのではないか」との声  上場廃止すべきと答えた投資家からは「マーケット・従業員・顧客の信頼を裏切った企業には厳しく制裁を与えるべき」「単純に粉飾で上場廃止でよい」「東芝は国策企業なので許されていいという慢心があるのではないか」と厳しい意見が相次いだ。  東芝は2015年4月にインフラ工事の会計処理に問題があったと発表、その後に不正会計や巨額の減損、決算発表の延期など企業統治(コーポレートガバナンス)の問題が続出した。  東芝が上場を維持している間、東芝以外のほぼ全ての上場企業は東京証券取引所のルールを守って決算発表を期限内に行い、監査法人から決算について適正意見をもらっている。 上場廃止か維持かは「東証が決めるべきこと」との意見も  大きな問題が起きても上場が維持できるという実績が残り続ける場合、日本の資本市場の信頼を損なう。さらに、他の企業にとって東芝が上場維持できるのだからガバナンスに問題があっても大丈夫というお墨付きを与えかねない。  東芝が上場を廃止か維持すべきかについて、機関投資家からは「東証が決めるべきこと」と中立の立場をとる意見も目立った。東証は東芝の今後をどう判断するのか。投資家保護や企業のモラルハザード(倫理の欠如)の観点からも注目が高まっている。 【QUICKコンテンツ編集グループ:片野哲也】 (QUICK NewsLine)

米新車販売の減速を受けて、輸送用機器の弱気見通し増える

製造業に対する弱気見通し増える アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示す「QUICKコンセンサスDI」(5月末時点)は、金融を含めた全産業ベースで前月比13ポイント悪化のプラス9でした。製造業や金融セクターの業績に対する弱気見通しが増加し、指数全体を押し下げました。製造業の中では特に自動車などの輸送用機器の悪化が目立ちました。米国の新車販売の減速などが同セクターに対する弱気見通しが増えている理由のようです。         輸送用機器は弱気 不動産と建設は改善 次に業種別に見てみましょう。算出対象の16業種中でDIがプラス(上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回る)だった業種は9業種。一方、マイナス(下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回る)の業種は5業種、変わらずは2業種でした。 製造業では特に自動車など輸送用機器が前月比で70ポイント低下し、マイナスに転じました。日本経済新聞によると、トヨタ自動車など自動車8社が30日発表した2017年4月の海外生産台数は前年同月比2.5%減の148万8093台でした。米国では年初から新車販売台数が減速しており、日系メーカーも生産台数を減らしているようです。 そのほか、食料品もマイナスに転落しました。非鉄金属や機械、電機、鉄鋼も弱気の見方が増えています。 非製造業では情報・通信がマイナスに転落。一方、不動産と建設の改善が顕著でプラス幅が拡大しました。   <製造業・業種別QUICKコンセンサスDI>      食料品 化学  医薬品  鉄鋼    非鉄   機械  電機  輸送用                      金属           機器 17年5月  -7   50   19   17     60   26   16     -42 17年4月   0   44   12   33   100   63   41   28 17年3月   5   54   12   71    100   57   56   64 <非製造業・金融業種別QUICKコンセンサスDI>      建設  情報・ 卸売  小売  不動産  サービス  銀行  その他                                 通信                          金融 17年5月  50  -24   15    -12    50    -5     0        0 17年4月  38   0   56   -12    10   -13    14     25 17年3月  20   8   60     3     18   -27    21    0   シャープの上方修正期待大きい 個別銘柄では「強気」が102銘柄、「変化なし」が144銘柄、「弱気」が74銘柄になりました。3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄の上位5銘柄をそれぞれピックアップすると、下記のようになります。 純利益の上方修正率が最も大きかった銘柄は、先月と変わらずシャープがトップをキープ。先月5位だった関西電が2位となりました。一方、最も下方修正率が大きかったのは、3カ月連続でサイバーダインとなりました。  <上方修正率の大きい銘柄トップ5>    コード 銘柄名         予想純利益        修正率           5月末  2月末  1  6753  シャープ      39,517    22,183     78.14  2  9503  関西電       141,846    99,690     42.29  3  3632  グリー           9,501     6,726     41.26  4  7518  ネットワン             4,247     3,255     30.48  5  9202  ANA       121,771    94,309     29.12  <下方修正率の大きい銘柄トップ5>  ▽3カ月前比で純利益の下方修正率の大きい銘柄上位(5月31日時点)   コード 銘柄名        予想純利益          修正率              5月末  2月末  1  7779  サイバダイン             22          515     -95.73  2  7752  リコー            4,540    19,730    -76.99  3  3099  ミツコシイセタン      10,983    18,931    -41.98  4  6460  セガサミーHD    12,800    20,130    -36.41  5  2678  アスクル       4,264       6,448    -33.87 ※最終赤字の銘柄は除く。直近3カ月前とも5社以上のアナリストが業績予想を出している銘柄が対象。 単位は純利益が百万円、修正率は%

マイナス金利の導入から1年、債券市場のプロの評価は?

  日銀がマイナス金利を導入してから1年が経過しました。また、昨年9月に導入したイールドカーブ・コントロール(YCC)は、世界的に金利が上昇した局面でも日本の長期金利はゼロ%程度の目標水準に維持された一方、その副作用に警鐘を鳴らす意見も聞かれます。今回はこのマイナス金利や「イールドカーブ・コントロール(長短金利操作)」が物価押し上げに寄与したかどうか、毎月実施しているアンケート調査「QUICK月次調査<債券>」※を通じて、債券市場担当者に聞いてみました。調査期間は5月23日~25日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者145人です。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   マイナス金利、「効果なし」が6割 日銀が導入したマイナス金利とイールドカーブ・コントロールについて、物価押し上げに向けた金融緩和としてそれぞれをどう評価しますか? と質問したところ、マイナス金利について、最も多かった回答は「効果なし」で60%、「まだわからない」が27%、「効果あり」が13%となりました。また「イールドカーブ・コントロール」についても「効果なし」が45%で最も多く、次いで「まだわからない」が39%、「効果あり」が16%という結果になりました。       また、運用担当者にマイナス利回りの債券を購入してきましたか、と聞いたところ、最も多かった回答は「購入していない」で半数近くを占めましたが、購入したなかでは「売却目的」と「保有目的」が29%、「担保目的」が4%でした。 市場関係者からは「マイナス金利は適用残高が多い地銀などの負担が大きく、経営体力が削がれる状況が続いている。また、YCCが導入された後も足元では、債券市場は動意に乏しい展開が続いており、今後についても流動性の低下が進行する可能性が高い。年後半に物価は幾分上昇すると見込まれるが、現状の政策での2%達成は厳しいと考える」といった声が聞かれました。 なお、日銀の黒田東彦総裁は5月中旬の米紙のイベントで「日銀は(出口戦略のための)十分なツールを持っている」などと出口戦略について言及し、話題になりました。       金利水準次第なら国債への投資も増やす? 今年度のポートフォリオの方向について運用担当者に聞いたところ、最も多かった回答は「外債を増やす」で44%、次いで「金利水準次第で国債を増やす」が38%、「株式を増やす」が34%、「社債を増やす」が33%、「オルタナティブを増やす」が24%と続きました。 市場関係者からは「欧米の政治不安やテロなどの地政学リスクが続いていることや、低インフレ率と欧州中央銀行(ECB)、米連邦準備理事会(FRB)の緩やかな量的緩和の解除と日銀の強力な金融緩和が継続することから、国内金利は現状の低金利が長期化するリスクがある。円債を積極的に買う投資家が依然として少ない中で、市場流動性の低下と市場機能低下により、金利上昇リスクに過敏になりやすい地合いが続くとみる」といった声が聞かれました。     債券価格変動要因、「債券需給」への関心高まる 毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り上昇を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.046%、3カ月後が0.057%、6カ月後が0.073%と、4月調査の(0.033%、0.049%、0.068%)に比べていずれも上昇しました。 今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因で、最も多かったのは前回調査とかわらずの「短期金利/金融政策」と、前回から5ポイント低下した「海外金利」で、ともに36%でした。次いで、前回から8ポイント上昇した「債券需給」が15%と関心が高まっています。 同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については「政府・日銀のオペレーション」が最も多く64%を占め、次いで「都銀・信託銀行(投資勘定)」が11%、「外国人」が10%、「生損保(年金除く)」が7%、「地方銀行」が4%で続きました。     国債組み入れ比率、「現状維持」9割近くまで上昇 資産運用担当者69人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、「ニュートラル」が74%を占める一方、「ややアンダーウエート」が10ポイントも低下しました。様子見ムードのようです。当面の投資スタンスについても「現状を維持する」が87%と多数を占めています。        

どうなる「ロシアゲート」疑惑、円相場への影響は?

  トランプ政権とロシアとの不適切な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」が真相究明に向けて動き出しました。米司法省は特別検察官の設置を決め、ロバート・モラー元米連邦捜査局(FBI)長官を任命しました。ただ、この問題の行方により、トランプ政権が看板政策とする大型減税や大規模なインフラ投資の実現が危ぶまれる可能性もあります。 また、北朝鮮が21日に弾道ミサイルを発射するなど、不穏さを増しています。そこで、毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」※を通じて、外国為替市場の担当者にこれらの外部要因が円相場に与える影響などについて聞きました。調査期間は5月15~18日、67人が回答。 ※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表しています。   ロシアゲートでトランプ大統領、退任の可能性は? 「ロシアゲート」とは、トランプ政権による捜査妨害疑惑です。昨年の米大統領選が有利になるよう、トランプ氏の側近とロシア政府が接触していた可能性があるとして捜査されていましたが、この捜査を妨害するため、トランプ大統領がコミー前米連邦捜査局(FBI)長官を解任したのではないか、という疑惑が浮上しています。米史上最大の政治スキャンダルでニクソン元大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」と類似していることから、「ロシアゲート」と呼ばれています。 ロサンゼルスで自身の解任のニュースを見たコミー氏は、最初はいたずらだと思って笑っていたと報じられています。というのも、FBI長官の任期は10年でコミー氏は2013年に就任したからです。任期途中の解任は1993年以来2人目です。トランプ政権側の解任の理由は、大統領選におけるヒラリー・クリントン氏の私用メール問題への対応不足としています。  外国為替担当者にトランプ氏が2017年内に米大統領を退任する可能性はどれぐらいだと思いますかと聞いたところ、約半数が退任の可能性は低いと回答しました。     では、トランプ氏が2017年に米大統領ではなくなった場合、ドル円相場はどのように動くと予想しますかと聞いたところ、最も多かったのは「円急上昇」が39%、続いて「円強含み」が30%と、円高に動くとの予想が7割近くを占めました。 市場関係者からは「(トランプ大統領の)弾劾はほぼないと考えるが、身内の共和党内からもそのような話題が上がっていることに留意。弾劾が現実味を帯びてくると、一度は金融市場のボラティリティが上昇し、円買いドル売りに動くと考えるが、ペンス副大統領など政治経験が豊富な後任が選ばれるとドル円は反転上昇となると予想」という声が聞かれました。     メーンシナリオ通り6月米利上げか ドル・円相場をみるうえでもう一つの注目は米金融政策です。金融市場のコンセンサスは、6月にと9月に利上げ、12月に資産縮小に動くのがメーンシナリオと言われています。現時点で、このメーンシナリオ通りになる可能性は何%だと思いますかと質問したところ、最も多かったのは「51~69%」で30%でした。 また、2017年6月末にドル円相場はどの程度の水準になっていると予想しますか、と聞いたところ、「114円台」が19%と最も多く、次に「115円台」「113円台」「110円より円高」が16%で並びました。調査期間中の水準(112円44銭~113円64銭)よりやや円安が進むのでは、との声が多い予想になりました。       米国と北朝鮮が合意したら、ドル円相場はどう動く? 北朝鮮情勢が大きく動いていますが、2017年内に北朝鮮関連のイベントで、どのようなケースが起こりうる可能性が高いと思いますかと聞いたところ、最も多かった回答が「不透明な状況が続くが為替に大きな影響を与えない」で63%を占めました。次いで「緊張が高まる情勢に傾いて円高進行」が18%でした。 また、米国と北朝鮮が合意する、もしくは合意に向けた前向きな検討が公式に両国から発表された場合、ドル円相場はどのように動くと予想しますか、と聞いたところ、「1日で2円程度の円安」が33%で最も多く、「1日で1円程度の円安」が25%、「小幅に円安」が22%で続きました。一方で、「円高に振れる」は3%に止まりました。         ファンドの外貨建て資産組入 「オーバーウエート」33%に上昇 毎月定点調査している為替相場見通しによると、金融機関の外為業務担当者の為替見通しは5月末の平均値で1ドル=112円38銭と、4月調査(110円38銭)に比べて円安にシフト。3カ月後の7月末には112円50銭、6カ月後の10月末には113円32銭との予想です。今後6カ月程度を想定した為替変動要因で注目されるものとしては、円とユーロは「金利/金融政策」、ドルは「政治と外交」でした。 ファンドの外貨建て資産の組入状況について、当面どのようなスタンスで臨むのか聞いたところ「アンダーウエート」が前回調査の20%から0%に下落する一方、「オーバーウエート」が10%から33%に上昇し、積極的な姿勢に傾いています。 事業法人に業績予想の前提為替レートを聞いたところ、円相場の平均値は1ドル=111円36銭、1ユーロ=116円20銭でした。    

「働き方改革」、企業業績への影響は?

  政府は3月28日、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入などを盛り込んだ「働き方改革実行計画の政府案」を示しました。多くの企業で様々な取り組みが進むなか、上場企業へのアンケート調査「QUICK短観」を通じて働き方改革の効果と、政府が普及をすすめる在宅勤務制度(テレワーク)の導入について300社超の企業に聞きました。   残業時間の上限規制、大半が業績に影響なし 政府がまとめた働き方改革実行計画に残業時間の上限規制(原則月45時間、年間で360時間。最大で年間720時間、繁忙期には特例で月100時間まで容認)が含まれています。この残業時間の上限規制が適用された場合の業績への影響について聞いたところ、最も多かったのが「特に変化はない」で75%を占め、次いで「マイナスに作用する」が17%、「プラスに作用する」が6%という結果になりました。       また、在宅勤務制度を検討する企業は回答企業全体の24%と、2年前の14%から比率が拡大しました。実際に導入した企業も12%と前回調査の8%から拡大しました。育児や介護と仕事の両立が難しい人も働きやすくなるように企業の働き方改革が進んでいるようです。事業の性格上、在宅勤務制度の導入は現実的ではないと回答した企業は56%(前回調査は74%)でした。 アンケートでは「専門的組織を立ち上げて検討を開始した」、「製造業として柔軟性に限りがあるものの、職種によって勤務制度はもっと柔軟であってよい」とのコメントがありました。一方、「研究や開発、生産が一体となって働く協業時間を重視するため在宅勤務制度は導入していない」との声も聞かれました。 あおぞら銀行や日本電産、日本取引所グループなど4月からの在宅勤務制度の導入を発表した企業も目立ちます。在宅勤務制度が拡大すれば長期的には都心への人口集中が緩和して満員電車によるトラブルや待機児童問題の解消などにつながる可能性もあるでしょう。      なお、日銀が発表する短期経済観測調査(短観)の先行調査として作成している5月の「QUICK短観」では、製造業の業況判断指数(DI)が前月比1ポイント上昇のプラス28と2カ月連続の改善となりました。非製造業DIは前月調査から変わらずのプラス37となり、金融を含む全産業DIも前回調査から変わらずのプラス33とでした。    

スチュワードシップ・コードの効果はあった?

  金融庁は3月下旬、機関投資家の行動原則を示したスチュワードシップ・コードの改訂案を示しました。改訂の背景には、公表から約3年が経過したなか、いまだ形式的な対応にとどまっているのではないか、との指摘があるためです。そこで、今回は毎月実施している市場関係者を対象とした「QUICK月次調査<株式>」を通じて、スチュワードシップ・コードの効果について聞きました(証券会社および機関投資家の株式担当者160人が回答、調査期間は5月9日~11日)。   スチュワードシップ・コード「企業価値向上に一部効果」6割弱 スチュワードシップ・コードとは、機関投資家に求めれられる行動原則です。投資先企業の持続的成長を促し、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目的としています。英国の取り組みを参考に金融庁が2014年2月に公表し、足元で受け入れを表明した機関投資家は200社超とされています。企業統治指針(コーポレートガバナンス・コード)とセットで考えられます。 まず、このスチュワードシップ・コードのこれまでの効果について市場関係者に聞いたところ、「企業価値の向上に一部の効果が認められる」が最も多く6割弱を占めました。ただ、「形式的には整備されたが、実効的な効果が認められない」との回答が3割あり、「企業と株主との対話は依然として効果的に行われていない状況であるため、今回のスチュワードシップ・コード改訂を機に企業価値が高まるような対話が実現することを期待したい」との声が聞かれました。     今回の改訂案ではアセットオーナー(企業年金)のコード受け入れ表明が期待されているほか、議決権行使の個別開示の要請、パッシブ運用のエンゲージメント(目的を持った対話)が求められています。そこで、これらについても市場関係者に聞いてみました。まず、アセットオーナーの受け入れは進むと思いますか、と聞いたところ、最も多かった回答は「受け入れ表明は一部に限られる」が5割、「多くのアセットオーナーが受け入れを表明する」が4割でした。また、個別開示は企業価値向上に効果があるかと聞いたところ「多少は効果がある」が6割を占めました。市場関係者からは「投資家と企業の双方が適度な緊張感を持ち、対話をするようになることは互いにとってプラスだと思う。個別開示は運用会社にとってはリスクではあるが、個別具体的な議論をした方が企業の考えや行動が変わるきっかけになると思う。即効性のある取組みではないが、企業価値向上には寄与するだろう」との見方がありました。     パッシブ運用のエンゲージメント(目的を持った対話)についてどう思いますかと質問したところ、「オーナーが適正なコストを負担すれば、実施すべき」と、「そもそもエンゲージメントはパッシブ運用と理念があわないため、実施する必要はない」が拮抗する結果になりました。市場関係者からは「パッシブ運用のコストが増大することは好ましくないが、議決権の行使に消極的な姿勢は改善する必要があると思う。パッシブ運用の担当者も企業のガバナンス向上と成長の持続のためにも議決権の行使には積極的な姿勢を見せてほしい」といった声も聞かれました。         5月末の日経平均は1万9966円 「QUICK月次調査<株式>」で毎月調査している日経平均株価の見通しについては、5月末の水準で1万9966円(平均値)の予想でした。前回調査(確報)の1万8975円に比べて大幅な上方シフトとなりました。上方へシフトしたのは2カ月ぶりです。また、7月末には1万9929円、10月末は2万62円と小幅ながらも上昇基調の見通しです。 今後6カ月程度の株価の変動要因としては「景気・企業業績」が4割を超え、注目度がさらに高まっています。北朝鮮や欧州の政治的リスクやが高まった前回調査より「政治・外交」は15%に減少し、かわって「為替動向」が20%に上昇しました。         「電機・精密」の注目度が高い 国内の資産運用担当者60人を対象にしたアンケート調査で、現在運用しているファンドにおいて国内株式は現在、通常の基準とされている組入比率に対してどのようなウエートになっているのかを聞いたところ、「ニュートラル」が58%まで上昇する一方、「ややオーバーウエート」が27%まで低下しました。 セクター別の投資スタンスについては、「オーバーウエートとアンダーウェート」のバランスをみると、前回調査に比べてオーバーウエートの比率が最も上昇したのが「電機・精密」で、逆にアンダーウェートの比率が最も高いのが「公益」でした。

北朝鮮有事はテールリスクながらも、次のXデー韓国大統領選に警戒?

  北朝鮮情勢は過度な警戒感が後退したものの、次の「Xデー」として5月9日の韓国大統領選が控えています。地政学リスクに加えて、7日にはフランスで大統領選挙の決選投票が実施されるなど、政治リスクも依然として拭えません。そこで、今回は債券の市場関係者に北朝鮮情勢や、欧州の政治リスクによるマーケットへの影響などについて聞きました。調査期間は4月25日~27日。回答者数は証券会社および機関投資家の債券担当者140人です。   北朝鮮情勢は戦闘状態を回避、もし有事なら円買い!? 警戒されていた4月25日の北朝鮮の軍創設記念日は北朝鮮が過激な行動に出なかったため、地政学リスクはやや後退しています。ただ、ただ、9日に韓国大統領選を控えているため、予断は許さない状況が続いています。米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」と海上自衛隊は米軍の艦船を守る「米艦防護」を5月1日、初めて実施したようです。 こうしたなか、債券市場関係者に「北朝鮮情勢の今後の展開をどう読む?」と聞いたところ、一番多かった回答は「戦闘状態に入らぬまま、緊張が続く」で56%、次いで「現状のまま、関心が薄れる」が32%でした。市場関係者からは「建軍節とされる25日に北朝鮮からの大型の挑発行為がなかったことで、地政学リスクは一旦後退したとみられる。しかしながら、5月9日の韓国大統領選挙や、中国が北朝鮮に今後どのような圧力をかけるかなども影響すると見ている。また、トランプ政権が推進する経済政策等に実現性が乏しいと予想される中、支持率低下が一段と進むと、北朝鮮に圧力をかける可能性もあり、地政学リスクが再燃することがあると考える」という声もありました。 加えて、北朝鮮が戦闘状態に入った場合、日本のマーケットへの影響をどのように考えますか、との問いで最も多かった回答は、10年国債利回りは「低下」が7割弱を占め、日経平均株価は「下落」が9割を占めました。円・ドル相場については、「円高」が6割を超えました。         フランスのEU離脱の可能性は1割 4月下旬の第1回のフランス大統領選を受けて、中道系のマクロン候補と極右党のルペン候補が5月7日の決選投票に進む結果になりました。 親欧州連合(EU)のマクロン氏が優勢とみられるなか、「フランスのEU離脱の可能性はどのくらいの確率だと考えますか」と市場関係者に聞いたところ、単純平均で「13.3%」となりました。離脱の可能性は低いとみているようです。また、欧州では今後も多くの政治イベントを控えていますが、この半年の欧州金融市場をどのように予想しますかと聞いたところ、ドイツ・フランス・イタリア・イギリス、すべての国債利回りで「上昇」するとの予想が最も多い結果となりました。ユーロ・円相場については、「円安」が5割弱を占めました。  市場関係者からは「フランス大統領選でルペン候補の勝利する可能性は大幅に低下したが、ポピュリズムがある程度の支持を集めたことで、中道政権の先行きが懸念される。今後も欧州の政治リスクは残り、英国の解散総選挙やドイツの議員選挙も引続き要ウォッチだろう。現時点では、EUのメリットを享受できているドイツが、周辺諸国の財政悪化からEU離脱に向かうならば、欧州の政治的混乱はより深くなる」との声も聞かれ、「フランスのEU離脱の可能性は低くなったが、ゼロではない」との見方も少なくないようです。         10年債利回り、0.033%で11月調査以来の低水準  毎月定例の相場見通しの調査では、前回に比べて利回り低下を予想する結果になりました。新発10年物国債の金利見通しは、1カ月後が0.033%(3月調査は0.064%)と昨年11月調査(0.029%)以来の水準まで低下しました。3カ月後は0.049%、6カ月後は0.068%と、3月調査(0.070%、0.088%)に比べていずれも低下しました。  今後6カ月程度を想定した最も注目される債券価格変動要因で、最も多かったのは「海外金利」で3月調査から9ポイント上昇の45%となりました。次に注目度が高かった「短期金利/金融政策」は前月から9ポイント低下の36%と、関心の高さが逆転しています。  同じく今後6カ月程度を想定して、最も注目している投資主体については「政府・日銀のオペレーション」が最も多く67%を占め、次いで「外国人」が12%、「生損保(年金除く)」が9%、「都銀・信託銀行(投資勘定)」が7%で続きました。  国債組み入れ比率、「現状維持」8割超をキープ 資産運用担当者67人(ディーリング部門除く)を対象に、現在運用しているファンドについて国内債券の組み入れ比率について聞いたところ、3カ月連続で「ニュートラル」が63%で変わらない一方、「ややオーバーウエート」がやや増加し、「ややアンダーウエート」がやや低下しました。依然として様子見ムードが広がり、現状維持の姿勢から抜け出せないようです。当面の投資スタンスについても「現状を維持する」が82%と、引き続き多数を占めています。

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