東海カ(5301)が値上がり率トップ ちょっと早い今年のベスト・ワースト銘柄

「流行語」「今年の一皿」など、12月に入って1年を振り返る企画が目立ってきたが、株式相場の2017年を振り返ってみよう。日経平均採用の225銘柄について、5日終値で昨年末と比較したランキングを作ったところ、値上がり率の首位は東海カ(5301)だった。 東海カは、タイヤなどの材料になるカーボンブラック(炭素主体の微粒子)大手で、製鉄用の電炉に使う黒鉛電極の首位。2017年12月期業績の会社予想は、すでに3回も上方修正した。1度目は5月9日。カーボンブラックの販売数量増と価格上昇を主な理由に挙げた。2度目の7月31日は黒鉛電極の販売数量増とカーボンブラックの値上げを挙げた。3度目の11月2日には、これらに円安が加わった。今期の純利益は08年12月期以来9期ぶりに100億円を上回る。 3位には昭電工(4004)の名前も見える。昭電工は10月に黒鉛電極を製造する独SGLカーボンの黒鉛電極事業を買収したが、このうち米国事業は独禁当局の要請で獲得できなかった。いったん買収した米国事業の売却先が東海カだった。中国政府が粗鋼生産の削減や、環境規制の面から違法な粗鋼生産の取り締まりを強化しているうえ、北米で鉄鋼需要が堅調とあって、黒鉛電極の需要も回復しているという。米国事業こそ取得できなかったが、独社から欧州・アジアの黒鉛電極事業を取得したことで、同事業で世界最大手になった。 相場のテーマとしては電気自動車(EV)やフィンテック、道具やセンサーなどの物をネットにつないでリアルタイムで情報処理する「IoT」など、折に触れて新技術が話題になった。ただ主力銘柄を集めた日経平均を見ると、化学や鉄鋼のほか東エレク(8035)やSUMCO(3436)といった半導体関連など典型的な景気敏感株が買われていたことが分かる。 <日経平均採用銘柄の値上がり率上位> ※12月5日終値を2016年12月30日終値と比較 最も値下がりしたSUBARU 一方、値下がり率の上位で目立つのは自動車だ。4月1日に富士重から社名変更したSUBARU(7270)が首位。タカタ製のエアバッグを採用した自動車のリコール(無償修理・回収)に伴う費用に対する懸念が重しになった。特にSUBARUは、無資格の従業員が完成検査に携わっていた問題も発覚し、一段と株価の重荷になった。 タカタのエアバッグと無資格検査という同じ問題が影響した日産自(7201)も20位に顔を出した。ただSUBARUがこれまで18年3月期の業績予想を2回も下方修正したのに対し、日産自は今期の業績予想を維持しており、これが順位の差につながったとみられる。 2位の大平金(5541)は5期連続の最終赤字を見込む。ステンレス鋼の主材料であるフェロニッケルを製造するが、原材料価格が上昇する一方、マージンの改善が見込めないとして、収益の先行きに不透明感が強いようだ。不振の造船事業再編に出遅れた三菱重(7011)や、大型新薬の特許切れを来期に控える大日住薬(4506)も上位に並んだ。 <日経平均採用銘柄の値下がり率上位> ※12月5日終値を2016年12月30日終値と比較。▲はマイナス 業績による銘柄選別が効く 日経平均採用銘柄の値上がり・値下がり上位の顔ぶれからみると、今年の相場の特徴は3つにまとめることできそうだ。 (1) 業績による銘柄選別が効いている (2) 特に部品や素材、製造装置など海外需要銘柄が好調 (3) 不祥事銘柄は売り つまり、通常の市場機能が働いているということではないか。上場企業の4社に1社が過去最高を記録する中にあって、それに見合った相場水準を維持している可能性が高い。日経平均は一時バブル経済崩壊後の最高値を付けたが、日本株に関しては、どんな銘柄も一斉に買われるようなバブルの状況ではなさそうだ。 市場関係者から多く聞かれる「過熱感はない」との実感を、物色動向からも裏付けたといえそう。日経平均採用銘柄のPER(株価収益率)が5日終値で14.9倍と、それほど高くない状況とも整合的だ。したがって来年の相場を見通すうえでは、企業の収益動向に目を凝らすという、王道を歩み続ければよいということだろう。 【QUICKエクイティコメント・山本学】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

米半導体ETF、今年2番目の資金流出 1カ月ぶり安値に

4日の米国市場で、半導体関連銘柄のETFの代表格であるiシェアーズSOXX ETFから大規模な資金が流出した。QUICK FactSet Workstationによれば7685万㌦(約86億円)の資金流出となり、今年最大を記録した11月3日(1億9022万㌦)に次ぐ流出規模を記録した。 この日のSOXXは2.40%安で大幅続落。米上院が2日に減税案を可決したものの、実効法人税率が低いとされるアップルなどの主力ハイテク株が売られる中で半導体関連も弱い動きとなった。SOXXは一時165.55㌦まで下げて10月25日以来、約1カ月ぶりの安値圏に沈んだことから見切り売りが続くのか警戒されそう。 ★iシェアーズSOXX ETFのファンドフロー (年初来、QUICK FactSet Workstationより)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。  

フェイスブックなどFANG売りの理由は? 注目リポートに税制改革も

4日の米国市場でフェイスブックなど主力ハイテク株のいわゆるFANG銘柄が売られた。マイクロソフトも安く、3日ぶりに急反落して3%超の大幅安となった。ゴールドマン・サックスが11月30日付のリポートで、フェイスブックやマイクロソフトなどを「大型投資信託がアンダーウエイトにしていた」と指摘。今年、高パフォーマンスを記録したハイテク株にリバランス売りが膨らむのではないかとの見方に加え、米上院が2日に法人減税案を可決したことを受け、法人実効税率の高い小売株を買う一方、実効税率の低いハイテク株を売る動きが活発化した。 「FANG」は米国のIT(情報技術)企業大手の頭文字をつないだ造語。2015年に米国の株式評論家ジム・クレイマー氏が広めたとされる。交流サイト(SNS)のフェイスブック(Facebook)、ネット通販のアマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、動画配信のネットフリックス(Netflix)、検索エンジンのグーグル(Google、現アルファベット傘下)の4社を意味する。FANGにアップル(Apple)を加えたFAANG、マイクロソフト(Microsoft)を加えたFANMG、半導体のエヌビディア(Nvidia)を加えたFANNGなど新たな造語も続々と生まれている。ちなみに「FANG」には「牙」の意味もある。 ニューヨーク証券取引所(NYSE)の「NYSE FANGプラス指数」でみても、FANG銘柄の下落は明らかだ。   ※QUICKでは12月4日(月)から、端末上で「NYSE FANGプラス指数」をサービスしています。フェイスブックやアマゾン、ネットフリックス、グーグルの親会社アルファベットなどを含む10銘柄程度の大型ハイテク株で構成。銘柄数は可変で、最低10銘柄となります。 米株式市場が注目するのは、連邦法人税率の大幅な引き下げを柱とする税制改革案の行方だ。米上院案では連邦法人税率を現在の35%から2019年に20%に引き下げる。米国の地方税(カリフォルニア州の場合)を含む法人実効税率は現在、40.75%だ。連邦法人税率が下がれば、この法人実効税率も大幅に下がる。 ただ米マーケット・ウォッチによると、企業がタックスプランニング後に、実際に支払った法人税(地方税含む)の割合を示す実効法人税率でみると、グーグルの親会社であるアルファベットはすでに21.1%、アップルで26.1%などとすでに実効税率は低い。こうした企業では連邦法人税率下げのメリットは、それほど大きくない可能性がある。 ★米主力企業の実効税率 銘柄名              実効法人税率 アップル            26.1% マイクロソフト         23.8% アルファベット          21.1% アマゾン・ドットコム       31.5% フェイスブック                  40.3% 出所:MarketWatch ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

トルコリラ、29円台に上昇 11月CPIが予想上回る 前年比12.98%上昇

4日発表のトルコの11月の消費者物価指数は前年比12.98%上昇と市場予想(12.4%上昇)を上回り、前月(11.9%)から上昇を加速させた。 ※QUICK FactSet Workstationより   14日の金融政策決定会合でトルコの中央銀行が利上げするとの予想が増え、トルコリラは対ドルで上昇、対円でも29円台へと大幅高となった。 ※QUICK ActiveManagerより ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

進むか円安 日銀の金融政策維持で120円台の予想目立つ─2018年相場見通し

円相場は9月下旬から1㌦=110~114円のレンジで推移している。しかし、足元で公表が相次ぐ大手金融機関による円相場の予想は、2018年に円安に進むとの見方が多い。 大幅な円安を予想するUBSは18年末の円相場の目標水準を1㌦=122円とした。安倍晋三首相の再選に注目し、「日本ではインフレ率が徐々に低下すると予想している。日銀は現行の緩和的な金融政策を続ける公算が大きく、実質金利がさらに低下し、円安方向に進む」とのシナリオを掲げる。 日銀の金融政策に関しては、「イールド・カーブ・コントロール(YCC)で円相場とグローバル国債の利回りとの相関関係は高い水準を維持するだろう」(ゴールドマン・サックス)との指摘もあった。 一方でモルガン・スタンレーは18年末までに1㌦=105円までの円高を予想する。「世界的なリフレーション(緩やかな物価上昇)により、日銀が現行の金融緩和策からの脱却を迫られるほどインフレ率が上昇する。日本の長期金利は短期間で大幅に上昇するだろう」とした。 ▼大手金融機関の円相場の18年末予想 社名                 予想水準 UBS                  122円 ゴールドマン・サックス                    120円 ドイツ銀行                                120円 UBSウエルスマネジメント                115円 HSBC                                          114円 ソシエテ・ジェネラル                         114円 BNPパリバ                                    112円 バンクオブアメリカ・メリルリンチ       110円 モルガン・スタンレー                          105円 TDセキュリティーズ                        104円 【QUICKデリバティブズコメント・岩切清司】 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

米CVSヘルスなど軒並み安 「デス・バイ・アマゾン」銘柄は? AI×ライターで追跡

11月30日の米国市場の時間外取引で、薬局チェーンのCVSヘルスなどドラッグストア関連銘柄が軒並み安となった。「アマゾン・ドット・コムが後発薬を手がけるマイランなどとドラッグストア関連で協議している」と伝わったのがきっかけだ。アマゾンの進出で影響を受ける「デス・バイ・アマゾン」銘柄は―ー。QUICKのオプションサービス「エクイティコメント」は日本時間12月1日早朝から、「QUICK AI速報」と組み合わせた「AI記者×ベテランライター」のコラボで、追跡した。 まずは、人間の記者が第一報「アマゾンがドラッグストア関連で協議」をキヤッチ 次に、AI記者。マケッソン(薬品卸売業)、CVSヘルス(薬局チェーン)などアマゾンのドラッグストア参入で不利益をうけそうな銘柄の下げをキャッチ。 そして続いて、人間の記者。連想売り波及の背景をわかりやすく解説。   【コンテンツ編集グループ・矢内純一】      

ビットコイン、初の1万ドル突破 恩恵を受けるETFとは?

仮想通貨のビットコイン(BTC)が29日、コインデスクで1BTC=10358.31ドルまで上昇し、節目の1万ドルを初めて突破した。ビットコインの急騰を受けて、ビットコインの売買アプリを手掛ける米スクエアやマイニング関連のアドバンスト・マイクロ・デバイシスなどへの関心が改めて高まりそうだ。 個別株だけでなく、ビットコインの上昇の恩恵を直接受けるETFとして、「ARK ウェブx.0 ETF」にも関心が向かうかも知れない。このETFはクラウド・コンピューティングやサイバー・セキュリティ、ビッグデータ、eコマース、ブロックチェーンなどに関連する銘柄を組み入れたもの。2014年9月に上場し、今年は右肩上がりで上昇が続いて28日まで8日続伸して連日で上場来高値を更新していた。 QUICK FactSet Workstationによれば、ウェブx.0 ETFの組入銘柄で最も大きいのはビットコインの価格に連動する投資信託のビットコイン・インベストメント・トラスト(GBTC)で、運用資産の8.92%を占める。GBTCは米証券取引委員会(SEC)の承認を受けていないため、適格投資家以外は投資できないことから個人投資家にはなじみの薄いものだが、ビットコイン関連の金融商品として知られる。その他、組み入れ上位にはアマゾン・ドットコム(6.56%)、エヌビディア(3.90%)、テスラ(3.32%)などの主力ハイテク株も並んでいる。 このETFを買うことはビットコインやハイテク株に集中投資するようなものだが、ビットコインの現物を持っているのならARK ウェブx.0 ETFを売り持ちにしてヘッジを掛けるといった使い道もありそうだ。 ARK ウェブx.0 ETFの組入上位20銘柄(QUICK FactSet Workstationより)   ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

きょう「大注目」の日銀イベント 政策微修正の地ならしはあるか

北朝鮮が29日午前3時18分ごろ、日本海に向けてミサイルを発射した。ミサイルの最高高度は4000KMを超え、射程は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の目安とされる5500KMを遥かに超えると報じられている。ただ、海外市場の反応は一時的なものにとどまっている。ニューヨークダウは一時100ドル近く下げ幅を縮小したが、255.93ドル高の23836.71ドルで取引終了。ドル円も111円台半ばから111円台前半へ下げる場面もあったが、その後は株高を睨みながら111円台半ばを回復した。 リスクオフの流れにならなかった背景は、次期FRB議長に指名されたパウエル理事の公聴会で「銀行規制は現在、充分に厳しい(Tough Enough)」などと述べて、金融規制の緩和に前向きな見解を表明したことや、上院の予算委員会が税制改革法案を可決したことに加え、ケースシラー住宅価格指数やカンファレンスボード消費者信頼感指数が強い結果であったことがあげられる。北朝鮮問題自体も上期ほどの警戒感は薄れている。今はリスクオフ・イベントよりもファンダメンタルズということだろう。 そのファンダメンタルズは先進国共通で「物価以外は好調」。日本以外は金融政策の正常化に向かう方向にある。日本の金融緩和策も変化すると見る向きが増えている。 10月18日に行われた日銀の中曽宏副総裁の講演では「先行き、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、必要であればイールドカーブの形状についても調整を行っていく方針です」と述べた。11月13日に黒田総裁は「リバーサル・レート」に言及。25日の毎日新聞のインタビューで日銀の鈴木人司審議委員は「市場が徐々に変化を受け入れられるように微修正が行われるといったことがあってもおかしくない」と述べた。これらは「日銀がYCCの微調整に向けた『地ならし』を始めていると受け取ることもできる」(証券会社)。そしてきょう、29日16時に中曽副総裁の講演が行われる。ここで、改めて「地ならし」とみられる発言があるか「大注目」(同)であろう。 「微調整」があるとすれば10年金利のターゲットの柔軟化が有力であり、長期ゾーンは買いにくくなる。また、超長期ゾーンに関しては、昨日の40年債入札がやや不調だったように、地合いが悪い。YCC導入に際しては、低金利が金融機関に与える悪影響に配慮し、カーブをスティープ化させようとした面があり、「リバーサル・レート」に言及したこととあいまって、超長期ゾーンの金利上昇が意識される。 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジストは、日銀YCCの(微)修正について具体的には以下のようなパターンを想定している。 ①「調整利上げ」─10年金利目標を小幅に引き上げる ②「ステルス利上げ」─政策声明文を変えずにオペによる調整で10年金利の誘導水準をそろりと引き上げる ③「目標年限短期化」─コントロールする年限を10年金利から5年金利に変更する 本日29日の中曽副総裁講演(時事通信社主催金融懇話会)は16時ごろから質疑応答を含めて1時間程度の予定。稲留氏は「副総裁が低金利が金融機関に与える悪影響などについて、いつも以上に言及すれば、YCC(微)修正の観測は強まるだろう」と警戒している。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

ダウ255㌦高、来年も高値更新? 米株式に相次ぐ強気予想-2018年相場見通し

 28日の米市場でダウ工業株30種平均が前日比255㌦93セント高の2万3836㌦71セントと大幅高で終えた。値幅を伴って過去最高値を更新するなど、上昇基調を維持している。年の瀬を前に世界の大手金融機関が2018年の相場見通しを公表し始めている。米株式相場については緩やかながらも上値を切り上げるとする予想が多い。S&P500種株価指数の18年末の目標水準は足元から2~11%高と開きがある。 ゴールドマンは「根拠ある熱狂」  強気派のゴールドマン・サックスは上昇相場の持続を「根拠ある熱狂」と指摘。「米国と世界経済はともに潜在成長率を上回るペースの拡大を持続し、低インフレ、緩やかな上昇も依然として低い金利、成立が見込める税制改革を支援材料とする企業収益の増大」を根拠とした。 税制改正を織り込む格好で18年の1株利益(EPS)を従来の139㌦から150㌦に引き上げた。半面、悲観シナリオとして、税制改革が頓挫した場合には「短期的に2450へ下落する」を挙げた。 ▼大手金融機関のS&P500種株価指数の18年末予想 社名               予想水準  UBS                                           2900 クレディ・スイス          2875 ゴールドマン・サックス                      2850 バンクオブアメリカ・メリルリンチ      2800 モルガン・スタンレー                        2750 HSBC                                          2650 ソシエテ・ジェネラル                        2500 ※11月28日時点 米税制改革については他の金融機関も期待を寄せる。バンクオブアメリカ・メリルリンチは「法人税率が20%に引き下げられ、レパトリ(本国送還)で自社株買いが増えればS&P500指数のEPSは約19㌦も押し上げられる」といい、「税制改革法案は実際のEPSが当社予想よりも上振れる要因になる」との見方を示した。 一方で、ソシエテ・ジェネラルは米国株のピークアウトを見込む。「すべてのバリエーション指標で米株は割高でドットコムバブルの以来の水準となっている」と継承を鳴らす。米金利の上昇については「長期金利は18年末に2.7%に上昇するとみており、米株の重しになる」という。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKデリバティブズコメントは、日経平均先物を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するオプションサービスです。  

ビットコイン関連のスクエアが急落 投資判断引き下げで

27日の米国市場で仮想通貨決済などを手掛けるフィンテック企業のスクエア(@SQ/U)が8営業日ぶりに急反落。一時は40.37㌦まで下げ、下落率が17%を超えた。   売上高は順調に拡大してきたが… BTIGリサーチが27日付のリポートで投資判断をニュートラルから売りに引き下げ、目標株価を30㌦と現行水準よりも大幅に安い水準に設定したことが嫌気された。スクエアが「スクエア・キャッシュ」のアプリでビットコインを売ったり買ったりできるようにしたことが株価が急騰につながったと評価したが、「今年は259%も株価がラリーした」などと最近の急騰によってかなり割高になったと警鐘を鳴らした。 アナリストの目標株価から逸脱していた11月 仮想通貨のビットコイン(BTC)は27日、コインデスクで1BTC=9732.76㌦まで上昇して史上最高値を更新し、1万㌦の大台に迫る展開となった。 ※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKデリバティブズコメントは、日経平均先物を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するオプションサービスです。

年初来安値圏の楽天株 何が問題なのかを考察してみた

日経平均株価がバブル崩壊後の高値圏で推移するなか、年初来安値圏に甘んじている日経平均採用銘柄が数社ある。その一つが楽天(4755)だ。11月24日終値でみても、昨年末の水準(1145.5円)を下回って推移している。 楽天が13日に発表した2017年7~9月期決算では、国内でのEC(電子商取引)流通総額が前年同期比13.7%増の8559億円、楽天市場における楽天カードでの決済比率は9月に54.3%(前年同月比5.3pt増)に上昇。三木谷浩史会長兼社長が提唱する「楽天経済圏」は順調に拡大しているようにもみえるが、ポイント施策による影響が大きいことに留意したい。 最近、楽天の格好をしたパンダが「SPU!SPU!SPUでけんさくしてね」というCMが頻繁に流れているが、ご覧になったことはあるだろうか?。「SPU」とは、楽天市場での買い物で最大8倍のポイントがもらえるという「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」のこと。楽天市場では通常100円(税込)の買い物に対して「楽天スーパーポイント」1ポイントの付与となるが、SPUの適用により、「楽天市場アプリ」、「楽天カード」、「楽天モバイル」、「楽天プレミアムカード・楽天ゴールドカード」の利用状況に応じて、ユーザーは、自動的に付与ポイント倍率が増加する特典を受けることができる。これまでは最大7倍だったが、10月からのプログラム拡充でSPU対象サービスに「楽天ブックス」が加わり、一定の条件を満たすと当月の「楽天市場」での買い物で付与されるポイント倍率が最大8倍にアップした。さらに、11月商戦の「ブラックフライデー(11月24日午前10時から27日まで開催)」では、最大36倍に高めるセールを開催するという。 日本貿易振興機構(JETRO)が7月末に公表した「ジェトロ世界貿易投資報告」2017年版によれば、日本のEC市場における企業別のシェアはAmazon(アマゾン)が20.2%でトップ。楽天は僅差の20.1%で2位となり、3位はソフトバンク(Yahoo!ショッピング)の8.9%だった。上位3社の合計で市場シェアの約5割を占めるなど、寡占市場といえる。 また、視聴行動分析サービスを提供するニールセンデジタルが今春発表した、国内Eコマース利用状況調査によると、2017年3月におけるEコマースアプリ利用者トップはAmazonで1753万人、2位が楽天市場(楽天)、3位はメルカリだった。興味深いのは性別の利用者数で、女性は楽天が最多の990万人、男性はAmazonが最多の934万人。3位のメルカリは女性が735万人で男性の約2倍にまで達するなど、性別による利用者数の違いが際立つ。さらに、興味深いのは「Amazonのみ」利用の男性は33%いるのに対して、「楽天のみ」利用の女性は24%にとどまった。 ポイント還元策が生命線 さらに、マーケティング支援事業などを手掛けるドゥ・ハウスが今夏発表した「インターネット通販サイトの使い分け」に関する調査によれば、消費者がネットショッピングを利用するときに重視する要素は、すべてのモールで「商品の価格」の割合が最も高く、「送料・手数料」や「品揃え」も重視されているという。「ポイント還元率」を重視する割合はECモールごとに差が大きく、Amazon利用者は約1割にとどまるのに対して、「楽天市場」利用者は約3割を占めた。また、利用者の属性はAmazonが男性の比率が高い一方で、楽天は女性の比率が高い。値段にシビアで目移りしやすい女性が主要顧客である楽天にとって、ポイント還元策は生命線であり、楽天はSPUで最大8倍のポイント還元を謳っているが、今後はこれ以上の倍率を打ち出さない限り顧客離れが起きかねない。見た目上、好調にみえるポイント施策は、もろ刃の剣となりそうだ。 楽天市場を取り巻く環境は厳しくなりつつあるようだ。ヤフーショッピングが出店料無料で切り崩しに動き、Amazonはグローバルに膨張して日本でも日増しに存在感を高めている。ヤマト運輸の配送問題が社会問題化したが、これはAmazon利用者が急増している証左。また、楽天市場からは撤退するテナントも相次いでいるという。その要因としては、◇楽天市場で目立つためには商品の価格を下げなければならない(ポイント◯倍、送料無料など)、◇楽天市場のイメージカラーである赤が似合わない企業に違和感がある、◇派手なデザインにしないと目立たない、◇外部リンク禁止の制約でInstagramなどSNSとの連携ができない、◇自前の通販サイトで勝負する企業が相次いでいる、◇ユーザーの個人情報が得られないなど使い勝手が悪い、◇出店料に見合う収益が稼ぎにくい――などが挙がる。これまでは、ECショッピングモールの集客に頼らざるを得なかった企業にとっても、現在は様々な選択肢があり、その一つである楽天市場への出展に固執する企業は少なくなりつつあるのではないだろうか。 海外戦略に苦戦、欧米からの撤退も? 楽天は社内公用語を英語にするなど、グローバル志向が強く積極的に海外事業を展開したが、苦戦しているようだ。国内ではAmazonに対抗しうる存在であるが、海外では天と地の差。Amazonは各国で2割前後のシェアを持つのに対して、楽天は1%以下で勝負にならない。既にアジアでは撤退が相次いでおり、中国からは2012年に早々と撤退したほか、2016年3月にインドネシア、マレーシア、シンガポールで通販サイトを閉鎖。同4月にはタイでネット通販を手掛ける事業会社を売却。欧米の一部地域で細々と継続しているが、撤退は時間の問題と冷ややかな見方が多いようだ。そのような環境下で、サッカー・スペインリーグの名門であるFCバルセロナとパートナー契約を締結し、2017~18年シーズンからの4年間で契約金総額は275億円にのぼる。パートナー契約初年度の今シーズン、現在のところバルセロナはリーグ首位を快走しているが、看板選手であるネイマールが流出。大黒柱のメッシも流出という事態となれば、広告価値は著しく落ちかねない。楽天は欧州事業の立て直し策として銀行経営に進出したが、先行きは不透明といえそうだ。 M&A戦略の失敗も目立つ。楽天の買収戦略は初期の金融事業やトラベルなど、比較的安い案件でも楽天ブランドなどに取り込むことで価値を上げることに成功したが、最近の案件はどうも失敗続きに見える。 2010年に仏ECサイト「プライス・ミニスター」を約225億円で買収し、三木谷氏の肝煎りで2011年にカナダの電子書籍「kobo」を約240億円で買収したが、数年後に減損計上を余儀なくされた。2014年にキプロスの無料対話アプリ「viber」を約900億円で買収したが、業績への貢献は限定的だ。国内では打倒メルカリを目的に2016年に「フリル」を数十億円で買収し、楽天が既存で手掛ける「ラクマ」との相乗効果を狙っているが前途多難。足元では利用者数を伸ばしているが、収益を度外視した「手数料無料」などでメルカリのおこぼれを狙っている感が拭えない。上場に向けて規約を厳しくするメルカリと、偽物・コピー品の出品率の対策が劣るとされるフリルでは、中長期的に差は広がる一方になるだろう。MVNOの「楽天モバイル」はフリーテル買収などで存在感を高めているが、グループ全体の暗雲を吹き飛ばすほどの力はなさそうだ。 【QUICKエクイティコメント・本吉亮】 ※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

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