インドネシア、タクシー会社がドライバー流出に直面 政府、配車アプリを後押し

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。(※本記事は2016年3月23日にQUICK端末で配信された記事です) 成長中の配車サービスアプリにタクシー事業従事者は抗議 インドネシアの通信・情報技術省は15日、配車サービスアプリの国内での営業を禁止しないことに同意したと発表した。今回の発表は、政府が成長中の配車サービスを容認する方向に態度を切り替えたターニングポイントとなったが、インドネシアのタクシー運営大手ブルーバード・グループ(コード@BIRD/JK)やエクスプレス・トランシンド・ウタマ(コード@TAXI/JK)のような従来のタクシー事業者に対し、圧力が強まることになるだろう。  ジャカルタのタクシー運転手らは14日朝、米サンフランシスコに本社があるウーバーとマレーシアのグラブタクシーという2つの人気のある配車サービスアプリの禁止を政府に要求する大規模な抗議を行った。インドネシア運輸省はそれに応じ、そうしたアプリは未認可の一般車が公共交通を提供することを可能とするもので、これは現行の道路交通法では違法と主張し、通信・情報技術省に対してそうしたアプリを禁止するよう正式に要請した。  配車アプリの事業者側は、個々の運転手のサービス提供には協力していないとして、道路交通法違反を否定している。代わりに事業者側は、道路交通法で認められている地場のレンタカー会社と提携した。グラブ・インドネシアのリツキ・クラマディブラタ社長は「グラブはドライバーと乗客を結ぶ技術企業だ。グラブは輸送サービスの提供者ではないし、いかなる車両も保有していない」と述べた。 タクシー業界は明暗分かれる…ブルーバードは増益 ルディアンタラ通信・情報技術相は、グラブの姿勢に同意したようで、同省はグラブの営業継続を認めるだろうと述べた。同相は「これは配車サービスアプリを禁止する・禁止しないという話ではない。テクノロジーは中立なものだ。根本的な問題は、その事業と政府、顧客すべてがウィンウィンの関係となる解決法をもたらすように、いかにわれわれが輸送事業を再編するかだ」と述べた。  同相はまた、ジョコ・ウィドド大統領は原則的に輸送事業におけるオンライン・イノベーションに賛成の立場で、その成長を支援し、強化するよう、既存の規制の見直しを各大臣に要請したと語った。これは昨年12月にジョコ大統領が、バイク版配車サービスのゴージェックを禁止する運輸省の決定を覆した事を考えれば、驚くに値しない。 ウーバーや競合相手のグラブは、簡単な依頼・支払システム、比較的安価な乗車料、平均以上のサービスにより、インドネシアの利用者の間で支持を獲得している。エクスプレス・トランシンド・ウタマは、それらのアプリがもたらした競争激化の犠牲となり、昨年1~9月の利益は90%近く落ち込んだ。一方で競合するブルーバードは同じ運命を逃れ、営業台数の多さがもたらした収入により16%の増益を記録した。   米ウーバーへの人材流出も しかしタクシー事業者は、自社のドライバーが辞めてウーバーやグラブに移り、自社の拡大能力を損なっている状況に直面している。エクスプレスのドライバー、カヒョノさん(50)は、同社との契約が7月に切れた後、ウーバーかグラブに登録することを考えているという。「今は稼ぐのが大変。ウーバーが上陸してから、1日当たり売上の30~40%を失っている。今運転しているこのタクシーの車両代を完済したら、ウーバーに移ると思う」とカヒョノさんは話した。  セセップさん(46)はブルーバードで13年間運転した後、半年前にウーバーへ移った。「ここの方が収入も良いことから、ウーバーで運転したい。私のタクシー乗り場の運転手たちも数百人単位でウーバーへ移っている」と話した。 ブルーバード広報部門のトップ、テグン・ウィジャヤント氏はこの件についてコメントを控えた。 【翻訳・編集:NNA】

原油価格底打ちでアジア株反発 鍵握るFOMC

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はシンガポールの現地記者クリストファー タン シ(Christopher Tan, Si)氏がレポートします。   原油価格は反発、現状は40ドル程度で推移 原油安の最悪期は脱したという期待から、アジアの株式相場は先週、反発した。原油価格は1月に1バレル30米ドル以下に下落したが、その後回復し、この数週間は1バレル約40米ドルとなっている。 米S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの一次産品・実物資産部門のグローバル統括、ジョディ・ガンズバーグ氏は、原油価格の底打ちを意味しているかもしれないと分析。ガンズバーグ氏はインタビューで、石油価格は底値から15%回復しており、下げ相場が去った明らかな兆候と指摘した。同時に、石油生産者は安定供給を続けると明言していることから、生産状況をより明確に認識できるようになった。米雇用者数も1月に24万人増え、労働市場の回復傾向を維持している。 DBS最高投資責任者「反騰はまもなく消失する可能性」…顧客への覚書で 各国の中央銀行も市場の不安定さを懸念し、市場センチメントを支えるような心強い発言を始めている。米連邦準備理事会(FRB)は今後数カ月間にさらなる利上げを行うかどうかを明らかにしない一方で、中国人民銀行(中央銀行)は、この12カ月で6回目の預金準備率の引き下げを行った。このような各国中央銀行による穏健派的な声明は投資家を元気づけ、それに支えられてMSCIアジア太平洋指数(日本を除く)は2月中旬以降に約8%上昇した。 しかし祝杯をあげるのはまだ早すぎるかもしれないと、DBS銀行傘下のDBSプライベート・バンクの最高投資責任者、リム・セイブーン氏は話した。同氏は、現在の反騰はアジア株式市場の長期的な下落傾向の中での反発にすぎないと考えている。「ゴルディロックスの完璧な状態(熱すぎず、冷たすぎない)が過ぎ去って久しい」と、同氏は顧客への覚書で警告した。 同氏は「今やゴルディロックスは去り、1)貿易不振、2)企業収益の低迷、3)世界的な景気後退の恐れという3匹のベアしかいない」と語り、「この反騰はまもなく消失する可能性があり、再び下げ相場が始まるだろう。長期的な投資ホライズンでは、根本的に強力な資産を持っていれば、時間は友達という道理に安らぎを求めることができる。たとえ良い株であっても、株価は循環するものだ」と付け加えた。 ベア相場継続か…FRBの動向に注目集まる CMCマーケッツのアナリスト、マーガレット・ヤン氏も同意し、大きな構図は今年の年初から変わっていないと言及した。「中国の貿易黒字は、市場予測の501.5億米ドルを下回る326億米ドルだった。輸出は予測の12.5%減に対して25.4%減となり、2009年5月以降で最大の下落幅を記録した」と同氏は話した。 しかし、下げ相場が再び始まるまで、この市場の反発はいつまで続くのだろうか?1つのヒントは、今週後半にFRBのFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される時に分かるだろう。この場合、どの方向であっても主要な動きに市場が肯定的な反応を示すかどうか分からない。もしFRBが好調な労働市場を背景に利上げに踏み切れば、好機を捉えて市場はテーブルからより多くのお金を持ち去るだろう。もしFRBが市場は立ち直りつつあるが、金利の現状維持を決めたら、株式市場が高騰し続ける前に一息つく暇を与えてくれるだろう。【翻訳・編集:NNA】

中国、全人代が示した安定政策 元相場維持、過剰供給など課題に

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、香港の現地記者ジェスロ・オー氏がレポートします(※本記事は2016年3月17日にQUICK端末で配信された記事です) 全人代、閉幕…当面は市場安定を優先か 中国政府は、全国人民代表大会(全人代、国会に相当) と全国政治協商会議(政協会、国政助言機関の会議) を開催し、16日に閉幕した。例年通り、今年の開催期間中も今後の政策の大きな方向性が浮かび上がった。中国は開催前に突如、銀行の預金準備率を0.5%引き下げ、景気下支えに向け財政支出は可能だと表明。経済改革と市場安定の板ばさみの中で後者を選択したようだ。今後も引き続き、景気対策や金融緩和が打ち出されることになるだろう。 中国政府が昨年8月に人民元の為替レート改革を行った後、元相場は次第に軟調となった。元安が輸出を支えるとの期待があったが、実際には元安は中国の輸出改善に寄与しなかった。今年2月の輸出は前年同月比で約2割減少し、さらには16カ月連続でマイナスとなった。 元安が新興国市場の通貨切り下げ競争を誘発し、通貨安の効果が相殺されてしまい、輸出が回復しなかった。元安が輸出改善につながらないと、元に対する市場の信用が一段と揺らぎ、中国国内の株式相場の下げ要因となった。このような事態となり、経済改革を遅らせてでも市場安定を優先しようとなったのだ。 市場の元安観測は後退 おりしも、中国の李克強首相が全人代と政協会の開催前にジェイコブ・ルー米財務長官と会見し、元に大きな下落圧力がないことを改めて強調。中国は景気支援に一層注力すると再度表明した。この発言は市場への安定維持に関する強いメッセージである。元の大幅切り下げに恐れず、安心して中国へ投資できるということを投資家に表明。中国の資金流出の圧力を和らげる効果がある。また、中国人民銀行(中央銀行)や商業銀行は元相場の安定維持に向けて市場介入を続けており、元安が持続するという市場の見方を変えようとしている。実際のところ、昨年半ばの元切り下げ後に中国政府が直面している最大の難題は、元安継続の観測が市場に広がり、中国の資金流出圧力が大きく働いたということである。このため、中国は安定維持に取り組むに当たって、まず元の為替レート安定を重視している。そして、足元では元の下落ピッチが減速しており、元安継続に対する市場の観測が後退しつつある。 中国政府は元相場を安定させ、資金の域外流出圧力を緩和させる以外にも、金融政策や財政政策でその他の対策を打ち出している。人民銀の周小川総裁は、金融政策を緩和方向に傾けることができると表明。預金準備率を連続して引き下げた後も引き続き引き下げる可能性があり、追加利下げも可能だとした。一方、中国の楼継偉・財政相は実体経済を支えるために中国の財政赤字をさらに拡大させる余地があると述べた。中国の重要な財政責任者3名が期せずして異口同音に経済の安定維持について言及したことから、中国は昨年に定めた経済構造改革に注力して供給側の改革を行うという大きな政策の方向性を既に微調整したのだということが分かる。もしくは、構造改革をひとまず棚上げして安定維持をより重要な位置に据えたと言えるかもしれない。 労働生産性低い企業は延命…政治的思惑が優先 中国政府は昨年、供給側の改革に本格的に取り組むと表明し、過剰生産能力の淘汰と在庫削減を行うとした。生産能力が過剰で生産効率が低い企業は銀行から融資を受けることが難しくなり、倒産の恐れがあった。しかし、この場合、必然的に大量の企業が淘汰されることで大量の労働者が失業する。中国政府は景気減速と株式相場の低迷に直面する中、現実を受け入れて政策の布陣を改め、安定維持を優先せざるをえなくなったのだ。このため、生産効率の低い企業はかろうじて生き延びる望みが出てきた。とは言え、企業の低生産効率は長きに渡る難題。効果的に解決されるのは一体いつになるのだろうか。

台湾・鴻海、シャープ買収は世紀の賭け? 郭会長が描く統合メリット

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は台湾の現地記者、李臥龍(リー・ウォーロン)氏がレポートします。※本記事は2016年3月11日にQUICK端末で配信した記事です。 偶発債務発覚もホンハイの買収観測は根強く 鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー、コード@2317/TW)によるシャープ(6753)への資本参加が、最終的な契約調印の段階に来ている。シャープは約3500億円の偶発債務を提示し、このため鴻海は急きょ契約調印を先送りした。しかし、市場はこれを鴻海がキーテクノロジーを取得する上での大きな前進と受け止めており、さらにシャープに間もなく期限が到来する債務を解決するための緊急資金が必要なことから、双方は最終的に買収契約に合意するとみている。  最近の日本からの報道ですでに明らかになっているように、鴻海は傘下の液晶パネル事業とシャープの液晶パネル部門を、シャープと郭台銘・鴻海会長の合弁事業である第10世代パネル工場(SDP)に統合しようとしている。統合の詳細は説明されていないが、外部の推測によると、主に鴻海傘下の群創光電(イノラックス、コード@3481/TW)、シャープの液晶パネル部門、SDPの3社を1つにしようとしているもようだ。  業界の推測によると、鴻海はシャープが持つ液晶パネルの技術力を統合するに際して、「アクティブマトリクス式有機EL(AMOLED)」の開発に焦点を当てている。これによって、将来のアップル(コード@AAPL/U)のiPhoneへの採用という潜在的なビジネスチャンスを確保しようとしているのだ。早ければ2019年にAMOLED製品の量産が始まる見込みだ。合併の情報は今のところ鴻海グループが認めるところとはなっていない。しかし、鴻海がもしシャープを手に入れることができれば、戴正呉・鴻海グループ副総裁が、郭台銘会長を支える役割を演じ、シャープの再建という重大な責任を負うことになると予測されている。 モバイル端末テクノロジーを渇望 各方面からは、鴻海がシャープの株式65.86%を買収するということは、世紀の賭けだと考えられている。しかし、緻密な計算と計画で知られ、おとなしくしているようなタイプではない郭台銘会長だけに、もし背後に膨大なビジネスチャンスと顧客の需要がなければ、これまで4年間もかけてシャープへの資本参加を求め続けることはないはずだ。  台湾の業界関係者の分析によると、もし今回の買収を郭台銘会長の「絶妙な一手」とするなら、それはシャープの最も鍵となる液晶パネル技術、鴻海の部品、中国の巨大な製造体制、アメリカのトップブランドであるアップルからの支持という四つの要因を結び付けることに着目した点だ。これにより、シャープを短期内に改造し、シャープが抱える膨大な負債よりも長期的利益を大きくし、なおかつ鴻海グループとシャープの製造資源の統合を実現するに違いない。  なぜシャープを、無理をしてでも獲得したいのか。それは、スマート型モバイル端末装置のキーテクノロジーを取得するだめだ。その応用範囲は、近年急速に成長しているスマートフォン、ノートパソコン、タブレットPCのほか、さらに自動車、家電などまで、大・中・小型のすべてのディスプレーを含んでいる。 シャープの技術でサムスンに対抗 シャープは2015年において、世界のLTPSの生産能力の約18%を持っており、世界で3位以内にある。シャープはまた、世界最大のIGZOの生産能力を持っている。これは、スマートフォンとタブレットPCの新世代のOLEDパネルに応用できる。鴻海グループ傘下の各子会社によるタッチパネル・コントロール、貼り合わせ、モジュールを統合し、巨大な生産能力を組み合わせることで、新世代の小型パネルの生産方式の力を十分に発揮させ、最高の経済価値を生み出すことができる。 シャープはまた、現時点において各種の規格のOLEDパネルを供給できる数少ないパネルメーカーだ。この製品は、すでにアップルから次世代のパネルに列挙されており、鴻海が継続的に受注を守るためのキーパーツとなっている。鴻海は、シャープへの資本参加後もシャープの技術を外に漏らさないと約束しているが、アップルに対してはすでに関連部品の統合を完了したと表明している。大型受注を確保したあと、さらに大型パネルで中国の膨大な市場需要を掌握して、サムスン(コード@005930/KO)と対抗していくためだ。

インドネシア、成長率の改善続くか 金融緩和や景気刺激策に期待感

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はRHB証券インドネシアのヘルミー・クリスタント(Helmy Kristanto)氏がレポートします。※本記事は2016年3月2日にQUICK端末で配信した記事です。 2015年第4四半期の国内総生産(GDP)成長率が予想を上回ったことを受け、同国資本市場への海外からの資金流入が回復し、ジャカルタ総合指数(JCI)と通貨ルピアを押し上げている。1月は資金流出純額が2兆3000億ルピアだったのに対して、2月は株式市場への資金流入額が4兆1000億ルピアに達した。当社はインドネシア中央銀行が景気回復に向けて一層の緩和政策を打ち出し、政策金利(BIレート)をさらに25ベーシスポイント引き下げて6.75%に設定すると予測している。 【上昇基調】 2015年第4四半期のGDP成長率が予想を上回ったことに加え、1月にインフラ関連分野への政府支出が順調に伸びたことで、株式市場が上昇基調に乗る下地が整った。1月の資金流出傾向から一転し、2月は資金流入が続いた。  今後についても、①インドネシア中銀の金融緩和政策、②ルピア上昇などを背景にした企業の2015年第4四半期業績の改善見込み、③政府によるさらなる景気刺激策の導入、④政府のインフラ支出の拡大――などが主なプラス要因となり、短期的に資金流入傾向が続く見込みだ。  ただ、金融監督庁(OJK)が銀行の預貸金利ざやに4%の上限を設ける方針を示していることから、政府の介入リスクに対する懸念が再燃する可能性がある。OJKの方針は、インドネシアの銀行部門全体を債務過剰に陥らせる危険性がある。 【景気刺激策を受けた海外直接投資(FDI)の拡大】 インドネシア政府は、国内の事業環境改善に注力する姿勢を維持している。この姿勢は、最新の景気刺激策に盛り込まれたさまざまな政策にも表れている。第10弾となる今回の刺激策では、主に国内外からの投資拡大に焦点を絞ると同時に、零細・中小企業や協同組合の保護策を強化した。第10弾の目玉の一つが、投資規制分野(ネガティブリスト)への外資による出資上限を引き上げたことだ。当社はネガティブリストの改定について、インドネシアの経済成長を促進するために不可欠とされる海外投資を加速させることが狙いだと考えている。 【政策金利はさらに引き下げられる見通し】 インドネシア中銀は2月18日に開かれた月例会合で、政策金利(BIレート)を25ベーシスポイント引き下げ7%にすると決定した。当社は燃料価格の下落や国内需要の鈍化を背景に2016年にインフレ率が低下する見通しであることから、今後さらに利下げが実施されると見込んでいる。インフレ圧力が弱まれば、中銀にとって金融緩和に向けた余地が生まれるだろう。当社は、本年中にBIレートがさらに25ベーシスポイント引き下げられ、6.75%に設定される可能性があると考えている。 【1月の業種別ばらつき】 1月の各業種の指標を見てみると、一部の業種では引き続き需要が2桁減を記録していることから、依然として需要状況にばらつきがあることが分かる。当社はかねてから需要の回復が明白になるのは今年後半になってからとの見解を示している。セメント販売量は1月に前年同月比4.4%増の510万トンに達した一方、自動車需要は軟調で、1月の四輪車の販売台数は9.5%減の3万9600台にとどまった。二輪車も同様で、1月の販売台数は15.3%減の28万7800台だった。一方、国営建設3社の受注残高は合わせて2兆5100億ルピアと、前年同月に比べ52%増を記録した。 【翻訳・編集:NNA】

香港市場、投資家のリスク回避進む 資金はディフェンシブ銘柄や金ETFに

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、フィリップ証券(香港)のルイス・ウォン(Louis Wong)氏がレポートします。※本記事は2016年2月29日にQUICK端末で配信した記事です。 2016年は大幅な下落からの出発 2016年に入り、世界の株式相場で下げ基調が続いている。香港株式市場の主要指数であるハンセン指数は2月12日に1万8279と、昨年末の終値(2万1914)比で16.6%安となる安値を付けた。足元では1万9300台を回復しているものの、年初からの下げ幅は12%近くに達している。一方、上海株式市場では上海総合指数が1月27日に2638の安値を付けて昨年末の終値(3539)比で25.5%下落した。 全体相場の下落に強みを見せる銘柄も 投資家たちのリスク許容度の低下に伴い、公益事業を手掛ける銘柄や不動産投資信託(REIT)、金価格に連動した上場投資信託(ETF)といったリスク回避の資産に資金が向かっている。公益事業銘柄では、長江基建集団(コード@1038/HK)、電能実業(パワー・アセッツ、コード@6/HK)、中電(コード@2/HK)がいずれも相場全体を上回るパフォーマンスで、年初からの上昇幅がそれぞれ10.0%、5.1%、4.0%に達している。  中でも、長江基建集団は英国や豪州、中国、カナダ、ニュージーランド、オランダで業務を展開。英国では電力事業(UK Power Networks 社とSea bank Power社)、水道事業(Northumbrian Water社)、ガス事業(Northern Gas Networks社とWales & West Utilities社)、鉄道事業(UK Rails社)、豪州ではガス事業(Australian Gas Networks社)や電力事業(SA Power Networks社とVictoria Power Networks社)など、中国では有料道路事業と建設資材事業、カナダでは電力事業(Canadian Power社)と駐車場運営事業(Park’N Fly社)、ニュージーランドでは電力事業(Wellington Electricity Lines 社)と廃棄物発電事業(Envirowaste Services 社)、オランダでは主に廃棄物発電事業(Dutch Enviro Energy 社)を手掛けている。長江基建集団が提示した電能実業との合併案は失敗に終わったが、同社の事業の安定性やディフェンシブ性から、株価パフォーマンスが良好だ。 REITや金ETFに資金流入 置富産業信託(コード@778/HK)も長江基建集団と同じく香港の大富豪である李嘉誠の傘下のREITだ。昨年末比ではプラスを維持しており、相場全体を上回るパフォーマンスとなっている。置富産業信託は香港域内の各地に小売関連物件を保有。保有資産には17カ所のマンションに付随するショッピングモールや商業物件があり、約318万平方フィートの小売店舗面積と2713台数分の駐車場を有している。保有物件の貸出面積のうち約60%がスーパーや飲食店、サービス業、教育関連など日常の必需品・サービスを取り扱う店舗に貸し出されているため、マクロ経済の周期的な変動に対して強いディフェンシブ性があるとされる。置富産業信託の2015年12月期の営業収益は前の期比13.7%増の18億8200万香港ドル、分配可能額が同13.3%増の8億8400万香港ドルだった。1口当たり分配金は0.4688香港ドルで、2月24日の終値7.96香港ドルに基づく利回りが5.9%だった。  リスク回避で金に資金が流れ込んでいることを受けて、香港証券市場で取引されているSPDR金ETF(コード@2840/HK)と価値黄金ETF(コード@3081/HK)が年初からそれぞれ16.6%、17.0%上昇した。SPDR金ETFは04年11月に組成され、ニューヨーク証券取引所やシンガポール証券取引所、メキシコ証券取引所へも上場している。一方、価値黄金ETFは10年10月に組成された、実物の金を取引所で売買するタイプの投資信託である。保有する金が香港空港管理局傘下の香港国際空港の貴金属倉庫に保管されており、他の地域の政治リスクの影響を受けにくい。価値黄金ETFは13年11月から2種類の通貨(香港ドルと人民元)で取引されており(人民元建てのコード:@83081/HK)、実物の金と交換できる。

東南アジア地域の成長見通しに暗雲 実体経済に忍び寄る株価低迷

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はシンガポールの現地記者クリストファー タン シ(Christopher Tan, Si)氏がレポートします。※本記事は2016年2月24日にQUICK端末で配信した記事です。 世界経済の成長見通し引き下げ相次ぐ 眼力の鋭い投資家なら株式市場における動きが実体経済とは必ずしも連動していないことを知っているだろう。しかし、世界の株式相場が大きく調整していることを受け、各調査機関は世界経済の成長見通しを引き下げ始めており、今年は株価と経済の低迷に正の相関がみられそうだ。 世界の株式市場は、今年の年初より大波乱の展開となっており、特にアジアの株式相場の下落が最も深刻といえる。アジア地域の株価動向を示すMSCIアジア指数(日本除く)は、高まり続ける中国経済の先行きと原油供給に対する懸念に引きずられ、年初以降に約10%下落した。しかし、より心配なことは、市場の動揺が実体経済にも影響を及ぼし始めていることだ。複数の金融機関は、経済成長の鈍化を予測し始めている。 中国と深い関係にある国へ打撃 特に中国との関係が強い国々は、同国の成長鈍化と企業債務問題に対する不安から急激な生産活動の低迷に見舞われそうだとエコノミストらは予測する。中国との関係が強い国々には、インドネシアやマレーシア、タイなど東南アジア地域の主要国が含まれる。 アクサ・アセット・マネジメントは、今年の成長予測を2009年の世界金融危機以降で最低水準になると予測している。同社は、景気低迷を示すデータと厳しい景況感を踏まえ、2016年の世界国内総生産(GDP)成長率予測を従来の3.1%から2.7%に引き下げた。米国の景気後退や中国の深刻な不景気突入は現実的なリスクではないかもしれないが、世界で株式の売りを進める警告にはなる。 金融市場のプロは弱気 アクサ・アセット・マネジメントのファンドマネジャーは「ダウンサイド・リスクとしての景況感の悪化と、アップサイド・リスクとしての予想外の石油収入という世界のGDP成長に対するリスクは、今のところは何とか均衡を保っているようにみえるが、英国の欧州連合(EU)離脱(BREXIT=ブリクジット)や中国の政策変更、とりわけ欧州での銀行業界に対する再規制の好ましくない影響といったシステミックリスクにはより一層の注意が必要だ」と指摘した。 オランダ系金融ABNアムロ銀行も、経済成長予測の引き下げに同意し、今後の見通しについてより悲観的になってきているという。同社は「これは、現在も進んでいる景況感の悪化と市場の混乱、これまでの米ドル高によって引き起こされた不確実性の高まりを反映している。さらに、原油価格が生産業者と世界の製造業の重荷になり、貿易は低迷したままだ。最終的に米国の利益成長が鈍化し、雇用や投資判断にマイナスの影響を与える可能性がある」とみる。 英金融大手バークレイズは、今年のマレーシアの成長率が4.7%に鈍化すると予測している。これは、2016年の民間消費と民間投資がともに鈍化し、国内需要の低迷の影響を受けるとみているためだ。世界の地域ごとの成長見込みはますます統一性がなくなり、株式市場がすぐに強気な上げ相場に突入する可能性は低いとアナリストらは話した。 メイバンク・キムエン証券は、マレーシアにおける融資の増加が鈍化することを予測し、銀行など関連業界の格付けを「ニュートラル」とし、建設業界の格付けを「ネガティブ」とした。同社は「不動産需要は低迷し続けている。報告されている債務不履行の実態と競売にかけられる不動産件数の増加が厳しい状況を示している。売りに出された大量の不動産に需要が追い付くには時間がかかる」とみている。 【翻訳・編集:NNA】

インドネシア、EC振興策を発表 100%外資参入の解禁へ

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。※本記事は2016年2月18日にQUICK端末で配信した記事です。   外資100%出資のEC参入を条件付きで許可…新しい試み インドネシアは、成長著しい電子商取引(EC)業界を支えるため、新たな振興策を導入する。政府は11日、財・サービスのオンライン取引の規制に関するロードマップを公表した。注目すべき点は、1,000億ルピア以上の投資であれば、外国企業のECへ100%出資による参入も認めたことだ。この動きは日本のソフトバンクが支援するECサイト運営大手「トコペディア」やインドネシアの複合企業リッポー・グループが出資するECサイト「マタハリモール・ドットコム」のような、既存の地場企業間の熾烈な競争をさらに激化させるだろう。 政府は時代の変化へ柔軟に対応 国内の業界団体であるインドネシア電子商取引協会(idEA)によると、バイクタクシー配車アプリを展開するGo-Jekのような新規事業の成長を支えるスマートフォンが国民に浸透することで、同国のデジタル産業は今年15億米ドルに倍増する見通しだ。インドネシアの通信・情報省の試算によると、ECプラットフォームを利用した取引は、2020年までに1300億米ドルに達するという。しかし既存の規制は、デジタル技術の急速な革新に対応するには、時代遅れのものとなってしまっている。ジョコ・ウィドド大統領は2009年にバイクタクシーは違法としたが、将来的な法改正で同サービスを許容するような方法を見つけ出すとし、政権にGo-Jekについて「見て見ぬふりをする」よう求めざるを得なかった。 財界要人も外資参入による競争激化を認容 ダルミン・ナスティオン調整相(経済)は、インターネット上での財・サービスの取引やデジタルデータ、送金に関する今後の全規制について、ECロードマップの中でガイドラインを設定すると説明した。政府と国内のデジタル産業の事業者が共同で作成したロードマップは、物流サービス、起業への融資、消費者保護、通信インフラ、ECビジネスに対する課税、人材育成、サイバー・セキュリティという7つの重要な課題に取り組んでいる。 ジョコ・ウィドド大統領は、ロードマップに法的拘束力を持たせるための大統領令を間もなく公布する予定だとダルミン調整相は話した。ECビジネスにおける外国人出資比率について、ダルミン調整相は「投資家は国内事業者とパートナーを組む必要はない」ことを意味すると話した。計画では、外国人投資家は(インドネシアの)国内事業を完全に支配下に置くことが可能となる。アマゾンやアリババといったEC分野の大企業はまだ、インドネシア国内に営業所を構えていない。 マタハリモール・ドットコムを傘下に持つ複合企業リッポー・グループのジョン・リアディ取締役は、EC業界への外資参入による競争激化を受け入れると話した。「我々は、ECに関する投資規制分野(ネガティブリスト)を解禁するという政府の計画を支持する」とジョン取締役はコメントした上で、インドネシアの物流システムを改善し、業界を支えるエンジニアをより多く育成するためにはより多くの投資が必要だと付け加えた。【翻訳・編集:NNA】

香港、中国の干渉で色あせる金融センターの魅力 HSBCは本社移転見送り

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、香港の現地記者ジェスロ・オー氏がレポートします。※本記事は2016年2月22日にQUICK端末で配信した記事です。 魅力減少…HSBC、香港への本社移転の見送り  中国では旧暦の年が明けて、十二支の申(さる)年が始まったが、世界の金融市場は暗雲が立ち込める様相となっている。株安にとどまらず、為替市場に波乱の気配が漂い、欧州の銀行のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が足元で急騰するなど2008年の金融危機と状況が似ており、市場の懸念を誘っている。英金融最大手HSBCホールディングス(コード@5/HK)がロンドンから香港への本社移転の見送りを決めたことは中国と香港の金融市場の魅力が色あせつつあることを十分に物語っており、中国と香港にとって大きな打撃となった。 石油関連融資にかかる欧州銀行の潜在的損失30兆円超も影響  中国経済の失速、人民元安とそれに伴う資金流出の動きが、今回の世界的な金融危機を後押ししている。風当たりが強い中国と香港では株式相場が早い時期から荒れ模様となっているが、市場の弱気な見方はいまだに変わらない。その背景には、中国経済がハードランディングすることのリスクに対する懸念、そして海外の金融危機の悪化に対する憂慮がある。為替市場の混乱、底値を探る動きが続く世界の石油価格、世界的な経済活動の低迷、ぬぐい切れないデフレの脅威。更には、各国が実施する金融緩和に景気てこ入れ効果が見受けられず、各国の中央銀行はいずれも手詰まり感を抱いている。  はかばかしくない景気の中、融資の需要が衰え、貸し倒れ率が上昇し、銀行の安定性を揺さぶっている。更には、石油価格の長期的な低迷に伴う石油業界の財務危機が銀行業界にも次第に悪影響を及ぼしつつある。欧州の銀行が抱える石油業界への融資の潜在的な損失額は2100億香港ドル(1香港ドル=約14.5円)に達するとされており、石油会社が融資の返済不能に陥ったり、更には倒産した場合、銀行業界は間違いなく巻き添えを食うことになる。最近の世界的な銀行のCDS保証料率の急騰は、銀行のデフォルトリスクが高まりつつあるという市場の見方を反映している。このような銀行のデフォルトを懸念する信用危機は08年の金融危機前の状況と酷似しており、投資家たちを寝ても覚めても不安にさせている。一方、石油価格については、いまだに減産による価格下支えに向けた協調の足並みがそろわずにいる。各石油産出国は手当たり次第にシェア争いをするだけで、互いにつぶし合いをしている。こうした「国際不協調」は危機を深めるだけだ。 金融センター街として求められる資質は  香港は海外の金融市場がもたらす負の圧力に直面しているだけでなく、国際金融センターとしての魅力を徐々に失いつつある。英国最大の金融機関であるHSBCホールディングスは近年、英国の大幅な銀行税引き上げを受けて本社移転を検討してきた。最終的に香港回帰またはロンドン残留という二者択一となっていたが、結果として同行は本社を移転せずロンドンにとどめる決断を下した。HSBCは対外的な説明で主に経済や金融面での配慮を要因として挙げた。しかし、近年の中国経済の失速や昨年の「暴力的な景気てこ入れ」後に中国が実施した一連の為替や香港のオフショア人民元市場への介入行為と関係があるとの見方が、市場で少なくない。また、最近、香港の「銅鑼湾書店」を経営するビジネスマンの李波氏が調査協力のために中国関連当局に特別な形式で本土へ移送されたとされる事件が起きた。この事件により、香港の一国二制度が崩壊したとして香港の長期的な法治に対する外国企業の懸念が生じたことから、HSBCがロンドン残留を決断したのだとの指摘もある。  法治、自由、そして政府の干渉の少なさは、香港が金融センターとして世界中の投資家を惹きつける要因である。こうした優れた点がダメージを受ければ、必然的に香港の魅力が損なわれる。香港が今後も一国二制度と司法の独立を守っていけるかどうか、そして、中国が香港に対する干渉を減らすかどうかという問題は、香港が金融センターとしての優勢を維持する上でカギとなるため、中国と香港の政府は慎重に対応すべきである。

インドネシア、REIT市場活性化へ 減税策が追い風

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。※本記事は2016年1月29日にQUICK端末で配信した記事です。 規制緩和で資金調達容易に インドネシア政府が景気刺激の一環として、不動産投資信託(REIT)に関連する税規制の緩和政策を打ち出したことにより、不動産各社は今年、REITを通じて数十億米ドルを調達する見通しだ。インドネシアは数年前にREITの枠組みを整備したが、課税問題が不動産各社に二の足を踏ませ、同国に上場するREITは1社にとどまる。 インドネシア政府は昨年11月、不動産企業がREITの原資産にする不動産の移転先として設立する特別目的事業体(SPV)とREITそのものを単一の企業体として承認することを決定した。それまでは、REITとSPVの配当それぞれが課税対象となっており、投資家や不動産企業の負担を重くする要因となっていた。 金融監督庁(OJK)と財務省は現在、REITへの課税をさらに軽減するため(新たな)規制の最終案をまとめている。財務省案では、不動産企業が資産をREITにした場合に得られるあらゆるキャピタルゲインについて、所得税を1%に引き下げる方針だ。現在の税率は5%に設定されている。 OJKのムリアマン・ハダッド長官は「OJKと財務省は2月までに新規制を発布することで合意している。多数の企業が規制緩和に関心を示していることから、規制導入により投資を呼び込めると期待している」と語る。 不動産企業のREIT上場意欲増加…海外企業の国外案件にも期待 インドネシアの不動産業界最大のロビー団体、インドネシア不動産協会(REI)のエディ・ハッシー会長は「不動産企業は二重課税の廃止や減税案を歓迎するだろう。これらの措置は、不動産業界の成長加速につながるはずだ。REITには、不動産開発業者の新たな資金調達方法として大きな可能性がある」と期待を込める。実際、年内にREITを発行する計画を(すでに)発表している企業も数社ある。チプトラ・デベロップメントのコーポレート・セクレタリーを務めるツルス・サントソ氏は、政府が資産移転にかかる税金の引き下げを承認するのを待ち、子会社チプトラ・プロパティーの保有する不動産で構成される5兆ルピー(3億6200万米ドル)規模のREITを発行する計画と明らかにした。 チプトラと競合するスマレコン・アグンのアドリアント・P・アドヒ(Adrianto P. Adhi)社長によると、スマレコンもまた、当初予定していた子会社スマレコン・インベストメント・プロパティー(Summarecon Investment Property、SIP)の新規株式公開(IPO)に代え、年内に2億米ドル規模のREITを上場することを検討しているという。 さまざまな減税措置は、不動産部門への海外投資家の誘致に関して、インドネシアの競争力強化につながるはずだ。 OJKで資本市場の主任監督者を務めるファフリ・ヒルミ(Fahri Hilmi)氏は、「(インドネシア)の税制を他国に比べて競争力がある内容にするため、見直しを進めている。そうすることで、海外企業がインドネシア以外で進める案件についても、インドネシアでREITを上場するようになる」と期待を示す。 リッポーG、REIT移転で価値向上を期待…PwCは供給過多懸念 インドネシアの不動産開発最大手リッポー・グループは今年、減税措置を活用するため、シンガポールで上場しているREITをインドネシアに移動する方針だ。同グループは現在、シンガポール取引所(SGX)に35兆ルピア相当のREITを上場している。リッポー・グループのジェームズ・リアディ最高経営責任者(CEO)によると、それらのREITをインドネシアに移転することで、同グループのREITの資産価値は向こう3~4年で100兆ルピア超に増加する見通しという。 ただ、国際コンサルタント企業プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が最近発表した報告書は、インドネシアの不動産市場では今年、オフィスと高級居住用物件が供給過多になる可能性があると指摘し、同部門の利回りが低下するとの見方を示している。PWCは、「包括的な成長見込みはこれまでと同水準のままだが、米国が(おそらく)金利引き上げの準備をしていることへの懸念に加え、世界各国の一次産品市場の全般的な下落(インドネシア経済はそれらの市場に多少なりとも依存している)、ジャカルタの商業用物件分野が供給過多になっていることへの懸念などから、今年は東南アジア地域全体で経済の不安定さが高まりつつある」と述べている。【翻訳・編集:NNA】

人民元安、資金の大量流出招く 香港にも株・不動産の下落が波及

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、フィリップ証券(香港)のルイス・ウォン(Louis Wong)氏がレポートします。※本記事は2016年2月3日にQUICK端末で配信した記事です。 株安対応に追われる中国市場、元安にも影響 今年に入り、中国人民元建てA株の下落が続いている。上海総合指数は1月27日に一時2638と約1年1カ月ぶりの安値をつけた。海外の株安が重しとなったほか、投資家の中国経済減速に対する懸念や人民元の更なる下落が中国株の弱気な見方につながった。中国人民銀行(中央銀行)は昨年8月、人民元の市場化の度合いと基準性を高めるため、対米ドル為替レートの基準値(中間値)の算出方法を改善することにしたと宣言した。これは2005年7月21日の為替制度改革に続く、人民元の為替レート形成システムに関する新たな改革となった。 この新たな為替制度改革のあと、人民元は対米ドルで大幅に下落した。背景には多くの原因がからんでいるが、中でも株式市場が大きく関係している。昨年6月以降に中国株のバブルがはじけると、中国政府はシステマティック・リスクが発生することを回避するために一連の措置を取った。これらの措置には人民銀による様々なルートを通じた市場への流動性の提供が含まれたが、これにより通貨の投入量が過剰となり、人民元の引き下げ圧力となった。 元安はリスク要因…介入効果に疑問 経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)面では、過去約2年間に人民元が対米ドルで上昇し、既に中国のファンダメンタルズからかけ離れた水準にあった。また、人民元高は製造業や輸出に深刻な重しとなった。海外の需要が弱まったこともあり、15年の中国の輸出は前の年から1.8%減少した。一方、新興国市場で通貨が大幅に下落した影響で実質実効為替レートが過度に人民元高となったことも、人民元相場の押し下げ圧力となった。  これまで人民元相場の長期的な上昇の流れを背景に、海外から大量のホットマネーが中国に流入していた。こうしたホットマネーの一部は不動産市場に流れ込み、不動産価格の高騰を引き起こし、バブルを形成した。しかし、過去約2年間で不動産市場は減速し、不動産価格に下げ圧力がかかった。多くの海外資本が不動産を売却して利益を確定し、資金を海外に送り返し始めている。人民元に下落圧力がかかると、こうした海外資本の資金回収意欲が一段と強まる。また、これまで持続的に人民元が上昇するとの予測に加えて、欧米や日本の金利が量的緩和で過度に低水準にあったことで、多くの中国企業は様々な手段を講じて海外融資を行っていた。人民元安になれば、こうした企業は深刻な為替差損を抱え込むことになる。  人民元の持続的な下落は、中国の外国為替資金残高の大量流出を招いた。昨年12月末時の外国為替資金残高は24兆8500万元と前月比で7082億元減少し、減少幅が過去最大となった。一方、中国の外貨準備高は3兆3304億米ドルで、約3年ぶりの低水準となった。昨年通年では約5120億米ドル減少し、記録が存在する限りで過去最大の減少幅だった。外貨準備高の持続的な減少は人民元相場に今後更なる押し下げ圧力がかかることを示唆しており、市場の人民元安観測が強まることになる。人民銀が介入したとしても必ずしも人民元安の流れを変えられるとは限らないだろう。 香港不動産価格、調整長引く恐れ 一方、香港では人民元安が異なる影響をもたらす。為替レートでは、人民元安は同じく香港ドル相場の押し下げ圧力となる。1月20日に香港ドルの対米ドル為替レートは一時、07年8月以来の安値水準にまで下落した。香港ドル相場の下落を受けて香港株も大幅安となり、主要株価指数であるハンセン指数は1月21日に一時1万8534ポイントの安値を付けた。経済面では、人民元安が中国本土からの旅行客、その中でもとりわけ個人旅行客の香港における消費減につながり、香港の小売業に打撃となる。これまで人民元の持続的な上昇に伴い香港の不動産価格が相対的に安くなり、大量の中国本土資金が香港の不動産市場に流れ込んでいた。人民元の下落により、香港の不動産市場へ流入する資金が今後は減少し、香港の不動産価格に更なる調整圧力がかかることになるだろう。

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