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香港にIMAXチャイナが新規上場 中国映画産業は急成長、興行収入は米国に匹敵

記事公開日 2015/10/23 11:43 最終更新日 2018/1/9 18:01 経済・ビジネス コラム・インタビュー 中国・韓国・アジア アジア特Q便

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回は、フィリップ証券(香港)のルイス・ウォン(Louis Wong)氏がレポートします。この記事は10月13日にQUICKの端末サービス上で配信されたものです。

IMAXチャイナHD上場…先進的映写システムの提供で4億香港ドル超を調達

映画好きであれば、IMAXについて聞き覚えがあるだろう。IMAXの映写システムは、IMAX DMRという映像リマスタリング技術や先進的な映写システム、湾曲スクリーン、幾何学的な構造を持った専用シアター、プロフェッショナルな音響システムを結集して、従来の映画館よりも強烈で臨場感のある刺激的な体験を映画の観客に提供する。

中華圏でIMAX技術を提供するIMAXチャイナ・ホールディング(コード@1970/HK)が10月8日に香港株式市場に上場した。資金調達額は約4億6000万香港ドル。同社の主要業務は映画館業務と映像業務の2大業務からなる。このうち映画館業務には、提携先である映画館運営会社を対象とした優れたデジタル映写システムの設計、調達、提供のほか、関連プロジェクト管理や継続的なメンテナンスサービスの提供が含まれる。一方、映像業務には、専有のDMRリマスタリング・プロセスにより、ハリウッドや中国語の映画をデジタルリマスター技術を用いてIMAXフォーマットに変換し、中華圏のIMAX映画館ネットワークでこれらの映画を放映することが含まれる。

映画館業務の収入は、映画館運営会社から徴収するIMAX映写システムや同システム関連のサービスやブランド・技術ライセンス、メンテナンスサービスに関する費用からなる。一方、映像業務の収入は、提携先の映画製作会社のIMAXフォーマット映画興行収入の中から固定の比率に基づいて得る利益からなる。このような収益体制とすることで、映画興行収入の成功を共有する一方、映画製作に必要な大量の資金投資に伴うリスクを抑えることができるのだ。

月間興行収入が初の米国越え…急成長する中国の映画産業

過去数年間、中華圏でIMAXシアターの数は急速に増加した。中華圏で運営されているIMAXシアターの数は、2012年時点で128カ所、13年時点で173カ所、14年12月31日時点で234カ所、15年6月30日時点で251カ所となっており、年平均成長率が30.9%に達した。中国で設立されてから15年近くとなるIMAXチャイナが同国で運営する商業用IMAXシアターは今年6月末時点で221カ所と、中華圏で運営されているIMAXシアター全体の88%を占めている。また、今後に提携契約が結ばれることになるIMAX放映システムが217カ所あり、その多くが商業用映画館で、97.2%が中国にある。

ここ数年間で中国の映画産業は急速に成長した。統計によると、10年~14年の期間における中国の映画興行収入の年平均成長率は30.7%だった。一方、同期間の米国の映画興行収入の年平均成長率はマイナス0.5%、世界全体ではわずか4.2%だった。中国の映画興行収入は今年1~9月期で327億人民元に達し、前年同期の217億元から51%増加した。今年2月、中国の月間映画興行収入は初めて米国を越え、中国は世界最大の映画市場となった。今年は映画興行収入が400億元を突破する見込みだ。

中国では映画興行収入の急増とともに映画館の数も急激に増えている。10年時点で2000だった映画館の数は、14年に5813に達した。今年上半期(1~6月期)では新たに600が増設され、6413となった。また、同期間にスクリーンの総数は2449スクリーン増の2万6244となり、1日当たり平均で13.5スクリーン増えた。座席の総数は30万6000席増加、1当たり平均で1692席増となった。17年には映画館が9591、スクリーンが4万123に達すると予測されている。

 

”映画館チェーン”…独特な政府規定も

香港株式市場に上場する企業の中には、星美ホールディングス・グループ(コード@198/HK)や橙天嘉禾娯楽(コード@1132/HK)といった中国の映画業務に携わる企業がある。星美は今年6月末時点で中国の主要都市に映画館が130、スクリーン数では1000超を有している。同社の中国全土における映画館の総数は15年末時点で200に達する見通しだ。また、同社の映画興行収入は今年1~8月期で前年同期比89.34%増加し、中国全土の同期の増加幅である47.73%を大きく上回った。一方、橙天嘉禾娯楽は今年6月時点で中国で映画館を合計63運営しており、スクリーン数が合計447となっている。

中国の映画産業における「映画館チェーン」とは、独特のものである。同国政府の規定によれば、中国の映画館はいずれも映画館チェーンに属さなければならない。また、映画館チェーンが映画館の放映権限をコントロールしているため、映画配給会社が映画館に映画を直接配給することができない。今年1月時点で中国では合計48の映画館チェーンがあり、トップ10の映画館チェーンが中国の映画興行収入の66.8%を握っている。最大の映画館チェーン運営会社は深センの中小企業向け株式市場「中小板」に上場する万達電影院線(コード@002739/SZ)である。

 


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