日銀が4日に本石砲(日銀のETF買い)を発射し、ETFを705億円買い入れた。この日の前場のTOPIXは0.39%安で終え、市場では買入ペースが早いことから発動基準が厳しくなるのではないかとの警戒感があったが、今年は前引け時点のTOPIXの下落率が0.3%以上の日にETF買いが見送られたことはなかった。発動基準の厳格化はひとまず杞憂に終わった。買入額も前月(703億円)から2億円増えた。
今年の日銀のETF買入額は現時点で3兆3976億円となっている。毎営業日に12億円を買い入れている「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」を除いたものだが、7月4日までで前年同日時点(2兆7969億円)を6007億円(本石砲8回分)上回る状況となる。年間で6兆円の増加ペースを5272億円(同7回分)上回る状況でもあり、日銀が相場の下支え役として積極的に動いている。(片平正ニ)
★日銀のETF買いの累計額推移(7月4日まで)
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