米連邦準備理事会(FRB)は1月30~31日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.25~1.50%で据え置くと決めた。
声明は物価について「前年同月比での物価上昇率は今年は高まっていくとみられる、中期的には2%近辺で安定するだろう」との見解を表明。前回12月の「物価上昇率は若干2%を短期的に下回るとみられる」から、ややインフレに対して強気の見方に修正した。今回の結果に対する市場関係者の見方をまとめた。
ゴールドマン、「3月利上げの可能性を85→90%に引き上げ」
FOMC声明を受け、ゴールドマン・サックスは31日付のリポートで「12月の声明より、大部分でアップビートな文言に変更された。3月のFOMCでの利上げ確率を従来の85%から90%に引き上げる」と指摘した。
バンカメ、「声明でタカ派シグナル、インフレ見通しに決定的な変更点」
バンクオブアメリカ・メリルリンチは31日付のレポートで「FRBは声明でタカ派的なシグナルを発した」と指摘。「FRBはインフレ率は上昇し、中期的には目標である2%程度で安定的に推移することを想定している」とし、「インフレ率は2%をやや下回る水準で推移を続けると表現した12月の声明を考えると、決定的な変更となった」との見方を示した。
UBS、「FEDがインフレに対して少し強固になったと自信」
UBSは31日付のリポートで「FED内部で議論が進化しているだろうが、事実として変更があった。この変更が意味するところは、FEDがインフレ率の上昇が少し強固になってきたと自信を持っていることを現している」と指摘した。
JPモルガン、「『さらなる』段階的な利上げに変更、利上げ期待を織り込ませに」
JPモルガンは31日付のレポートで「声明には興味深い変更点が数点あった」と指摘した。 「最も興味深いのはフォワードガイダンスの文言の変更だった」とし、「従来は『段階的な』金融政策の変更と『段階的な』利上げとしたが、1月FOMCでは『更なる』との文言が追加された」という。
「FRBは利上げ期待を市場に織り込ませる意図があるのではないかと当社は解釈する」との見方を示した。
「インフレ見通しではFRBは従来、『2%をやや下回る状況が続いている』としたが、1月は『2018年は上昇する』と表記した」という。「1月FOMCの声明は想定よりもややタカ派的だった」とした。
(QUICKデリバティブズコメント)
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