師走に入り、2017年も1カ月を切った。十二支の酉(とり)年にあたる今年の東京株式市場は、日経平均株価が四半世紀ぶりの高値に急上昇し、「申(さる)酉騒ぐ」の格言通りの展開となった。18年は戌(いぬ)年。「戌笑う」にならえば、来年も相場の上昇が続く見通しだ。
今年の日経平均を振り返ると、年初から11月末までに3610円(18.9%)上昇した。年末に2万3000円を回復すれば2割高となる。日経平均の算出が始まった1950年以降、5回の酉年の上昇率は平均15%。このままいけば、今年は平均を上回ることになる。
戌年の日経平均の勝率は80%と、亥(い)年や酉年と並び、申年の83%に次ぐ2位。平均上昇率は9.8%と十二支では7位だが、勝率は悪くない。06年の上昇率は6.9%で、94年は13.2%だった。82年は4.4%だったが、58年は40.5%と大幅に上げた。唯一下げた70年は世界的な投資信託の運用会社を巡る不安が世界株安につながった「IOSショック」で、15.8%安となった。
干支(えと)は十二支と十干(じっかん)からなる。18年は十干でいうと戊(つちのえ)。戊の戦後の勝敗は4勝2敗だ。勝ち星の方が多いが、直近の戊である08年は米リーマン・ブラザーズの破綻で日経平均の下落率が42.1%と過去最大を記録した。98年の戊は日本長期信用銀行(現新生銀行)や日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)が破綻し、年間で9.3%安となった。
来年は60年に一度の「戊戌(つちのえいぬ)」だ。前回の1958年の戊戌に日経平均は4割高となった。当時はちょうど「岩戸景気」が始まったころだが、足元はアベノミクスで戦後2番目に長い景気回復期にある。
みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリストは来年の日経平均は上昇しても1桁台にとどまると予想する。「すでに17年に大幅高となったため、来年の上昇余地は限られそうだ」という。来年の話をすると鬼が笑うが、戌はしっかり笑ってくれるだろうか。
【日経QUICKニュース(NQN) 三好理穂】
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