与党の圧勝に終わった10月22日投開票の衆院選を受けて、11月のQUICK月次調査<外為>では日銀の次期総裁に黒田東彦総裁が再任されるとの観測が一段と強まりました(調査期間11月6~9日、回答者数76人)。衆院選の結果も踏まえ、2018年4月に任期満了を迎える黒田日銀総裁の後任は誰になると予想しますか、と外国為替市場の関係者に聞いたところ、最も多かったのは「黒田東彦・日銀総裁(再任)」で79%と8割近くを占め、次点の「中曽宏・日銀副総裁」が10%、その他の候補者は一桁台にとどまりました。QUICK月次調査<外為>では市場の次期日銀総裁予想を毎月観測してきましたが、11月調査では黒田総裁の再任を予想する回答割合が前回調査から一気に24ポイントも拡大しました。外為市場はアベノミクスの継続と同時に、黒田総裁の再任をほぼ織り込んだ形です。
日銀は10月30~31日の金融政策決定会合で、2017年度と18年度の物価見通しを引き下げましたが、大規模な金融緩和を続ける方針を改めて示しました。QUICK月次調査<外為>で「現時点で追加緩和は必要と考えますか」と聞いたところ、「現状維持でよい」が7割を占め、「金融引き締めに向かうべき」が15%、「追加緩和は必要」は7%にとどまりました。
市場関係者の自由回答では、「日本は2%の物価上昇はほぼ不可能。緩和は長期に続く」「金融緩和と円安に依存した経済政策が続き、構造改革が遅々として進まない状況も変わらない」「下手に追加緩和を行った場合の反動(バブル崩壊のような形)が怖い、現状は静観が妥当」といった声が聞かれました。
※Qr1などQUICKの情報端末では、月次調査の詳細とヒストリカルデータをご覧いただけます。